読書メーター KADOKAWA Group

2024年5月の読書メーターまとめ

ビシャカナ
読んだ本
20
読んだページ
1703ページ
感想・レビュー
16
ナイス
53ナイス
  • Xでシェア
  • facebookでシェア

2024年5月に読んだ本
20

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ビシャカナ
ゴッホと言えば、浮世絵の影響や、ゴーギャンとの交流と確執、そして耳を切り落とした事件や精神病医へ入院して自殺したなどセンセーショナルな印象があるが、この本では繊細な少年ゴッホを描く。フィンセントは眠れません。好奇心旺盛な一方で学校にも仕事にも馴染めず、夜の世界に幻想を見て絵にする事を夢見る。そして長い試行錯誤の末に「星月夜」が生まれた。今で言えば発達障害のような、かんしゃくもちで、さびしがりやで、はげしい心のもちぬし、フィンセントは眠れません。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月にナイスが最も多かったつぶやき

ビシャカナ

2024年4月の読書メーター 読んだ本の数:20冊 読んだページ数:1647ページ ナイス数:32ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/203062/summary/monthly/2024/4

が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
16

ビシャカナ
残された作品は35点で、生涯も謎に包まれているフェルメール。その僅かな痕跡と作品からインスパイアされて、当時のオランダのデルフトの社会情勢をもとに物語にした。宿屋と画商と画家の三足のわらじを履いて、子沢山で金が沢山必要だが、一瞬の光を捉える為にはただでさえ時間が必要だが、多忙の中では絵を描く時間もない。生活に追われながらも家族の交流は欠かさない、そして妻のカタリーナを『窓辺で手紙を読む女』娘を『真珠の耳飾りの少女』メイドを『牛乳を注ぐ女』に描き、そしてじっくり絵を書きたい自分を『絵画芸術の称賛』に描いた。
ビシャカナ
ゴッホと言えば、浮世絵の影響や、ゴーギャンとの交流と確執、そして耳を切り落とした事件や精神病医へ入院して自殺したなどセンセーショナルな印象があるが、この本では繊細な少年ゴッホを描く。フィンセントは眠れません。好奇心旺盛な一方で学校にも仕事にも馴染めず、夜の世界に幻想を見て絵にする事を夢見る。そして長い試行錯誤の末に「星月夜」が生まれた。今で言えば発達障害のような、かんしゃくもちで、さびしがりやで、はげしい心のもちぬし、フィンセントは眠れません。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
火焔型土器から草間彌生まで、古代から現代まで直感的にかっこいい、いさましいと感じるような日本美術を取り上げる。戦国武将の兜や、俵屋宗達の風神雷神図などいかにもな作品から、狩野永徳と長谷川等伯のバチバチのライバル感や、新時代に挑戦した菱田春草など、このテーマで意外な作品も取り上げる。縄文時代の尖頭器や、文字で書かれた「金光明最勝王経」まで取り上げるのは恐れ入った。子供向けの解説書ながら、これだけ幅広い作品を分かりやすく直感的に解説するのは素直にすごい。
ビシャカナ
誰もが作品を一度は見たことあるキース・ヘリング。幼い頃からとにかく絵を描くのが好きで、やがてニューヨークを舞台に壁から駅まで描ける所に描き続けた。周囲の人から何を言われようと描きたいものを描いた。ついには世界中で大人気の作家となるが、描き続けることをやめなかった。世界中の何にでも、子どもたちと一緒でも描き続けた「なんでも、すきにかいていいよ。いいとか悪いとか、きまりはないよ。きみたちの自由だ」若くして亡くなったキースの意思を継いだ財団は、キースの作品の管理と、その情熱を伝える。この本もその一つだ。
ビシャカナ
