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2024年3月の読書メーターまとめ

更紗蝦
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感想・レビュー
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1355ナイス

2024年3月に読んだ本
44

2024年3月のお気に入り登録
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  • 小林涼太

2024年3月のお気に入られ登録
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  • 小林涼太

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

更紗蝦
アンモナイトという生物の全体像だけでなく、アンモナイトの研究の“歴史的背景”も理解できる内容となっています。「3Dプリンターで作ったアンモナイトの精巧な模型に動力源をつけてロボットにし、実際に泳がせてみた実験」と、「アンモナイトが死んでから化石になるまでの過程を推測する試み」(研究分野としての名称は「タフォノミー」)と、「アンモナイトの復元画の歴史」が面白かったです。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

更紗蝦

2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:43冊 読んだページ数:7380ページ ナイス数:1325ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/247008/summary/monthly/2024/2

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2024年3月の感想・レビュー一覧
44

更紗蝦
ネタバレ堅実であるけど凡庸な人生を歩んでいるサラリーマンの秀明と、中2で既に一流のマジシャンでありながらディスレクシアであるゆえに就学が困難な良の2人が主人公なのですが、1巻の段階では、成長を感じるのは大人である秀明の方です。大人としての分別と良識があるゆえに秀明は良に対してパターナリスティックな態度を取りがちなのですが、秀明のそういう面を作者は決して甘やかしはしません。良に経済的自立の道を具体的に指し示してくれる存在が、福祉でも教育でもなくヤクザであることには、とてつもない皮肉を感じます。
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更紗蝦
ネタバレ底本となっているコミックスの発行は1999年。タイトルは『リング2』ですが、前日譚にあたる部分(『リング』の一作目)のダイジェストがかなりのボリュームで載っているので(割合としては全体の1/4)、ほぼ二部構成といっていいです。巻末には、脚本家の高橋洋先生によるあとがきあり。
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更紗蝦
ネタバレ底本となっているコミックスの発行は2000年。映画は未視聴・小説も未読なのに、稲垣みさお先生のコミカライズだけは読んでいるという状態だったので、MEIMU先生の描く女性キャラ(特に貞子)の可愛らしさが余計に際立って感じられました。(男性キャラに関しては、稲垣先生の方が魅力的に感じられますが。)
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更紗蝦
ネタバレ貞子に欲情して押し倒して絞め殺した長尾が何のペナルティも受けていないことにモヤモヤします。浅川が息子の陽一を助けるために誰かを犠牲にしなければならないのだとしたら、自分の父親ではなく、長尾をターゲットにするのが自然なのでは?…と思いました。(「女の敵」なわけですから。)
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更紗蝦
ネタバレ底本となっているコミックスの発行は1999年。映画は未視聴で、小説も未読なので、予備知識はせいぜい「チェーンメールのビデオ版」ということと、「貞子の外見」程度だったので、このコミカライズを読んで初めて、「へ~、こういうストーリーだったんだ!」と理解しました。読了後にWikipediaで映画版と小説版の内容をチェックし、このコミカライズは両方の設定をミックスしていることが分かり、映画版の「家族の絆」というテーマと、小説版の「ミステリー要素」を、うまく拾って綺麗に纏める力量に唸りました。
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更紗蝦
ネタバレ2002年にKKベストセラーズより刊行された『陸上戦艦大和2』を加筆・修正した電子書籍版です。ケネディが元いた「アメリカ敗戦後の世界」では戦時中に核兵器は使われなかったとはいえ、結局は「ドイツ第三帝国を中枢とする西側」vs「大東亜共栄圏」という東西冷戦の構造ができあがっていたので、タイムスリップして日本との戦いをやり直す(ただしこの場合の日本は「日本合藩連合王国」)とすれば、将来的に起こるであろう「核によるカタストロフ」の芽を摘むことなのでは…と予想したのですが…はたしてその解釈は正しかったのかどうか…?
