読書メーター KADOKAWA Group

2024年3月の読書メーターまとめ

syaori
読んだ本
9
読んだページ
3041ページ
感想・レビュー
9
ナイス
1653ナイス

2024年3月に読んだ本
9

2024年3月のお気に入り登録
9

  • あらた
  • 石油監査人
  • blackstone
  • 🐾あゆ🐾🎮🎧@魅音とペア画中!
  • ほのか。@Ritoとペア画中@新しい推しを発見中
  • harass
  • 中玉ケビン砂糖
  • 元気
  • madoque

2024年3月のお気に入られ登録
9

  • あらた
  • 石油監査人
  • blackstone
  • 🐾あゆ🐾🎮🎧@魅音とペア画中!
  • ほのか。@Ritoとペア画中@新しい推しを発見中
  • harass
  • 中玉ケビン砂糖
  • 元気
  • madoque

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

syaori
就活を舞台にしたミステリー。物語は最終選考に残ったメンバーを告発する文書を用意した犯人を追って進みますが、それを通して描かれるのは「完全にいい人も、完全に悪い人もこの世にはいない」ということ。告発により精鋭としての顔を見せていたメンバーの「クズ」な面が露わになりますが、その一面だけで「その性根がすべて腐っていると判断するのはあまりにも一元的」だということも示されます。最後の「腹黒大魔王」の手紙には、そんな善と悪がない交ぜになった人間の弱さと強さが垣間見え、人間愛に満ちた物語だったなという思いが残りました。
mitu
2024/04/11 06:30

syaoriさん、おはようございます。いつもお世話様です。面白い本をたくさんご紹介いただいた作品が読了に至っている件数がかなり多いです。難しかったり急ぎがあったりで読了に至っていなくても、どこかに残っていて有効に働いているのを感じます。ふと思い出した昔のご近所さんの事ですが、息子さんの嫁にと「バスの中で席を譲っている」のを見て気に入って結婚にまで結びついたのですが、結婚後は金銭感覚の違いで犬猿の仲となり離婚に至ったと転居後に聴き及びました。誰でも常にバイアスがかかって判断していますよね。

syaori
2024/04/11 16:40

mituさん、こんにちは。「「バスの中で席を譲っている」のを見て気に入って」息子の嫁に、というのが本当にあることに驚愕です! 私とは縁のない世界……。しかしその後の展開はせっかくご縁があったのに残念でしたね。誰もが自分のバイアスで物を見ていますし、だれもが良い面と悪い面を持っていると思うので、その息子さんご夫婦がうまくいく展開もあったと思うのですが、なかなか難しいですね。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

syaori

2月は『コーダの世界』池内恵、『この世の喜びよ』が面白かったです。久しぶりのオーウェルとチェーホフも! 今月もよろしくお願いします。2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2641ページ ナイス数:1296ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/596110/summary/monthly/2024/2

syaori
2024/03/02 09:51

宵待草さんもありがとうございます。いつも素敵な場所やものを紹介してくださる宵待草さんのお好みに合えばうれしいのですが。でもコレクション素敵ですよね! こちらこそ今月もよろしくお願いします。

syaori
2024/03/02 09:57

帽子さんもやさしいお言葉ありがとうございます。私も帽子さんのつぶやきや本のレビューの更新、ひっそり楽しみにしています。コメントしようと思っても小心者でなかなかコメントできないことが多いので、ここで告白しておかせてください……! 楽しみにしてます! 今月もよろしくお願いします。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
9

syaori
就活を舞台にしたミステリー。物語は最終選考に残ったメンバーを告発する文書を用意した犯人を追って進みますが、それを通して描かれるのは「完全にいい人も、完全に悪い人もこの世にはいない」ということ。告発により精鋭としての顔を見せていたメンバーの「クズ」な面が露わになりますが、その一面だけで「その性根がすべて腐っていると判断するのはあまりにも一元的」だということも示されます。最後の「腹黒大魔王」の手紙には、そんな善と悪がない交ぜになった人間の弱さと強さが垣間見え、人間愛に満ちた物語だったなという思いが残りました。
mitu
2024/04/11 06:30

syaoriさん、おはようございます。いつもお世話様です。面白い本をたくさんご紹介いただいた作品が読了に至っている件数がかなり多いです。難しかったり急ぎがあったりで読了に至っていなくても、どこかに残っていて有効に働いているのを感じます。ふと思い出した昔のご近所さんの事ですが、息子さんの嫁にと「バスの中で席を譲っている」のを見て気に入って結婚にまで結びついたのですが、結婚後は金銭感覚の違いで犬猿の仲となり離婚に至ったと転居後に聴き及びました。誰でも常にバイアスがかかって判断していますよね。

