久しぶりに読んだ本の冊数が買った本の冊数を上回る。つまり積読が減りました。それは端的に言って、AmazonのKindle本セールが刺さらないからです。気になって日本の古本屋さんから取り寄せる本は増えている気配…。2023年2月の読書メーター 読んだ本の数:15冊 ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/132173/summary/monthly/2023/2
『脱炭素なら牛と牧草のタッグが最強です』。牛の群れを自然の中を遊牧させる酪農は日本でもあちこちにある。正しく育てれば牛は救世主であると各国の人々が言う。誰が工場で培養された牛肉やら3Dプリンターで整形した寿司ネタやらコオロギやらを食べたいだろう。そして今生きている牛を潰せば補助金を出すと農水省は言うのだ。人工的な生産物で稼ごうとしている大企業の摺り込みは無視して、肚を据えて、正当に育てた野菜や肉を選ぼう。問題は、すでに食べ物の値段が狂っていて、これまでとの相対的な感覚で「高い」と感じてしまうこと。
なぜこんな表紙なんだろう。損をしているように思う。堤さんは真っ当なジャーナリストであり、アメリカ居住中に崩した体調を帰国して取り戻した体験がこの本を書くきっかけになったという。内容はいたって正当に事実を積み重ねたものである。ただ、どの著作も国家政府にも大企業にも不都合な事実満載なので、良い扱いを受けないであろうことは察せられる。伴侶は川田龍平参議院議員、ローカルフード法成立を推進しているとのこと。そう、志ある議員も企業もあるのだ。小さな活動に合流して、私たちの食べ物を取り返しましょう。
『土の耕起は微生物の活動を活性化し、大切な土の有機物が分解されてしまった。さらに、休閑の間、作物の被覆がなくなるために、風雨による土壌侵食も深刻化した』。ここ、これから読む予定の本に繋がっていく予定。
決算書類を取りに来る時しか顔を見ない担当とか、金融商品を売るだけ売って挨拶も無しに転勤していった上役とか、香川県で羽振りがいい方の地方銀行に入行した同級生と一緒に飲みに行ったときのこととか、嫌な記憶ばかりフラッシュバックするストレスフルな読書になった。深くお詫び申しあげますってどの件かしら。
『M銀行で30年近く働いていたことは、なんのプラスにもなりません。あなたの経歴や保有資格には魅力が感じられず、あなたの市場価値は高くありません』。人材派遣会社で言われたという。銀行のことしか知らない55歳が、自分にセカンドキャリアがあって当然と考えている事実に驚愕する。今、この状況の日本で。斡旋出向の受け入れ先が近年少なくなった理由は、他にもあると私は思いますよ。まあ、みずほ銀行ゆえの減点もあるでしょうけれど。
『持続可能性の領域などで、新しい規範が生まれつつあると人びとに伝えると、その結果として予言が現実になることがある。多くの人は歴史の流れに逆らいたくないと思っている。あることをしている人が増えているのを目の当たりにすると、それまではむずかしいと思っていたこと、不可能だとすら思っていたことを実現できると考えるようになるかもしれない。実現しないわけがないとさえ考える人だって出てくるだろう』。これは根源的に重要なことを指摘している。社会を動かすのがなべてナッジなら、他者が受け取れる形での表明は人の義務ではないか?
スラッジの塊のような行政事務処理は枚挙に暇ないが、その啓発についても「~しないようにしましょう!」「~やめましょう!」と広報カーを市内中走らせる、また警告ポスターをそこらじゅうに貼る行為を、仕事しました、ナッジでございと大きな顔をするのはいかがなものかと思う。ナッジとは人間工学同様、もっとスマートなものであるべきと私は考える。なんでもかんでも目に見える何かを予算立てて委託するのではなく、ほんとうに効果的な働きかけをこれら科学的根拠に基づいて議論し実行する、それを本来の仕事だと思ってほしい。
大杉栄と神近市子との三角関係から一時期浮気性とか野放図なイメージばかりが先行した野枝ちゃんの真面目でひたむきな悩みと覚悟が伝わる大好きな文章です(*^^*)「自身の愛着や同じ女性による反感の部分が小さくない」ゴルドマンに憧れながら自分の中にも解放への大きなブレーキがある事に思い至れるって凄いですよね。野枝ちゃんを読む方がいらっしゃるのが何だか嬉しいです♪ご紹介ありがとうございました(*^。^*)
良い作品でした。ほぼ自画像かなと感じました。真剣ですよね。本人の書いたものもたくさんあり、また人物像を描いた本も色々出ているので、どこから取りかかろうかと思いながらこれが初コンタクトになりました。私も野枝ちゃんて呼ぼう。かわいいお名前^^
でも、碑すら人の都合で遷され忘れ去られるのだ。ではこの、作家の業みたいな、言葉にぐるぐる囚われたような文章なら遺るだろうか。何でもいい。大きなものじゃなくていいから、いろんなものを数多く遺しておけば、どれかは後世に伝わるのではないかと、これは複次的に言葉を受け取った者の、ささやかな祈り。
本は買って読む派。
本棚とKindleの両方で積読しています。
<ジャンルの配分目標>
フィクション(小説)45%
ノンフィクション(エッセイ)10%
ノンフィクション(ルポ、学術、趣味実用)45%
環境、自然、動物、人間、武術に関心があるみたいです。
歳を重ねるごと興味が広がり、読みたい本が増える加速度との板挟みです。できるだけ偏らないように、1冊読み終えたら違う種類の本を選ぶようにしています。
その結果、一見しっちゃかめっちゃかな選本ですが、大切にしたい核はしっかり一貫していることに、自信を覚えはじめています。
お気に入りは関心の似た方、感想に尊敬の感を持った方にしています。お義理では返しません。読み友さんの感想やつぶやきを読むのは楽しみですが、本に関係ないつぶやきが余りに多い方には、そっとさよならします。
<好きな作家リスト>
◆国内◆ 内澤旬子 内田樹 小野不由美 開高健 小松左京 佐野洋子 高野秀行 田口ランディ 種田山頭火 恒川光太郎 寺田寅彦 中島敦 中島らも 南木佳士 半藤一利 福岡伸一 森下典子 養老孟司
◆国外◆ アゴタ・クリストフ イーユン・リー オリヴァー・サックス ケン・リュウ サキ サマセット・モーム ジュンパ・ラヒリ ショーン・タン スティーヴン・キング マイケル・クライトン メイ・サートン (50音順)
<好きな出版社リスト>
亜紀書房 英治出版 光文社(古典新訳文庫) 草思社 築地書館 早川書房 ポプラ社(百年文庫) みすず書房 (50音順)
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