小さめで薄い本だけれど、優しい気持ちになれる本。呪いをかける、といいながら、実は祝福。攻撃といいながら、お礼。

東日本大震災の1年後に出された短編集。地震、原発事故を題材に様々な作家が執筆。直接的に表現している作品は少なかった。

「或日の大石内蔵之助」「戯作三昧」「袈裟と盛遠」「地獄変」「蜘蛛の糸」「奉教人の死」「枯野抄」「杜子春」人の深層心理、二面性に関しては、自己を投影している部分はあるのだろうけど、文章表現はさすが。今でもこの人以上に表現できる作家は少ないのでは、と思う。

2010年芥川賞受賞作品。箇条書きのような短い文章で書かれた作品。アンネの日記を題材に、外国語大学の生徒（乙女）について。女性の性質を、乙女と呼びながら的確に表現していた。結局、何が言いたい作品なのかはわかるような、わからないような。乙女からの自己の確立？作者は7年後、42歳で、急性肺炎で亡くなられています。

図書館処分本から適当にもらってきたのだが…ホラー系だった。後半は恋愛模様もあったけれど、全体的に気持ち悪い系の怖さ。最後、一族にはけりがついて、良かったのか？

1980年前後のエッセイ集。まだ寂聴を名乗る前 。明治〜大正の作家さんたちの話題が多かった。最後の仏教についての話は難しかった。

さがしているのは、人でなくて、物の方。「ピカドン」がなかったら、広島に原爆がおちなかったら、続いていたはずの生活、未来。一つ一つ、持ち主について書かれると、知識としては知っていても、本当には分かっていなかったと思わされる。

小さめで薄い本だけれど、優しい気持ちになれる本。呪いをかける、といいながら、実は祝福。攻撃といいながら、お礼。

「土神ときつね」「カイロ団長」「雪渡り」「なめとこ山の熊」

「やまなし」「双子の星」「おきなぐさ」「祭の晩」

主人公、気持ち悪っ、と思いながら何とか読み続けた。気持ち悪い路線は最後まで変わらず（笑）10年後に話が変わったら、突然殺人事件、そこから遡る過去の謎。彼女が死んだ理由は予想外。余計なことをしなければ良かったのに…。 文体は普通なのに、「メモった」という表現が2回あって、そこだけ違和感。

「やまなし」クラムボンがいまだに謎。「雪渡り」かた雪かんこ、しみ雪しんこ、が懐かしい。「ふた子の星」題名は記憶にあるが、こんな話だったんだな。

永田町の秘密組織、内閣裏官房シリーズの、5作目。人間関係については、1作目から読んだ方がよいかも。政治の問題を何とかしろ！との上からの命令で動かざるを得ない人たち。結構無理難題を言われてる気がするが…最終的には力技？人情？（笑）

動かなくなると困るけど。そうだよねぇ、毎日頑張ってるもんねぇ。

過去の殺人事件と、タクシー誘拐、二つのストーリーが交互に語られ、現在の探偵が謎を解く。どうやって？の殺人事件と、なぜ？のタクシー誘拐、どう繋がるのかと思ったら…すっかり騙された（笑）結末はさらに現在にも繋がり意外な方向に。そこまでする？という感も。細切れに交互に話が進むため、読みにくさはあったけれど、解答編になってからは一気に読めた。

「ぼくらの七日間戦争」の作者、宗田理・文。訳でなくて？と思ったら、原作をもとにして、女の子を一人冒険に追加して書かれたものでした。原文は未読。この本の倍以上長いらしい。

高畑勲の初期アニメ映画。作画には宮崎駿の名前も。後の二人のアニメ映画の基本になったと思われる作品。