2月は『コーダの世界』池内恵、『この世の喜びよ』が面白かったです。久しぶりのオーウェルとチェーホフも! 今月もよろしくお願いします。2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2641ページ ナイス数:1296ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/596110/summary/monthly/2024/2
宵待草さんもありがとうございます。いつも素敵な場所やものを紹介してくださる宵待草さんのお好みに合えばうれしいのですが。でもコレクション素敵ですよね! こちらこそ今月もよろしくお願いします。
帽子さんもやさしいお言葉ありがとうございます。私も帽子さんのつぶやきや本のレビューの更新、ひっそり楽しみにしています。コメントしようと思っても小心者でなかなかコメントできないことが多いので、ここで告白しておかせてください……! 楽しみにしてます! 今月もよろしくお願いします。
syaoriさん、おはようございます。いつもお世話様です。面白い本をたくさんご紹介いただいた作品が読了に至っている件数がかなり多いです。難しかったり急ぎがあったりで読了に至っていなくても、どこかに残っていて有効に働いているのを感じます。ふと思い出した昔のご近所さんの事ですが、息子さんの嫁にと「バスの中で席を譲っている」のを見て気に入って結婚にまで結びついたのですが、結婚後は金銭感覚の違いで犬猿の仲となり離婚に至ったと転居後に聴き及びました。誰でも常にバイアスがかかって判断していますよね。
mituさん、こんにちは。「「バスの中で席を譲っている」のを見て気に入って」息子の嫁に、というのが本当にあることに驚愕です! 私とは縁のない世界……。しかしその後の展開はせっかくご縁があったのに残念でしたね。誰もが自分のバイアスで物を見ていますし、だれもが良い面と悪い面を持っていると思うので、その息子さんご夫婦がうまくいく展開もあったと思うのですが、なかなか難しいですね。
「この世界のいたるところに、より高い世界が出現した。それは感覚には幻想でしか感じとれないものだ。幻想というものは、この世とより高い世界との間に仲介者として立ち、常に新たに、より高きものを具象化することにより、覆いとなっている死んだ素材を精神化し、命ある形とするのである。」(アルニム『世襲相続人たち』)
どうでもいいのですが『カスペルとアンナル』で公爵への取次ぎをめぐって主人公とグロッシンガー伯爵がもめているところで、伯爵様が「あの男が登って行ったからこそ、君が階上に行くことはならないのだ。公爵は彼とご用がおありなのだ」といった瞬間に公爵様は美青年がお好きなんですね、分かりますと勝手に合点したのですが、男装の麗人という線もあったのでした。
「いつになったらあなた方は、他人の弱さ、他人の過ちを自分の立場を有利にするための口実に使うことを止めるのでしょうか。そのような言葉は言い古され、もうすりきれてしまいました。そのような虚偽でいっぱいの計算ずくの正当化は……。ある時は、われわれの誤りはあなた方の誤りを正当化するとあなた方は言い、ある時は、不正は他の不正では是正されないと言います。あなた方は前者の論理をここでのあなた方の存在を正当化するために使い、後者の論理をあなた方が受けねばならぬ罰を回避するために使っています。→
→私にはあなた方が、この奇妙な論理の遊戯を最大限にもてあそんでいるように見えます。」「その人間が誰であろうと人間の犯し得る罪の中で最も大きな罪は、たとえ瞬時といえども、他人の弱さや過ちが彼らの犠牲によって自分の存在の権利を構成し、自分の間違いと自分の罪とを正当化すると考えることなのです」(『ハイファに戻って』)/というわけで表題作二作もよかったです。
「でもフランケンシュタインの実験や粗野で、優雅さに欠いていた。わたしの父の理論はー」「あなたを毒のある体にした」とメアリが言った。ベアトリーチェは膝の上で握りしめた両手を見下ろした。メアリはどうしたらいいかわからなかった。ベアトリーチェを侮辱してしまったかしら? そんなつもりはなかった、それでも実験はー間違っていた。そんな実験は間違っていると、みんな認めるべきじゃない?」
ヒロインは、ジキルの娘メアリにハイドの娘ダイアナ、ホーソンの『ラパチーニの娘』の毒娘にウェルズの『モロー博士の島』の猫娘、『フランケンシュタイン』の花嫁という陣容。個人的にロンドンの事件ということもあってレストレードが割と出てきてくれて楽しかったです(ダイアナ嬢と赤毛赤毛言い合うところ好き)。というかマイクロフトお兄様が名前だけが出てきたのですが、お兄様のご登場もあるの……?
