■カササギ補完として原書と『終わりなき夜に生まれつく』新訳、えげれす求めレンデル再毒■7月は警視と怪談に会うよてい■書影警察発動中■新刊なのに書影出ない案件はエリオット『オールド・ポッサムの抜け目なき猫たちの詩集』宇野亜喜良の装画がかぁいいのに■2023年6月の読書メーター 読んだ本の数:14冊 読んだページ数:5078ページ ナイス数:1471ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2023/6
(20230731memo)ハヤカワ文庫NV/モダンホラー・セレクションは1987〜1990に刊行。再版時に組み込まれたのを含め38冊。わが家には15冊。『悪魔の見張り』『スラッグス』『ムーン』『インキュバス』があるのがちょっと鼻高。
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の二・洋編〉3冊目。自前図書館の幻想書棚で2番目に高額本。アンソロジー好きとしては巻末付録の「怪奇幻想文学アンソロジー・リスト」と「怪奇幻想文学叢書・全集リスト」がかなり便利だと再確認した。
ピーター・ヘイニングの捏造問題については新紀元社『幻想と怪奇13』掲載、《長らく“作者不詳”だった「謎の男」》という白石圭氏の文章で知ることとなった。ヘイニング捏造疑惑について興味深い記事の数々をWebで読むことができる。ルルーの件はほんの一例で、ブラム・ストーカー、M・R・ジェイムズに関しても数々でっち上げが行われているのだとか。手口としては、アンソロジー掲載原稿を自ら書く、実在しない作者を捏造、謝辞の相手を捏造、原典となる雑誌および翻訳者を捏造などなど…嗚呼
原書『Histoire Épouvantables』のドンピシャな仏語版が探せない。強いて言えば『Quelques nouvelles terrifiantes - Gaston Leroux』978-2378846312 か。胸像たちの晩餐会、金の斧、恐怖の旅館、ヴァンサン-ヴァンサンのクリスマス、ノトランプ、天鵞絨の襟の婦人の6話収録。むしろ1980刊行の Peter Haining編『The Gaston Leroux Bedside Companion』978-0575028265の仏語版を邦訳?
アシダカグモ年記、最初から読んでみました。Millet.Kさんは、こういう楽しみを持っていたのでした。楽しそうでなによりです。本も図書館で探したのですけど、置いてなかったです。アマゾンじゃあ5000円也。諦めました。
tomさんコメントありがとうございます。人生楽しんでいますので大丈夫です笑。専門家には雑なことしていないでキチンと観察すればとアドバイスされましたが、飼育ではなくあくまでも自然な状態での同居がミソなのです。図書館になかったとは残念。赤穂市、西脇市、淡路市、宝塚市、姫路市、たつの市、芦屋市にそれぞれ1冊ずつあるようですよ。私は幸運にも著者からどなたかへの謹呈本を収穫できました。古本市場に出回っている多くが図書館除籍本です。未だにこれを超えるアシダカグモ本が出てきていません。貴重な資料を除籍とは残念すぎます。
書店オリジナルのしおりですらほぼ手元にないかも。毒書黄金期の通勤電車で栞代わりにしていたのは、月報、ショップカード、服の値札タグなど。月報は今でも再毒時の愉しみである。
こんな栞があったとは、私も全然知りませんでしたー。これはぜひ巡回美術館などでやって欲しい。実物を見てみたいですね。私はもっぱら文庫についてくる栞を愛用。あとお菓子の箱に入ってるショップカードも可愛いのがあるので使ってます。
装画の仕事のきっかけはご存知、S・キング『ペット・セマタリー』。翻訳者・深町眞里子からのリクエストは「静・怖い・そして美しい」。キング作品の舞台である地方の町を描くときには、18歳まで暮らしていた静岡での体験や記憶が役立ったとのことだ。
“スモークしたホワイトフィッシュのペーストだ。食べる直前にトーストを仕上げる。泡はよく冷やしてある”(P77)メロディの父親アイヴァンは新聞社を経営。家族のために自宅キッチンで“普通の食事”を作りたがる。彼の言う“泡”とは、銀製アイスバケツで冷やしたヴーヴ・クリコである。“ジェマは手早く紅茶をいれた。ヨークシャー・ゴールドのティーバッグをマグカップに入れ、熱湯を注いでから牛乳を加える。いつものメロディならてきぱきと手伝ってくれるのに”(P248)ジェマから連絡なし。イラついたメロディは自宅を訪ねることに。
“元気が出そうなやつを、と頼んだが、そんな言葉ではいいあらわせないような酒だった。あらためてグラスを手にして、よく観察した。ウィスキーは淡い黄金色。かすかに緑がかっている。テーブルに置いてある水差しの水を一滴入れて、次のひと口をおそるおそる味わってみる。スモーキーな味わいの中に、甘さとなめらかさが生まれた。薬用ハーブの香りが広がり、最後にダークチョコレートのような味わいが残る”(P367)キンケイドにとり〈ウィスキー・ソサエティ〉はホッとできる隠れ家的場所だ。二ヵ月ぶりダグに会う前に元気が出そうな一杯を。
“不思議な味だった。自家製のハーブティだそうだが、緑茶とも紅茶とも、それ以外のどの茶とも違う。強いて例えるなら小学校の理科の授業で作った、たんぽぽ茶に近い。だがそれよりもずっと濃く、酸味も”(こうとげい P129)“平皿の上には「茱萸の一種」だという青紫色の木の実が十粒ほど載っていたが、こちらはほとんど無味無臭だった。噛んだ瞬間に皮が弾け、果肉も果汁も舌に乗った途端に儚く”(P130)新婚旅行先で古民家を見つけた。開店前のカフェだという。オーナーは男女の双生児。茶菓でもてなされ傘を借りホテルへ戻ると・・・
“ブリンツのキャビア添えに、きりっと冷えたウォッカ。次はサワークリームをのせてチャイブを散らした温かいビーツのスープ。それから野菜サラダ。つづいて口直しのレモン・シャーベット”(ストーカー P192)“おろしたてのぴりっと辛いワサビをのせた、おいしいビーフ・ウェリントンに、つけあわせは、茹でたポテトと千切りのニンジンとセロリ。そしてあのデザート!”(P193)ケラーマン妻の大河ラブロマンスに疲れシリーズ途中で別れを告げたが、短篇なら大歓迎だ。
“手を休めたのは、カニのビスク焼きととれたてのエンドウ豆とレモン・ムースという魅力的な昼食を、ハンナ・グルーエンとともに楽しんだときだけ”(P331)“オマハ・オムレツと手づくりのストロベリー・ジャムと新鮮なクリーム状のバターをつけたブルーベリー・マフィンをつつくナンシーを、ハンナが”(P336)“ナンシーの頭は猛然と働いていた。ベイクド・アラスカを食べている暇などほとんど”(P342)有名な少女探偵が主人公のパロディ「ナンシー・ドルーの回想」。ボビー・アン・メイソンはステキなティータイムを描く。
海外ホラー、ミステリ、SF主食の異形読み。
1999年「死ぬまでに10000冊の毒書」を宣言、
年間250冊を読みすすめるも途中7年の沈黙。
2012年、読メ登録とともに復活を果たす。
短編好き。アンソロジストに憧れを抱く。
紙本主義。装丁など本の佇まいにこだわる。
版ヅラやノンブル位置にキビシイ「組版警察」
密林のドイヒー画像が許せぬ「書影警察」
プラクティス好き「試走警察」
三一書房『サイコミステリーベスト100』を
2019年6月、30年がかりでコンプリート。
2020年11月「おあと6000冊」達成。
2023年3月プロフィール更新。
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