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2025年1月の読書メーターまとめ

NAO
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感想・レビュー
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ナイス
1703ナイス

2025年1月に読んだ本
26

2025年1月のお気に入り登録
1

  • 岡本正行

2025年1月のお気に入られ登録
2

  • 岡本正行
  • イシコロ

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

NAO
中編が2つ。どちらもどうしたきっかけでか異世界に迷いこんでしまった少年を描いている。「夜市」は、弟を売った兄の話かと思いきや、予想外の人物が現れて、そちらの話もなかなか暗く重い。「風の古道」は、最初迷いこんだ少年よりも「もう一度行ってみよう」と誘った少年の方が呼ばれているように思った。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
26

NAO
ブラック企業の被害者グループが社長をはじめとする経営陣3人の殺害を計画。物語はその中の1人の視点で進んでいく。最初の殺人後の驚き興奮がさめないうちに息つく間もなくハイスピードで話が進んでいく。最近は話の途中で犯人が予想できてしまうことが多かったのだが、この作品、最後まで犯人が分からなかった。しかも、このあと犯行に成功したとして、もう一波乱ありそうなのだ。落ちるかどうかの瀬戸際で、彼らはどう動くのだろう。
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NAO
ゲド戦記は、「死」と深くつながっている物語だ。『影との戦い』でゲドは死者の霊を呼び出し、『こわれた腕環』では、死者が支配するアチュアンの墓所に入り込んだ。そして、『さいはての島へ』は「死」そのものがテーマになっている。さらに、ゲド戦記は人の一生を描いている、ともいえるのではないだろうか。ゲドは壮年、壮年期はまだまだ力はあるが今までと違って死に近くなっている。ゲドは死力を尽くして戦い、その傍らでアレンは成長していく。ゲドは、すべての力を出しつくしてアレンに後事を託す。世代交代である。
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NAO
大分の日田にある陶芸の町から着想を得たという物語。町の全戸が陶芸を生業とし、技術は一子相伝。そんな町に生まれた主人公は、陶芸の家独特の音に愛着を持ちながらも、自分がずっとこの地に居続けるのか、いつかは出ていくのか、計りかねている。ふるさとに残る者にも、去った者にもそれぞれに強い思いがある。残っている者の気持ちに寄り添い去った者の気持ちに思いをはせる主人公は、大人になったときどうするのだろう。きっとふるさとの音を愛する彼女のことだから、完全にふるさとを捨ててしまったりはしないだろう。
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NAO
再読。最初に読んだときは、話が冗長でゲドの動きがトロくてかなりイライラしたのだが、今回、ゲドの動きの遅さが分かった気がした。アースシーのために、平和少女を元の少女に戻すために自分たちが助かるためてはいえ、すごいよ、この忍耐力。
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NAO
突然の事故で亡くなった映画監督についてのインタビューということで、孤児だった監督の育ての親の洋館に雑誌記者がやって来た。嵐の夜、山の中にひっそりと建つ洋館という狭く限られた場所。そこに次々とやって来る怪しげな訪問者たち。最初から居た朝霞一族も、けっこううさん臭い。恩田陸のお得意のシチュエーションだが、それでもぐいぐい引き込まれるところはさすがだ。最後まで展開が読めないが、読後少しモヤモヤが残るのも、恩田陸っぽい。
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NAO
詩にまで詠まれた魔法使いの大賢人ゲドの少年期。ゲドは傲慢で短気だったと、物語の最初から何度も繰り返されている。なぜなら、この物語はゲドがおのれの傲慢さを克服していく話だからだ。ゲドが奢りをなくし真から謙虚になるためには幾度もの失敗を繰り返さなければならなかった。なぜなら傲慢な魔法使いほど危険な存在はないから。そして、彼が真の才能を持っていたからこそ、これだけの失敗を繰り返しても立ち直ることができたのだ。ようやく大魔術師としての資格を身につけたゲド。ここから、大魔術師ゲドの冒険が始まる。
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NAO
