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2024年10月の読書メーターまとめ

amanon
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2024年10月に読んだ本
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2024年10月のお気に入られ登録
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  • 名無し
  • tabbykari

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

amanon
以前、岩波版で読んだものを新訳にて再読。初読の時は、ソクラテスの死とイエスの死とを重ね合わせることで、何となしわかったような印象があったのだけれど、いざ読み返してみたら、想定外の難物。訳者でさえ、学生時代から読み続けても、いまだに理解できないというのだから、さもありなん。ただ、後のキリスト教神学への影響は朧げながらでも理解できたが。また生よりも死を重んじるスタンスをとりながら、それでも闇雲に命を軽んじることを促しているわけでは決してない。そのあたりの匙加減が今一つ理解できず。魂の存在を考えさせられる。
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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

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2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:17冊 読んだページ数:5981ページ ナイス数:180ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly/2024/9 先月ももう一歩というところで、6千頁いかなかったな…異次元レベルの暑さが影響したのか?漱石再読ブーム継続中。漱石以外も再読本が多めか。

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2024年10月の感想・レビュー一覧
16

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文庫版にて再読。解説で内田樹もエピローグについて軽く触れていたが、最後の最後に至る寸前でこんな展開が待ち受けていたということに驚き。また、初読の際には、米国の脅威ばかりが印象に残っていたが、実はそれと同じくらいに中国が大きな存在であったということに虚をつかれた思いがした。この二大大国との間に立って、いかにうまくその場を切り抜け、なおかつ自立国家としての矜持を保つかが、今後の日本の課題なのだとは思うけれど、それをうまくやり通せるだけの力を持った政治家が今の日本には望めそうにないと思うと、深い嘆息しかない。
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シリーズ二巻目。先に読んだアンソロジーと被る作品が少なからずあったが、それでもその特異性な作風に改めて驚愕させられた。解説にもあるように時間の連続性を極限にまで廃したかのような「軽み」の追求というべきものは、他に類をみないもの。そのため、時として論理性や因果性をまさに「軽々と」超越あるいは逸脱してしまう。そして、読者は自分の頭の中に締められた論理性や常識のネジを、これらの作品を読むことで程よく緩め、その類まれな物語世界に入り込むことになる。個人的にとりわけ印象的だったのが、「チョコレット」だったか。
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これまで数冊程読んできた百閒をもう少し深掘りしたくて手に取る。かつて倉橋由美子が百閒の作品をスナック菓子みたいにポンポンと食べられるというようなことを書いていた気がするが、まさにそんな感じというと、褒め言葉に聞こえないか…先に読んだ足穂にも通ずるナンセンスな掌編やエッセイは、暇な時に拾い読みするのに打ってつけかもしれない。また、師漱石の「夢十夜」を思わせる幻想的な作品が収められているのも興味深い。個人的にとりわけ印象深かったのは「サラサーテの盤」だったか。先妻の子供を抱えた寡婦の姿が何ともいえず切ない。
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ちょうど今の僕と同じ年齢の時の対談を収めたものとということで、一抹の感慨を覚える。しかも、それが大病を患った後であるので尚更。いみじくも同じく大病から回帰した冒頭の江藤潤との病気談義はなまじ飄々とした語り口であるがため、その病状のヘビーさがリアルに伝わってくる感がある。そしてこの対談のもう一つのテーマである『楽天記』という小説のタイトルに込められた意味の深さに驚嘆。あの小説をもう一度読み返したくなった。また、本書で幾度となく私小説家であることの自負やその意義について語っているのが面白い。深掘りが必要。
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煙に巻かれたような、分かったような分からなかったような気持ちにさせられることを承知していながら、性懲りも無く鏡花の作品集を手に取る。タイトルが示唆する通り、これまで以上に煙に巻かれた感が強い上、注釈が全くないということに一抹の怒りを覚える。いみじくも、本書は文語調で書かれた作品が少なからずあるためなおさら。注釈をあえてつけなかったのは、あくまで鏡花の美しい文体を楽しんでもらうためだということなのかもしれないが、それでも…という気持ちは拭いきれない。個人的には師尾崎紅葉への深い敬愛が特に印象的だったか。
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これまで何となしスルーしてきた堀辰雄のアンソロジー。やはり『風立ちぬ』が出色の出来たが、個人的には終盤に収められた幼少期の回想記に惹かれるものを覚えた。その大まかなストーリーはある程度知っていたが、『風立ちぬ』の抒情性や儚い美しさは、当たり前だが読まないと理解できないと改めて痛感。節子の死の描写をあえてオミットしたところが、かえってその死の余韻を残す。タイトルそのままの「幼年時代」は幼馴染の竜子とたかちゃんとの思い出が何とも甘酸っぱくて、なぜか心に疼きを覚える(苦笑)。また義父との思い出も微笑ましい。
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先に読んだ「ちくま日本文学」に触発され、更に深掘りすべくこのコレクションを手に取る。表題作は再読だが、初読の時以上に月と星が頻出するのに虚をつかれたような思いが。解説で示唆されているように、はなから論理的整合性を無視したかのような語りに、このような作品が前世紀初期に書かれたことが奇跡のように思えてくる。そして、著者がのちの作品がこの作品の解説のようなものだと語ったことが、今更ながらに意味深く響く。また、夥しいまでに作品の随所に散りばめられたカタカナ英語に、一時期はさぞ辛かっただろうな…と想像させられた。
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一見、あまり結びつきそうにない三位一体と人権という概念だが、本書を読み進めていたら、「そういうこともありかも…」と思えてくる。タイトルに反して、終始中世哲学がテーマであるわけではなく、終盤はプラトンとソクラテスにかなりの紙幅が裂かれるのだが、いみじくも先程読んだプラトンの著作にかなり言及されており、ちょっと不思議な気分に。また、ソクラテス自身の思想とプラトンの思想とがイエスとキリスト教徒の関係がほぼパラレルなものになっているのが興味深い。また挿話で取り上げられた麻原彰晃のエピソードが何とも言えず重たい…
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以前、岩波版で読んだものを新訳にて再読。初読の時は、ソクラテスの死とイエスの死とを重ね合わせることで、何となしわかったような印象があったのだけれど、いざ読み返してみたら、想定外の難物。訳者でさえ、学生時代から読み続けても、いまだに理解できないというのだから、さもありなん。ただ、後のキリスト教神学への影響は朧げながらでも理解できたが。また生よりも死を重んじるスタンスをとりながら、それでも闇雲に命を軽んじることを促しているわけでは決してない。そのあたりの匙加減が今一つ理解できず。魂の存在を考えさせられる。
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プラトンの著作としては、いつになくさくさく読み進めることができたが、その平易な文体とは裏腹にそのテーマは重たい。いみじくも論敵を舌鋒鋭く言い負かす政治家や論客がもてはやされる傾向が強いだけに、本書で説かれている弁論術が孕む危険性には今一度注目する必要がある。そして何より驚かされるのが、解説にもあるように、例外的と思われるほど、ソクラテスが対話相手に対して、辛辣で厳しいこと。特に最後の対話の相手カリクレスに対する言葉は、時に罵倒とさえ思われるもの。これも解説にあるように、プラトンの思いの現れなのだろう。
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前から気になっていた作家のアンソロジー。冒頭の「一千一秒」はさわりだけ読んだことあるが、解説で佐々木マキが述べているように、改めて日本という風土から到底生まれ得ないような、ある意味ぶっ飛んだ内容に驚愕させられる。それと同時に、この人は、生涯日本の文壇に馴染まなかったであろう孤高の人という印象を受けた。個人的にとりわけ印象深かったのは「山ン元〜」。泉鏡花を思わせる怪奇時代ものだが、主人公の一人称は「僕」だし、微妙に従来の時代物を逸脱しているの点があるのが、なんとも言えずおかしい。この辺り、ある意味真骨頂か。
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「山月記」と「名人」くらいしか読んでこなかったが、こうやってある程度まとまった形で著者の作品に触れてみると、その特異性を改めて痛感。池澤夏樹が解説で述べているように、日本人を登場させないという一点だけでも、その特異性が窺い知れる。個人的にとりわけ印象に残ったのは李陵だったか。李陵と司馬遷という対照的な人物を並行して書き分けることによって、作品が思わぬ厚みを帯びることに驚かされる。また、日本人の立場から殖民地であった朝鮮人の立場に寄り添うという当時としては例外的といえる「巡査~」には非常に驚かされた。
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これまで何となしスルーしてきた梶井基次郎。しかし、読んだ気になっていた「檸檬」を改めて読んでみたら、「果たして、自分はこの作品をちゃんと読んできたのか?」と自らに問いただしたくなるくらいの傑作ぶり。ただ、なまじ収録作品が多いため、全体としては散漫な印象を受けてしまうというのが正直なところ。解説で群ようこが触れている高校時代に読んだという通常の文庫飯から入った方がよかったのかもしれないと思えて来る。その解説で語られる、群氏の基次郎愛とミーハー気質丸出してありながら、この上なく純粋な文学への傾倒が微笑ましい。
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夥しい数のラテン語系名の登場人物と、複雑に入り乱れた関係性、それに南米の込み入ったややこしい事情など…読み始めた当初は、ややひるんでしまったが、読み進めるにつれてそのスリリングな内容に引き込まれることに。誘拐という凶悪犯罪を扱ったということで、陰惨な要素もあるのだけれど、むしろ被害者と加害者がヒューマンな関係性を築いたり、解説にもあるように、犯罪組織のボスが意外と人間臭さや尊厳を示したりと、ある意味ほっこりさせるような記述があるのに驚き。また、犯罪者達にもカトリック信仰が深く根付いているのも印象的。
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『高野聖』は二十数年ぶりの再読だが、殆ど記憶がなかった…併録作も含めて、確かにその文体に魅力を覚えるのだが、読みが浅いのか、話の道筋が今ひとつ掴めず(特に「眉隠し」)。解説を読んで、「ええ、そういうことだったの!」と驚かされることが少なからずあった。ただ、これも解説にあるように、話としての整合性というより、あまり深く考えず、その物語世界に深く没入するという読み方が、このテキストに相応しいのかもしれない。あまりに月並みではあるけれど、とりわけ印象に残ったのは、聖と女の川での水浴びの淫雛な場面だったか。
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3度目にしてようやく見えてきた…岩波文庫で読んだ時も、充実した読後感を覚えたが、今回、その時以上の様々な発見や驚き、そして新たな謎や興味を覚え、何度でも読み返したい気にさせられる。暴君とばかり思っていたラムジーの意外と弱かったり、優しかったりする側面。また、前回まであまり気に留めていなかった、画家リリーの存在感とその言動。そして何より作品中における「灯台」の象徴的な意味…訳者あとがきでも述べられているように、原文は様々な話法が用いられる難解極まりないものだとのこと。その原文を味わえないのがもどかしい。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/06/26(5995日経過)
記録初日
2008/06/01(6020日経過)
読んだ本
3161冊(1日平均0.53冊)
読んだページ
1021688ページ(1日平均169ページ)
感想・レビュー
3108件(投稿率98.3%)
本棚
7棚
性別
血液型
O型
職業
専門職
現住所
京都府
外部サイト
自己紹介

 ハンパ者を自称しつつも、何だかんだと某グループホームにて介護の仕事をこなしつつ、空いた時間を読書に充て、一応悠々自適な日々を過ごしているつもり。
 好きな音楽は、フー、キンクス、ビートルズ、フリー、ルースターズ、村八分、ティラノザウルス・レックス、ザッパなどのロック、マイルス、コルトレーン、ビリー・ホリデイなどのジャズ。後、ゲンズブール、バルバラなどのシャンソンもちょっと囓った。それから一時期はグールドによるバッハ演奏に結構はまってた。
 好きな作家、よく読んでいた作家は、倉橋由美子、高橋たか子、大江健三郎、町田康、中上健次、津島佑子、古井由吉、高橋和巳、島田雅彦、島尾敏雄、安部公房、三島由紀夫、橋本治、村上春樹などの戦後作家。後最近の作家で読んでいるのは、森美登見彦、平野啓一郎、阿部和重、西村賢太、多和田葉子、中村文則、柴崎友香、村田沙耶香など。
 海外の小説家でわりによく読んだのは、ジュリアン・グリーン、セリーヌ、モーリヤック、ヴァージニア・ウルフ、バルザックくらいか。
 小説以外で好きなのは、エックハルト、シモーヌ・ヴェイユ、内田樹、佐藤優、須賀敦子、白洲正子など。

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