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2024年10月の読書メーターまとめ

Ohe Hiroyuki
読んだ本
11
読んだページ
3265ページ
感想・レビュー
8
ナイス
16ナイス

2024年10月に読んだ本
11

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Ohe Hiroyuki
法制史家であり、東京帝國大学で長らく奉職した教授の一生について書かれている。史料を掘り起こして法令を復元する研究手法で法制史を描き、私達はその恩恵を受けている。▼もっとも、本書全体は学説史というよりは、大学の統治(本の帯にいう「東京大学史」)がメインである。「赤化」と「学問の自治」は異なるとして問題に対処する中田の姿は、ついつい「帝国主義」などと総括しがちの歴史を考えるうえで大いに参考になる。▼本書を読んで思ったのは、自治を実践するというのはえてして闘争的になるということである。考えさせられる一冊。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
8

Ohe Hiroyuki
カイン、クララと横文字の名前が出てくるが、前者は日本の北海道の明治時代を舞台にし、後者は中世のエルサレムが舞台である。▼しかし、クララの出家は「これも正しく人間生活史の中に起った実際の出来事の一つである」ではじまり、両者の作品が連関していることを示す。▼生き様であったり、家族であったり、宗教であったり、本書には色々な深淵な内容が織り込まれている。北海道の小作人を「カインの末裔」と表現するその力は凄まじい。▼ただ、本書を読んで思うのは、子が亡くなる、家族と別れるというのは悲しいことだということだ。
Ohe Hiroyuki
本書のシリーズは、私達今の人でも「すらすら読める」ことを目的としたものである。私は、本書を児童書のコーナーに見つけて思わず手に取った。▼初見の作品もあったが、通して読んでみて(子どもの手に届くところに)本書のようなシリーズが存在するのは面白いなと思った▼採録された作品は森鴎外の晩年の作品が多い。本書を通して森鴎外を理解しつつ、その作品の魅力に触れることができる(解説についてはややその方向性に疑問なしとはしないが)。▼軍医として出世街道をのぼりながらここまでの作品を残すことは凄いなと思う次第である
Ohe Hiroyuki
上杉愼吉とは、天皇と憲法の関係について、いわゆる「神権学派」の学説を述べたとされる学者である▼著者は、上杉愼吉を、いわゆる「天皇機関説」を述べたとする美濃部達吉だけでなく、いわゆる「民本主義」を唱えたとされる吉野作造と対比しながら上杉愼吉像を明らかにしていく。その筋道は大変興味深い。▼彼らの主張を吟味していくと、その主張には党派性(政治性)がぬぐえないところが見えてくる。政治的な言動になったのは、何も上杉愼吉だけでなく、美濃部にも吉野にもいえることである。正論は生まれた瞬間に政治性を帯びるようである。
が「ナイス!」と言っています。
Ohe Hiroyuki
本書は、師匠と弟子の問答という形式を取りながら、有り体にいえば、正しく生きることを語る内容となっている。▼本書は、中江藤樹の生前、知らない間に刊行されてしまったようで、一度出版が取りやめされたものの、中江藤樹の死後改めて出版されたものに弟子が補訂をしたものとなっている。確かに、全体として見ると文書の流れがブツ切りであるように思える▼他方、だからこそ中江藤樹が汲み取りやすい内容にもなっているといえる。釈迦は狂者(変な人という意味ではない)であるとか、なかなか過激な内容も含まれている。
Ohe Hiroyuki
法制史家であり、東京帝國大学で長らく奉職した教授の一生について書かれている。史料を掘り起こして法令を復元する研究手法で法制史を描き、私達はその恩恵を受けている。▼もっとも、本書全体は学説史というよりは、大学の統治(本の帯にいう「東京大学史」)がメインである。「赤化」と「学問の自治」は異なるとして問題に対処する中田の姿は、ついつい「帝国主義」などと総括しがちの歴史を考えるうえで大いに参考になる。▼本書を読んで思ったのは、自治を実践するというのはえてして闘争的になるということである。考えさせられる一冊。
が「ナイス!」と言っています。
Ohe Hiroyuki
近江聖人と称えられた中江藤樹の人生を記した一冊である▼40年少々という短い人生とは思えないほど壮絶かつ濃密な人生であったように思われる。本書では、「中期の思想」といった表現が出てくるが、中期も終盤も数年しか変わらない▼祖父に連れられて生家からはるか離れた愛媛で武士として研鑽を積み、そして脱藩してまで母のもとに帰る。その生き様はものすごい▼著作を多く残したものでもないが、時代を超えて語り継がれられていること自体に中江藤樹の凄さが垣間見える。同じ時代に生きていたら、さぞ記憶に残る人であったであろう。
が「ナイス!」と言っています。
Ohe Hiroyuki
本書は、外国人(特に西洋)に対して、「日本に宗教教育がないのに、どうして道徳が備わっているのか」を説明した本である。▼前半は、道徳システムとしての武士道を説明し、後半は個々の話題(切腹、女性の地位等)に触れている。海外の文献に多く触れつつ、日本のことを論じている。▼本書の重要なポイントは、「武士道は失われつつある」という前提に書かれているということだ。それゆえ内容は抽象的であり、ある意味他人事である。100年前ですら時代の移ろいを感じたものであり、ましていわんや現代は、である。
が「ナイス!」と言っています。
Ohe Hiroyuki
帝大時代の講義につき、学生が作成した講義ノート等をベースに再構成された一冊。▼教授が、ひたすら朗読し、これを学生が速記するという文化(習性?)は、今も残滓が残っているが、当時は速記が当然だったようである▼速記ノートをベースに講義録が作成され、それが書店で売っていたというから今からすれば驚きである。▼講義内容は、その濃さと深さに驚く。我が国の法制史について綿密に講義されていて大変に勉強になる。現代民法の特に物権の部分を理解するためにも本書は極めて有益である。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/06/01(3463日経過)
記録初日
2015/06/01(3463日経過)
読んだ本
761冊(1日平均0.22冊)
読んだページ
212383ページ(1日平均61ページ)
感想・レビュー
506件(投稿率66.5%)
本棚
1棚
性別
年齢
37歳
血液型
B型
職業
自営業
現住所
東京都
URL/ブログ
https://www.facebook.com/app_scoped_user_id/10203448878327704/
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