いつも親友にべったりで、自分からは何もしようとしなかった宏伸。自分が何をしたいのかも分からずにただぼんやりと日々を送っていた(自分がそういう状態にあることすら気付いていなかった)宏伸。そんな彼が、祖父の店でたまたま見つけたカメラで新たな世界を見つけ出していく。際だった特性を持っているわけではない取り立てて何もない中学生活を送っていた主人公は一般的な中学生のリアル姿といえる。その分、彼を見守る人の多さに違和感を持ってしまう。
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NAO
夏の休暇を過ごす子どもの家で出会った瓜二つの女の子たちが、自分たちの素性を知り、入れ替わって家に戻ったことから起きる騒動。失敗もあるけれどお母さんと楽しく過ごすルイーゼに対し、ロッテは最悪な状況にあり不安から病気になってしまう。とにかくロッテの健気さが胸を打つ、優しい物語。書影が新訳しかでないが、私が愛読しているのは高橋健二訳。
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NAO
マンハッタンをあてどなく歩きながらの思索。昼間働く病院で会った人のことを思い浮かべ、過去を回想し、ときに目の前の景色に目を向ける。語り手は、父親がナイジェリア人母親がドイツ人のナイジェリア系アメリカ人。冒頭語り手が晩秋のマンハッタンを歩く光景とアパートから見上げた渡り鳥が印象的に描かれているのは、作者が広大な空を飛んでいく鳥たちの姿に「自然界における移住」を見ているからか。自らの出生に関わる母や祖母の生き様、生まれた地・ルーツのある国とは別の地で暮らす人々が語る声が、語り手の歩みに響き合う。
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NAO
読書イベントのため再読。冬のオランダの人々の暮らしぶりや子どもたちの遊びが描かれた物語。ちょっとミステリ要素を含む父親に関わる謎をからめた主人公一家の話と生き生きとした子どもたちのスケート遊びの対比が見事。
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NAO
中編が2つ。どちらもどうしたきっかけでか異世界に迷いこんでしまった少年を描いている。「夜市」は、弟を売った兄の話かと思いきや、予想外の人物が現れて、そちらの話もなかなか暗く重い。「風の古道」は、最初迷いこんだ少年よりも「もう一度行ってみよう」と誘った少年の方が呼ばれているように思った。
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NAO
美しい自然描写の中でちょっとふしぎな出来事が描かれた童話の短編集。いくつか既存の童話に似た話がある中、サーカスのおばあさんからもらった笛が起こす奇跡を描いた「メリー・ゴー・ラウンド」がよかった。表題になっている「氷の花たば」は、「雪女」(雪の精は男だけど)と「雪娘」が一緒になったような話。雪の精に魅入られた時点でこの子はすでに氷の世界側の人となっていたというのが面白い発想だと思った。
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NAO
変わった役柄に興味をひかれた作品。事件現場に呼ばれて主人公の専門の心理分析が始まるのかと思いきや、彼女がすることといったらどこにでもいるような探偵まがいの捜査だった。最近鑑識や監察医が刑事さながらに犯人を特定するという設定の話が多いが、この話にいたっては、それほど必要性も感じられない心理検死官が話をリードしていくことに違和感を持った。主人公が過去のトラウマに苦しんでいるというのも、よくあるパターン。そして、謎めいたクラブの正体は、呆れるばかり。最後までパッとしなかった。
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NAO
病気のマリアンヌが、ママの裁縫箱の中にあった鉛筆で画帳に絵を描くと、その夜絵と同じ風景の中に立っている夢を見た。マリアンヌは絵に男の子を描き足し夢でその少年に会ったが、病気の子どもたちに勉強を教えている家庭教師の話から、夢の子が同時期に小児まひになったマークという少年に違いないと気づく。マリアンヌのかんしゃくで夢の中の少年を危険にしただけでなく現実の少年の病状も悪化してしまったが、マリアンヌがなんとかして少年を助けたいう思いが少年だけでなくマリアンヌの病気を回復させる力となったのだろう。
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NAO
レイ・ブラッドベリの第五作品集『The October Countory 』の全訳。ブラッドベリが限定豪華版でのみ公開した題名の意味は、〈十月の国〉は「丘を越えてすぐのところ、森の彼方にある。月明かりのもとでしか行けず、暗闇の中では見過ごしてしまう。その国では、人はある年の秋に受胎し、翌年の秋に生まれる。その国に季節はひとつしかなく、つねに秋なのである。」とのこと。その国に住む、もしくはその国に呼ばれてしまうタイプの登場人物を描いた短編は19編。10月というとハロウィン、その雰囲気に近い不気味な話が多い。
NAO
2025/01/15 08:05

