元奥さんみたいにずーーっと自分1人で家事をこなしてきたような人ならもちろん楽しいことばかりじゃなかったはず。結婚したての頃は夫を喜ばせようとしたり自分の家を好きなようにカスタマイズしたりできたけど、子供が1人増えただけで本当に掃除もままならないし自分のことなんて後回しになりがち。働いていたら尚更。そんな家に家事を分担しない、自分の話も聞いてくれない人間がいたらもちろん腹は立つし絶望もする。そんな感じだった夫が家事学校へ少し通っただけで「家事は誰の生活にも平等に喜びを与える」とか言い始めたら(続)
「なにきれいごと言ってんだ」って思うのは当然。だって家事学校にいる間は学びたいスキルだけを数時間で学べるんだから、そりゃ時間的にも精神的にも余裕あって楽しめるだろうけど。本当に自分の生活に戻ってきて、2人の生活あるいは家族の生活に戻った時も同じように分担しようと思えるかが肝ですね。 ということを感じた1冊だった。
タイトルの「水」は、清澄と水青の名前に由来しているだけではなく、家族みんながプールで楽しく泳いで遊んでいるのをプールサイドに座って「犬」のように見ていたおばあちゃんの記憶とも関係してるんだね。そんなおばあちゃんが「年を取ったからそれがなんだ。やりたいことは今からぜんぶやっていくんだ」と今度は自ら人生を謳歌するようになっていく描写もすごくよかった。友達に誘われたフラダンスではなく水泳をチョイスしているのもいい。
「女だから」とか「男だから」とか、そんなことが言われなくなる世の中になってほしい。別に男女で趣味が制限されるわけじゃない。だれが何を好きになったっていい。もちろん犯罪にまで発展しちゃうのはダメだけども。ちょっと変わった趣味を持つ人をまるっと受け入れるとまではいかなくても、「そういう人もいるのだ」と割り切って理解できるひとが増えたらいいと思う。石好きのくるみちゃんの話ももっと見たかったかも。
雑種系、なんでも読みます。
10代の頃あまり本を読んでなかったせいか、
今は何を読んでも面白い。
みなさんの読書レビュー等楽しく読ませていただいてます。
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