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2024年3月の読書メーターまとめ

NAO
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感想・レビュー
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ナイス
1641ナイス

2024年3月に読んだ本
24

2024年3月のお気に入り登録
3

  • 大葺道生
  • toshi
  • 西園寺カトリーヌ

2024年3月のお気に入られ登録
3

  • 大葺道生
  • toshi
  • 西園寺カトリーヌ

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

NAO
怒りや恐怖や喜びなどの感情を感じることができない失感情症の少年ユンジェと、誘拐された後悲惨育ち方をした少年ゴニ、二人の「怪物」の成長物語。感情を爆発させるようにしてぶつかってくるゴニ、そのゴニの豊かな感情はユンジェの心を確かに揺さぶった。そして、ドラに感じた淡い思い。母親が必死で訓練で覚えさせようとしてできなかったことが、2人の友人との繋がりの中で芽生えていく。きっと、ユンジェは、少しずつ感情を表せるようになっていくだろう。だって彼には、母親が、友人がいるのだから。
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2024年3月の感想・レビュー一覧
24

NAO
八咫烏シリーズ第5弾。これまでとは違って、舞台は人間の世界。八咫烏と彼らを襲う大猿はどんな因縁なのかが気になっていたのだが、まさかこんなことだったとはと、少なからず驚かされた。八咫烏が神の遣いであることは周知の事実なのでこういう想定なのだろうが、個人的には人が登場しない八咫烏と猿の世界のままの方がよかったなあ、とちょっと残念な気持ちもある。
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NAO
八咫烏シリーズ第4作。今回の主人公は、八咫烏一族の若宮に仕える北家の一族雪哉。彼を中心に、が上級武官養成所勁草院の日々が描かれている。勁草院内の長兄派と若宮派の派閥争い、貴族階級の横暴などが浮き彫りになっていく中、若宮の地位にも暗雲が。若宮に忠誠を捧げる決意をした雪哉だったが、雪哉ってこんな子だったっけ?と驚かされるほど雪哉のブラックな面全開の本作。この策士ぶりが、これからの山内には必要なのだろう。
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NAO
亡くなった男の最後の一言が波乱を巻き起こす、ノンシリーズのミステリ。一番肝心なエヴァンズが、いつまで経っても現れず、エヴァンズとは誰か?何を頼まなかったというのか?ということだけで最後まで引っ張っていくという構成。崖から落ちた男の事件からあまりにもいろんな方向へと話が広がっていき、胡散臭い人物ばかりが増えていくのは、エンタメとしては面白いのだろうが、リアルさには欠ける。本来なら短編もしくは中編向きの話を広げて広げて長編にした、という感じがしないでもない。
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NAO
タタール軍とのクリコヴォの戦いという史実を盛り込んだ壮大なファンタジーの完結。家族のためルーシの人々のためにモスクワ大公軍を勝たせたい、さらには精霊たちの国も守りたいワーシャは、精霊たちの力を借りてタタール軍に挑む。孤軍奮闘のワーシャは確かに健気だが、ロシアウクライナ民話に登場する精霊たちを手玉に取るように動かすワーシャは、傲慢過ぎるようにも思うのだが。まあ、あの有名な老婆の血を引く魔女だから、仕方ないか?
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NAO
冬の王をはじめとした民話や神話の世界がキリスト教に侵食されて行く中、それでもまだ魔力を持つ者が存在し、その力を悪用しようとする者がいる。中世までの精霊信仰を基盤としたファンタジーにロシア黎明期のモスクワのハン一族との攻防と絡ませることで、この物語が奥行きの深いものとなっている。魔術師や冬の王は、なぜ不死身なのか。ワーシャの祖母も登場し、彼らの以外な秘密が明かされる。精霊たちはこのままいなくなってしまうのか。だが、今回のラストは、そうではないと言っているようなのだ。
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NAO
キリスト教の広がりによって精霊信仰が消えゆく時代、ロシアとしてひとつにまとまっていくルーシを舞台に、精霊たちが見える少女が活躍するファンタジー。精霊信仰からキリスト教的考え方への移行が進む中、精霊たちが見えてしまう少女はどのように生きていけばいいのか。物語のあちこちにウクライナ民話のモチーフが描かれたり民話の主人公たちが登場して懐かしさを感じるが、物語は、かなりハード。
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NAO
2023年ノーベル文学賞を受賞したノルウェーの作家の戯曲。会話に「二人きり」「二人は一緒」というフレーズが何度も繰り返されるように、二人きりで完全に一体になることを望んでいる彼と彼女。だが、別々の人間である二人は、完全に一体にはなれない。別の男の登場や別の人間の存在を感じさせてしまう家は、彼と彼女が二人一緒になることはないという暗示だろうか。また、二人きりになりたいのにそれを許されない彼と彼女は、原罪を犯したアダムとイブのようでもある。男の登場によって彼女が少し変わったように感じるのも、そのせいだろうか。
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NAO
究極のチームスポーツ箱根駅伝に出場する学連選抜チーム。この学連選抜チームとして走る選手たちの気持ちはどうなのかを描いた作品。主に描かれているのは3人は、出場できなかった事情もさまざま、心の内もかなり複雑だ。それぞれ違う大学のランナーが一つのチームとして走るとき、彼らは何をモチベーションにして走るのか。そんなチームとしてのまとまり、繋がりはできるのか。クールな山城はかなりの存在感で、学連選抜で走るランナーの気持ちを代表しているといえる。また、裏や門脇を応援する同大学のチームメイトたちも心に残った。
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NAO
少女失踪事件の裏に潜む闇を描いたミステリ。ノンフィクション作家のパート、失踪事件の犯人や被害者が実名で登場する小説と絵本のパート、失踪した少女たちの家族のパート。物語は幾つものパートが複雑に絡み合って進んでいく。中には、誰が語り手なのかよくわからない箇所もある。偽名を使い、誰が誰だかわからなくなっている登場人物たち。さらにその奥に潜んでいるらしい者。そして、失踪したままになっている少女たち。失踪の原因は早いうちに想像がつくのだが、この展開は予想できなかった。
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NAO
何を考えているのかよくわからないイザベラのミステリアスな雰囲気が、ハマる読者には面白いのかもしれない。でも、やっぱり、よくわからないなあ、イザベラ。テレサもあまりにも出来すぎていて、ちょっと現実味を欠いているし、私にはあまり向かない話だった。
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NAO
孤独死する人のほとんどが貧困にあえいでおり、貧しさから逃れるために自殺するのだという。そういったもうどうしようもない状況にある人のところに届くのが、友人や家族からの援助や便りではなく、督促状や電気やガスの差止め通知だというのは、なんと悲しいことだろう。作者は、汚れた死の痕跡を消し自殺の痕跡を消しながら、その部屋で死ぬしかなかった人が最後に見たであろう景色を思いうかべ、その死を悼む。その部屋をきれいにし、死者の痕跡を消すということは、死者を死者が抱えていた悲しみから完全に解放するということなのかもしれない。
NAO
2024/03/18 08:15

