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2024年9月の読書メーターまとめ

更紗蝦
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50
読んだページ
8044ページ
感想・レビュー
50
ナイス
1579ナイス

2024年9月に読んだ本
50

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

更紗蝦
ネタバレ澁澤龍彦について書かれたり語られたりした膨大な資料をまとめた伝記です。澁澤龍彦ファンをなるべく失望させないよう配慮していることが窺える内容ですが、それでも、矢川澄子絡みの記述は、読んでいて胸が苦しくなります。鎌倉小町の家でのどんちゃん騒ぎは、男目線でなら「楽しいひととき」でしょうけど、同居の女たち(妻である矢川と、澁澤の母と妹)には、どんなに苦痛であったか…。本来は共著とすべき本を澁澤龍彦だけの名義で出版していた件は、離婚後の矢川に印税が全く入ってこなかったであろうことを考えると、いたたまれなくなります。
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2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

更紗蝦

2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:70冊 読んだページ数:10868ページ ナイス数:1746ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/247008/summary/monthly/2024/8

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2024年9月の感想・レビュー一覧
50

更紗蝦
ネタバレ和巳兄弟(馨と義経)の確執は、馨が「良き理解者」というスタンスになることで一応は解決しましたが、今度は椿パパが、和巳(義経)と椿の関係を知ってしまったことで記憶喪失になるという、深刻な状況に突入します。椿が「おつき合い1年記念日」をルンルン気分で楽しみにしているシーンを見て、「えっ!?セックスしてもう一年!?」と思ってしまったのですが、よく考えたら、和巳が歳三として振る舞っていた期間も含めてのカウントですよね…。自分の心が穢れていてスミマセン…。同時収録は『箱庭親子』。
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更紗蝦
ネタバレ消費税が5%だった2013年に出版されているので、やや古めの本ではありますが、消費税が導入された経緯・日本の財政赤字が改善しない構造的問題・輸出戻し税というカラクリによる大企業優遇などは納税者は知っておくべきことですし、少額の個人投資家が得た利益について非課税にする「非課税口座」の新設(要するにNISA)は、キャピタルゲインを目的とした投資会社に新たな市場を提供することとセットであることを指摘し、ギリシャ危機並の経済危機に陥る可能性があることに言及しているのは、注目に値するでしょう。
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更紗蝦
かつては餃子は「スタミナ料理」扱いされる傾向にあったので、ニラとニンニクと油をどぎつく強調する外食の餃子が、子供の頃は苦手だったのですが、今は多様化して食べやすいものが増えてきたと感じます。(おそらくは日本では「ご飯のおかず」として餃子が求められてきたせいで、くどい味付けが好まれてきたのだろうと思いますが…。)42~43ページの、東スポをイメージした紙面は、遊び心があって目を引きました。
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更紗蝦
ネタバレ本来は椿の父親の秘書である和巳が、なぜ、執事として椿の家で働いているのかが、和巳の回想によって明らかに…。椿と初めて対面した時の和巳は、見た目はスーツ姿でも態度は素の状態(つまり歳三モード)だったので、のちの成長した椿が歳三モードの和巳に惚れてしまったのは、初対面の時の和巳の印象(態度のみ歳三モード)が影響していたのでは…?(椿本人は覚えていなさそうですが。)和巳とはセックスしたくてたまらないのに、歳三モードの和巳は「ときめき」の対象ではあってセックスの対象ではないという椿の心理は、なかなか複雑です。
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更紗蝦
ネタバレ一人の外食でも快適なお店かどうかを判断するには、席の配置のバランスの情報は重要だと思うのですが、「ひとり席の特等席」をピンポイントで掲載して、店内全体の様子を分かるようにしてくれていないのが、少々残念でした。
