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2023年の読書メーターまとめ

曲月斎
読んだ本
125
読んだページ
35041ページ
感想・レビュー
125
ナイス
5529ナイス
月間平均冊数
10.4
月間平均ページ数
2920ページ

年間・読書メーターまとめ

年間でナイスが多かった感想・レビュー

曲月斎
筆者は「見立て」の妙手。前著のソマリアもので氏族社会を本邦の戦国時代に擬えて社会分析をした。本書では水滸伝の登場人物への見立てだ。文明揺籃の地に流れる2大河の河口近くに広がる湿地で暮らす人々。葦の間に分け入るように人の繫がりを造っていく。コロナ禍で渡航できない間も生かす。転んでも只では起きない。中で「あり合わせの材料を用いて自分でものを作る」=「プリコラージュ」の概念と、現地の相手との共同作業で生まれる「相対語学力」の手法は面白い。流石、タカーノであります。最後に劈頭の写真を見直すと感慨深いですよ。
曲月斎
2023/09/27 09:17

今の仕事の範囲に、広大なヨシ原があるのですが、本書を読んで浮島を作ってみたくなった。面白そうなのだけど。

が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
失業対策、アウトバーンの建設、ワーゲンの開発、歓喜力行団事業、禁酒禁煙、自然保護……。ナチスがやった「良いこと」の数々は虚妄であると説く1冊。先に「おわりに」を読むといいかもしれない。権威に囚われず自由に物を言いたいという欲望と、本当のことを知っているという優越感。筆者の指摘は実に正鵠を射ている。Web上での意見が飛び交う昨今だからこそ、「歴史知識」と「歴史認識」の違いに気付かなくてはなるまい。岩波ブックレットで上梓された820円の1冊。ぜひ多くの人に読んで欲しい。歴史認識とは奈辺にあるのかを知るために。
が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
一応、国文出身の身とすれば橋本進吉の「上代特殊仮名遣い」、有坂秀世の「古代日本語の音節結合の法則」を始め、「ハ行転呼音」、定家仮名遣い、四つ仮名、オ段の開合、三内入声、契沖仮名遣い……。個別にどういう事象を説明しているのか、ということは学んだ。でも本書の特色はそこではなく、上代から現代に至るまで、約1300年に亘る日本語の音声の変遷を、上記の学説が成立する背景を含めて論じていることにある。ありそうでなかった本といっていい。中でも定家が平仮名の書を漢字仮名交じり文に表記し始めたという指摘は興味深い。良書。
が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
国税庁の民間給与実態統計調査で2021年の平均年収は443万円で平均年齢は46・3歳。実は3人に1人が200~400万の域にある。本書では個々の生活をルポしていく。曰くサイゼリアは神、スタバは贅沢、派遣より時給が低い正社員……。子育て、介護があれば転落する。非正規雇用の規制緩和で、経済を支える個人の経済が崩れる姿を提示する。筆者に伊藤忠の丹羽宇一郎が言った「若者の非正規雇用化は中間層を崩壊させ消費や経済に影を落とす」。予言は見事に的中している。昨今、少子化、子育て対策と称するものが赤チン程度の内容だと。
が「ナイス!」と言っています。

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