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2024年7月の読書メーターまとめ

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感想・レビュー
15
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722ナイス

2024年7月に読んだ本
16

2024年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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ネタバレ第171回直木賞受賞おめでとうございます。「スモールワールズ」以来の一穂ミチでしたが、やはり読ませますね。とりわけ本作品は、コロナ禍という未曾有の災厄を経験したからこそ顕在化した、私たちの「負の感情」が浮き彫りになります。あのときの自分の記憶や思い出が甦ってきて、不思議な読後感になります。ホラーチックな面は「あなたの知らない世界」を、ブラックユーモアは星新一のショートショートを彷彿させます。クスッと笑わせる要素があったり、ハッピーエンドの話もあったりと、多面性のある短編集という所が受賞の理由かなあ。
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2024年7月にナイスが最も多かったつぶやき

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6月は精力的に読みました!→2024年6月の読書メーター 読んだ本の数:27冊 読んだページ数:7550ページ ナイス数:948ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/242735/summary/monthly/2024/6

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2024年7月の感想・レビュー一覧
15

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ネタバレ元文藝春秋と週刊文春の編集長という肩書きの著者。さぞ面白いだろうと思って読んだが‥‥。政治家との交流では梶山静六が面白い。「総理なったら会社を辞めて、3年間、秘書をしてくれ」と頼まれたエピソードなど、梶山に深く食い込んでいた様が伺える。それに比べて、細川護煕や安倍晋三、菅義偉らとのやりとりは表面的であまりディープとは思えない。文藝春秋は時の総理の主張をよく載せるが、無批判なのが気になる。最終章では経済政策がわかる政治記者がいないと嘆き、持論を展開しているが、新味はなく、自己満足の域を出ない印象。
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ネタバレ第64回毎日芸術賞、第57回吉川英治文学賞、NHKで連続ドラマ化された問題作、飛行機の中で一気読み。代理母という象徴的な事例を通して、医療技術の進歩で加速する「女性のモノ化」に真正面から警鐘を鳴らす桐野節に圧倒されます。非正規雇用の若きリキやテルの光の見えない生き様と、裕福なりりこと悠子の人生。両者の格差と力関係が、出産というファクターが加わることで大きく揺らぐ。「種馬」の男性たちが揃って自分勝手なうえに間抜けで、まぁ情けない。女性の強さを描いた作品という点では「8日目の蝉」に通じるものを感じました。
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ネタバレツマにオススメされて1時間で読了。笑って学べる東洋哲学。ブッダ、龍樹、老子、荘子、達磨、親鸞、空海。これらの哲学者たちの教えのポイントを「ひとこと」で言い切る。ブッダは[無我]、自分なんてない。龍樹は[空]、この世はフィクション。老荘思想は[道]、ありのままが最強。禅は、言葉はいらねえ。しんらんは[他力]、ダメなやつほど救われる。そして、空海は大日如来になっちゃえよ笑。中学生や高校生だけでなく、宗教離れが進む現代の大人たちにも有用な本のような気がします。
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ネタバレBSテレ東の「あの本、読みました?」での鈴木保奈美さんとのトークショーで、万城目さん自ら「八月の御所グラウンドのB面的な作品」と称していた。直木賞受賞作品の前者がシリアスなトーンだったのに対し、本作品はコミカルで、なるほどたしかにB面やな(笑)。メーンテーマは、歴史的な人物との不思議な邂逅。そこにギャグを折り込みつつ展開する万城目ワールドは先が読めません。奇想天外なのに、真実のように思えてしまう「古都の魔力」を描くのは、万城目さんの真骨頂ですね。シリーズ化されるようで楽しみです。映画化もあるかな?
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ネタバレラジオで、村上春樹の「羊をめぐる冒険」は本著のパロディあるいは書き換えとの仮説があると聞き、興味を抱き、読了。ちょうど北海道で家畜を襲うヒグマ「OSO18」が話題になっていたので、それと重なる展開はデジャブのように思えた。ただ、文学作品としてはいかがなものか。殆どマンガのようで、アイヌとの邂逅は「ゴールデンカムイ」を思い出す。解説にあるような「近代国家と北海道の関係を反映した小説」の系譜に属するといわれても、「なんだかなぁ」。三島由紀夫が26歳の時の作品とのこと。仮面の告白の2年後、潮騒の3年前ですか。
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ネタバレラジオで、村上春樹の「羊をめぐる冒険」は本著のパロディあるいは書き換えとの仮説があると聞き、興味を抱き、読了。ちょうど北海道で家畜を襲うヒグマ「OSO18」が話題になっていたので、それと重なる展開はデジャブのように思えた。ただ、文学作品としてはいかがなものか。殆どマンガのようで、アイヌとの邂逅は「ゴールデンカムイ」を思い出す。解説にあるような「近代国家と北海道の関係を反映した小説」の系譜に属するといわれても、「なんだかなぁ」。三島由紀夫が26歳の時の作品とのこと。仮面の告白の2年後、潮騒の3年前ですか。
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ネタバレ第171回直木賞受賞おめでとうございます。「スモールワールズ」以来の一穂ミチでしたが、やはり読ませますね。とりわけ本作品は、コロナ禍という未曾有の災厄を経験したからこそ顕在化した、私たちの「負の感情」が浮き彫りになります。あのときの自分の記憶や思い出が甦ってきて、不思議な読後感になります。ホラーチックな面は「あなたの知らない世界」を、ブラックユーモアは星新一のショートショートを彷彿させます。クスッと笑わせる要素があったり、ハッピーエンドの話もあったりと、多面性のある短編集という所が受賞の理由かなあ。