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更紗蝦
ネタバレ「テイトの仇」であると同時に「ラジルの仇」でもある自分の立場を駆け引きに利用するというリューの大胆不敵さが、めちゃくちゃカッコイイです。交渉としては筋が通っていますし(ただしソーグンナ伯母とその兄弟たちの怒りの感情はどうにもなりませんでしたが)、リューの身の振り方の問題と、「改宗政策の波」という政治的・宗教的な問題の絡め方に無理がないので、ジャンルとしてはファンタジー作品ではあっても、「十世紀末の北欧を舞台とした物語」として、地に足がついています。
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更紗蝦
ネタバレブラコンが酷すぎる兄の過干渉のせいで、和巳の性的なストレスが溜まりに溜まり、それが椿との一線を越えるきっかけになってしまうという、斜め上の展開により、ついに本格的(?)なエロ漫画に突入しますが、椿を痛がらせない配慮はきちんとしていますし、自発的にコンドームを使っているので、女遊びの経験値の高さはダテではないです。ゲスい性格とはいっても、女に苦痛を与えることに喜びを見出すような性癖ではなく、和巳にとってセックスとは「快楽を共にする行為」であることが見て取れます。同時収録は『箱庭夫婦』。
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更紗蝦
ネタバレ和巳と高坂が大学生の時に初めて知り合ったエピソードが、さりげなくゲスいです。全体的には、「甘ったるいながらも、一線を越えない“大人の分別”のあるエロコメ」なのに、「さりげないゲスさ」があるところに、この作品の面白さがあります。漫画家・角砂糖カオルとして椿と出会った和巳(主人公)の兄の馨は、椿視点だと“大人の分別”のある男であり、ここだけ見る分には兄弟ソックリなのですが、弟(主人公)目線だと「モラハラ兄」であり、弟(主人公)が実家に帰ろうとしない原因となっています。
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更紗蝦
ネタバレ和巳の「執事モード」と「歳三モード」の使い分けが、椿の“公認”となったことで、2人のやりとりは「プレイ」と化しましたが、事情を知らない第三者(椿の父親)の介在によって、2人の「プレイ」に絶妙な「駆け引き」が生じることとなり、「バカップル」でありながらも「緊張感」のある描写になっているのが、読んでいて楽しいです。椿は、執事の和巳に対しては我儘の限りを尽くすのに、臨時の家政婦の田中さんには物凄く気を遣っており、田中さんに気を遣わせてしまったことに対して罪悪感すら感じているので、そのナイーブさにびっくりです…。
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更紗蝦
ネタバレ北欧神話が絡んでいる冒険ファンタジーですが、序盤が「ロキに育てられた人間の少年リューが、人間の生活圏に戻ってヴァイキングとして生きようとする」という内容であるため、「人間の生活圏に戻ること」がリューにとっての“旅立ち”であり、また、「人間と共に生活を送ること」がリューにとっての“試練”となっています。
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更紗蝦
ネタバレ14号連続で登場している中国のボーイズ・グループ「Produce Pandas(熊猫堂)」のインタビューでは、「中国の良さってなんだと思いますか?」という質問に対して漢字文化を挙げており、「一つの事柄を表すのに完結に表現できる」「古典(漢詩)が繊細で優美」「四字熟語には一つひとつに物語がある」「同じ音だけど字が違うことを利用したジョーク(つまりダジャレ)が好き」等のコメントには、ウンウンと納得しました。他に気になった記事は、メルヴィンズ、メアリー・ハルヴォーソン、ヴェロニカ・スウィフトです。
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更紗蝦
ネタバレ9年振りの再読です。(以前読んだのは講談社+α文庫版です。→ https://bookmeter.com/reviews/50603577 )以前読んだ時は、「“世界”に対する復讐の物語」及び「父性(父権)の敗北の物語」と解釈しましたが、今回の再読では、ローゲの「半神」という設定と、ハーゲンの「侏儒族の父と人間族の母の間に生まれた」という設定に注目して、「純血主義の終焉の物語」として解釈しました。
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更紗蝦
ブルーパブ(醸造所併設のビアパブ)が東京23区内に60軒以上あると知って驚きました。詳しく紹介されているのは10軒、マップで所在地だけ記されているのは63軒です。
更紗蝦
2024/11/01 21:40

なるほど、免許の取得のしやすさの影響があるんですね…!

たまきら
2024/11/01 21:55

そうみたいです。

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更紗蝦
ネタバレ9年振りの再読です。(以前読んだのは講談社+α文庫版です。→ https://bookmeter.com/reviews/50603577 )ヴォータンは血のつながりだけを根拠にして「父親としての権威」を振りかざす存在なのに比べ、ジークフリートを育てあげたミーメには「父親としての権威」は全くなく、ジークフリートとミーメはお互いを疎んじ合っていますが、それでも「理屈ではない何か」(“情”としか言い様のないもの)が2人の間にあることが伝わってきて、「理屈では説明できない心理」だからこそ、強く印象に残ります。
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更紗蝦
ネタバレ9年振りの再読です。(以前読んだのは講談社+α文庫版です。→ https://bookmeter.com/reviews/50603564 )たまたまWOWOWで『ロード・オブ・ザ・リング』のエクステンデッド版を観たばかりだったので、共通点を探しながら読みました。同じ「9人編成の騎手」であっても、『ロード~』のナズグルは邪悪なイメージなのに対し、『ニーベルング~』のワルキューレは神々しいイメージなので、完全に真逆なのが面白いと思いました。
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更紗蝦
ネタバレ講談社+α文庫を既読済みですが、電子書籍版が読み放題だったので、9年振りに再読しました。(以前の感想はこちら→ https://bookmeter.com/reviews/50603564 )「電子版あとがき」に、1989年に東京で一挙上演されたゲッツ・フリードリヒ演出のベルリン・ドイツ・オペラによる四部作の思い出話が書かれているのですが、B席が4日間で10万円だったとのことで、たまげました…。「CDと違い皮膚の毛穴で聴くという感覚を楽しみました」とのコメントは、直に観劇した人ならではだと思いました。
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更紗蝦
ネタバレ澁澤龍彦について書かれたり語られたりした膨大な資料をまとめた伝記です。澁澤龍彦ファンをなるべく失望させないよう配慮していることが窺える内容ですが、それでも、矢川澄子絡みの記述は、読んでいて胸が苦しくなります。鎌倉小町の家でのどんちゃん騒ぎは、男目線でなら「楽しいひととき」でしょうけど、同居の女たち(妻である矢川と、澁澤の母と妹)には、どんなに苦痛であったか…。本来は共著とすべき本を澁澤龍彦だけの名義で出版していた件は、離婚後の矢川に印税が全く入ってこなかったであろうことを考えると、いたたまれなくなります。
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更紗蝦
ネタバレ『女とかげ』『へび先生』『ぬりこめられた死体』『のろいの笑い面』が収録されています。『へび先生』は、唐突に呪いが解けるせいで、読後の余韻がいまいちなのですが、他の三作品は、それぞれ違った余韻が心にじんわりと残ります。
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更紗蝦
ネタバレラファエルとジェシカの関係性を、映画『レオン』のレオンとマチルダのような感じにすれば、ほろ苦い後味の純愛物語としてオチをつけることができたはずですが、そうしなかったのは、「オッサンと少女」という組み合わせは決して対等な関係にはなりえないため、その「アンフェアさ」をロマンティシズムで美化することを避けたということなのでしょうか…。極限状態における「吊り橋効果」を、安易に「純愛」扱いして、それでオチをつけるようなことはしたくなかった…という理由もあるかもしれません。
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更紗蝦
目玉焼きを作る際に卵をボウルに割り入れる理由は、そうした方が、黄身の周りを覆う白身が剥がれ落ちて、最終的に目玉がきれいに仕上がるためだということを知り、「目玉焼きのような、シンプルで初歩的な料理にも、プロのコツがあるんだなぁ…」と思いました。
