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2025年11月の読書メーターまとめ

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2025年11月に読んだ本
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2025年11月のお気に入り登録
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  • Melinda Chan

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

nobody
「蟹工船」⋯蔵原惟人は労働者「個々の形象がはっきりと印象づけられない」点を難じているが、これは蔵原自身いうように労働者を「一つの生きた集団として描こうとした」意図的なものであろう。主語を省略する手法は団結を示そうとしたものだろう。敢えて登場人物の固有名詞を極力明示しなかったのもその意図であろうが、それでもやはり何だか人形劇のような感じがするのである(これも意図的かもしれぬ。単純化して、闘争のモデルを労働者読者に示したかったのだろう)。シンプル化が目的とすれば文学作品としての深みに欠けると指摘するのも詮無い
nobody
2025/11/24 12:12

あと、すいません、初めからリンク貼ればよかったのですが(ITに疎いもので)、「日本死気」、これです→https://anond.hatelabo.jp/20251117010116 もう読まれたでしょうから完全に無意味ですが。ご返答無用です。

mitu
2025/11/24 12:23

いえ、わざわざありがとうございます。たまたま、本当に一番上に出てきましたので、お陰様ですぐに見つかりました☆☆☆

が「ナイス!」と言っています。

2025年11月の感想・レビュー一覧
6

nobody
リアルで国家との闘いを描こうとすれば治安で公安、防衛で米軍が出てきて創作の飛躍を阻害し、創作者を萎縮させてきた。しかるに村上龍は公安も米軍も華麗にスルー、もちろんこれは芥川賞選考委員を嬉々として務める心性からくる意図的なものだ。しかも巨大金融企業集団「ザ・セブン」は米軍どころかなんとアメリカ以上の存在なのだから荒唐無稽は大前提なのだ。それをマジシャンに無意識で協力しながら騙されるのを期待する観客のように、いかにリアルであるかのように読者を眩惑するかが村上龍の職人芸の真骨頂、「お勉強」の成果の見せ所なのだが
nobody
2025/11/28 01:25

利己か利他かを決めるのは個体でなく遺伝子の戦略である。冬二が敵とするシステムは、彼が誤解しているように弱者を保護するのではなく、むしろ生産力としての弱者を奴隷として収奪するための強者のためのシステムなのだ。つまり冬二がシステムを攻撃するのは己を滅ぼそうとすることなのだ。裂坂が人類が農耕を始めたように神を欺いてほしいと冬二に託し、冬二はその裂坂の言葉を「乾いた喉を通る水のよう」に受け取ったのに農耕に始まるシステムを破壊しようとするのは無数の矛盾のうちのほんの1つだ。そもそも冬二はファンタジックな存在なのだ。

mitu
2025/11/28 04:25

nobodyさん、おはようございます。村上龍氏を二度程か挫折した後、やめてますが、レヴューを拝見して、面白かったです。相変わらず読むことは無いですが。

が「ナイス!」と言っています。
nobody
「蟹工船」⋯蔵原惟人は労働者「個々の形象がはっきりと印象づけられない」点を難じているが、これは蔵原自身いうように労働者を「一つの生きた集団として描こうとした」意図的なものであろう。主語を省略する手法は団結を示そうとしたものだろう。敢えて登場人物の固有名詞を極力明示しなかったのもその意図であろうが、それでもやはり何だか人形劇のような感じがするのである(これも意図的かもしれぬ。単純化して、闘争のモデルを労働者読者に示したかったのだろう)。シンプル化が目的とすれば文学作品としての深みに欠けると指摘するのも詮無い
nobody
2025/11/24 12:12

あと、すいません、初めからリンク貼ればよかったのですが(ITに疎いもので)、「日本死気」、これです→https://anond.hatelabo.jp/20251117010116 もう読まれたでしょうから完全に無意味ですが。ご返答無用です。

mitu
2025/11/24 12:23

いえ、わざわざありがとうございます。たまたま、本当に一番上に出てきましたので、お陰様ですぐに見つかりました☆☆☆

が「ナイス!」と言っています。
nobody
ネタバレ壮大な駄作である。そしてそれはミッチェルの責任ではない。これは処女作なのだから。洗練を経ていない。私が一番いいたいのは、手練手管を尽くしてマス目稼ぎに心を砕く暇があるなら、その前にせめてストーリー(大筋)の整合性のチェックに力を入れてくれということである。マス目稼ぎは作家の便宜に過ぎないのに、作家はそれを波乱万丈ということにして小説の醍醐味に擦り替えてしまった。太郎と花子は愛し合ってずっと幸せに暮らしました、では小説にならないのだ。恋愛小説は、まるで愛し合っているのにいかに別れねばならぬようにもっていくか
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nobody
ネタバレ全3巻、翻訳での換算だが原稿用紙3620枚分の大長編を全体的な整合性を保ちつつドラマ展開させ切るという尋常でない作家魂にはとりも直さず敬服するしかない、ということでディテールに関しては大目に見てあげましょうということになり、齟齬を責めるのは重箱の隅をつつく大人げない行為と見られる。だから齟齬がミスレベルを越えて矛盾に到っても(p.339「勇気」、p.362「美しく」。誤植も少なくない。p.364「彼自身」は「彼女自身」の誤植と思われる)目をつぶらねばならぬ。つまり本作は精読してはいけない。あまりにスピード
が「ナイス!」と言っています。
nobody
中村雄二郎・木村敏「精神医学と哲学との対話」⋯三木清『哲学入門』、後藤平『哲学とは何か』、鷲田小彌太『これでわかった「現代思想・哲学」大全』を読んでも哲学とは何かさっぱり判らず、逢着したのは反哲学である。あたかも哲学者の主任務とは哲学とは何かを説明することのようで、そしてその答えを明確化してはいけないという暗黙の了解を哲学者間で共有しているかの如き観がある。哲学と哲学学は違う、「哲学ほど面白いものはない」、お馴染みの文句が繰り返される。言葉は全て上滑りする(だから入門書をいくら読んでも何も残らないのだ)。
nobody
2025/11/08 00:43

花田清輝は「転形期の力学に根ざす抵抗の論理を提示」したと。哲学上のそして岩波の言語感覚としてはこれで説明したことになるのである。花田をはじめ本稿にだけディドロだのラカンだのデリダだの脚注が付けられているのが象徴的だ。つまり対論がポンポンと上滑りしていき実質がないのだ。で、実質抜きでポンポンと古今東西の哲学者の名前を出せる俺達って頭いいでしょ、哲学者でしょという訳だ。論理も「あらゆる個別領域が否応なしに哲学を含まざるをえなくなれば」、「私あるいは我々はこう考えるのだというメッセージを発信しなければならな」い

nobody
2025/11/08 01:06

という具合に上滑りである。ちなみに本稿には「若い人へのメッセージ」という副題が、これで付いている。上滑りするのは哲学の中身がないからだ。そう、哲学はないのだ。ないのをあるかの如くでっち上げるのはやめよう。「一般的な哲学の専門家などはいない訳で、むしろそれぞれの領域をもった人がやっている」(中村)。いい哲学論文とは引用のパーティー・宴会・シンポジウムだとする両者。仏・米・伊ではハイデガーから問題を引き出して展開している。「カントの理性」といった言い方は哲学独特だ。普遍的実体はなく上滑りの言葉遊びだけがある。

が「ナイス!」と言っています。
nobody
保阪正康・新浪剛史・楠木建・麻田雅文・千々和泰明「大座談会 日本のいちばん長い日」⋯小室直樹や色魔力夫によるノウブレス・オブリージュに裏打ちされた素晴らしき国家権力論がいかにインチキかがよく判る。たとえそれが普遍的真理なのだとしても日本は例外だ。日本は非合理国家だ。先の戦争の敗因は、端的にいえばアメリカが合理的であり日本が非合理的だったというだけの話だ。この日本の非合理性の追究こそ日本の知識人の第一の責務の筈だがなぜか誰も腰を据えてやらぬ。敗勢明らかとなったのは42年6月のミッドウェー敗戦からだ。以後なお
nobody
2025/11/06 01:12

3年以上連戦連敗を重ね続けたのはなぜか。「敗北を避けるために、戦争を続けることが自己目的化し」(楠木)たのだ。「負けを認めたら、自分たちが責任を取らなくてはなりませんが、それは避けたい。(略)ほうっておくと組織は手段を目的化しようとしてしまう」(同)。「責任からのがれるために戦いをやめないという状況が続い」(新浪)た。責任を取ることだけが仕事である権力者が責任逃れをしたいがために300万人の日本人を殺したのである。権力者のみではなく人間全体の習い性として「多額の費用を投じた事業からは撤退しづらいという『サ

nobody
2025/11/06 01:13

ンクコストの呪縛』」というのがある。「『これしかない』というレンズをはめてしまうと、常に自分の都合のよいように解釈してしまう」(楠木)希望的観測から人間は永久に逃れられない。スターリンがポツダム宣言に署名してないのを日本はまだソ連仲介策の目はあるととったように。だが個人レベルならともかく近代的ガバナンスとしてはプランBの準備が常識で、それをもたぬ非合理性を貫き続けるのは日本だけだろう。強硬論一辺倒の東条を昭和天皇が寵愛し続けたことの矛盾は誰もいわない。昭和天皇が聖断を下したのは陸軍クーデターを恐れたため。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/07/27(4152日経過)
記録初日
1995/04/21(11189日経過)
読んだ本
839冊(1日平均0.07冊)
読んだページ
230212ページ(1日平均20ページ)
感想・レビュー
839件(投稿率100.0%)
本棚
21棚
性別
血液型
A型
現住所
佐賀県
URL/ブログ
http://nobody515.seesaa.net/
自己紹介

速読能力が死ぬほどほしかった……。
積ん読本が増えていくばかりです。
よかったらブログの「読書録」のところだけ読んでみて下さい。
よろしくお願いします。

❎レビューへの批判について❎
実社会で、全くの初対面でいきなり謗られたことはありますか。ありませんよね。街を歩いていてすれ違いざまに顔に唾を吐きかけられたことがありますか。ありませんよね。他人のレビューにいきなり汚い言葉を浴びせるのはこれと全く同じ行いだということをまずご承知おき下さい。人への態度として、マナーとして、これ以上非礼千万な行いはないと考えます。私のレビューを謗る人は、その著者のファンと類推されますが、まず見ないで下さい。私に関わらないで下さい。私は非常識な人間と関わることを人生最大の不快事とする者です。ブロックでもして下さい。誹謗ではなく批判したい方は、レビューのどの箇所を、どういう根拠に基づいて批判するのか明記して下さい。私は少なくとも批判する人の10倍は精読しています。ただケチをつけたいだけの、レビューの批判に名を借りた誹謗はお断りします。

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