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ネタバレ産業考古学の観点から、各地の産業王の生涯を辿るフィールドワーク。硬めの話なのに、柔らかく読ませる、荒俣さんの文章のうまさに舌を巻く。それぞれの立志伝が人間臭い。1990年の刊行。どんどんこうした産業遺産的な建物は、なくなっていると思うと、本著は貴重な資料ともいえる。
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ネタバレ岩波文庫全3巻の「エミール」は名著ながら、大学時代に挫折して読めていない。それをわかりやすく説明してくれると帯にあるので、つい購入。大学生向けという感じでわかりやすい。教育とは子どもをよく見て、自然な成長を尊重すること。目的は子どもが自由な人間へと成長すること。乳幼児期は無菌室に閉じ込めず、自由に世界を探索させる。学童期は自然で必要な欲望を見極めて尊重する。人と比較したり、望まない競争に投げ込まない。肝は「学びは遊び」。これを徹底できる学校は少ないが、少しずつ増えているそうだ。日本の教育にも希望が持てる。
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ネタバレ新聞の書評欄で興味をもち、読了。終戦に向けて原爆投下と並行してソ連の参戦を求めていたという背景を知ると、米国も無関係ではない。ポツダム宣言受諾で無条件降伏をした日本に、奇襲をかけて北方領土を不法占拠したのに、現ロシアの教科書には「米ソで北海道占領について予備的合意が成立していた」と書いてあるそうだ。ソ連時代から都合よく歴史を書き換える厄介な隣国。自国の将兵の命すら尊重せず、軍紀も緩い「戦争の文化」がいまもウクライナで繰り返されていると聞くと、心が痛む。やはりこの国とは永遠に分かり合えないのではないか‥‥。
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ネタバレ年老いても積極的に紙の本を出版されてる内田樹センセイ。「街場のメディア論」の編集者との往復書簡というスタイルの本著。新書と違い、ときの流れが感じられて、思考を熟させる間があってよかった。内田先生の考える勇気とは、孤立を恐れないこと。伊丹万作の「戦争責任者の問題」はグサリと胸に刺さります。そして、大きくはっきりではなく、言い淀みながらも、自分のヴォイスを見つけることの大切さ。正直であるとは、自分からいったん離れて語っていることに注釈を入れらららこと。最後の「いまの日本人は怖がり過ぎ」との指摘が重い。
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ネタバレ近年の気候変動を巡る各国政府の規制や協定などの変遷をまとめた、ありそうでなかった新書。21世紀以降の流れをコンパクトにまとめた良書でさらっと読むだけで頭の整理になる。国家炭素調整(BCA)や金融機関の連合体(GFANZ)など知らなかった動きも多い。日本のGX戦略を、国際的な視座から考えられる点でも有用。移行金融は日本の主張が端緒とは知らなかった。ただ、今年の米大統領選で「もしトラ」が実現すれば、パリ協定やCOPからの米離脱も想定され、世界の構図はガラリと変化する。米追従の日本はどう対応するのだろうか‥‥。
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ネタバレ大ヒットしたけど、読まず嫌いだった本著をいまごろ読了。全編マンガなのかと思っていたら、漫画と原著の現代語訳(ルビつき)の組み合わせでした。たしかに旧かなづかいの原著よりは、現代人には親しみやすい。かつての名著もこうした形でリニューアルするという試みは案外良いことのような気がしました。内容は素晴らしいのに、読みづらいが為に読まれない名作って多いですからね。ただ、本著は、子どもに向けたメッセージ本なので時代が変わっても受け入れられやすいけれど、大人向けの本だと厳しいものもあるかもしれないな。
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ネタバレ自分の棺の中に沈黙と本著を入れてくれと言った「深い河」は、物語の姿をした遠藤周作の精神的自伝だった。若松さんは、鈴木大拙や西田幾多郎らの言葉を引き合いに日本人にとってキリスト教とは何かを問い続けたのが遠藤文学と説く。「河」だった題名を深い河に変えたのは遠藤が聴いた黒人霊歌から。この本がきっかけで宇多田ヒカルは同名の歌を作った。人間の「コトバ」はこんな形でつながっていく‥。作中、なぜ神のことを玉ねぎと称するのかが疑問だったが、使う時涙が出る、皮を剥けば最後には実体がなくなるから、という。なるほど合点がいく。
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おさむ
ネタバレスタートしたTVドラマの初回が面白かったので、原作本を購入する。早見さんは3作目だが、本著も読みやすい。総理への野望を持つ少年とその母、友人達が繰り広げる物語だが、主題は、人間は人間をコントロールできるか?、だ。ヒトラーのブレーン、エリック・ヤン・ハヌッセンという前例が通奏低音として流れ続ける。オビにあるようにある種の「ホラー小説」。原作本を先に読むか、後に読むかは見解が分かれるところだが、わたしの場合、映画は後、TVは先。どうもかなりTVとは違うようだ。どう脚色していくのか、これからの回が楽しみである。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/07/16(4600日経過)
記録初日
2012/07/06(4610日経過)
読んだ本
4077冊(1日平均0.88冊)
読んだページ
1221362ページ(1日平均264ページ)
感想・レビュー
3867件(投稿率94.8%)
本棚
77棚
自己紹介

読書のジャンルは純文学からミステリー、社会科学や近現代史、ノンフィクションまで「何でもOK!」。心の赴くままに読んでいます。
参考にするのは、毎週週末に新聞各紙に出る書評欄。複数の新聞で採り上げられている本については目を通すようにしています。出版各社の毎月のPR本(波や1冊の本とか)も参考になります。
芥川賞と直木賞については「時の日本社会を映し出す鏡」だと思っており、歴代受賞作はなるべく読むようにしています。あとチェックしているのは本屋大賞、大宅壮一賞、山本周五郎賞、小林秀雄賞など。
最近は視力が落ち、寝床で読むのが難儀ですが、1日1冊が目標です。

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