syaori
2024/04/11 16:40

mituさん、こんにちは。「「バスの中で席を譲っている」のを見て気に入って」息子の嫁に、というのが本当にあることに驚愕です! 私とは縁のない世界……。しかしその後の展開はせっかくご縁があったのに残念でしたね。誰もが自分のバイアスで物を見ていますし、だれもが良い面と悪い面を持っていると思うので、その息子さんご夫婦がうまくいく展開もあったと思うのですが、なかなか難しいですね。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
ブレンターノ・アルニム共同編纂の歌謡集『少年の魔法の角笛』の抄訳と両者の小説を収録。ブレンターノの『カスペルとアンナル』、アルニムの『世襲相続人たち』が印象に残ります。どちらも、近代国家の要請する価値観や「利潤だけを追求する」社会など近代・合理主義批判の側面もありますが、その中で老婆の語りや青年の幻想が幾重にも重なり「より高い世界が出現」する様はドイツロマン派の面目躍如といった観があり、そのポエジーに陶然となりました。ドッペルゲンガーと語りが増殖し「喜びと悪ふざけの気分」に満ちた『ハンガリー綺譚』も好き。
syaori
2024/03/26 16:54

「この世界のいたるところに、より高い世界が出現した。それは感覚には幻想でしか感じとれないものだ。幻想というものは、この世とより高い世界との間に仲介者として立ち、常に新たに、より高きものを具象化することにより、覆いとなっている死んだ素材を精神化し、命ある形とするのである。」(アルニム『世襲相続人たち』)

syaori
2024/03/26 16:55

どうでもいいのですが『カスペルとアンナル』で公爵への取次ぎをめぐって主人公とグロッシンガー伯爵がもめているところで、伯爵様が「あの男が登って行ったからこそ、君が階上に行くことはならないのだ。公爵は彼とご用がおありなのだ」といった瞬間に公爵様は美青年がお好きなんですね、分かりますと勝手に合点したのですが、男装の麗人という線もあったのでした。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
自身も12歳で難民となったパレスチナ人作家の短編集。語られるのはイスラエルにより故郷を追われたパレスチナ人の「無念と不幸」。それは「堅固に構築された幸せな家庭を」根こそぎにされ、子供にシャツや食物を買えず、選挙権もなく誇りも「これっぽっちも与え」られないということ。それらが子供や難民児童の学校の教師など様々な視点・角度から描かれて、やるせなさばかり積もってゆくよう。少年の胸にたたみ込まれた悲劇を描く『路傍の菓子パン』、正義とげっそり痩せた息子への思いの間を揺れる『盗まれたシャツ』には特に胸をつかれました。
syaori
2024/03/22 16:45

「いつになったらあなた方は、他人の弱さ、他人の過ちを自分の立場を有利にするための口実に使うことを止めるのでしょうか。そのような言葉は言い古され、もうすりきれてしまいました。そのような虚偽でいっぱいの計算ずくの正当化は……。ある時は、われわれの誤りはあなた方の誤りを正当化するとあなた方は言い、ある時は、不正は他の不正では是正されないと言います。あなた方は前者の論理をここでのあなた方の存在を正当化するために使い、後者の論理をあなた方が受けねばならぬ罰を回避するために使っています。→

syaori
2024/03/22 16:45

→私にはあなた方が、この奇妙な論理の遊戯を最大限にもてあそんでいるように見えます。」「その人間が誰であろうと人間の犯し得る罪の中で最も大きな罪は、たとえ瞬時といえども、他人の弱さや過ちが彼らの犠牲によって自分の存在の権利を構成し、自分の間違いと自分の罪とを正当化すると考えることなのです」(『ハイファに戻って』)/というわけで表題作二作もよかったです。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
舞台はヴィクトリア朝ロンドン。主人公はジキル博士の令嬢メアリで、母が殺人犯のハイドの娘を援助していたこと、父が人体実験も行う協会に属していたことを知ったことから物語が展開します。ハイドは父なのか、ロンドンを騒がす連続殺人事件と協会との関係は。その謎に『モロー博士』の猫娘や名探偵ホームズ等も絡んで気分も期待も高まります。また自身を異端にした父への複雑な思いと孤独を抱える個性的なヒロイン達が絆を深めていくところも好きなポイント。本巻は三部作の第一作で、協会や彼女達に関する謎はまだまだあるよう。楽しみに次巻へ。
syaori
2024/03/19 16:43