中でも「こびと」「骨」「小さな暗殺者」「大鎌」が不気味。そんな中、ブラッドベリが長年にわたって書いていたという魔物一族シリーズの「アイナーおじさん」「集会」が、他の作品とちがって明るい雰囲気のファンタジーになっている。

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NAO
吹雪で動けなくなった列車に閉じ込められた子どもたち。彼らは同盟を作っていたが、まとまるどころか二つに分裂してしまう。その背景にあるのは、子どもたちの生活の中にもある貧富の差だ。それでも、どんなに良くない状況でも最善の方法はないかと考えるリューバンの思いと行動は、他の子たちにも伝わっていく。この物語は、クロアチアの国民的児童文学作家が書いた代表作で、クロアチアの小学校の必読図書。
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NAO
何者かは分からない妖しげな黒衣と彼が操る娘の人形を前座に、新太郎と万造を狂言回しに、明治末期の東亰で、家督相続を巡る鷹司家の悲劇が描かれていく。そして、鷹司家の後継ぎと目されていた一人が死にその葬儀のさなか、大帝崩御の知らせが街を駆け抜ける。鷹司家の悲劇は、なぜ起こったのか。東亰の夜の闇の深さに、慄然とする。
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NAO
再読。深い森を舞台に、親のいない二人の少女と12の月の精の触れ合いを描いたロシアの子ども向け戯曲。ままむすめと12の月の精との再会のシーンがとにかく劇的。自然の摂理の厳しさと奥深さを知り、優しくけなげなままむすめを知って、王女がよき為政者になりますように。
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NAO
敬虔過ぎる家族に厳しく育てられたロバートはなぜ悪の誘惑に乗ってしまったのか。それは、燃える信念が彼の視野を曇らせているからだ。そして、彼の誤った認識は、母と義父から告げられた言葉から生じたものだった。ロバートは、敬虔な母親と義父そして彼の狂信性につけ込んだ悪魔にとってのみ、「義」だった。だが、母親と義父にしても、本当にロバートを「義の人」と思っていたのか。そうではなくて、「義人の仲間入りをした」と告げることで彼の悪行を牽制しようとしたのではなかったのだろうか。だとしたら、何と皮肉なことだろう。
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NAO
『床下の小人たち』で有名なノートンの魔法ファンタジー。勉強中の魔法使いという設定は、ハリー・ポッターシリーズやゲドシリーズがあるが、独学で魔法の練習中というちょっと軽い設定が面白い。雰囲気は、メアリー・ポピンズに近いかもしれない。魔法使いが身近にいても怖がらずむしろ興味津々の子どもたちにイギリスの土地柄を感じる。
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NAO
ベトナム戦争の暗い記憶と夫からうけた暴力のトラウマに苦しむ母親から暴力を受けて育ったベトナム系移民であること、性的マイノリティであること。語り手は英語を話せない母親と祖母との閉じた世界を抜け出し、自己表現にとって不可欠な英語を話すことを決意、世界は格段に広がっていく。輝きを見せた世界も長続きはせず、現実世界における貧しさや差別、社会階級の容赦のなさ、出口の見えなさに主人公は、何度も傷つき、底なしの痛みに苦しむ。それでも、主人公は生を肯定する、静かに、しなやかに。
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NAO
最初の話は「借りぐらしの小人」の話。日本で小人というと、東北地方や北海道に住むコロボックルが有名だが、ここでは洋風な扱いをされている。2つ目の話では、未来を予言する「件」が登場する。この2つでは人間と人間以外の存在がほのぼのと共存する様子が描かれているのだが、最後の話になると、御崎やあさひの周辺はがらりと雰囲気が変わる。以前御崎と死闘を繰り広げた人狼の仲間が来日、御崎を探しているというのだ。御崎は何のために小説を書くのか。彼の苦しみ・哀しみに終わりはあるのか。御崎・あさひ・林原の絆の深さを感じた回だった。
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NAO
日本は清に勝ち朝鮮の独立を認めさせた。だが、それは、干渉国が日本に変わっただけのことだった。そして、伊藤博文が朝鮮統監府の初代統監となった。巻末にも書かれているように、私たち日本人は伊藤博文が暗殺されたことは知っているが、その背景については何も知らない。だからこそ、この作品は私たち日本人が読まなくてはならないものだと思う。作品は、伊藤博文のターンと朝鮮青年安重根のターンからなり、余計な言葉を削り落とした硬質な文章で、最初から緊迫感に満ちたものになっている。小説というより、ルポルタージュのようだった。
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NAO
1巻を御崎禅の紹介の巻とするならば、2巻は瀬名あさひの人柄を読者に強く印象づける巻といえるだろう。それも、あさひのことを詳細にあれこれ書くのではなく、のっぺらぼうを介してあさひの好感度だけをあげるというイレギュラーなやり方で。座敷童はいるらしいし、この話の中のような狐や狸なら身近にいてもいいかなあなんて思う。だが、本当に怖く危険な存在が身近に現れるのは勘弁してほしい。
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NAO
不可触民が買い物で使った金は、不浄だからと水をかけて洗われる。歩くときは、「不可触民が通ります」とふれて歩かなくてはならない。こうした上位カースト(部落以外の全ての人々)の蔑みや侮蔑は、あまりにも理不尽だ。その上、バクハたち部落民は、自分で水を汲むことは許されず、不可触民以外の誰かが水を恵んでもらえるまで延々と待っていなくてはならない。著者はパキスタン生まれ、イギリスに渡り、本書の英語版が1935年に出版された。それから90年近く経つ。インドのカースト制度の闇は今なお残っている。
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NAO
韓国の名門理工大学在学中に書かれたデビュー作を含む、作者のデビュー作品集。「始まりの地」に巡礼に行った者たちの半数が帰ってこないことに疑問を持った少女がとった行動を描いた「巡礼者たちはなぜ帰らない」、宇宙に出たまま数十年行方不明になっていた祖母の不思議な体験を描いた「スペクトラム」、表題作「わたしたちが光の速さで進めないなら」など。宇宙や異星人を題材に、作者は女性や切り捨てられた者たちを描き、彼女たちに毅然とした態度を取らせている。表紙絵はライトノベルのようだが、考えさせられることの多い話ばかりだった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/03/18(3624日経過)
記録初日
2015/03/01(3641日経過)
読んだ本
3731冊(1日平均1.02冊)
読んだページ
1332307ページ(1日平均365ページ)
感想・レビュー
3723件(投稿率99.8%)
本棚
48棚
性別
血液型
A型
外部サイト
自己紹介

 


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