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2024年3月の読書メーターまとめ

メタボン
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17
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感想・レビュー
17
ナイス
718ナイス

2024年3月に読んだ本
17

2024年3月のお気に入り登録
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  • fubuki
  • ぶぶ ひこ

2024年3月のお気に入られ登録
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2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

メタボン
☆☆☆☆ 星座をメタファーとした連作集。家族について考えさせる作品が多い。夏休みに海辺の祖母の家で過ごし、子連れのたえさんに甘酸っぱい思いを抱く「銀紙色のアンタレス」。離婚した沢渡の隣の部屋にシングルマザーの船場さん母子が越してきて日曜日毎に過ごすようになるが船場さんの虐待が疑われるようになる「湿りの海」。狐女といじめられるみちるを事故で亡くなった母が幽霊として見守る「真珠星スピカ」。窪美澄は本作よりも直木賞にふさわしい作品がもっとあると思った。万城目学もそうだけど、直木賞受賞のタイミングは難しいのかも。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
17

メタボン
☆☆☆☆ 30代独身の琴美。父が脳卒中で足が不自由となり、「雪かき要因」として、東京での仕事を辞め、推し活も犠牲にして札幌に戻る。琴美の心情表現がいちいち共感できる。アイドルグループ解散コンサートの見送りサプライズで推しの「ゆな」と対面するシーンは感動。河崎秋子は北海道を舞台にした野性的作品だけでなく、このような日常の機微に触れる細やかな作品も書けるんだな。やっぱり凄い作家。
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メタボン
☆☆★ 石川啄木のだらしなさには閉口する。それにつけても太宰治の手紙は天才的だ。どうにもほだされる。
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メタボン
☆☆☆☆ キツネと言えばエキノコックス、だからキツネには触れてはいけないということは道民には周知されている。それもエキノコックス症を根絶しようと目指す北海道立衛生研究所を始めとした関係者の努力によるものだろう。事実に即しエキノコックスの実態を丹念に描いた力作だった。
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メタボン
☆☆☆ 最初は読みづらかったが、生成AIのチャット文が入ってきてからは、するすると読めた。犯罪者は元被害者(私はむしろ原被害者と言った方がしっくり来ると思った)であるという考え方から、刑務所ではなく、シンパシータワートウキョウすなわち東京都同情塔を建設するという設定が、近未来でありえそうで、2030年頃に再読すると、また評価が変わるかもしれないと思った。倉橋由美子にも通じる寓話性の高い小説だった。
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メタボン
☆☆☆ 家中で犬のウンチが撒き散らされるのは閉口する。犬を飼うって大変なんだな。でも長年一緒に暮らしたタケの死に、せつない気持があふれた。
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メタボン
☆☆☆☆ 北海道新聞文学賞佳作の河崎秋子「北夷風人」。生硬だが力強い力作。選考委員は軒並み好評価を与え、その後の活動に期待しているが、李恢成が「中篇でこのテーマを書き切るのは至難。文章にやや説得力を欠き、力みが感じられるのはそのせいかも。ゆめ生悟りはすまじ。」と評するように、時間をかけて長編として書き切ってほしかった。ただ翌年の同文学賞を文句なしに受賞したのは、やはり突出した力量が認められたからだろう。北海道の原生林の中で野生そのものとして生きる北夷の生き様は、作家の想像だとしても、凄まじい。
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メタボン
☆☆☆★私にとっては最高傑作である「笑うな」のような初期のショートショート集に比べるとキレは薄まったが、玄妙さや哀愁を感じさせ枯淡の味わいがある。鼈甲の櫛の価値が吊り上がり果てには妻が花魁となる「花魁櫛」理屈をこねる会議の様子を子供がアホでしょうと一刀両断「本質」熊の恐ろしさに脱糞する「羆」ノスタルジックな赤提灯「お時さん」老人ホームのドタバタ劇「夢工房」近親相姦寸前の兄妹「夜は更けゆく」愛らしいマネキン人形「手を振る娘」コロナを笑い倒す「コロナ追分」過去作のキャラクターが登場する「プレイバック」。
メタボン
2024/03/20 06:55

「じ」の脚韻が笑える「附・山号寺号」。

が「ナイス!」と言っています。
メタボン
☆☆☆☆ 星座をメタファーとした連作集。家族について考えさせる作品が多い。夏休みに海辺の祖母の家で過ごし、子連れのたえさんに甘酸っぱい思いを抱く「銀紙色のアンタレス」。離婚した沢渡の隣の部屋にシングルマザーの船場さん母子が越してきて日曜日毎に過ごすようになるが船場さんの虐待が疑われるようになる「湿りの海」。狐女といじめられるみちるを事故で亡くなった母が幽霊として見守る「真珠星スピカ」。窪美澄は本作よりも直木賞にふさわしい作品がもっとあると思った。万城目学もそうだけど、直木賞受賞のタイミングは難しいのかも。
が「ナイス!」と言っています。
メタボン
☆☆☆ 綿矢りさにしてはつまらなかった。勢いで書いたんだろうな。たぶん菖蒲(あやめ)に共感できなかったところが敗因か。それでもコロナ禍当時の北京の様子がわかって良かった。小説にするよりも、素直に紀行エッセイの方が共感できたのかも。
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メタボン
ネタバレ☆☆☆☆☆少女時代釧路での炊事遠足で起こった機雷の爆発事故が霧多布での鯨の爆発に記憶がすり替わっていた「鯨の岬」。夫や孫の面倒を見る初老の主婦の日常と、無意識に霧多布へ行くこととなり少女時代の記憶を辿っていく、その描き方が惚れ惚れするほど上手い。北海道新聞文学賞受賞の「東陬(とうすう)遺事」も力作。江戸時代の東蝦夷が舞台。厳寒の野付の寒々とした描写が素晴らしいし、弥輔が馬を助けようとして氷海にはまり絶命するシーンは壮絶。女中のたづが小屋に火をかけて死ぬその理由、そしてそれを受け止める平左衛門の心情は深い。
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メタボン
☆☆☆☆ 書くことも生業としている角幡は、冒険の最中でも表現者として「もっと極端な方へ」むかうべきだというベクトルと、生きようとするベクトルの相克に陥る、このギリギリのところに我々は感銘を受ける。本書は徹底してその理由について、三島由紀夫・開高健を引き合いにしながら探っていく。三島由紀夫の矛盾は興味深い。「書くことの不純」というタイトルもこの書を端的に表していて良い。冒険とそれを書くことを続けて来た角幡は、我々がたどり着けない高い境地に達し、だからこそ我々は彼の書く本を読みたくなるのだろう。
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メタボン
☆☆☆☆☆ 容赦ない自然の厳しさの中で、生き抜ける人間の逞しさ、馬との共生。北海道が大地でもあり島でもあるということを感じさせる力強い小説。河崎秋子、すごい作家だ。雪崩に巻き込まれ、雪洞で馬のアオを食べ、その腸の中で暖を取り、1か月生き延びるミネの章は、その描写も含めて特に衝撃的だった。生き延びたミネは無事捨造を出産。根室の沖合にある花島に馬たちを置き去りにせざるを得なかった捨造、その孫の和子。置き去りにされた馬たちの子孫の最後の1頭と邂逅する、和子の孫ひかり。6代に渡る壮大なドラマだった。
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メタボン
☆☆☆★ フィンテックの台頭、長びく低金利による収益構造の転換により、銀行も受難の時代となってきた。顧客本位に基づいた対応スキルを磨いていかなければ、銀行員としての未来は厳しい。
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メタボン
☆☆☆ 海と忍がどうにも薄っぺらく見えてしまうし、璃子の立ち位置も不自然な感じ。窪美澄にしては人物造形が浅い作品と感じた。それでも、痛々しくひりつくような恋愛感情は共感できる。
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メタボン
☆☆☆☆ 磯田氏と直接面談する機会があり、北海道に対する熱い想い、理想を語る姿に感銘を受けた。もし高橋はるみではなく、磯田憲一氏が北海道知事になっていたら、もう少し北海道は「開かれた」地域になったのではないか。鈴木直道知事はまだ若いのだから、思い切った道政を進めてほしい。
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メタボン
☆☆☆☆ 最近、オオワシにはまっている。網走ではつがいのオオワシがテトラポッドにとまっているところを流氷観光船オーロラ号から遠目に眺めることが出来た。この絵本は何と言ってもオオワシの絵が素晴らしい。動きだしそうな迫力だし、つがいで並んでいる姿は愛くるしい。とど打ち漁師が撃った玉がメスのワシに当たり、必死に守ろうとするオスのエピソードは心に響く。漁師はやがておじいさんとなり、オオワシの良き友となる。知床のオオワシ、いつまでも命をつなげていってほしい。
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メタボン
☆☆☆☆☆ 北村薫の文学に対する博識に唸った。過去に感銘を受けた短篇が何であったか訪ねていくのはまさしくミステリーだし、名作の一文をいろはがるたにするというのも面白い。しかし何と言っても、徳田秋声を起点に金沢をめぐって縦横無尽に語る「水」は絶品。金沢の三文豪は言わずもがな、福原麟太郎や庄野潤三も気になるところ。エッセイなのに本の小説との副題が奥深い。さすが泉鏡花文学賞、懐が深い。次作「不思議な時計」も楽しみ。
メタボン
2024/03/02 17:01

気になる本、北村薫「雪月花」松本清張「風の息」、徳田秋声「仮装人物」、福原麟太郎「命なりけり」「天才について」(2冊とも講談社文芸文庫。「治水」は天才についてに収録)。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/01/19(4117日経過)
記録初日
2013/01/03(4133日経過)
読んだ本
3361冊(1日平均0.81冊)
読んだページ
799253ページ(1日平均193ページ)
感想・レビュー
3361件(投稿率100.0%)
本棚
167棚
性別
現住所
北海道
自己紹介

なるべくジャンルに偏りがないように、
1日1冊程度読んでいます。
最近は絵本の「深さ」にはまっています。

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