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2024年8月の読書メーターまとめ

ビシャカナ
読んだ本
21
読んだページ
1979ページ
感想・レビュー
16
ナイス
74ナイス

2024年8月に読んだ本
21

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ビシャカナ
毎年2つの種を実らせる植物を、種を毎年1つ食べて1つ植える男が、ある時から2つ植えたことで倍々ゲームで指数関数的に実る種が増えていく、絵本らしい繰り返しと数学的な世界が融合している自然が美しいように、数学も美しいという著者の言葉にも納得だ。
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2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

ビシャカナ

2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:20冊 読んだページ数:1810ページ ナイス数:36ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/203062/summary/monthly/2024/7

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2024年8月の感想・レビュー一覧
16

ビシャカナ
谷川俊太郎のこれまでの作品から、生きることをテーマにした箇所を抜き出してイラストを添える。詩とイラストが主従の関係にないようで、ハーモニーはないが独自の絵柄のイラストもあって不思議な味わいがある。“にんげんはなにかをしなくてはいけないのか はなはたださいているだけなのに それだけでいきているのに”“「生きてるってそういうこと」と言っちゃうと、何かその絵本を固定しちゃいそうですよね。「どういうこと?」って疑問形になってくると、読者の中で動くものがあるから”
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ビシャカナ
まさか天正少年使節団の学習まんががあることに驚いたが、彼らを通して当時の日本情勢や、キリスト教世界での日本での布教の意義などが解説されて大いに意義深い。師と四人の少年という僅かな手勢と不確かな案内で、海をわたり西洋の王侯からローマ教皇にまで謁見した旅路は感動もの、それだけに日本国内で禁教令が敷かれて、何十万人もいた信徒が棄教。そして少年団も、教会の階級性に嫌気が差して棄教した千々石ミゲル、病に倒れた伊東マンショ、マカオに渡った原マルチノ、布教を続けて殉教した中浦ジュリアン、それぞれの末路が悲劇的に映る。
ビシャカナ
謎の多い雪舟の生涯を、雪舟と一休が面識があったり、雪舟の師の周文都寺が世渡り上手など、学習まんがとしては禁じ手ながら、事実より想像を膨らませて、ドラマチックに描いており読み応えがある。目に見えるものより山水を通して心を描こうとした雪舟らしくもある。雪舟が諸国を旅する中で、絵の道具も心の支えであった尺八も子共に渡して、ひっそりと山水に中に消えていく描写には、学習まんがの枠を超えた表現を感じた。
ビシャカナ
毎年2つの種を実らせる植物を、種を毎年1つ食べて1つ植える男が、ある時から2つ植えたことで倍々ゲームで指数関数的に実る種が増えていく、絵本らしい繰り返しと数学的な世界が融合している自然が美しいように、数学も美しいという著者の言葉にも納得だ。
が「ナイス!」と言っています。
ビシャカナ
本業は絵師であったころから、まさに「絵のよう」に鮮やかに目に浮かび、物語性のある与謝蕪村の俳句。都会暮らしながらも想像を膨らませて田舎や、歴史書の世界までも俳句にする。俳句ってこんなにも自由でいいんだと認識が改まる“易水に ねぶか流るる 寒かな”“戸をたたく 狸と秋を おしみけり”“猿どのの 夜寒訪いゆく 兎かな”“夏河を 越すうれしさよ 手に草履”“うずみ火や 我がかくれ家も 雪の中”南画のようにガッチリした絵から、脱力系ヘタウマ画も魅力的だ。京都暮らしのせせこましさも感じていい。
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ビシャカナ
宇宙には1千垓の星がある。地球が青くて緑なのは14垓リットルの水があって、3兆本の木があるから。子ども向けの絵本ながら、想像もつかない数を身近に引き寄せて解説、さらに正確な数字は本当には分からないが事実から予測は可能という解説もいい。どれほど世界に大きな数が溢れていても、この本を読んでいる君はたった1人という構成もいい。それにしても日本だから膨大な数字を兆や垓などの単位でも表記できるが、原書版ではどうなっているのだろう。
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ビシャカナ
人間に捕まって動物園で見世物になったアザラシの子どもオーリーは、衰弱して殺されてしまいそうになるが、飼育員のおかげで外に出られて元気になれた。だが湖ではしゃぐオーリーを人々は勘違いして海の怪物と大騒ぎ。ドタバタもので動物の扱いがぞんざいであったりもするが、おおらかな時代らしい温かさもある。マンガのような構成とモノクロで版画のような独自の絵柄もあって不思議な読み応え。
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ビシャカナ