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更紗蝦
ネタバレ2002年にKKベストセラーズより刊行された『陸上戦艦大和1』を加筆・修正した電子書籍版です。「第二次世界大戦でアメリカが負けた世界」のケネディが、「大政奉還が起きずに徳川幕府が継続している世界」にタイムスリップしてしまう…という、パラレルが二重構造となっている架空戦記です。ケネディのキャラクター性は薄めなので「冴えない主人公」枠ですが、第一七代将軍徳川家正が名君なので、「一生付いていきます、上様~!」という気分になります。作中の時代錯誤ぶりが、ギャグとして成立すればするほど、史実の酷さが身に沁みます。
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更紗蝦
ネタバレイケメンで優秀な男性キャラが多く登場する作品ではありますが、個人的には、グエンやタイラのような「野心ある女性」を魅力的に描いているところを、高く評価したいです。グエンは「育児スキルの高さを発揮しつつも研究者としての野心を選択」しているので、「研究」が「自分の子供を産み育てないことの代償」という位置づけにはなっていないですし、タイラは勇敢に戦って死ぬことを選択したことで「伝説となって人々の心に生き続ける栄誉」を得たので、滅私的な自己犠牲のニュアンスは皆無です。巻末には、三浦しをん先生による特別寄稿あり。
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更紗蝦
ネタバレタイラの登場により、ようやく、血族が一妻多夫という配偶システムで命脈を繋いできたという設定に納得感を得ました。この手のタイプの女性キャラは「どすこいカーチャン系良妻賢母」として描かれがちですが、タイラの器のデカさは「地母神」という印象を受けるレベルですし、湊に手を出そうとする軽さといい、闘争心の強さといい、家父長制に都合の良い形での母親像とは明らかに一線を画しています。裕司とタイラの違いを表す手段として「生体許容量」という言葉を使っているところには、「優劣の問題」として扱わないという作者の意図を感じます。
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更紗蝦
ネタバレ一巻で裕司が湊に「ここじゃてめえは犬以下だ!!」と言われるシーンがありましたが、この巻で裕司が申竜とその仲間から受けている仕打ちはまさに「犬以下」です。血族の「一妻多夫」の仕組みは、血族の女にとってあまりにもメリットがなさすぎるのですが(セックスに苦痛が伴っているので「快楽堕ち」はしていません)、「生まれた子供は(父親が誰であれ)皆で大事に育てる」という血族の慣習に裕司は“救い”を感じており、血族の女がこれまでどうやって「納得させられてきたか」が想像できます。巻末には、若木未生先生による特別寄稿あり。
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更紗蝦
ネタバレ翼のある血族が「翼竜」と呼ばれていますが、プテラノドンやランフォリンクスのような「二本足+翼」という形態ではなく、「四本足+翼」という形態なので、“恐竜”というよりも“幻獣”です。巻末には、本間アキラ先生による特別寄稿あり。
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更紗蝦
ネタバレ先に読んだ『猫』(第10巻)には漫画作品が載っていたので、てっきりこのシリーズは全てに漫画作品が収録されているのかと思ったのですが、この巻は漫画作品は載っていませんでした。私が初めて『牡丹灯籠(燈籠)』を知ったのは魔夜峰央先生の短編漫画だったので、収録されていることを期待してしまいました…。『牡丹灯籠』のルーツの中国明代の怪談集『剪燈新話』の中にある『怪談 牡丹燈記』を知ることができたのは収穫でしたが、『四谷怪談』と『真景累ヶ淵』は別途で収録し、『牡丹灯籠』だけで統一した方が良かったのではないでしょうか?
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更紗蝦
ネタバレリネアのセリフに「ジェンダー」という言葉が出てくるのは現在はさほど違和感がありませんし、裕司の特殊な「家庭の事情」をすんなり受け入れる柔軟性も「多様性(diversity)」を意識した描写だと想像できますが、キャラコミックスの『ANIMAL X 原始再来 1』( https://bookmeter.com/books/453529 )が出版されたのが1998年ということを考えると、その先進性には驚いてしまいます。
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更紗蝦
アンモナイトという生物の全体像だけでなく、アンモナイトの研究の“歴史的背景”も理解できる内容となっています。「3Dプリンターで作ったアンモナイトの精巧な模型に動力源をつけてロボットにし、実際に泳がせてみた実験」と、「アンモナイトが死んでから化石になるまでの過程を推測する試み」(研究分野としての名称は「タフォノミー」)と、「アンモナイトの復元画の歴史」が面白かったです。