「もちろん苦しんださ、(略)だが(※イディ・)アミンの統治は私にとって三倍の給料とピカピカのメルセデスを意味していた。それが気に入らなかったと言えば嘘になる。」「われわれが直接知っていた人たち―(※ミルトン・)オボテ時代の大臣やUPCの政治家―は跡形もなく姿を消した。その後、手足と耳と下を切り落とされた死体となって見つかった。そんな怪物のためにどうやって料理を作れたのかと訊くんだね。→
→そうだな、私には四人の妻と五人の子供がいた。アミンに束縛されていたから、逃げられなかった。いつ、そうされたのかも気づかなかった。彼の金なしでは立ち行かなかっただろう。私は完全にアミンに依存していて、向こうもそれを知っていた」「彼(※ポル・ポト)は公正な世界を夢見ていました。だれひとり飢えたりしない世界を。だれひとり威張ったりしない、だれひとり自分は他人より優れていると思ったりしない世界を」「私は最後まで、世界にポル・ポトとして知られた、優しいブラザー・マットレスの味方でした。そして今でも味方なんです」
お借りした本。すごく売れている本らしいのですが、絶対自分からは手に取らないタイプの本だったので新鮮でした。個人的には最初の章が、何が始まるのかわからなくて一番どきどきした……。
「大公の賢さなど彼女にとってどれほどの価値があったろう。彼は富をどのようにまとめあげ、どのように利用するつもりでいたのだろう。彼女は、いっさいを撥ねつけることができるがゆえにいっさいを所有していることにもなる貧困の素晴らしさしか知らなかったのだ。」「彼女は、つぎつぎと支配するものたちからの報酬はいかなるものにせよ撥ねつけ、彼らに対する行為はいかなるものにせよもっとも素晴らしい褒美だとみなしている一族しか知らなかったのだ。」
ちなみにロマは現在ではエジプトの民とは考えられていません。どうでもいいのですが主人公が、大公様は「赤ちゃんを、お父さまがむかし話してくださっていたように、泉から連れてきてくださるかしら」みたいな純真な子なうえに、恋路がいい感じになるとすぐに邪魔が入るので、途中まで「この人たちちゃんと同衾できるのかしら」というやり手婆みたいな気持ちで読み進めていました。無事子供ができてよかったです(という話ではない)。カールの家庭教師で後に教皇様(ハドリアヌス6世)になるアードリアン先生が好きでした。ご苦労が多そう。
「「ユダヤ人国家」は、イスラーム教徒もキリスト教徒もユダヤ教徒もアラブ人としてさまざまな物語を紡ぎながら生きてきたパレスチナを、シオニズムというただ一つの物語によって領有し、その他の物語の可能性を否定する」「『アラベスク』は、そのようなユダヤ人国家が語る貧しく哀しい物語のありようを、複数性に開かれた物語の豊饒さ、悦びを描くことで批判しているのである」「『アラベスク』をヘブライ語で著すことによって、(略)「イスラエル」が重ね描きされた歴史の地層のその下にたしかに存在する「パレスチナ」の記憶、→
→そして「アラビア語」の記憶、その豊かな物語の記憶を刻みこみ、同時に、パレスチナで生きてきた一族の記憶の物語を、ヘブライ語文学のアーカイブのなかに記録したのだった。ヘブライ語文学をシオニズムという単一の物語から解放し、それを、信仰や民族を異にするさまざまな物語からなる豊かな文学とするために」/近現代のアラブ文学もいろいろ紹介されていて楽しいです。しかしシャンマースの『アラベスク』は完全に自分の好みだなと思って調べてみたら翻訳がなかったという悲劇……! ここに需要があることを叫んでおきたい。翻訳ください!
作者はバンドでサックスを担当しているそうで、漫画を描くのは初めてなのだそうですが、デザイン会社で働いていたという経歴のせいか、普通に絵も漫画も上手でした。そういうものなのか……。
読む本を選ぶときに、こちらの感想を参考にすることが多かったので、私の感想もだれかの本選びの一助になればと登録しました。多分外国文学が多いです。
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syaoriさん、おはようございます。いつもお世話様です。面白い本をたくさんご紹介いただいた作品が読了に至っている件数がかなり多いです。難しかったり急ぎがあったりで読了に至っていなくても、どこかに残っていて有効に働いているのを感じます。ふと思い出した昔のご近所さんの事ですが、息子さんの嫁にと「バスの中で席を譲っている」のを見て気に入って結婚にまで結びついたのですが、結婚後は金銭感覚の違いで犬猿の仲となり離婚に至ったと転居後に聴き及びました。誰でも常にバイアスがかかって判断していますよね。
mituさん、こんにちは。「「バスの中で席を譲っている」のを見て気に入って」息子の嫁に、というのが本当にあることに驚愕です! 私とは縁のない世界……。しかしその後の展開はせっかくご縁があったのに残念でしたね。誰もが自分のバイアスで物を見ていますし、だれもが良い面と悪い面を持っていると思うので、その息子さんご夫婦がうまくいく展開もあったと思うのですが、なかなか難しいですね。