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2024年9月の読書メーターまとめ

syaori
読んだ本
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2703ページ
感想・レビュー
8
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1346ナイス

2024年9月に読んだ本
8

2024年9月のお気に入り登録
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  • sekaisi
  • きゃれら

2024年9月のお気に入られ登録
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  • sekaisi
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2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

syaori
膵臓がんステージ4bと診断され、手立ては抗がん剤で進行を遅らせることだけ。突然夫とふたり「無人島に流されてしまったような」日々を綴った作家の日記。語られるのは、体調や読んだ本のこと、緩和ケアや夫との日々について。誰もが必ず経験する一度きりの体験記は、涙ももう十分生きたとは言えないやりきれなさもあるものの、愛する人が側にいて、薬のおかげで痛い・辛いということもなく穏やかなのですが、それでも看る人・看られる人ともに残すこと・残されることに対する言葉にできない思いが募っているように感じたのが印象に残りました。
syaori
2024/09/12 17:22

「未来のための読書がなくなったらもう何も読みたいものはないのかもと思ったけれど、私の枕元には未読本が積んであるコーナーがあって毎晩その中からその日の気分に合わせて本を選んでいる。未来はなくとも本も漫画も面白い。とても不思議だ。」/また書いていないだけで、最後は一人で「無人島」に残らなければならない恐怖はとてもあっただろうなと感じました。夫がグラタンをぶちまけて泣いてしまう場面には私ももらい泣きしそうになりました……。些細なきっかけで我慢したいたものが崩壊するの分かる……。

が「ナイス!」と言っています。

2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

syaori

フーコー、レマルク、カルロ・ロヴェッリが面白かったです。それからメーリケも。今月もよろしくお願いします。2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2235ページ ナイス数:1526ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/596110/summary/monthly/2024/8

sabosashi
2024/09/02 14:08

「監獄の誕生」なんてわたしなら一年、かかってしまいそう(ちょっとは読み出したんですが、ああ、何ヶ月かかるかなら、と思っただけでげんなりして。。。)まあ、それだけ面白いということなんでしょうが。

syaori
2024/09/02 17:06

「監獄の誕生」は確かに情報量が多くて全然進みませんよね。でも、とても面白かったので、読みだしたのならぜひ読み進めてください。

が「ナイス!」と言っています。

2024年9月の感想・レビュー一覧
8

syaori
「ケルト人」とはアイルランド独立を目指したイースター蜂起への武器調達の罪で投獄されたロジャー・ケイスメントのこと。先住民と資源を搾取する植民地主義と対峙した英雄、祖国独立のためには武装闘争も辞さない過激なナショナリスト、様々な顔を持つ彼の生涯を通して語られるのは、一人の人間の中には天使と悪魔が密接に絡み合っていて、その人間が作る世界も強欲による地獄・植民地だけでなく、芸術や理想など「最良のもの」も生み出してきたということ。そんな謎と矛盾に満ちた人間を描く本書は、壮大な人間賛歌の物語だったように思いました。
syaori
2024/09/27 17:01

「反植民地主義の闘士、人権と彼の時代における先住民文化の擁護者、アイルランド独立に身を捧げた戦士としての彼である。彼の同国人は、英雄と殉教者は抽象的な典型でも完璧さの模範でもなく、矛盾と対照、弱さと偉大さからなる一人の人間であることを、ゆっくりとではあるが認めざるを得なくなる。というのも、一人の人間とは、ホセ・エンリケ・ロドーが書いているように、≪多数の人間である≫からだ。つまり、天使と悪魔がその人格のうちで密接に絡み合い、混じり合っているのである。」

syaori
2024/09/27 17:01

「それは悪いことではない。捉えようとすると、あらゆる理論や理性の網をすり抜けてしまう全体性としての、一人の人間を決定的に知るのは不可能であることの証として、ロジャー・ケイスメントの周囲を常に不確実な雰囲気がまつわりついているのは悪いことではない。」/どうでもいいのですが「美貌のヴァイキング」が大変気になってアイヴィント・アドラー・クリステンセンを検索しました。馬鹿だ……。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
パリの日本語新聞の連載をまとめた料理エッセイ。クスクス、ソーセージとレンズ豆の煮込みなど家庭やビストロでも出てきそうな料理のレシピを味のあるイラストとともに紹介してくれます。チュニジア料理やエビのワンタンなどアフリカや中華街のレストランの味が紹介されているのもパリの食事事情が窺えて楽しいです。牛の腎臓のように日本では材料を探すのに苦労しそうなものも多いうえ、レシピ本は大抵読んで楽しむタイプなのですが、食いしん坊を自認する作者の書きっぷりに大いに食欲をかき立てられ、トリのライム風味はつい作ってしまいました。
宵待草
2024/09/26 19:56