タイトルと表紙に鳥獣戯画がデカデカとあるが、実際は代表的な絵巻物を取り上げて、さらに絵本、絵手本、紙芝居、漫画、アニメと発展する歴史を追う。貴族文化を写した源氏物語絵巻、武士が台頭すると荒々しい酒呑童子絵巻など時代を反映する。コミカルな鼠草子絵巻や、やまと絵で創造を膨らませて異国を描いた玄奘三蔵絵など、絵巻物にも技術や作風でまったく異なる印象を抱いた。絵巻物の時代から定番だった竹取物語がは現代でもアニメになるように、物語が時代を映す鏡のようだ。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
とある港町のとある一家、漁に出た船が嵐にあえば残された人びとは、お宮に参り「おいわずさま」に祈りを捧げる。海に潜りすぎて目を悪くした海女は、めを書き詰めた紙をおじぞうさまに捧げ、足を悪くした人は足の形の木切れで自分の足を叩く、ピクニックで弁当を食べる時は山の神に一品捧げる。今の日本にも確かに祈りの習慣は存在している。てるてる坊主から、子どもの健康を祈る母の思いまで。
ビシャカナ
太宰府の大伴旅人の邸宅で開かれた梅花の宴。初春のめでたい月(令月)気淑く風和らぎ…花も咲き誇り香りに満ちて、朝に夕に幻想的な世界が広がっていた。天を日傘に、地を敷物に、気のあった者たちと語り合い、歌を作る。「令和」の元にになったのは梅花の歌の序文だった。絵本仕立てで物語ると和歌もグッと身近に感じる。幸せな気持ちの中で自分たちの思いを込めた歌を作ろうとする意思を、元号にするのは、日本社会の創造性に寄与するだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
東京オリパラで台湾選手を迎える町になった事をきっかけに、台湾のことを調べる少年を主軸に、台湾に直接赴いて、食文化から産業、自然に歴史、そして何より少年が野球を通して台湾の少年とも交友を深める。中国や日本、アメリカの食文化とも混ざり合い、過去には日本統治下で台湾が甲子園にも出場したなど、日本と台湾には確かな結び付きがあると感じる。表紙にも居るタイワンツキノワグマが本編に登場しなかったのは残念だ。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
父親の仇討ちのために弓の名手のユボギが虎退治に赴く、韓国で最も親しまれている昔話らしく虎や弓など、韓国らしさも感じる。しかし虎が人に化けたり、人を丸呑みにするほど大きかったり、虎が超常の存在であったり、ユボギがはハチャメチャにに強くて、虎に丸呑みにしても腹の中から突き破ったりと、日本とは異なる韓国の世界観も感じる。ゴン太の描線のエネルギッシュな挿絵も、どこか韓国らしさを感じる。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
森の中で生きるワタオウサギの親子、子ウサギのラグはヘビに噛まれたギザ耳になりながらも、母親から自然の中で生き抜く術を学んで、すくすく成長していった。色鮮やかで躍動的な絵柄で、森の木々と動物たちを生き生きと描いている。知能が高く親子の情も深い、かなり擬人化されたウサギの姿だが、それだけに人の胸を打つ。自然の豊かさと厳しさは本物だ。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
1914年のカナダの森の中の小さな町、湖の畔のホテルで暮らす少年アントニオは、ホテルで働く人や、趣味やビジネスで泊まる大勢の人と一緒に楽しく過ごしていた。その一方で豊かな自然に囲まれながら動物達の姿を見たことはなかった。そんなある日、森が山火事となり、ホテルの人々が湖の中に逃げ込んだ。やがて森の中からヘラジカやオオカミ、キツネにウサギまで逃げて来た。触れ合いそうな距離で人と動物が、捕食者と被捕食者が、静かに並んでいた。著者の祖父が体験した本当にあった話。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