「でもフランケンシュタインの実験や粗野で、優雅さに欠いていた。わたしの父の理論はー」「あなたを毒のある体にした」とメアリが言った。ベアトリーチェは膝の上で握りしめた両手を見下ろした。メアリはどうしたらいいかわからなかった。ベアトリーチェを侮辱してしまったかしら? そんなつもりはなかった、それでも実験はー間違っていた。そんな実験は間違っていると、みんな認めるべきじゃない?」

syaori
2024/03/19 16:44

ヒロインは、ジキルの娘メアリにハイドの娘ダイアナ、ホーソンの『ラパチーニの娘』の毒娘にウェルズの『モロー博士の島』の猫娘、『フランケンシュタイン』の花嫁という陣容。個人的にロンドンの事件ということもあってレストレードが割と出てきてくれて楽しかったです(ダイアナ嬢と赤毛赤毛言い合うところ好き)。というかマイクロフトお兄様が名前だけが出てきたのですが、お兄様のご登場もあるの……?

が「ナイス!」と言っています。
syaori
フセインやポル・ポト、アルバニアのホッジャなど20世紀を代表する独裁者の料理人を訪ねたルポ。料理人の半生や独裁者との関係、その生活などが語られます。これに独裁時代を体験した人物や歴史家などの話が挿み込まれ、母の味を愛するホッジャが国民の平均寿命と就学率を高め、同時に20万人が収容所に送られたというように、その人物と統治時代が多角的・重層的に示され興趣が尽きません。また独裁者が「世界のどこから出てくるのか」、どうやって「自分に対する忠誠を確保」するのかという普遍的な問いに対する答えも窺える興味深い本でした。
syaori
2024/03/15 16:43

「もちろん苦しんださ、(略)だが(※イディ・)アミンの統治は私にとって三倍の給料とピカピカのメルセデスを意味していた。それが気に入らなかったと言えば嘘になる。」「われわれが直接知っていた人たち―(※ミルトン・)オボテ時代の大臣やUPCの政治家―は跡形もなく姿を消した。その後、手足と耳と下を切り落とされた死体となって見つかった。そんな怪物のためにどうやって料理を作れたのかと訊くんだね。→

syaori
2024/03/15 16:45

→そうだな、私には四人の妻と五人の子供がいた。アミンに束縛されていたから、逃げられなかった。いつ、そうされたのかも気づかなかった。彼の金なしでは立ち行かなかっただろう。私は完全にアミンに依存していて、向こうもそれを知っていた」「彼(※ポル・ポト)は公正な世界を夢見ていました。だれひとり飢えたりしない世界を。だれひとり威張ったりしない、だれひとり自分は他人より優れていると思ったりしない世界を」「私は最後まで、世界にポル・ポトとして知られた、優しいブラザー・マットレスの味方でした。そして今でも味方なんです」

が「ナイス!」と言っています。
syaori
絵を巡るミステリー。各章ごとに奇妙な絵がブログやダイイングメッセージ等として提示され、その謎が最後には一つの物語に収斂されるという趣向。全体に一つの線があって、それに沿って物語が進む感じがあるので、時系列はばらばらになっていますが、安心して読んでいけます。謎も、不可解な部分が明示され、登場人物たちはその謎のために動いている印象が出て奥行きに欠けるところがありますが、それも読みやすさに繋がっているように思いました。総じて作者が牽引する乗り物に乗ってアトラクションを見ているようで、肩の力を抜いて楽しめました。
syaori
2024/03/12 17:11

お借りした本。すごく売れている本らしいのですが、絶対自分からは手に取らないタイプの本だったので新鮮でした。個人的には最初の章が、何が始まるのかわからなくて一番どきどきした……。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
自分の子が一族をその揺籃の地エジプトへ導くという予言を受けたロマの王の娘イサベラ(ベラ)と皇太子時代のカール五世の恋を描く幻想小説。2人の恋に魔女や自惚屋のマンドラゴラ、ゴーレムなどの伝説から抜け出てきたようなものたちが絡み、混乱したとりとめのない夢のような、軽やかな恋愛譚が展開します。この虚妄の歴史には、俗世に縛られるカールと「軽々とした跳躍で」彼を超え一族の王として遥かなエジプトへ至るベラという対照的な二人の戴冠に象徴されるように、遥かなものへの志向が散りばめられていて、作者のポエジーを堪能しました。
syaori
2024/03/08 16:43