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更紗蝦
ネタバレ江戸時代に実際にあった「通し矢」という競技をテーマにした作品です。「時代劇」+「スポーツもの」としての面白さもさることながら、「藩」を「国家」や「学校」に置き換えれば、オリンピックや甲子園などに付随する「権威主義」の問題点がくっきりと浮かび上がる構成になっており、平田弘史先生の批判的思考の凄さを思い知りました。「プロフェッショナリズム」を安易に「男のロマン」に結びつけるようなことをしていないのは、「人生」や「命」を犠牲にさせられる側(=弱者)への視線が常にあるからでしょう。
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更紗蝦
『誰かが殺した』『男爵夫人(バロネス)・ラム』『天の涙』『カーニバルの少年』が収録されています。『誰かが~』『男爵夫人~』はミステリー、『天の涙』はファンタジー、『カーニバル~』はサスペンスで、どの作品にも恋愛要素があります。(『誰かが~』と『男爵夫人~』には、「アリスシリーズ」の表記あり。)『誰かが~』に登場するスキンヘッドのアブナー伯父さんは、ユル・ブリンナーがモデルでしょうか?
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更紗蝦
SUPER★DRAGONのグラビアが、鮮やかな青で統一で統一されていて、ものすごく印象に残ります。メイキングのコーナーに掲載されている写真を見ると、セットや照明が違うと青の見え方もガラリと変わることが分かります。
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更紗蝦
ネタバレマロリーはエベレストの山頂(の直前の地点)で妻子のことを考えているのに、羽生が最期に残した手記の中には妻子のことは書かれておらず、よりによって涼子の名前が書かれているので、「羽生にとって、ドゥマとニマと赤ん坊の存在とは一体…?」と思わずにはいられませんでした。涼子自身ではなく、涼子を通して文太郎のことを想っているのは分るものの、ドゥマにはそんなこと理解できないでしょう。(まさかドゥマに、「夫の最期の手記」の存在を伝えないわけにはいかないですよね…?)ドゥマの件さえなければ、心置きなく感動できたのですが…。
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更紗蝦
ネタバレ前巻では、深町は羽生に「太い獣臭」を感じ取っていましたが、この巻では「熱い筋肉」や「火球のような呼気」を感じ取っており、「深町から見た羽生」の描写の変化によって、深町と羽生の精神と肉体の極限ぶりが読者に伝わる仕掛けになっているのは凄いと思いましたが、涼子とドゥマそれぞれに対する羽生の想いがはっきりと描かれておらず、どうやらのその「曖昧さ」は「男のロマン」を増幅させるテクニックとしてやっていることのように感じられてモヤモヤします。(原作は未読なので、原作通りなのか、谷口先生のアレンジなのかは分りませんが。)
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更紗蝦
ネタバレネパールとブータンの政治・経済状況が、巡り巡って涼子の誘拐事件に繋がっていて、読んでいてやるせなくなります。羽生も深町も涼子も、政治的な事にはほとんど興味を持っていないのですが、本人達が望むと望まないとに関わらず、ただその地に「居る」というだけで、政治的な意味を持ってしまっており、どんな人間でも決して政治的なものとは無縁ではいられないのだな…と、痛感します。
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更紗蝦
ネタバレ私は元々、アポリネールは作家として好きなので、モニィの正体はすぐに分かったものの、「画商のトレヴィル氏」に関しては、実在した人物なのか、それとも、美術書を出版しているエディシオン・トレヴィルを元ネタにした架空のキャラなのかが分らなくて、ものすごく気になりました。
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更紗蝦
ネタバレ物語のベースとなっているのはアンデルセンの『人魚姫』ですが、ブラントに一気に300年の加齢がおとずれるシチュエーションは、『浦島太郎』を思い起こさせます。「なぁなぁ ホントは怖い大人の童話より」「ハーレクイン的にあのアメリカ娘の恋の行方も気になるねえ」というセリフが、メタ的なジョークになっているのが、ちょっぴり可笑しいです。