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更紗蝦
ネタバレ「大人の分別」をテーマにし、「家父長制」を批判的に描いているところが、とても良かったです。DV野郎への鉄拳制裁のシーンも、「喧嘩っ早い」という描写ではなく、「冷静沈着なお礼参り」という感じで、「クールさ」と「ホットさ」の両方を併せ持つJET先生の画風が、キャラクターと上手くマッチしたと感じました。ヒロインに嫌がらせしようとする家政婦が、過剰に「ホラー演出」になっているのですが、その「やりすぎ感のある“顔芸”」が、ちょっぴり笑えます。
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更紗蝦
ネタバレもくじのページに「※この漫画が描かれたのは2011年6月です。当時の表現がありますがご了承ください。」との記述があるので、原発安全プロパガンダを批判的に描いていたり、「旧原発での事故による放射能漏れ理由に…」というセリフが出てくるのは、福島第一原子力発電所事故を受けてのことかと思いきや、キャラコミックスの『ANIMAL X 大地の掟 1』( https://bookmeter.com/books/12422 )の出版は1998年なので驚きました。同時収録の『夕凪』は高杉晋作の恋人・おうのを描いた作品です。
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更紗蝦
ネタバレSF要素の部分に関してだけ言えば、オチはちゃんとついているとはいえ、マコトが辿り着いた「答え」に対して、マコト自身はそれを「否定」しなければ、物語としての筋が通りません。なぜなら、マコトは「小島への愛こそが全て」という「答え」を既に出してしまっているからです。小島を守れなかった以上は、「ワンネスの使い道の“正解”」が分かったところで、マコトの心の“救い”にはならないというのに、あたかも希望があるかのようなラストシーンになってしまっているのは、「生命賛歌」を煽るあまりに「個人の愛」を軽視しているからです。
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更紗蝦
ネタバレエイジは、お坊ちゃまなのに料理が得意ですが、もしかしたら、和歌子に食べさせてあげたくて、ずっと練習してきたのでしょうか? 「一人より二人のほうがおいしいじゃん?」というエイジのセリフには、どういう想いが込められているのか、ラストのページで明かされる構成になっているのが、とても良かったです。
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更紗蝦
ネタバレ主人公はBL漫画家なので、劇中劇として、主人公が連載しているBL漫画が1ページだけ出てくるのですが、そのBL漫画の登場人物よりも、主人公に絡んでくるイケメンの方がずっとBL顔(?)をしているので、ヘテロラブストーリーを読んでいるのにBL漫画を読んでいるような奇妙な気分になります。
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更紗蝦
12号連続で登場している中国のボーイズ・グループ「Produce Pandas(熊猫堂)」ですが、なんと対面取材は、今回が初めてとのことです。民族楽器に興味があるので、特注のハープ“アジュア・ボウ”とンゴニ(西アフリカの弦楽器)を使うチーフ・アジュアの記事(64p)と、フィンランドのカンテレについて書いている北中正和氏の『海の彼方から音楽が聞こえる(第19回)』に惹かれました。他に気になったのは、ヘヴィ・メタルバンドのバロネス、アイスランドのピアニストのヴィキングル・オラフソン、UKのバンドのスクイッド。
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更紗蝦
ネタバレ秘密通路のアクションシーンは、是非とも実写で見てみたい!と思いました。人間キャラだけでなく、動物(ワニと猫)も物語で重要な役割を果たしていて、そういったところも、とても「エジプトらしさ」を感じる作品でした。河原先生によるあとがきによると、本書は早稲田にある『エジプト考古学ビル』の本棚の中に、エジプト関連の専門書と一緒に並んでいるのだそうで、「これを名誉(自慢)と言わず何と言ったらいいのでしょうかっっ!!☆」と、喜びを綴っています。
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更紗蝦
ネタバレ1995年に出版されたソノラマ文庫を底本にして、加筆・修正を加えた電子書籍版です。表紙と挿絵の担当は漫画家の柴田昌弘先生。主人公のウェンの描写に、凄く「柴田昌弘作品の主人公っぽさ」があるので、てっきり柴田先生にイラストを依頼する前提で書かれた小説なのかと思ったのですが、河原先生のあとがきによると、電子化するにあたって、柴田先生のキャラクターイメージに合わなかったセリフに、元文を壊さない範囲で手を入れたとのことです。ウェンとその仲間たちが、盗賊のスキルを使って芸人になりすますシーンが、読んでいて楽しいです。
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更紗蝦