宮沢賢治の著作でも異様な一作を、怪しい表情がたまらない山村浩二が挿絵を手掛ける。“「よくわかってます。実は毒もみは私ですがね。」署長さんは町長さんの前へ顔をつき出してこの顔を見ろというようにしました。”このシーンの迫力がヤバい、目が爛々として歯茎もあらわでトラウマ級。カバー袖にある“善悪では割り切れない、人間の本質にドキリとする”ってそういう話かなあ、“ああ、面白かった。おれはもう、毒もみのことときたら、全く夢中むちゅうなんだ。いよいよこんどは、地獄じごくで毒もみをやるかな。”
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ビシャカナ
演義ベースの三国志をマンガ化、テンポが良いので三国志世界を見直す手軽な一冊。演義ベースなので妖術使いなどファンタジーも要素もあり、また曹操が悪辣でまさに乱世の奸雄ここにあり。それでいて史実ベースも欄外の注釈で解説。劉備が主人公なので、賄賂に苦労した盧植や県尉としての経験にページを割いているのもせせこましさで意外性もあった。それにしても演義でも史実でも呂布の存在感はすごい。
ビシャカナ
北京原人に始まり、殷・周の興亡、春秋時代、そして家臣が主人をしのいでのし上がる戦国時代。まさに中国文明のあけぼの。森や山の資源が国を支えたり、刀の形の刀銭など文明の途上も興味深い。誠意ある弁論家の淳于髠や、功績があるかこそ弾圧された商鞅、策謀を巡らし六国の宰相になる蘇秦と、それに反する張儀など歴史上の人物たちにもドラマがある。端午の節句の由来が割とグロテスクなのも今更ながら驚いた。
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ビシャカナ
引きこもり喋ることもできなくなった少年は、自然に囲まれた祖父の家で一夏を過ごすことになる。祖父は他人の認知も怪しいが、山と命のことをよく知っていた。夢見がちなスローライフとは異なる、山の命の原則は少年に変化をもたらす。“山はしずまりかえっていた イタチの皮のさきにしばった竹ざおをもって、静一は岩のうえにたち、岩と岩のあいだに網をはる祖父の身のこなしの軽さを見ていた。山の中では祖父はべつの人になるようだ。”暑く輝く生命感溢れる挿絵も見事。
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ビシャカナ
ロシアによるウクライナ侵攻で、住み慣れた家が破壊されて、避難を余儀なくされた少年とその家族。悲壮な避難生活の一方で、随所にウクライナを支える象徴と希望も織り込まれている。“いえなしになんか ならないさ”“こころのなかの きみのいえが すすむべき みちを おしえてくれる いるべき ばしょへ きみを みちびいてくれる いつだって かならず”“シンボルは苦しいときに人々をささえ、心に希望の灯をともし、自分たちの強さや団結のたいせつさ、自分がだいじにしてきたものの価値を、思い出させてくれます。”
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ビシャカナ
子供のいないおじいさんとおばあさんが、綺麗な鴨を見つけて飼っていると、見知らぬ美しい娘がなぜか家事手伝いをしてくれるようになるが…暖かなパステルカラーの絵柄で、民族衣装や習俗を丹念に織り込んだ挿絵もあいまって、その結末は鶴の恩返しのようでなんとも切ない。そして昨今のウクライナ事情にも重なるようで一層切ない。“あなたたちと いっしょに いきたくないわ わたしが もりで あしを くじいたとき だれも まってはくれなかった みんな とんでいってしまったじゃないの!”
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ビシャカナ
谷川俊太郎の手にかかれば、うんこさえもこの世界を構成する愛おしいものになる。エネルギッシュな絵柄に、インパクトある文字構成で絵本としても見応えある。“ごきぶりの うんこは ちいさい ぞうの うんこは おおきい うんこというものは いろいろな かたちをしている”“どんなうつくしいひとの うんこも くさい どんなえらいひとも うんこを する うんこよ きょうも げんきに でてこい”
ビシャカナ
クレーが描くスケッチよりも落書きよりもプリミティブな天使に、谷川俊太郎が真正面から向き合って紡いだ詩。この純粋性を自分は受け止めきれるか試されるようだ。“かごめかごめかごめのわのなかに てんしがいた おとなになっておもいだしたとき もうてんしはいなかった どこにも いのりたかった だれにむかって? あいしたかった どうやって? なづけることのできないこころに もみくちゃにされ だれがすきか なにがきらいかも わからなくなったとき あくまがやってきた ほほえんで”
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ビシャカナ
やられてもやられても降伏しない孟獲、それを心から降伏させるためにあえて解き放つ孔明、どれほど孟獲が策を講じても孔明には敵わず、何度も繰り返されるやり取りは以外にも絵本らしい反復と、憎めない敵としての孟獲の魅力が際立つ。奇妙なカラクリ仕掛けや藤甲軍、ゾウやトラが登場するなど、蜀の南征は三国志でも異色のエピソードだが、絵本にすると実に映える。5頭身にデフォルメされながらも南蛮の湿気を感じるような濃い絵柄も魅力的だ。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/28(4711日経過)
記録初日
2012/04/20(4688日経過)
読んだ本
3014冊(1日平均0.64冊)
読んだページ
483352ページ(1日平均103ページ)
感想・レビュー
2502件(投稿率83.0%)
本棚
16棚
性別
自己紹介

月に二十冊読むのが目標

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