そんな仕事をしているため、作者は自殺をやめるようにというブログを書いており、自殺を図ろうとしている人から電話がかかってくることもあるという。また、死んだ後のことまで気に病んで料金を問い合わせてきた人もいたという。死を決意し、その死の直前に、彼らは何を思うのか。そして、彼らは、なぜそこまで孤独になってしまったのか。 社会の底辺がどんどん広がっているようで、なんとも言えない空恐ろしさを感じる。

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NAO
アフリカの架空の国を舞台にしたあまりにも極端な人種差別の一例を描いたミステリ。世界は、近代的な民主主義の考えのもとに人種差別の撤廃とあらゆる差別を取り除こうとする方向で動いている。そして、この物語のような極端な人種差別を取るような国はない。とはいえ、今でも世界のいたるところで異民族間の抗争が絶えず繰り広げられているし、人種差別によって流さなくてもいい血が流れ続けている。そういった状況の中で求められるのは、結局のところ人間としての自分自身に恥じない行為をするという倫理観であり、豊かで柔軟な精神性なのだ。
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NAO
革命後7年、まだ新しい体制作りでてんやわんやのキューバに招待され、そういった時期だからこそ見えてくる、聞こえてくる革命の切実さが描かれている。革命前のキューバの惨状、革命後のアメリカの経済封鎖、巨大な軍隊による威嚇。かつて植民地だった国が自由を求めて独立すると徹底的にそれをつぶそうとする経済大国の横暴さには驚かされる。作者はまた、他の共産主義国の指導者とは異なるカストロ議長の公正さを目の当たりにし、マルクスが目指した共産主義の指導者は彼のような人物だったはず、と考えている。
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NAO
司法解剖を担当する監察医が解剖できる数などしれている、そこで死体を画像診断するエーアイ(死後画像診断)というアイデアが生まれた。そのエーアイセンターをめぐる医療ミステリ。権力への執着は凄まじいばかりで、権力のためにこんなことが起こるとは、何とも空恐ろしい話だ。だからこそ、脱力系の田口先生が必要なのだろう。
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NAO
8編からなる短編集。「三匹の盲目のねずみ」は、戯曲「ねずみとり」の原作。雪で閉じ込められた家という密室状態と、何とも怪しげな客たちという、クリスティお得意の設定。ミス・マープルものは4編。ミス・マープルものには軽めのものが多いようだ。ポアロものは2編。ミス・マープルものよりより本格的なミステリとなっている。「四階のフラット」は、ちょっと強引な感じもするが。「愛の探偵たち」は、クィン氏もので、ハーリ・クィンは、短編でしか登場しないキャラクター。
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NAO
上巻の最後の方でやっと話が少し分かってくるという、とんでもなく不思議で不気味な物語。それでもぐいぐい読ませてしまうのだから、恩田陸はすごい。読み終わってもわからないままなことがいくつもあり、それが気になるといえば気になるのだけれど、そういう終わり方も恩田陸らしい。
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NAO
妖しげな国で起こっていることの全容がわかるのがこの巻の最後の方になってからといういきなりぐいっと引きずり込まれる怒涛の恩田ワールド。まだよくわからないことの方が多すぎて、気になってやめられない。
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NAO
クリスティのノンシリーズのスパイもの。視点と場所が目まぐるしく変わるが、すいすい読める。ただ、いかにもという設定が少し鼻につく。とはいえ、ちょっとお馬鹿さんじゃないのとも思えるヴィクトリアが、最後の方では意外な機転を発揮し、「女だからってなめんなよ」って感じが女性としては胸がスカッとする。
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NAO
怒りや恐怖や喜びなどの感情を感じることができない失感情症の少年ユンジェと、誘拐された後悲惨育ち方をした少年ゴニ、二人の「怪物」の成長物語。感情を爆発させるようにしてぶつかってくるゴニ、そのゴニの豊かな感情はユンジェの心を確かに揺さぶった。そして、ドラに感じた淡い思い。母親が必死で訓練で覚えさせようとしてできなかったことが、2人の友人との繋がりの中で芽生えていく。きっと、ユンジェは、少しずつ感情を表せるようになっていくだろう。だって彼には、母親が、友人がいるのだから。