「大公の賢さなど彼女にとってどれほどの価値があったろう。彼は富をどのようにまとめあげ、どのように利用するつもりでいたのだろう。彼女は、いっさいを撥ねつけることができるがゆえにいっさいを所有していることにもなる貧困の素晴らしさしか知らなかったのだ。」「彼女は、つぎつぎと支配するものたちからの報酬はいかなるものにせよ撥ねつけ、彼らに対する行為はいかなるものにせよもっとも素晴らしい褒美だとみなしている一族しか知らなかったのだ。」

syaori
2024/03/08 16:44

ちなみにロマは現在ではエジプトの民とは考えられていません。どうでもいいのですが主人公が、大公様は「赤ちゃんを、お父さまがむかし話してくださっていたように、泉から連れてきてくださるかしら」みたいな純真な子なうえに、恋路がいい感じになるとすぐに邪魔が入るので、途中まで「この人たちちゃんと同衾できるのかしら」というやり手婆みたいな気持ちで読み進めていました。無事子供ができてよかったです(という話ではない)。カールの家庭教師で後に教皇様(ハドリアヌス6世)になるアードリアン先生が好きでした。ご苦労が多そう。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
パレスチナと近代アラブ文学を巡る静かで熱い随想。近代アラブ文学を繙きながら展開されるのは「飢えている子供たちを前にして文学に何ができるのか」というサルトルの問いに対する応答で、小説は「祈ることができる」と作者は言う。それは、それが捧げられた者たちの「救いとなることはほとんどない」。けれども、平凡な「小さな者たち」の愚かしい、しかし「生きるための痛切な闘い」を、それを通して彼らが「未来にささげた夢」を掬い上げることが、また彼らの痛みと願いを世界に開くことができるのだと語るその声こそが美しい祈りのようでした。
syaori
2024/03/05 17:24

「「ユダヤ人国家」は、イスラーム教徒もキリスト教徒もユダヤ教徒もアラブ人としてさまざまな物語を紡ぎながら生きてきたパレスチナを、シオニズムというただ一つの物語によって領有し、その他の物語の可能性を否定する」「『アラベスク』は、そのようなユダヤ人国家が語る貧しく哀しい物語のありようを、複数性に開かれた物語の豊饒さ、悦びを描くことで批判しているのである」「『アラベスク』をヘブライ語で著すことによって、(略)「イスラエル」が重ね描きされた歴史の地層のその下にたしかに存在する「パレスチナ」の記憶、→

syaori
2024/03/05 17:25

→そして「アラビア語」の記憶、その豊かな物語の記憶を刻みこみ、同時に、パレスチナで生きてきた一族の記憶の物語を、ヘブライ語文学のアーカイブのなかに記録したのだった。ヘブライ語文学をシオニズムという単一の物語から解放し、それを、信仰や民族を異にするさまざまな物語からなる豊かな文学とするために」/近現代のアラブ文学もいろいろ紹介されていて楽しいです。しかしシャンマースの『アラベスク』は完全に自分の好みだなと思って調べてみたら翻訳がなかったという悲劇……! ここに需要があることを叫んでおきたい。翻訳ください!

が「ナイス!」と言っています。
syaori
カレーや生姜焼きなど中華屋の定番でないメニューをめぐるコミックエッセイ。中国東北部の白菜の発酵食・酸菜からオムライスまで様々な料理が、店の人へのインタビュー等から得られた料理の背景の考察とともに味のある絵で紹介されて、食欲も興味をそそられます。最後は、一口に「中華うどん」といっても東京では醤油系、尾道では背脂たっぷりのラーメンスープにうどんを入れるというように地方や店、さらには作る人により違う料理になる、一期一会なのだということも描かれて、加えてチャーハン回で終わるところも気が利いていて楽しかったです。
syaori
2024/03/01 16:59

作者はバンドでサックスを担当しているそうで、漫画を描くのは初めてなのだそうですが、デザイン会社で働いていたという経歴のせいか、普通に絵も漫画も上手でした。そういうものなのか……。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/07/31(3193日経過)
記録初日
2015/07/21(3203日経過)
読んだ本
1401冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
490383ページ(1日平均153ページ)
感想・レビュー
1397件(投稿率99.7%)
本棚
8棚
性別
血液型
B型
自己紹介

読む本を選ぶときに、こちらの感想を参考にすることが多かったので、私の感想もだれかの本選びの一助になればと登録しました。多分外国文学が多いです。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう