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2024年8月の読書メーターまとめ

SOHSA
読んだ本
12
読んだページ
3126ページ
感想・レビュー
12
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2024年8月に読んだ本
12

2024年8月のお気に入り登録
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2024年8月のお気に入られ登録
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2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

SOHSA
《図書館本》「鴨川ホルモー」に続き万城目作品読了。「八月の〜」は第170回直木賞受賞作。京都を舞台の物語はそれ自体でどこか玄妙で不思議な印象を読み手に与え、読み手は物語に隠された伏線を探そうとする。だが作者はそうやすやすとその糸口を与えはしない。京都の暑い夏のようにじりじりと焦らしていく。或いは読み手の視線を誤導する。京都、八月、グラウンド、野球etc。そうか、これらの言葉ひとつひとつが伏線だったかと気づく時、見事にそれは回収され静かでしみじみとした余韻に包まれる。夏のこの季節に読むに相応しい良作。
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2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

SOHSA

本当に暑い7月でした。2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:3637ページ ナイス数:652ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/259749/summary/monthly/2024/7

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2024年8月の感想・レビュー一覧
12

SOHSA
《購入本》角川文庫赤表紙の中では比較的後期の片岡作品。やはりこの頃の片岡ワールドは素晴らしい。携帯もスマホもまだない世界の、人と人との関わりがお互いの会話を通じて絶妙なバランスの中で成立していく様が何とも言えず素敵だ。確かにあの頃、男女のコミュニケーションはそんなふうにして成り立っていた。遠く過ぎていった風景、すでに遥か彼方の景色を片岡作品はいつでも思い出させてくれる。
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SOHSA
《kindle unlimited》2013年から14年にかけて発表された7つの小説からなる短編集。片岡義男の短編はどれも軽快で読んでいて快適な気分になれる。それぞれのタイトルも片岡らしくて素敵だ。私は個人的に片岡小説は夏に読みたくなり、夏という季節がよく似合う小説だと感じている。特に夏が間もなく終わるような頃合いの季節に。だが今年は季節のほうが変だ。夏なのに以前の夏らしくなく、単に暑かったり高湿だったり突然の集中豪雨だったり。片岡義男の小説によく似合う日本の夏がまた訪れてくれることを願ってやまない。
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SOHSA
《図書館本》昭和の少女マンガ、特にSFマンガを中心とした評論。どの作品も皆懐かしく夢中になった学生時代を思い出すことができた。とは言え、実は多少の不満も残った。あまりに萩尾望都にページをさき過ぎではないか。もちろんあの頃、少女マンガに多大な影響を及ぼした萩尾作品にそれ相応の分量のページが必要であることに異議はない。だが他の作家についてももう少し濃密に語ってほしかった。タイトルがSF少女マンガ「全史」であるのだから……。
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SOHSA
《図書館本》河崎作品読了2冊目。さすが直木賞作家だと感じた。明治時代の監獄を舞台に看守と囚人という相対する関係性。ストーリー性に富み、伏線回収が見事な作品だった。文章もメリハリの効いたしっかりとしたもので何の戸惑いも突っかかりもなくスルスルと読めた。「肉弾」にせよ本作にせよ、いずれもはずれがないのは素晴らしい。直木賞受賞作は未読なので、これから是非読んでみたい。
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SOHSA
《kindle unlimited》若林氏によるエッセイ或いは旅行記。作者は自身を赤裸々に分析し心情を吐露する。キューバ、モンゴル、アイスランドへの旅を通して作者の人間像が鮮やかに浮かび上がる。おそらく作者は優しすぎ優しさを犠牲にしてまで何かを得ようとは思わないのだ。それが新自由主義下の日本での疎外感に繋がっているのだ。幸か不幸か私は作者ほどの繊細さも優しさもなく、承認欲求も所属欲求もほとんどない。だが本書が多くの読者の共感を呼ぶのはこの国の生きづらさを実感している人が余りに多くいるということなのだろう。
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SOHSA
《kindle unlimited》河崎秋子作品初読み。終始、圧倒的な迫力に満ちた作品だった。人間と犬と熊と。三者を通じて生き物としてのあり様、本来の関係性、動物をペット化した人間の功罪等、多くの問いが投げかけられている。「自然」と一言で括ってしまうにはあまりにも大きくあまりにも深い。答えは容易には見つからないが、どこまでも考え続けていくべき問いであることにはちがいない。残虐な描写に批判もあるかもしれないが、むしろそのことに目を背けてきた現代人にこそ問題がある。 作者の紡ぐ他の作品も読みたくなった。
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SOHSA
《購入本》江國香織のRossoと本書Bluを1章ずつ交互に読み、ほぼ同時に読み終えた。まさに冷静と情熱のあいだだった。二人の作家の素晴らしさに感銘を受けた。作品の感想はRossoのほうで。
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SOHSA
《購入本》RossoとBluを1章ずつ交互に読んだ。まずRossoの第1章人形の足を、そしてBluの第1章人形の足を。そうしてあおいと順正の二人の別々の時間をほぼ同時に追いかけていった。江國香織と辻仁成という二人の作家がそれぞれを描くことであおいと順正の微妙な心のすれ違いが読み手の心をひきつけ容易には離してくれなかった。文章はどこまでも柔らかく哀しい。読み手の心も静かに穏やかに落ち着いていく。まさに冷静と情熱のあいだのように。(→)
SOHSA
2024/08/17 17:25

(→)あおいの30歳の誕生日、約束の日、あおいは再会の約束をしてからの10年を思い、順正はあおいとの別離からの8年を思う。ここにも二人の僅かなすれ違いがひそんでいる。過去は戻らず、取り戻すこともできない。ラストシーンで同じ列車に乗らなかった二人はもはやどこまでも交わることはないことを暗示しているようだ。

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SOHSA
《図書館本》「鴨川ホルモー」に続き万城目作品読了。「八月の〜」は第170回直木賞受賞作。京都を舞台の物語はそれ自体でどこか玄妙で不思議な印象を読み手に与え、読み手は物語に隠された伏線を探そうとする。だが作者はそうやすやすとその糸口を与えはしない。京都の暑い夏のようにじりじりと焦らしていく。或いは読み手の視線を誤導する。京都、八月、グラウンド、野球etc。そうか、これらの言葉ひとつひとつが伏線だったかと気づく時、見事にそれは回収され静かでしみじみとした余韻に包まれる。夏のこの季節に読むに相応しい良作。
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SOHSA
《図書館本》9.11のなかった米国を描いているとの評判を聞いてこれもまた近未来パラレル・ワールド作品なのかと思ったが、実は全く違った。作者の分身とも思われる老作家の失ったものへの複雑な感情を孫娘との会話を通じてほどいていく物語だった。読み手自身も歳を重ねた今、多くのことが自らのことのように感じられる。過ちと悔悟、成功と敗北、やり直しと挫折。人生とは確かにそういったものでもある。柴田元幸の訳者あとがきも必読の一編。
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SOHSA
《図書館本》芥川賞受賞作。九段作品らしい難解さが見え隠れする不思議な魅力のある小説。近未来の東京でありながらザハ設計の新国立競技場が完成し東京五輪が延期されずに開催されるなど舞台は現世界とは少し異なる並行世界という設定やシンパシータワーという新概念の収容施設を主人公沙羅が設計するというストーリー展開は比較的取っ付きやすい。だがその奥にある作者の真意は容易には見通せず読み手は右往左往する。一語一語をよく噛み締めなければならず一読では消化できない。無論再読を要するが、今すぐか時をおくべきか、やはり迷う。
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SOHSA
《図書館本》万城目作品を手にとったのは5年前に読んだ「プリンセス・トヨトミ」以来。奇譚でありSFでありファンタジーであり、王道の青春エンタメ小説でもある。突拍子もない設定でありながら読み手は知らずしらずのうちに物語の中へと引き込まれてしまう。古都京都という場所が「ここでは何が起きても不思議ではないよ」と言っている気がする。日本人が生来持つ京都という場所への怖れと憧れ、と言っては大袈裟すぎるだろうか。ともあれそんなこんなが混沌と混ざりあった本作はとてつもなく面白い。アビーロードを彷彿させる表紙絵もまた秀逸。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/09/06(4405日経過)
記録初日
2011/04/25(4905日経過)
読んだ本
1525冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
388377ページ(1日平均79ページ)
感想・レビュー
1456件(投稿率95.5%)
本棚
39棚
性別
血液型
O型
現住所
千葉県
外部サイト
URL/ブログ
http://sohsa.hatenablog.com/
自己紹介

(2019.1自己紹介一部更新)

好きなものは本と音楽とコーヒーと空、少しの英語

古典、現代物、日本文学、海外小説、学術書、専門書、ビジネス書、漫画、文庫本、単行本、新書、ペーパーバック、基本的に何でも好き嫌いなく読みます。
一冊の読んだ本からのつながりで、新たな本へと興味が連鎖していく感覚が、未知の世界が拓けていくようで、まさに読書の醍醐味だと感じています。

基本的には図書館派です。
近くに静かな公立図書館が2館、車で15分程度のところにやや大きめの県立図書館が1館あり、これら図書館巡りをしながら、目についた本やあらかじめ目星をつけていた本を借りてきて読んでいます。
こうして読んだ本のうち、是非、手元に置いて繰り返し読みたいと思われる本は、書店やネットで購入します。
また、図書館に置いていない本で読んでみたいと思う本は、ブックオフやアマゾンで中古本を購入して読んでみます。
作家側から見れば、好ましくない読者かもしれません(笑)。
KindlePaperwhite持ちで、紙の本に加えて電子書籍も利用するようになりました。特に洋書を安く入手するのにとても役立っています。
読んだ本の感想は基本的にはアップすることにしていますが、ネタバレにならないようストーリー自体にはなるべく触れないように気をつけています。

好きな小説家は
■原田マハ ■村上春樹
■村山由佳 ■梨木香歩
■小川洋子 ■マルセル・プルースト
■ジュンパ・ラヒリ ■ポール・オースター
等々、思想哲学系では
■熊野純彦 ■栗本慎一郎
■木田元 ■永井均
■ウィトゲンシュタイン ■ハイデガー
■東浩紀 ■内田樹
■藤田一照
等です。 

コミックも、
 ■大島弓子 ■山岸涼子
 ■萩尾望都 ■三原順
 ■村上もとか
など各氏の昔の作品が好きです。

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これからもじっくりと読書を続けていきたいと思っています。
お気軽にコメントやお気に入りに加えて頂けると嬉しいです。

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