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NAO
父親がおらず、母親は子どもが学校に通うより自分の用事をしてくれることの方が大事と思っているような極貧の母子家庭。学校を出ても兄のように炭鉱で働くしかなく、兄は炭鉱で働き始めたばかりだというのにすべてに投げやりになっている。ビリーの新聞配達、学校生活と、貧しい家で育った子どもの日常がリアルに描かれている。だからこそ動物好きなビリーにとってケスと触れ合う時間だけが自分らしくいられる時間だったのだろうと思うのだが、そのケスとの触れ合いの場面がもう少しあってもいいように思った。
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NAO
口うるさい母親から自由になるため結婚したものの、早々と未亡人になってしまったエミリーが事件の調査をする、ヴィクトリア朝のロンドン社交界を舞台にしたミステリ。2年に及ぶ夫の喪が明けロンドン社交界に復帰したエミリーが、盗難事件の調査に乗り出す。思うがままに突き進むエミリーと、彼女の対極にいる言動を制約された淑女たちや娘をより良い条件で結婚させようと躍起になっている母親たち。エミリーが「夢の存在」だとしても、その差のなんと大きなことか。
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NAO
江戸末期、樺太の最北端まで探検して島だということを世界で初めて立証した間宮林蔵の旅を描いた歴史小説。間宮林蔵の命懸けの樺太北部探検を描いた場面は鬼気迫るものがあるが、この作品には間宮林蔵だけではなく、大きく動く時代を生きた人々が活き活きと描かれていて、これがまた何ともいえず面白い。間宮林蔵が樺太探検にあたって教えを請い、羅針盤や精巧な磁石を借りた伊能忠敬。日本全図や間宮林蔵が記した北海道地図を日本国外に持ち出そうとしたシーボルト、安政の大獄で命を散らした高野長英も、間宮林蔵と面識があったという。
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NAO
大宝年間、遣唐使派遣再開を託された官吏の波乱に満ちた大陸滞在を描いた歴史小説。苦難を乗り越えて何とか唐にたどり着いてみるとそこはなんと則天武后という女帝が君臨する武周。則天武后の末期、李王朝に戻そうとする者たちの動きが活発化しきな臭くな李始めている長安で主人公が陰謀のただ中に巻き込まれていくのだが、ちょっと身びいき過ぎる展開。遣唐使といえば、鑑真の渡航のように、大海原を突き進むイメージしかなかった。それ以前の航海、一度途絶えて再開することになったときの苦心惨憺など、知らなかったことが多かった。
更紗蝦
2024/03/04 00:47

安部龍太郎先生は、日経新聞朝刊で、阿倍仲麻呂を主人公にした『ふりさけ見れば』を連載されていたのですが、他にも遣唐使をテーマにした作品を書かれていたんですね。阿倍仲麻呂がふりさけ見ているものが「月」であることを考えると、『迷宮の月』は、のちの作品を意識してつけたタイトルなのかもしれませんね。

NAO
2024/03/04 09:03

更紗蝦さん、コメントありがとうございます。 この物語の題がどうして月なのだろうと思っていました。なるほど、と納得です。

が「ナイス!」と言っています。
NAO
妄想癖があり自分の生活を規則正しくコントロールしなければ我慢できない主人公のところに、上司夫妻の娘が転がりこんできた。20歳の美女クリーは見た目も性格も主人公とは正反対。主人公の片想いと妄想、そしてクリーとのバトルの果ての以外な結末。違和感満載で、好き嫌いがはっきりと分かれる話だと思う。私自身は、主人公の思い込みの強さにちょっとついていけなかった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/03/18(3328日経過)
記録初日
2015/03/01(3345日経過)
読んだ本
3508冊(1日平均1.05冊)
読んだページ
1255931ページ(1日平均375ページ)
感想・レビュー
3501件(投稿率99.8%)
本棚
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自己紹介

 


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