ネタバレ「むかし僕が死んだ家」つながりで。引っかかっていた7年も前に別れた（6年交際後ふられたらしい）恋人の幼い頃の消えた記憶を探すために協力する不可解さも類似する境遇があればこそだったのかとやっと腑に落ちた。「本当のものなんか何もない、人間はみなひとりぼっち」「母」に対する科学者湯川学らしい筋の通った「情」の表し方、お見事です。本作の秀美ママの「祖母」としての行為は読めたが、店名「VOWM（ボウム）」に込められた意図は思いつかず降参。一冊で二冊分謎解きが楽しめてお得だというのは個人的感想です。

ネタバレ「むかし僕が死んだ家」つながりで。引っかかっていた7年も前に別れた（6年交際後ふられたらしい）恋人の幼い頃の消えた記憶を探すために協力する不可解さも類似する境遇があればこそだったのかとやっと腑に落ちた。「本当のものなんか何もない、人間はみなひとりぼっち」「母」に対する科学者湯川学らしい筋の通った「情」の表し方、お見事です。本作の秀美ママの「祖母」としての行為は読めたが、店名「VOWM（ボウム）」に込められた意図は思いつかず降参。一冊で二冊分謎解きが楽しめてお得だというのは個人的感想です。

ネタバレ玉鬘十帖（夕顔の遺児、頭中将の娘）で見せる光る君の女人に対する執着、どうしようもなさ。女三の宮降嫁をめぐるそれぞれの立場からの想いと悲劇を描く「若菜」、そんな中でも柏木の秘密の手紙が自分のと違ってあからさま過ぎると意見する光る君（泣）。女三の宮はさっさと出家し紫の上はついに亡くなる。悲しみ孤独に陥る光る君は孫（匂の宮）と息子（薫の君）を思い「もの思ふと過ぐる月日も知らぬまに年もわが世もけふや尽きぬる」と詠み「雲隠」へ。面白かったのは光る君の息子にしては真面目くんだった夕霧の不器用な恋物語（続く

ネタバレ東京で結婚して十年。風呂に入らなくなった夫。息子達の結婚生活を「おままごとみたい」と言っていた義母が介入してくる。会社を辞め、妻衣津実の故郷の川近くの古い家に移住した二人は、台風に遭遇して‥‥。衣津実が小学生の頃、台風のあとの川辺の水たまりで見つけた魚「台風ちゃん」と夫がリンクして、さて何処に行ったものやら、寄る辺ない気持ちになりました。

ネタバレ大河ドラマが「光る君へ」の今年、読みたいと思っていた角田訳版「源氏物語」上巻（「桐壺」〜「少女」）に挑戦。「箒木」で早くも作者紫式部の声が聞こえたという訳者、筆が乗っていく様子が伝わってきてとても読みやすく面白い。「いったいどうするつもりであるのか、どうもわかりかねます‥‥」随所に挟まれるコメントが絶妙、さすがです。若い光る君と頭中将の眩しさ。競争心、妄想からの末摘花、源典侍との恋模様？運命の女君、藤壺、紫の上、明石の上‥‥「いったん恋をしたら忘れない心癖」の光る君を追って物語は続く。

ネタバレ生涯七百冊以上の著作を残した田辺聖子（1928〜2019）の十八歳の日記。戦時中でも衰えなかった向学心、文学への情熱、大阪大空襲、終戦の日、父の死。「十八歳の田辺聖子」の目で見たものが綴られ引き込まれる。のちに書かれる小説「隼別の皇子の叛乱」（宝塚歌劇団により舞台化もされた）の原案が記されていたのには感無量。モンゴメリ と同様、作家になる人の日記は一つの作品なのだと再認識。ご遺族の方々、見つけて下さり出版して下さりありがとうございました。

ネタバレ四十数年ぶりに会うはずだった籠神社宮司の父は、ユダヤ人ラビと共に殺された。神道とユダヤ教。「あなたのお父さんは日本のタブーのために殺された」と言う母。息子ケンシ（賢司）はゴールドマンサックス勤務時代の元同僚たちと父の死の謎を追う。何か凄すぎるものを読んでしまったという思いで言葉が出てこない。写真、地図、図、系図が随所にあり読みやすかった。「ダ・ヴィンチ・コード」が好きな人にはオススメ。