syaoriさん 帽子を編みますさん こんばんは!🌃 横レス失礼します!🙇💦 1週間振りの読書メーター!💖 今日から又、宜しくお願い致します!💫 料理は好きですし、レビューと帽子さんとのエスカルゴ談義に、此の本は📝させて頂きますね!❇️ 何時も、有り難うございます!🙋 宵待草

syaori
2024/09/27 13:51

宵待草さん、講演会が無事に終わったようでよかったです。お戻りになられた後のつぶやきは、講習会が充実した時間だったことがうかがわれてこちらも元気をもらえました。ありがとうございます。この本は、食いしん坊が書いたという感じの楽しい本だったのでお料理好きならぜひ!

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syaori
人類とは全く違う道筋で高度に発達した神経系を持ったタコの進化の歴史を辿ることで語られるのは「意識」の多様性。動物の「主観的経験」は痛みといった「単純な形態のもの」から神経系の進化に伴って変化していったと作者は言う。それならタコも人類と同様洗練された意識を持つはずだが、そのあり方は、腕がある程度脳から独立して動き味覚があり、定まった身体形状を持たない彼らと私たちは本質的に大きく違っている。本書では意識の起源やあり方を、身体との関係は勿論、社会生活や言語など様々な面から概観していて進化の不思議を堪能しました。
sabosashi
2024/09/21 12:16

当地でも蛸は食わない、といった方たちがわりといます。

syaori
2024/09/21 21:31

sabosashiさん、やはりそういう方たちがいるんですね。ダメ人間の私はタコもイカも食欲に負けて結局食べてしまいそうです……。

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syaori
物質の水晶化が進む太陽系で、地球上でその現象が起きている地域の一つであるアフリカの森を舞台に物語が進みます。色彩が乱舞するその宝石の森に魅了されるのは、癩病を病む人妻や瀕死の肺病の女性とその愛人、神を信じられなかった神父など、植物も動物もその煌めきに包み込み「死んでもいないが生きてもいない」状態にする不死性や永遠性に惹かれる人々。癩病の人妻を追ってきた主人公が彼女に感じる嫌悪と魅力はそのまま水晶化がもたらす不死と永遠に対する憧憬と恐れと重なっていて、作者が描く美しい、永遠と滅びへ進む世界を堪能しました。
syaori
2024/09/17 17:01

「この森の中でわたしどもはキリストの聖体の最終的な祭典を見ているのです。ここでは、すべてが姿を変え、光り輝き、空間と時間の最後の結婚で一つに結びあわされているのです」

syaori
2024/09/17 17:02

作者がひたすら描写する宝石の森が大変美しかったです。入りたくはないけど。ベントレスとソーレンセンとセリーナの三角関係については、ベントレスとセリーナ、ソーレンセンとセリーナの間にあったことは分かったけど、ベントレンスとソーレンセンはどういう関係だったのか気になる。「ぼくはソーレンセンを尊敬しているんです」とか言われてもそれだけじゃ分からないよ……。どうでもいいのですが、作者はスザンヌのような女王様のような美しい女の人が好きそうだなと思いました。私も好き。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
膵臓がんステージ4bと診断され、手立ては抗がん剤で進行を遅らせることだけ。突然夫とふたり「無人島に流されてしまったような」日々を綴った作家の日記。語られるのは、体調や読んだ本のこと、緩和ケアや夫との日々について。誰もが必ず経験する一度きりの体験記は、涙ももう十分生きたとは言えないやりきれなさもあるものの、愛する人が側にいて、薬のおかげで痛い・辛いということもなく穏やかなのですが、それでも看る人・看られる人ともに残すこと・残されることに対する言葉にできない思いが募っているように感じたのが印象に残りました。
syaori
2024/09/12 17:22