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更紗蝦
ネタバレ撫子とアルフォンスが結ばれる部分だけ見ると、とても「ハーレクインらしさ」を感じるハッピーエンドなのですが、最後の最後で撫子の婚約者の運命が描かれているため、読後感は切ないです。紙のコミックスだと、この巻は3巻目にあたるので、あとがきの出だしが「Petshopパサージュ編3巻目となりました」になってしまっているのですが、これでは電子書籍版を読んでいる読者は混乱してしまいます。なぜ、編集の方で注釈を入れるなり、電子書籍版限定のあとがきを付け加えるなりの対処をしなかったのでしょうか…。
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更紗蝦
ネタバレパリに出稼ぎにきた女の子が学生に妊娠させられて捨てられる…というシチュエーションには、『レ・ミゼラブル』を連想しました。もしかしたら、秋乃先生は、『レ・ミゼラブル』のトロミエスが物語の中で何の罰も受けていないことが許せなくて、『Petshop of Horrors』ではマティアスに手痛い仕打ちをしたのでしょうか?
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更紗蝦
ネタバレ「ハーレクイン」のレーベルで刊行されている割には、あまりハーレクインらしさがないなぁ…と思いながら読み進めていたら、劇中劇のオペレッタはスパダリの男爵とメイドの女の子がカップルになる話だったので、ここの部分はハーレクインらしさがありました。
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更紗蝦
ネタバレ「19世紀のパリ」という舞台設定が、ただ「おフランスっぽさ」を絵的に表現するだけにとどまっておらず、“世相”をしっかりとストーリーに反映させています。チャイナドレスと19世紀のヨーロッパのドレスのディテールを組み合わせた、D伯爵の“中洋折衷”のファッションが、がめちゃくちゃオシャレです。
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更紗蝦
ハチャトゥリヤンというと、「『剣の舞』を作曲した人」という知識くらいしかなかったので、『おそロシアが生んだ偉大なる作曲家』第7回を読んで、「ソ連邦の作曲家なので“ロシア音楽”というくくりの中で捉えられることがほとんどだけど民族的にはアルメニア人」「19歳になるまで楽譜が読めなかった」「民謡100近く歌うことができたのでグネーシン音楽大学に入学できた」等を初めて知りました。ちなみに、このコーナーを担当されている作曲家の中島克麿氏は、ハチャトゥリヤンの孫弟子にあたるそうです。
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更紗蝦
ネタバレ「男の嘘(=いつわりの愛)を受け入れてしまったために女神から罰を受けることになった少女」と「ほんの少しの虚飾のために女神の加護が受けられなくなった少女」の孤独が描かれているため、苦い後味のラストではありますが、儚く美しいイメージがオブラートとなっているので、苦みは苦みでも、「ほろ苦い味」です。
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更紗蝦
ネタバレ3巻目は「秘密クラブ編」となり、部室(?)はバラの花が咲きほこる温室で、体験談の聞き手は「目もみえず言葉もしゃべれない少女」になります。聞き手の少女は「古の王国の沈黙の神殿の巫子の生まれ変わり」という設定なので、ファンタジー色が新たに加わり、クラブの目的が「恐怖を語り合う」ではなく「心を縛る秘密の鎖をあずけにくる」になったことで、ホラー色が薄くなっています。(ただしサスペンスフルではあります。)
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更紗蝦
ネタバレ死ぬほど恐ろしい体験をした人が恐怖を語り合う「恐怖クラブ」に入部した3人の女子学生のうちの3人目の体験談(『闇の捕囚』)と、顧問のマザー・マグノリアによる助言(『レクイエム』)が収録されています。3人目の体験談は、「依存する者・される者」の関係性が信頼によって安定感を得て友情として成立している(かなり歪んだ形ですが)のが、印象に残りました。顧問のマザー・マグノリアの存在意義は、「二段オチ」のためのキーパーソンとして機能しているので、マザー・マグノリア目線での結末も含めれば、「三段オチ」の構成と言えます。
