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2024年11月の読書メーターまとめ

かみしも
読んだ本
11
読んだページ
2677ページ
感想・レビュー
11
ナイス
152ナイス

2024年11月に読んだ本
11

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

かみしも
国内外の貧困問題を追ってきた石井氏がなぜ「国語力」で本を書かれたのか意外な気持ちで読み始めたが、問題意識はこれまでと通底していることにすぐ気づかされる。そして読了後は教育ではなく福祉の領域で国語力の底上げに対応せざるをえない局面に入っているのではないか(今後はこれらの境目が融解していく場面が多くなりそうだとも思った)と思うに至った。先進的な国語教育の事例も紹介されているがやはり私立校だからできている感は否めず、とにかく公教育や児童福祉に公的機関がもっと注力しないとどうにもならなくなる未来が見えてしまった。
かみしも
2024/11/19 11:42

2022年刊、「闇バイト」という言葉はまだ出てこないが特殊詐欺の受け子をしてしまい少年院に入った少女のケースは、昨今の闇バイト実行犯が犯罪に加担せざるを得ない状況に追い込まれる手口となんら変わることはなかった。国語力の低下が治安悪化にもつながっているとなると、本当に根の深い問題だと思う。最後に小言をひとつ。堀江貴文を東大卒とした(実際は東大中退)インタビュイーの発言をそのまま載せているのがなんとも残念(217頁)。こういうチェックをきちんとしてもらわないと、本書全体が信用できないものになってしまう。

が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
11

かみしも
1993年発行。今日の学校英語、受験英語等がどれだけアップデートされているか注意する必要はある。が、手元の最近の英和辞典をひいてみても相変わらずwater=水、head=頭のような「訳語」が最初に記載されている状況は変わっていなかった…。学校英語を「人工言語」と位置づけるところはかなりの説得性があり、自分が中高で受けた英語の授業は一体何だったんだろうと思う一方、間違いなく今の自分の英語力の基礎にはなっているので非難ばかりもできないとも思う。多読の必要性を説いているので、もう何十年か前に読みたかった。
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かみしも
Xでフォローしているアカウントが絶賛していたので読んでみたが、昔の本ということもありとにかく難解。戦前の主要な軍人や未遂も含む各種クーデターについて最低限の知識がないと読んでも辛いと思う。ただ、著者の主張自体は、昭和の陸軍が世代的なものによる閉鎖性をもっておりそれが権力を得て戦争に傾斜していったこととそれを実現させたのは国民皆兵という制度だったという非常に明白でシンプルなものだったと思う。こういった権力を志向するホモソーシャルな集まりは今日の日本にも至る所で残存し、もしくは再生産されているのかもしれない。
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かみしも
ネタバレ初読み作家さん。台所にまつわるエッセイ集で、この世代に珍しい?料理嫌いの妻とのやりとりが微笑ましい。食器が増えたりいろいろ電化製品を買いたくなったり、あるあるだなあと。それから、生姜の酢漬けと「起床をしたら、まずつま先歩きで洗面所に向かう」という健康法はぜひ取り入れたいと思った。基本的にはちょっと毒もあるクスリとする話が多いが、両親特に著者が高校生のころ癌で亡くなったという母親とのエピソードはしみじみとそして悲しかった。2022年刊。
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かみしも
日中含む10ヵ国語の通訳者、そして16ヵ国語の翻訳者であるハンガリー人女性による語学学習法の紹介。もともと日本では1981年に出た本だが内容は古びていない。超人のような著者だが外国語学習に「特別な才能」は不要であると言い切り、一方で毎日まとまった時間をとることが必要であると説く。読書優先での学習法を推奨していて参考になった。精神論ではないけれど、がむしゃらにコツコツやっていくしかないのだなあというのがよくわかった。とりあえず英検準一級の合格発表があった日に読了できたのは何かの縁あってのことかもしれない。
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かみしも
国内外の貧困問題を追ってきた石井氏がなぜ「国語力」で本を書かれたのか意外な気持ちで読み始めたが、問題意識はこれまでと通底していることにすぐ気づかされる。そして読了後は教育ではなく福祉の領域で国語力の底上げに対応せざるをえない局面に入っているのではないか(今後はこれらの境目が融解していく場面が多くなりそうだとも思った)と思うに至った。先進的な国語教育の事例も紹介されているがやはり私立校だからできている感は否めず、とにかく公教育や児童福祉に公的機関がもっと注力しないとどうにもならなくなる未来が見えてしまった。
かみしも
2024/11/19 11:42