「未来のための読書がなくなったらもう何も読みたいものはないのかもと思ったけれど、私の枕元には未読本が積んであるコーナーがあって毎晩その中からその日の気分に合わせて本を選んでいる。未来はなくとも本も漫画も面白い。とても不思議だ。」/また書いていないだけで、最後は一人で「無人島」に残らなければならない恐怖はとてもあっただろうなと感じました。夫がグラタンをぶちまけて泣いてしまう場面には私ももらい泣きしそうになりました……。些細なきっかけで我慢したいたものが崩壊するの分かる……。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
シャネルのバッグに関する本。1955年2月にココ・シャネルが発表したストラップ付きのハンドバッグで、クラッチが主流だった時代に第二次大戦後の女性の社会進出とも相まってアイコンバッグとなった「2.55」のほか、1983年から2019年まで同ブランドを率いたラガーフェルドの発表した「11.22」や「ダイアナ」などのアイコニックなバッグを豊富な図版で紹介してくれます。アトリエで一つひとつ品質や素材にこだわって作られる贅沢なバッグやそれを持つセレブやモデルの写真は大変魅力的で、上品で優雅な気分で読み終えました。
dubonnet
2024/09/10 21:59

こんばんは♪なかなか見応えがある一冊でしたね✨ダイアナ妃、美しい。なかなか奇抜なデザインも使いこなすモデルさん達も素敵でした。

syaori
2024/09/11 14:22

モデルさんたちのバッグに合わせたファッションも含め眼福でした! ご紹介ありがとうございました。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
ユダヤ神秘主義の影響を受けた言語論やそれを基盤にした文芸批評、その中の美の本質を被う「仮象」の概念を発展させ、永遠性・唯一性を目指していた芸術作品の仮象、アウラの崩壊という観点からの近代の反省というベンヤミンの思想の展開・転回が概観できる一冊。ナチス台頭の時代に生きたユダヤ人という立場もあるのでしょうが、「歴史の概念について」や「ゲーテの『親和力』」での、被抑圧者や「希望も見えぬ」人々の視点から、勝利者の歴史でない過去を、また数多の取り戻せない日々を「希望という秘儀」により救おうとする姿勢が印象的でした。
kasim
2024/09/07 15:26

ベンヤミンの思想、人が引用しているととても魅力的なのに原典に当たると私には幅が広すぎて統合できず青息吐息なのですが、syaoriさんのレビューはいつもながら素敵ですねえ。ありがとうございます。

syaori
2024/09/08 19:29

kasimさん、お返事遅くなってすみません。ご安心ください、私も青息吐息です! これまでベンヤミンは初期のドイツ・ロマン派についての論文くらいしかきちんと読んだことがなかったのですが、本当に幅が広いですね。びっくりしました。

が「ナイス!」と言っています。
syaori
沖縄がテーマの短編集。「友達の亡くなった奥さんについて書いている」『足てびち』は作者の思いが昇華されていない居心地の悪い感じがあり、執筆が愛犬の最後の日々と重なり優しい登場人物たちに自身が慰められていたという表題作は、その癒しから読者がおいていかれて鼻白んでしまう部分もあるのですが、それでも、失敗やくだらないことを積み重ね、その喜びや苦しみもまた繰り返しのなかで移ろい消えていく定めの人生は、しかしだからこそかけがえがなく素晴らしいのだと伝えてくれる作品に励まされるのは事実で、不満は覚えつつも楽しみました。
syaori
2024/09/03 16:58

「つまんないことでいいのよ。靴を買ってもらっただとか、今夜は何食べようって言っていっしょに買い物に行ったとか、お父さんとお母さんがけんかして仲直りしたとか、いっしょに台風を見たとか、みんなで食あたりになってお粥を食べただとか、くだらなければくだらないほどすばらしいのよ。あとになってみるとね。どうでもいいことやくらだないことがいちばん強くてあったかくて、深刻なこととか理屈なんて大切なように見えても、そういうちっちゃい思い出に比べたら、全然へなちょこなのよ。」

syaori
2024/09/03 16:58

お借りした本ありがとうございます。貸してくれている方が吉本ばななにはまっているようで、そのおこぼれにあずかれてありがたい限り。しかしこの短編集はこれまで借りた作者の作品のなかでは一番おすすめしない感じでした。ご飯がおいしそうで楽しかったですが。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/07/31(3489日経過)
記録初日
2015/07/21(3499日経過)
読んだ本
1477冊(1日平均0.42冊)
読んだページ
514395ページ(1日平均147ページ)
感想・レビュー
1473件(投稿率99.7%)
本棚
9棚
性別
血液型
B型
自己紹介

読む本を選ぶときに、こちらの感想を参考にすることが多かったので、私の感想もだれかの本選びの一助になればと登録しました。多分外国文学が多いです。

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