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更紗蝦
ネタバレ死ぬほど恐ろしい体験をした人が恐怖を語り合う「恐怖クラブ」に入部した3人の女子学生のうち、2人の体験談が収録されています。1人目の体験談(『変身』)も、2人目の体験談(『優しい恋人』)も、「人と人とのコミュニケーションの在り方」に怖さが潜んでいるので、「人間って怖ぇ~」系の内容とは、ちょっと違います。(これは曽祢まさこ先生の作品に全般的に共通していることですが。)
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更紗蝦
ネタバレ『白狐奇譚』全4話と、『緑の異邦人』が収録されています。『白狐奇譚』は、「えっ?そんなオチでいいの?」と思ってしまうラストなので、もしかしたら打ち切りだったのかもしれません。もし、「壮大な物語のプロローグ」であることを前提に連載していのだとしたら、かなりもったいないです。『緑の異邦人』は、雰囲気的には「80年代のジュブナイルっぽさ」がありますが、3.5インチのフロッピーディスクが出てくるところだけ90年代らしさが出ています。(底本のコミックスが発行されたのは1998年。)
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更紗蝦
ネタバレ本編の“その後”(約10年後)を描いたエピソード二編と、作中では描ききれなかった設定や小ネタのまとめを収録しています。蒔岡がどういった生活を送っているのかは描かれていませんが、episode2の伊織のセリフの中で名前だけ出てきます。本編で、蒔岡が死亡フラグっぽい感じのセリフを言っていたことが気になっていたのですが、少なくとも番外編では存命なので、なによりです。episode1の、恵馬が猩羅に新聞を読み聞かせているシーンで、猩羅が涙を滲ませていますが、もしかしたら、菊三は故人となってしまったのでしょうか…。
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更紗蝦
ネタバレ第9話『霊感少女美貴の浄霊!!』は、心霊番組の収録で本当の心霊現象が起きてしまったり、霊感少女という芸風のタレントに本当の霊感が生じてしまったり…などのシチュエーションに、山岸凉子先生の『汐の声』を思い出しましたが、救いのない『汐の声』とは違い、『お祓い探偵団』の方は明るいオチです。「痴情のもつれで死亡する教師」とか「自分の死を受け入れられない小学生」等、深刻なシチュエーションが出てくる回もありますが、おばばさまと万樹の掛け合いによるコメディ演出によって、絶妙にシリアスとコメディの調和が取れています。
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更紗蝦
ネタバレ「明王寺」「真田」というキャラクター名や霊能力者のおばばさまのビジュアルが『鬼の哭く刻』(『妖鬼妃』収録)という短編と同じですが、『鬼の哭く刻』に登場する女子高生のフルネームは「明王寺真己」、『お祓い探偵団』に登場する女子小学生のフルネームは「明王寺万樹」なので、同一のキャラクターによる未来と過去の話なのではなく、パラレルストーリーのようです。おばばさまは報酬に見合う分しか霊能力を使わないのですが、時には自作のインチキ開運アイテムを売ったりもしているので、ビジネスライクを通り越して、かなり強欲です。
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更紗蝦
2015年に相続税の基礎控除額が「3000万円+600万円×法定相続人」に引き下げられることを受けて2014年に出版された本なのですが、情報が10年前のものということを考慮しても、嫁を舅姑の養子にする(130p)とか、タワマンを買う(170p)とかの「露骨な節税対策」を、さも「税務署がすんなり認めてくれる適切な方法」であるかのように書いているのはどうかと思いますし、「子が親よりも先に死ぬ可能性」をほぼ無視した内容(かろうじて、50pに「子から親へ」の相続に関する記述はありますが)なのも、いただけないです。
更紗蝦
2024/09/05 23:16

