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2024年6月の読書メーターまとめ

のぶ
読んだ本
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感想・レビュー
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2856ナイス

2024年6月に読んだ本
17

2024年6月のお気に入られ登録
2

  • gonzalestaro
  • remon

2024年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

のぶ
東野さんの新刊は「クスノキの番人」の続編。前作同様にミステリーと、ハートフルなストーリーが融合した物語だった。ただしミステリーの要素はあまり強くない。本作は不思議な力を宿したクスノキとそれを管理する玲斗が様々な人達との出会いを通して成長する物語であり、根本には玲斗と叔母である千舟との関係性が関わる。主人公の玲斗は以前より大人になっていたが、所々危なっかしい面があり、読んでいて目が離せない存在だった。前半で描かれた事件は早めに解決し、後半は徐々に心打たれるストーリーに進む。東野さんの作品では好みだった。
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2024年6月にナイスが最も多かったつぶやき

のぶ

5月は良い本に多く出会えました。一押しの池井戸潤さん「俺たちの箱根駅伝」は一年通してもベストの出来栄えで、涙が止まりませんでした。他に岩井圭也さん「われは熊楠」や西條奈加さん「姥玉みっつ」も良かったです。6月もよろしくお願いします。 読んだ本の数:20冊 読んだページ数:6957ページ ナイス数:2904ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/32836/summary/monthly/2024/5

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2024年6月の感想・レビュー一覧
17

のぶ
ポケミスの2000点記念出版という事と、世間の評価が高いので手に取った。明の時代が舞台の中華冒険活劇。北京から南京に遣わされた皇太子が襲撃され、間一髪で助かったが北京の皇帝も命を狙われていると知る。誰も信頼できない中、偶然関わった数人といっしょに刺客から逃れて北京に向かうタイムサスペンスである。初めて読む華文に加え、時代小説だったので不安だったが、語り口がちょっと独特で読みづらさはあるものの、登場人物のキャラが立っていたので、上巻はどうにか楽しむ事ができた。Ⅱ「天命」に入ります。
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のぶ
阿部さんは先に読んだ「カフネ」が良かったので、本作を手に取ったがこれも良かった。本作の中心人物は、車いすユーザーの渡辺六花と怪我がきっかけで陸上を辞めた荒谷伊澄。ある出来事がきっかけで、高校入学式の朝に出会うところから始まる。二人は同じ高校の同級生になる。ハンデがありながら言葉が明晰で勝気な六花、誰とも競わない、何も目指さない、本気にならないと決めている伊澄。そんな伊澄は六花にたじろぎながら、2人の関係が変化してゆく。ラストの青嵐強歩まで、伊澄と六花との溌溂としたやりとりが爽やかだった。
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のぶ
女性への差別問題を通して、社会問題を炙り出してゆく作品で、面白く楽しむ事ができた。主人公は新聞記者の檜葉菊乃。政治家の息子を裏口入学させていた統和医大。その調査の過程で、女子と多浪人の受験生の点数を、意図的に下げていた事を菊乃は掴む。男女差別問題を当事者としての女性の立場と、無頓着に差別を押し付ける男たちの当たり前に、セクハラ、パワハラの中で生きてきた記者の檜葉と病院理事の神林は、共感しながらもお互いの立場から対決しなければならなくなる。正義と本音の前で悩む女性の姿が、良く描かれていた。
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のぶ
その昔、世間を騒がせた中ピ連の榎美沙子をモデルにした話ですね。作中では塙玲衣子として扱われていますが、そんな一女性の生きざまを、彼女を知るという周辺の人物の証言や記録だけで、構築して人物像を浮き上がらせようという構成です。ただ証言には同じような内容のものが多くて、読んでいてちょっと飽きてくる。またこれらの記述で、深い人物造詣が構築されたかというと、それには疑問が残る。自分は当時の事を知っているので、興味本位で楽しめたが、知らない世代にお薦めするかというと、否定的になると思う。今、なぜ榎美沙子なのか?
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のぶ
木内さんは出る本が傑作ぞろいなので、待ち遠しく読んだが本作も素晴らしい作品だった。薬種問屋の火事からストーリーは展開する。そこで見つかった二体の骸。二人の身元は?犯人は?目的は?物語の本筋は捕物なのだが、それだけに留まらず、人々を苦しめる疱瘡と、それを治療、予防しようとする町医者の話が描かれていて、物語に厚みを持たせている。主人公の服部惣十郎は、出世のための手柄を求めず、罪人を捕まえるより、罪の芽を摘むことをよしとする人物。他の人物設定も良くできていて、話の流れも上手い。大長編だが飽きる事はなかった。
のぶ
2024/07/03 08:47

木内さんはどれを読んでも面白いのですが、これも期待を裏切らない作品でしたね(^^♪

タイ子
2024/07/03 16:41

母さん、ますます期待が高まりました。読むの楽しみ♪

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のぶ
ほしおさんは今までに「活版印刷三日月堂」や「言葉の園のお菓子番」のシリーズを読んできたが、本作はそれまでの作品にない不思議な世界を描いた物語だった。ウツログサと呼ばれる、植物の妖怪のようなものを中心にした5つからなる話で、見える人にしか見えない。そんな物体につかれた人々と、それを祓う、笹目という人物がどれにも出てくる。何だか現代の民話のようで、その先にはその人にとっての希望や幸せが込められていた。ほしおさんはこんな話を書くのかという戸惑いはあったが、決して悪い雰囲気ではなかった。
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のぶ
木下さんの新刊は室町時代の禅僧、一休の半生を描いた作品だった。今までアニメでしか知らなかった、真の人物像を読みやすく、分かりやすい文章で知る事ができた。幼名は千菊丸と呼ばれ、長じて周建の名を与えられ、やがて宗純、そして臨済宗の寺で一休の道号で老師として世に出る事になる。一休の生きた時代は、南北朝の時代で本人自身、南朝の血を引き継いでいる。読んでいて率直に感じたのは、一休自身が歴史を動かすような大きな事をしていない。その代わり周りの人に慕われてきたことがよく分かった。生そのものが、愚かで美しい一冊。
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のぶ
梨木さんが過去20年にわたって綴られた、数多の書評や解説、一部本や映画にまつわるエッセイをまとめた一冊。全体を読んでみて、紹介されている本は知らない本ばかりで、ものの見事に読んでいない。自分の日頃の読書の偏りを痛感させられた。内容については、読んでいないので評価しづらいのだが、文章は格調高く、豊穣な気分にさせられるもので、読んで損はなかったとの気持ちを持つ事ができた。様々なジャンルの中で、梨木さんがどんなことに想いを馳せてきたかがよく分かった。今後の著作を読むうえで、大いに参考になる良書だった。
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のぶ
荻原さんの本は20年以上読んでいて、ほとんど外れがないので安心して手に取ったが、本書も楽しむ事ができた。行方不明になっていた5歳の真人が森で発見される場面から話は始まる。真人は自閉症スペクトラム障害と診断されており、同世代のこどもと同じようなコミュニケーションを取ることも難しい。1週間も森の中を彷徨っていたにしては、真人は衰弱していなかった。誰かが彼を助けてくれたのだろうか?そんな流れで物語は展開していくが、ちょっと間違うと重苦しい話になってしまうところ、ラストまでユーモアを含んで面白い作品だった。
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のぶ
「ともぐい」が熊文学なら、本作は監獄小説。暗くて重い雰囲気が全編に漂っているが、内容は充実していた。瀬戸内巽は活動家として逮捕され、北海道の樺戸集治監に送られる。そこで出会うのは同じ囚人の大二郎。大二郎は場を和やかにするほら吹きの名人で、水の入った石英を隠し持っていた。描かれるのはほとんど過酷な囚人としての暮らし。そんな生活を、感情をまったく見せることのない看守の中田が見つめている。この三人による歪な友情小説とも捉えられるような印象だ。出来は「ともぐい」にも劣らない。河﨑さんの勢いを示した小説。
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のぶ
今村さんの新刊は、鎌倉時代の元寇を描いた作品だった。主人公は河野六郎通有という承久の乱で没落した河野家の当主だが、この人物が実在したのかが分からず調べてみたら、伊予水軍の将として実在したことが分かった。ただし物語ではとても地味な存在で、ヒーローものとしての要素は薄い。前半から中盤は大きな事が起こらずに河野家一族の淡々とした描写が続くが、存在として面白いのは、令那と繁という高麗の奴隷として河野家に引き取られた優秀な二人の存在。終盤で元寇との戦いとなるが、序盤の布石が利いていて面白く読む事ができた。
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のぶ
古内さんの新刊は、それぞれの主人公が元々知っていた、または状況に流されて偶然見つけた「隠れ家」が毎話出てくる6つの作品集で、楽しく読む事ができた。何かに行き詰まった時、全く別の世界を持っていると救われる。日々の忙しない生活の中、仕事や人間関係で疲弊したり、理不尽な目に遭った主人公たちがそうした場所で、一息つけるのはとても良いと思った。息苦しさを抱えた登場人物を見ていると、多様性を良しとする風潮が、逆に息苦しく多様性を奪っているような気がしてならない。今までの古内さんの作品にも共通する部分も多い。
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のぶ
東野さんの新刊は「クスノキの番人」の続編。前作同様にミステリーと、ハートフルなストーリーが融合した物語だった。ただしミステリーの要素はあまり強くない。本作は不思議な力を宿したクスノキとそれを管理する玲斗が様々な人達との出会いを通して成長する物語であり、根本には玲斗と叔母である千舟との関係性が関わる。主人公の玲斗は以前より大人になっていたが、所々危なっかしい面があり、読んでいて目が離せない存在だった。前半で描かれた事件は早めに解決し、後半は徐々に心打たれるストーリーに進む。東野さんの作品では好みだった。
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のぶ
「まいまいつぶろ」のスピンオフ的な作品集。本作だけでも読む事ができるが、先に「まいまいつぶろ」を読んでいたら、家重と忠光の関係がより理解できて、より深い読書ができると思う。本書は八代将軍吉宗の御庭番を勤めた万里が、影から見聞きした人や事が描かれるというつくりとなっているが、それだけでなく、収録されている5篇の作品が吉宗-家重-家治という三代の将軍の流れや、関係性をより深く浮かび上がらせて、人物造詣が良くできている事が理解できる。御庭番や老中との関係性など当時の幕府の事情も知る事ができて良かった。
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のぶ
読み始めて主人公がチャボである事に気がついて面食らった。桜という名前もついている。ある日、外敵に襲われ逃げ出したところを、茂さんに助けられたところから始まる。茂さんは、仕事も人間関係もうまくいかず調子を崩して、東京の下町の商店街でジイチャンが営む金物店の二階に居候している。お互い弱いところを持っている同志だが、この関係が読んでいて不思議な温かさを生み出している。桜が茂さんを通してさまざまな出会いを体験するが、それはとても温かく描かれていて、満足する事ができた。桜と茂さんに幸あれと祈らざるを得ない。
が「ナイス!」と言っています。
のぶ
シリーズの第6作。そう言えば「ロボット・イン・ザ・ガーデン」は日本で映画と劇団四季のミュージカルになったのでしたね。そんな事を忘れていて本作を手に取ったが、あの温かい雰囲気にすぐに浸る事ができた。今回はタングが思春期で、恋や人間的な体への憧れなど悩み多い状態だった。娘ボニーとの関係にも問題を抱えたベン、今回は天才ポリンジャー博士の登場で問題大発生。チェンバーズ一家に隠されていた秘密もカトウ一家がやってきた事であらわになってくる。不穏な空気が流れたが、最後は落ち着くところに落ち着いた感じだった。
が「ナイス!」と言っています。
のぶ
阿部さんは初めて読んだけれど、とても良かった。主人公の野宮薫子は国家公務員。溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていたところに、弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことになる。冒頭からせつなの不愛想なキャラクターが良くて感情移入した。せつなの作るおいしそうな料理に舌鼓を打ちながら物語は進行する。全体として濃密なテーマの小説だった。人の死は何なのか?幸せの定義とは?読んでいていろいろ考えさせられた。薫子とせつなが良い人生を送れるよう願って止まない。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/09/18(5512日経過)
記録初日
2009/04/01(5682日経過)
読んだ本
3205冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
1195550ページ(1日平均210ページ)
感想・レビュー
2235件(投稿率69.7%)
本棚
0棚
性別
血液型
A型
現住所
愛知県
外部サイト
自己紹介

読書は以前はにミステリー・サスペンスに偏っていましたが、皆さんのレビューの影響で、ドラマ性の強い小説や時代小説などジャンルが広がりました。、これからも皆さんの感想を参考にさせていただいきますので、よろしくお願いします。ほかに映画、クラシック音楽が好きなので、行ってくると時々つぶやきます。

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