2022年刊、「闇バイト」という言葉はまだ出てこないが特殊詐欺の受け子をしてしまい少年院に入った少女のケースは、昨今の闇バイト実行犯が犯罪に加担せざるを得ない状況に追い込まれる手口となんら変わることはなかった。国語力の低下が治安悪化にもつながっているとなると、本当に根の深い問題だと思う。最後に小言をひとつ。堀江貴文を東大卒とした(実際は東大中退)インタビュイーの発言をそのまま載せているのがなんとも残念(217頁)。こういうチェックをきちんとしてもらわないと、本書全体が信用できないものになってしまう。

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かみしも
知っているようで意外と知らないアインシュタインの生涯を英文で読了。ラダーシリーズレベル1とはいえ、相対性理論や統一場理論の詳細はちんぷんかんぷんだったが、それでも面白かった。科学者として最初から順風満帆なキャリアを歩んだわけではなく、またベルリンで職を得てからも後年はナチス台頭でアメリカに移住せざるをえなくなりWW2後は核廃絶を訴えたという波乱万丈の人生がコンパクトにわかりやすくまとまっていた。イスラエル建国時に大統領就任を要請されたとのことだが、もし引き受けていたら中東はもっと平和になっていただろうか。
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かみしも
ネタバレ洒落たタイトルがついてはいるが、NTR短編集という印象は終始拭えず。最初の2作が比較的わかりやすく好みだったが、後半になるにつれ抽象的で難解な話になっていったと思う。好みと書いた2作にしても、そこまで親密でもない女性にいきなりセックスの話をする展開にはひいてしまったし、3作目の「もちろんゲイだった」(138頁)という記述には「何が『もちろん』なのか?」とモヤモヤしてしまった。最後の表題作に至ってそもそも異性愛者しか念頭に置いていないことに気づいて、読み終わってなんともいえない気持ちになった。
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かみしも
ルーマニア出身で戦間期以降はフランスで執筆を続けた哲学者・シオランの概説書。反出生主義に代表されるネガティブな主張でよく知られているそうだが、本人自身は結局長命だったり若い愛人がいたりと案外好き勝手に生きていたということで、どうしても「絶望先生」やその生みの親である久米田康治を彷彿とさせるキャラだと思う。シオランの思想には合わせ鏡やメビウスの輪のようなところがあり決してわかりやすいわけではないが、そんな反転を繰り返した先に残った残り滓のような何かが現代人を惹きつけているのかもしれない。
かみしも
2024/11/15 00:32

済東鉄腸『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』からのポロロッカ。どちらの著者からもどうしようもないネガティブさと、それと共存してしまうある物事(シオランだったりルーマニア語だったり)への熱量を感じさせられた。

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かみしも
日本人を妻に持つ在日イギリス人によるまさに「こういうのでいいんだよ」というエッセイ集。英語は平易だけど面白い。どの話もポジティブかつアグレッシブな著者の人柄が見えてきて、読んでいて明るい気持ちになってくる。それから、天丼というか似たようなセンテンスの繰り返しが何か所かあってそこでついクスリとなる。最後のオチも秀逸。ただ、著者は日本を一言で表すとしたら“respect”と書いてくれているが、そんなに立派な国だろうかと恥ずかしい気持ちになってしまった。ちなみに書かれたのはそんな昔ではなく2014年第一刷発行。
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かみしも
2020年刊。裏表紙には「知っているようで知らないことばかりの日本の宗教に関するあらゆる事柄をシンプルな英語で解説します」とあるが、正直期待外れ。日本史の用語集の英語版を読まされているような感じで、面白くなかった。今日の日本ではなぜ神道・仏教・キリスト教や新興宗教が混在しているのか、そこに踏み込んだ著者なりの説明や主張もなくただ淡々と歴史上の人物や宗教用語が紹介、解説されているだけだった。本書を読んでのメリットは、宗教・信仰に関する英語の語彙が多少増えたことくらいかもしれない。
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かみしも
初版2007年、第5版2022年刊行。法学部の学生だった頃、行政法は単位を落としまくって1科目しか取ることができなかった(ただなぜか「優」だったはず)こともあり、ずっと苦手意識があった。本書はそんな元法学部生の学び直しに最適な本だったと思う。具体的かつ法学初心者であれば率直におかしいと思うようなケースが導入部に書かれていて大変読みやすい。一方、巻末のコロナ禍以降の情勢は簡潔なようでなかなか難解である意味学生よりも社会人向けのコンテンツだった。自分が学生の頃にこういう本があればよかったのにとつくづく思った。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/04/09(3542日経過)
記録初日
2007/01/01(6562日経過)
読んだ本
1808冊(1日平均0.28冊)
読んだページ
573740ページ(1日平均87ページ)
感想・レビュー
1206件(投稿率66.7%)
本棚
59棚
性別
現住所
福岡県
自己紹介

常体・敬体の混在したレビュー、それから星印や点数で評価しているレビューは苦手です。

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