「嫁を舅姑の養子にする」という方法は、本来は、「舅姑亡き後の嫁の生活を守るため」に行う手段です。親よりも息子が先に死に、かつ、息子夫婦に子供がいなかった場合、嫁が舅姑と同居してどんなに精一杯尽くしたとしても、相続の権利は得られない…という問題があるのです。子供(孫)がいれば、子供(孫)が法定相続人になるので、その子供が母親の面倒を見るという形で、生活の保障をしてもらうことを期待できますが、子供がいなければ、生活の基盤を完全に失ってしまうことになるのです。

更紗蝦
2024/09/06 07:07

訂正。「嫁が舅姑と同居してどんなに精一杯尽くしたとしても、相続の権利は得られない」の部分は、「相続の恩恵を受けられない」と表現した方が適切でした。

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更紗蝦
ネタバレ男の色気ムンムンのダンサーのキャラクター性が、JET先生の作風とマッチしていて、この点はすごく良かったのですが、冒頭でヒロインのルシールにやたらに再婚をせっつく友人のミッシェルの言動が不快で、「親戚のお節介オバサンかよ」と思ってしまいました。いい男を紹介してくれるというのならまだしも、そうでないのなら「いい男を探す努力をしろ」と言っているに等しいわけですから、大きなお世話としか言いようがありません。
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更紗蝦
ネタバレ児童文学っぽい雰囲気のある作品です。魔法使いのおばあさんが、自分の跡継ぎを決めるために、四人の孫娘を一人ずつ試す…という内容なのですが、他に男の子の孫が2人いるのに、女の子だけがお気に入りという設定です。「魔女を継ぐ資格のある者(=女の子)」しか興味が無いというのは、祖母という立場上、ちょっとどうかと思うのですが、もしかしたら、現実世界(=読者の世界)の家父長制的価値観へのカウンターとして、敢えて「女尊男卑」的な人物像にしたのかもしれません。
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更紗蝦
ネタバレこのシリーズは、断片的にしか読んでこなかったので、冒頭の人物紹介で忌部捷一朗がゲッソリとやつれていたり、妹の忌部神奈が宗像に恋愛感情を抱いていることが明示されていることに驚き、本編を読んで神奈が闘病の果てに事故死していることに更に驚きました。神奈よりも捷一朗の方が好きなキャラだったので、神奈の死により、捷一朗が宗像の自説に歩み寄る展開になってしまっているのが、個人的にしっくりこなかったです。この2人は、永遠のライバル関係でいてほしかったです…。(できれば神奈と宗像もですが…)
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更紗蝦
表紙がデヴィ夫人なので、てっきりピアニストとして活動されているのかと思ってしまったのですが、「イブラ・グランド・アワード・ジャパン」というコンクールの主催者としてインタビューに応じている記事が載っているからでした。御自身の楽器の経験は、小学生の時にカトリック西麻布教会でオルガンをほんの少しだけ教えてもらったことと、20~22歳くらいの時にジャカルタでピアノを習って《エリーゼのために》までは弾けるようになったとのことで、私とさほど変わらないレベルのようなので、ちょっと親近感が湧きました。
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更紗蝦
特集『大学ピアノサークルの秘密』を読んで思ったのは、「サロン化しているサークルでは、chocoZAPを利用するような感覚でピアノを弾きたい生徒を排除してしまう可能性があるのでは?」ということと、「生徒が生徒に教えるというシチュエーションでは、セクハラが起きやすいのでは?」ということでした。もちろん、この手の問題は、ピアノサークルに限らないことなのですが、ピアノという楽器の特質上、他の一般的なサークルよりも可視化されにくいような気がします。(自分の中に偏見があるのは重々承知で…。)
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更紗蝦
ネタバレ『兄貴と呼ばないで』『共犯者』『やさしい人殺し』『なんてたってギャンブル』『巻末のおまけ』が収録されています。表題作はコメディ路線ですが、オチは微妙にサスペンスフルです。『共犯者』『やさしい人殺し』はシリアスな雰囲気が一貫しているサスペンスで、こちらの方が好みです。『なんてたってギャンブル』『巻末のおまけ』は近況報告を兼ねたエッセイ漫画ですが、当時はまだハーレクインや「まんがグリム童話」系列のお仕事はしていなかったらしく、『巻末のおまけ』冒頭で「ホモしか描かない漫画家モトハシです」と自己紹介しています。
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更紗蝦
ネタバレ『鬼の哭く刻』、『妖鬼妃』(シナリオ協力:唐沢俊一 / ゴーゴリ作『ヴィイ』より)、『ダブル・ボディ』が収録されています。表題作は、ビデオテープのダビングがホラー度を高めるギミックとして機能しているところが、『リング』に近いと思いました。『鬼の哭く刻』は、ジャンルとしては学園ホラーですが、オチの付け方はギャグです。『ダブル・ボディ』は、「男女入れ替わりネタ」の純然たるコメディ作品なので、ホラー要素はゼロです。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
ネタバレ「これは亜熱帯の島々でひとりの少年が大富豪になっていく物語――」という説明が冒頭にあるのですが、主人公のジョディオ・ジョースターはただ漠然と「金持ちにりたい」とか「偉くなりたい」と思っているわけではなく、15歳という年齢にして既に、富が流れ込んで来るこの世の「理(ことわり)」とか「仕組み(メカニズム)」を俯瞰しています。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/07/30(4534日経過)
記録初日
2011/02/18(5062日経過)
読んだ本
7427冊(1日平均1.47冊)
読んだページ
1116489ページ(1日平均220ページ)
感想・レビュー
7208件(投稿率97.1%)
本棚
50棚
性別
年齢
52歳
血液型
O型
職業
主婦
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

Twitter → https://twitter.com/sarasaebi
Blog → https://blog.livedoor.jp/sarasata/
     http://sarasata.seesaa.net/
Mastodon → https://mstdn.jp/@sarasaebi

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