ネタバレ「これから始まるんだよ本当の革命が!君には関係ない」とマコトに言ってしまう、ユウキの傲慢さときたら…。ユウキが“革命”で変えようとしている世界の住人には、マコトも当然含まれているのですから、無関係であるわけがないのに…。マコトが小島に会いに行くシーンで、部屋にいきなりテレポートせずに、建物の外から二階の窓に向かって「そっちに行っていい?」と一旦確認を取っている礼儀正しさには、好感を持ちました。(もしかしたら、マナーを守ったわけではなく、部屋に警察がいる可能性を考えて慎重に行動しただけかもしれませんが…。)
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更紗蝦
ネタバレユウキによってワンネスに引き込まれたモブキャラたちが、裸なのに眼鏡だけは着用しているのは、「自己イメージ」が影響しているということなのでしょうか?(「眼鏡は顔の一部」という認識?) マコトが対話の相手として、何故、中村だけを指名しているのか、何の説明もないのですが、おそらくはこのシーンで中村に与えられている役割は、「マコトのケア係」だと思われます。「年上の女性」という属性に、作者が無意識に「他者に気遣いできるスキル」を求めていて、そういう「作者個人のジェンダーバイアス」が、マコトに表われているのでしょう。
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更紗蝦
ネタバレCIAのゴードンは、前巻では「(アメリカは)場合によっては核によって彼ら(テロリスト)ごと日本を焼き払う!」と言っていましたが、この巻でやったことは結局は非核攻撃であり、しかも攻撃範囲は厚木基地内に留まっています。たまたまマコトが大槻を足止めしてくれていたから結果的に仕留めることができたまでのことなので、アメリカの判断の中途半端さには、読んでいて違和感が・・・。ゴードンはジョン・トレンパーに任務を続けさせるために銃で脅しをかけていますが、そこは「愛国心」を鼓舞し、「名誉」をエサにして動かすべきなのでは…?
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更紗蝦
ネタバレこれまでワンネスの持ち主が男性キャラしかいなかったせいで、ワンネスで意識が繋がっているシーンが「ホモソーシャル空間」と言っていい状態だったのですが、この巻でようやく女性キャラの能力者が登場・・・かと思いきや、自我を保てずに早々に物語から退場してしまってガッカリ・・・。女性の能力者が「噛ませ」扱いなのもアレですが、この女性と大槻のHシーンで、大槻の視線が騎乗位でよがっている女性の胸に向かっている割には、頭の中に浮かんでいるのはマコトとユウキの顔なので、「お前、何のためにHしてんだよ」と思ってしまいました。
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更紗蝦
ネタバレ「摩耶が戦いを渇望する心理メカニズム」は、具体的な説明はなされていないのですが、彼女がいつも「ゆったりした服」を着ている理由が判明するシーンを見た瞬間に、「ああ、そういうことだったのか」と、腑に落ちました。摩耶は生殖能力を持たない負い目を「ズバ抜けた戦闘能力」で補って余り有った一方で、田所は変身能力を持たない負い目を「科学者としての実績」で穴埋めするには至っておらず、「破壊と死」という“欲得”の描写が、「血族の存続」という“綺麗事”よりも優先した扱いになっているところに、痛快さを感じました。
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更紗蝦
ネタバレ初出が不明ですが、女性キャラのファッションの雰囲気からすると、発表は90年代前半でしょうか? 「初めから女として生まれる者」と「後天的に女になる者」の二通りの「女」がいる血族が、滅びを回避するために、「薬剤の服用によって女になった男」(血族とは関係のない普通の人間)に子供を生ませようとする・・・という内容なのですが、「子供を産ませようとする側」から「妊孕力のある側」への暴力描写が、リョナというわけではなくストレートな殴る蹴るなので、男同士のカップリングを描いた作品ではあっても、BLという印象は薄いです。
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更紗蝦
ネタバレ小島がマコトの顔色をいちいち窺って、「ごめんねよけいな・・・事・・・!」「私が気にさわる事言ったなら・・・あやまるよ」「ごめんねいきなり」「でも・・・なんかごめんね」「なのにごめんね・・・」等、やたらに「謝罪の意」を表明してばかりいるところに、作者の「女性観」が出ていてゲンナリします。そんな小島の態度をマコトは「いかに自分を“心配”してくれているか」と解釈し、そういうマコトの解釈を「マコトの繊細さ」として描いてるので、要は女性キャラの存在意義は「男性キャラを描くための手段」に過ぎないんですよね・・・。
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更紗蝦
ネタバレ『独裁者グラナダ』『Birthday』が収録されています。巻末のライナーノートによると、二作品とも杉本先生が病気で入院している時に考えた話なのだそうで、「人間はふいに存在しえなくなったらなにを残すことができるのか?」という問いから生まれた作品とのことです。杉本先生が作品に込めたメッセージが、ライナーノートの中でしっかり言語化されている(「人間の存在ははかないものでありながらも強くしなやかで確かな一本の針のような芯の通ったものであってほしい」)ところに、読者への心配りを感じます。
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更紗蝦
ネタバレ琅焔と翠蓮がお互いに自らの正体を隠している一方で、それぞれの剣精は事情を完全に把握しているというのに、敢えて恋愛事情には介入せずに傍観者の立場を貫いたところが、とても良かったです。「皇子たちはそれぞれなんらかの能力が備わっている」という設定があるので、トリッキーな異能力バトルへの展開を期待してしまったのですが、シルヴァの予知能力とチェジンの治癒能力しか作中で活かされなかったので、少々残念に思いました。・・・とはいえ、ラブロマンスとしては綺麗にオチがついているので、読後感は爽やかです。
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更紗蝦
ネタバレ特集『まんがダンチュウ』は、グルメ漫画の料理場面のピックアックでお茶を濁さず、「描き下ろし」をしてもらっているところが、ポイント高いです。料理漫画で一番好きなのは『鉄鍋のジャン!』なので、『私と漫画の物語』というコラムは、3つめの水岡孝和氏の内容が面白かったです。いしかわじゅん氏の『漫画の食べ物はなんでおいしそうなの?』という解説文は、「とろけそうな表情に共感」というのには同意できませんでした。エロ漫画的な「アヘ顔」とか「媚び顔」がグルメ・料理漫画に出てくると、読んでいてゲンナリしてしまうので・・・。
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更紗蝦
ネタバレ東方趣味が濃厚なヒロイック・ファンタジーです。「人質として王都で隔離生活を強いられている小国の皇子・琅焔」と、「王家の守護剣についている精霊(剣精)・瑤瓊」による妖魔退治が話の骨子ですが、政治的に勝手にお膳立てされた許嫁である翠蓮と「剣士」として初対面したために、恋愛関係になる前にライバル関係になってしまうという「すれちがいラブコメ」の部分には、ハーレクイン的なもどかしさがあります。絵面的には瑤瓊はジョジョのスタンド風ですが、琅焔が剣士として未熟なために、琅焔の方が瑤瓊に“動かされている”ような状態です。
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更紗蝦
ネタバレユウキが「民主主義」と「資本主義」に関する自分の考えをネットで公表し、政治家に対して三つの要求(公約を守れ・責任を取れ・資格試験を受けろ)をしますが、「無能な政治家に投票する有権者」と「選挙に行かない有権者」の責任をまるっきり無視しているのが気になります。そして、もう一つ気になるのは、真面目な議論であれ雑談レベルであれ、「政治的発言」をしているのは男性キャラだけであり、女性キャラは「男の意見に対して口出し」(小島)とか「特定の男に心酔することで思考停止して裏方に徹する」(ヨーコ)とかの描写であることです。
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更紗蝦
ネタバレ『飾り窓の猫』(JET)、『黒猫』(エドガー・アラン・ポー)、『鍋島猫騒動』、『魔女の猫』(ロバート・ブロック)、『復讐の牙』(曽祢まさこ)、『飢え』(クリストファー・フェイ)、『内なる獣』(マーガレット・マロン)が収録されています。漫画作品が二作載っていますし、『鍋島猫騒動』は明治22年に刊行された草双紙を紙上復刻しているので、文字ばかりではない構成になっており、「読書疲れ」をしないようにという配慮を感じます。想定している読者層はローティーンだと思われますが、『内なる獣』はエロティックな内容です。
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更紗蝦
ネタバレ1996年2月中央公論社刊、2000年7月中央公論新社刊を経て、2021年1月に出版されたワイド版です。蹴鞠好きの頼家も、和歌好きの実朝も、オタク気質な文化人であるところは似ているのに、前者は粗野で暗愚な人物像、後者はおっとりとして聡明な人物像になっているのは、記録を残した人間による“政治的な思惑”を感じずにはいられません。竹宮先生のあとがきによると、当初割り振られた題材は『土佐日記』だったのに、鎌倉へ引っ越した頃に『右大臣実朝』を読んで『吾妻鏡』に興味を持ったために『吾妻鏡』を選んだとのことです。
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更紗蝦
ネタバレ『化粧地獄』『おんな地獄』『こども地獄』『ばんざい地獄』『年下地獄』『蛾』『笹江さん』『怪奇脳髄夫人』が収録されています。初出情報の記載がありませんが、女性が年上の年の差カップルの例えとして「ルミ子とケンヤ」を出してくるところを見ると、『おんな地獄』に関しては1989年頃の作品でしょうか? この作品集の中で一番好きなのは、サザエさんのパロディの『笹江さん』です。
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更紗蝦
ネタバレ初出情報の記載がありませんが、「世間ではどっかのアイドルとどっかの力士が結婚するだのと・・・おーさわぎしとるよーだが・・・」といセリフがあるので、1992年頃の作品でしょうか? 女王様然としたアイドル女子中学生と、そのアイドルに心酔する男子中学生を中心とした学園コメディです。絵柄は一本木蛮先生とかJET先生とか内田美奈子先生系統のこってりとしたタッチで、楳図かずお先生要素は全くないです。
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更紗蝦
ネタバレ漢方薬剤師である堀江昭佳氏とヨガインストラクターである石村友見氏の「対談」と「グラビア」で構成されているので、「本を丸々一冊分使った豪華な広告」を読まされている気分になりましたし、終盤の「自分語り」が完全にスピリチュアル寄りになってしまっているのにはゲンナリしましたが、姿勢を改善させるための身体イメージを【耳の歯車を回転させて首の後ろ側を伸ばす】と表現している分かりやすさは、評価したいです。
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更紗蝦
ネタバレ1995年7月中央公論社刊、2000年6月中央公論新社刊を経て、2021年1月に出版されたワイド版です。源義経絡みの描写は、やっぱり“絵になる”なぁ・・・と思わせる巻でした。特に、「壇ノ浦の戦い」は臨場感たっぷりに描かれていて、漫画という形式で表現することのメリットがすごく出ています。壇ノ浦での源氏の勝利を知った瞬間の源頼朝の心の声が「よくやった!」という感嘆ではなく「父の菩提寺の柱立ての日にそれを聞くとは!」という動揺であるところに、源頼朝が自分の「立場」を常に意識する男であることがよく表れています。
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更紗蝦
ネタバレ「サディスティックなナフリア王子」「勇猛果敢なトトメス王子」「ナフリア王子に仕える小性でありながらトトメス王子に恋い焦がれるラムセス」の三角関係を描いたBL作品です。「人喰い鰐vs人間」というバイオレンスな対決シーンがあるのは、古代エジプトという舞台ならではです。
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更紗蝦
ネタバレ初出は『ホラーM’98 11/21増刊号ホラーMスペシャルVol.2』。キプロス島王家の血を引き、錬金術師の弟子であるロレンツォ・ルジニァーノの、「賢者の石(エリキサ)」を探す旅の物語です。(一巻で訪れるのは、イタリアの一地方、グラナダ、トゥールーズ。)15世紀のヨーロッパの、西と東の文化の複雑な絡み合いを、「ファンタジックさ」と「オカルティックさ」の絶妙な配分で描いています。
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
ネタバレエレノアに「わたしの・・・この不様な姿を笑いにいらしたの?」と問われ、「ええ。呪いなんかに己の運命を委ねた愚かな女をね」と返しているマーガレットですが、実際には全く笑うことはなく、むしろエレノアの「野心と気概」へのリスペクトを見せてしまうところには、スポーツマンシップ的な精神性を感じます。「男女の交わりの感覚を知るためのシャドーセックス」のシーンも、自慰行為というより、「アスリートのイメージトレーニング」の印象を受けたので、マーガレットというキャラクターの描写には、スポコン漫画的なノリがあるような・・・?
が「ナイス!」と言っています。
更紗蝦
ネタバレ 変死した怪談作家の「外園先生」が遺した取材ノートを読み始めた担当編集者の「武内くん」が、読みながら自傷行為を繰り返してしまい、それでも読むのを止められず…という背景の元に、劇中劇の形でホラー短編が続く構成になっています。ラストで死亡するのが、「武内くん」ではなく、取材ノートを読ませてあげていた人(読み聞かせていたのではなく、ノートのページをめくってあげていただけ)なのは、もしかしたら、「外園先生」の“嫉妬”なのでしょうか?(取材ノートはラブレターのメタファー?…と、強引にBL解釈…。)
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/07/30(4283日経過)
記録初日
2011/02/18(4811日経過)
読んだ本
6949冊(1日平均1.44冊)
読んだページ
1054580ページ(1日平均219ページ)
感想・レビュー
6740件(投稿率97.0%)
本棚
49棚
性別
年齢
51歳
血液型
O型
職業
主婦
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

Twitter → https://twitter.com/sarasaebi
Blog → https://blog.livedoor.jp/sarasata/
     http://sarasata.seesaa.net/
Mastodon → https://mstdn.jp/@sarasaebi

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