あの葛飾北斎をマンガに出来るのかと訝しんでいたが、荒々しいタッチで、我が道を行く北斎の生き様を堂々と描き切る。幼少期から絵を描くのが好きで、好きが高じて版木掘りから浮世絵師となり、慣例を破って他流派を学び、不景気にも貧乏にも、同門のやっかみにも負けず、ただひたすらに絵を描いて、パフォーマンスから肉筆画まで、独自の作風を拓いた。あと5年あれば本物の絵師になれると89歳で亡くなるまで絵を描き続けた。私生活は謎が多いが、娘のお栄が名脇役、絵が人生、夫でも父でもなく絵師─葛飾北斎がそこにいる。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
グッと拳を握って仁王立ちするタヌキに惹かれて読んでしまった。かこさとしが少年時代に出会った、プランクトンを巧みな罠で捉えて栄養にする水生の食虫植物タヌキモ。タヌキのしっぽのような姿から名付けられたが、別種にムジナモがいて区別が曖昧なタヌキとムジナの関係もあってややこしい事や、食虫植物が進化して人を襲わないかと頭を悩ます少年時代の微笑ましさ。それはそれとして栄養を摂るために虫を捕食する食虫植物と、栄養が循環する自然の尊さも伝える。それにしても食虫植物を描くにも、ユーモラスで柔らかい絵柄が素晴らしい。
ビシャカナ
世界中に3000種を超えるムカデ、日本国内でも150種の記録があるが明確には不明。気持ちの悪い思い出しかないムカデだが、フルカラーの拡大した写真で図鑑として見ると、なかなかどうして美しくカッコいい。2020年に新種として登録されたリュウジンオオムカデは別格として、実は光るヒラタヒゲジムカデなど見所がある。日常的に噛まれる著者をして一番痛いのはトビズムカデ、ムカデを飼うならタッパーが一番など実体験も面白い。ゲジゲジがムカデの一種であることも驚いた。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
古代から現代まで日本の宗教の歴史を概観。寺社とあるように、神道と仏教が渾然一体となりながらも、圧倒的に仏教が政治と結びついて、支配体制を敷いていた。兵役逃れから、出世のための道具、全国に張り巡らされた本寺と末社、戦闘集団としての僧兵。一方で社会のために民衆のために教えを説いた親鸞や一遍もいた。その時々の権力者がいかに宗教に手を焼いたか、延暦寺の僧兵が日吉大社の神輿を担いで白河法皇を相手に暴れまわるなんて意味がわからない。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
軍隊の将軍が張ったテントが幕府の意味であるから、世界にも日本のも幕府は沢山あった。それはともかくとして日本で将軍に任命されて政を行い、幕府と呼ばれた存在を解説。幕府以前の朝廷が実権を握り、源氏も平家もガードマンにすぎなかったが、朝廷内の争いを源平が主導するようなり、やがて源平に由来する武士たちが力を握るようになる。御恩と奉公で成り立った鎌倉幕府は、御恩を返せず不満が高まり滅び、京に居住して京文化に感化さてるうちに主導権を失った室町幕府。
ビシャカナ
2024/05/04 02:42

やがて日本各地で弱肉強食の下剋上の時代となり、各地で戦国大名が生まれた。室町将軍を傀儡にして歯向かうなら追い出した織田信長、豊臣秀吉が天下統一すると太閤検地で全国の税を一律に管理するようになり、そして徳川家康は武家のみならず朝廷をも法律で締め上げて徳川が圧倒的な構造を作りあげた。

ビシャカナ
2024/05/04 02:42

その徳川も黒船のように外国勢力に攻められると、徳川の正当性のために朝廷に頼らざるを得なくなり、倒幕した明治政府も朝廷を担ぐ政治は残った。江戸時代の日本は六十余州の国がそれぞれ独自に領国経営を行っていたのだから、明治政府は連邦共和国になってもよかったとする著者の考えには新鮮な知見がある。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/28(5019日経過)
記録初日
2012/04/20(4996日経過)
読んだ本
3214冊(1日平均0.64冊)
読んだページ
508209ページ(1日平均101ページ)
感想・レビュー
2582件(投稿率80.3%)
本棚
16棚
性別
自己紹介

月に二十冊読むのが目標

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう