偏差値70以上の男子高でも、下ネタで盛り上がるんだね笑。死んで声だけになった山田と2Eのクラスメイトの交流。本当にバカバカしくも愛おしい彼ら。だが、そうだよね、いつまでも続く筈がないものね。それに気付かされてからは少し切なくもの悲しい話に変わった。初読みのまだ若い作家さん、楽しませてくれてありがとう。成瀬もそうだが、山田や同級生達、自分とは関わる事のない世代の彼らに元気を貰った。若者向けの作品だからと読まず嫌いしないで良かったと思う。ふと、おちんちん体操第２とつぶやいてしまいたくなる自分もバカで愛おしい。

生きてて欲しかった。行方知れずのままでも良かった…。何とも虚しい結末で救いのない話だった / 囚人と云えど過酷な労働を強いられ命を削られた人々を思い、やり場のない悲しみに胸を痛めた。せめて腹一杯食わせろよ。暖かい布団で休ませろよ / 苦しんでいるからといって己の手で子らの命を断つだろか？大二郎から真実が聞きたかった / 中田が大二郎の行方を探した本当の理由は何だったのか。吹雪の夜を共に生き抜いた者同士の情があったと信じたい / 巽はその後どうしているだろう。甘い饅頭を普通に食べられる生活をしていて欲しい。

こってこての恋愛小説。BLと云えど凄く新鮮な感じがした。相手に好きって言ってしまいたくなる胸の高鳴り、ずっと一緒に居たいとか相手の幸せを願うとか、相手の喜ぶ顔が見たくて一生懸命になるとか、そんなピュアで一途なもうずっと昔に忘れてしまった切なさとかときめきとか諸々の感情…久しぶりに思い出させて貰っちゃいました。恋に障害は付きものだ。BLなら尚更。二人が幸せでいられるようにと心から祈ったおばさんなのでした。

夫婦喧嘩で突き飛ばしたモラハラ夫が頭を打って倒れた。死んだと思った友里香は2人の親友(麻矢・璃子)と夫を始末する事に。が、意識を取り戻した夫。始末しようとした事がばれる、どうしようと思ったが、夫は記憶喪失に！って話と、浮気した夫に失踪された麻矢の話。バツ1の璃子が夫の浮気相手なのか?!30代半ばの彼女達。結婚の本質と危うさに迫るノンストップミステリ。面白かった！女性心理を詳細に描写しててとても男性作家が描いたと思えない。楽しませて貰いました。タイトル…世の奥様方は皆、1度くらいはそう思った事があるかもね笑

和歌山に生まれ、好奇心旺盛な少年時代を経て、あらゆる学問に精通し、いつか学問で身を立て、南方の名前を大きくする野望に燃えた熊楠。だが、両親や弟に金を無心し勝手気ままに研究を続けただけの無法者なのではないかと、自ら思い悩んだ晩年までを描いた作品。名前は知ってても一体何を成し遂げた方なのか全く分からなかったので、興味津々で読ませて貰った。だが、う～ん、って感じ。作品が悪いワケではない。熊楠の生き方がね～。初読みの岩井さん、直木賞ノミネート作品だったし期待し過ぎたかも。ちょっと残念。

晩年を一緒に過ごしたいと思うような女友達は私にはいない。好きなものしりとりで最初にあげるのがその友達の名前っていいなぁ～羨ましいなぁ～と思いながら、破天荒と云えなくもない二人の老女の新天地での暮らしを見守った。人様の別荘に無断で住むのはいけないけど、なんてアクティブな70代！新たに知り合った80代の静子も格好いい。私にとって70代はまだ先の未知の世界。だけど二人を見ていたら思っていたより色んな事ができそうで勇気が湧いたし、今からなら何でもできるとさえ思えた。面白くて一気読み。さすがの荒野さんだった。

コロナ禍の女子大生・杏奈。母子家庭の親元を離れ心細い一人暮らしなのに、ステイホームで大学に行けないし友だちできないし、お金ないのにバイトできない…そんな中、マリリンから電話が！ファンタジーかーと思ったが、それを機にマリリンを卒論のテーマにした杏奈。マリリンの事はよく知らないが、寝る時シャネルの5番を着てるという逸話は有名。世の男性からSEXのシンボルとされた彼女の真の姿は違うって事を卒論にしたフェミニスト女子大生。同じ女性としてはもっと賛同すべき内容なんだろうが、おばさん的には余りパッとしませんでした。

バレエに造詣が深ければ、きっともっと楽しくイメージしながら読めたと思うんだけど、いまひとつ響かなかった。残念。遠雷の時はピアノの奏でる音や演奏シーンを自分なりに想像できたんだけどな。バレエは観たことないし…難しかった。

チャボの桜さんと飼い主の茂。鬱になって会社を辞め、祖父母の金物屋に居候中の茂の、緩い感じの回復成長譚を桜さん目線で語った優しい物語。今までのまるちゃんとは違ったテイストに少し戸惑いながら、でも、しっかり物語に引き込まれ、桜さんと一緒に茂をあたたかく見守った。また、茂の祖父母が老いてゆくという当たり前の事に、深刻になり過ぎないで読めたのは、桜さんのおかげ。茂共々、じぃちゃんばぁちゃんにもいつまでも元気でいて貰いたい。ところで、桜さんの卵は温めるとヒナが産まれるのか？だとしたら、すごく楽しみだ。

東京地裁がテスト運用を始めたAI裁判官・法神。データを入力すると実際の判決文と同様の答を弾き出す。業務が効率化され困難な判決文でさえ数分で作成してしまう法神に歓迎ムードが高まる中、18歳少年による父親殺し事件が起きた。法神を受け入れられずにいた判事の円共々、法神が下す判決の行方を危惧しながら読み進めていたのだが…。何ですか、このお粗末な結果は！私でさえも家族を庇っている事に気付きましたよ。こんなのリーガルミステリではないよぉ。ただ、尊属殺人に対して少し考えさせられたので、作品としては良しとしておきます。

偏差値70以上の男子高でも、下ネタで盛り上がるんだね笑。死んで声だけになった山田と2Eのクラスメイトの交流。本当にバカバカしくも愛おしい彼ら。だが、そうだよね、いつまでも続く筈がないものね。それに気付かされてからは少し切なくもの悲しい話に変わった。初読みのまだ若い作家さん、楽しませてくれてありがとう。成瀬もそうだが、山田や同級生達、自分とは関わる事のない世代の彼らに元気を貰った。若者向けの作品だからと読まず嫌いしないで良かったと思う。ふと、おちんちん体操第２とつぶやいてしまいたくなる自分もバカで愛おしい。