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2024年3月の読書メーターまとめ

Sora
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2024年3月に読んだ本
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2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Sora
「川の流れは絶えまなく、その水はいつも入れ替わり、もとの水はとどまらない」。世の無常、人の営みの儚さを訴えた仏教的エッセイと今までは受け止めていました。しかし、訳者によればそれだけでなく、著者である鴨長明自身が、琴や和歌等の俗世間と、世の無常を訴える仏教の世界の狭間で揺れ動いており、彼の感じていた葛藤も本文から読み取れるという事でした。訳者によるまえがきや、エッセイと合わせて読む事で、鴨長明の人柄と矛盾、迷いを読み取る事ができ、著者及び古典をより身近に感じられた読書となりました。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

Sora

読んだ本がちょうど500冊になりました。 2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:25冊 読んだページ数:7489ページ ナイス数:870ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/623744/summary/monthly/2024/2

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2024年3月の感想・レビュー一覧
32

Sora
シスターによる、カトリックの考え方を優しく説いたエッセイ。許しなさいというキリスト教の教えをなかなか実践できない事や、人を裁いてしまう事もある事等、自分の弱さを認めつつも、それでも人と神を愛そうとする姿勢が伝わってくる文章。神と向き合い、祈る事が使命の修道女でも悩みと弱さを抱えているという事に親しみを感じ、勇気をもらった読者も多いのではないか、と感じられた読書になりました。
Sora
2024/04/01 01:06

「軛を決して負いやすいと思いません。ただ、慰めとなるのは、キリストが私の傍らにあって、共に私の軛を負っていてくださるという信仰です」(「はじめに」より)。

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Sora
議会制民主主義を擁護した「民主主義の本質と価値」、ファシズムが台頭しつつある国際社会に警鐘を鳴らした「民主主義の擁護」を収録している。完全な民主主義を目指すのであれば直接民主制しかないが、現実的ではない。民主主義という理想と直接民主制は不可能という現実の妥協として、議会制民主主義があると述べる。また、議員と有権者は別の存在であるので、少数者による多数者の支配ではあるが、議会と複数存在する政党によって有権者である国民の意志や世論が反映されやすくなるだけでなく、少数派の尊厳と意見が保護・反映されるとしている。
Sora
2024/03/30 18:56

カール・シュミットはナチズムを肯定した危険思想の法学者として知られているが、ケルゼンはナチズムを批判した法学者として知られている。しかし、ケルゼンの法実証主義は「悪法も法なり」という言葉が示すように、権威主義的で民主主義を否定するような法であっても、民主主義的な方法で成立したのであれば、従わなければならないという弱点を持っている。しかし、多数者が自由と民主主義を手放すような、権威的な全体主義に賛成した場合、少数者や、全体主義に反対する人間の尊厳や意見が無視されてしまい、また弾圧されてしまうのではないのか。

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Sora
本書は、アッシジのクララ、ノリッジのジュリアン等の女性の神秘家、教会博士に分類されるアビラのテレサ、十字架のヨハネ、リジューのテレーズ等の生涯や思想をわかりやすく説いており、キリスト教神秘主義の入門書と言える内容。理性とキリスト教を一致させた神学者達とは違うアプローチで、神の愛と被造物の関係性について述べている。最後の講話では、聖人や聖女は、神への愛と隣人愛の道を行く私達にとっての「道しるべ」だが、列聖されていない聖人、つまり、私達が出会ってきた慈しみ深い人達も、また「道しるべ」なのだと著者は訴えている。
Sora
2024/03/27 00:13

ノリッジのジュリアンは、愛である神が存在していながら、「なぜ悪や罪もない人の苦しみが存在するのでしょうか」という、神を信じる人、またそうでない人問わず、誰もが直面する難問に対して、『神の恵みによって学んだことですが、わたしは信仰をしっかり守り、最後はすべてがよくなることを固く完全に信じなければなりません』と答え、神が愛であること、また、愛である神に信頼するようにと訴えている。

Sora
2024/03/27 00:24

リジューのテレーズは、「神は愛」を自身の生涯と祈りで証明した聖女。彼女は、『今日は、一人も地獄に堕ちる者がないように』と神に祈り、すべての人々の救いを望んでいた。

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Sora
ネタバレ左派の説得に失敗したミラボーは、ラ・ファイエットに借りを作る形で右派を説得。主権は国民にあるが、戦争の実質的な権限は国王に属する法案を可決させる。その後、革命一周年記念の祭り等で民衆の支持を得たラ・ファイエットは、民衆の支持と右派への影響力を元に、独裁的で専横な態度になり、暴走し始める。ロベスピエールとデムーランは一時期仲が悪くなるが、すぐに溝が埋まる。議会では、聖職者グループと、左派・ミラボー・タレイランとの溝が深まり、雲行きが怪しくなり始める。
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Sora
「川の流れは絶えまなく、その水はいつも入れ替わり、もとの水はとどまらない」。世の無常、人の営みの儚さを訴えた仏教的エッセイと今までは受け止めていました。しかし、訳者によればそれだけでなく、著者である鴨長明自身が、琴や和歌等の俗世間と、世の無常を訴える仏教の世界の狭間で揺れ動いており、彼の感じていた葛藤も本文から読み取れるという事でした。訳者によるまえがきや、エッセイと合わせて読む事で、鴨長明の人柄と矛盾、迷いを読み取る事ができ、著者及び古典をより身近に感じられた読書となりました。
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Sora
本書は、メソポタミア文明のシュメール人に伝わる神話や、儀式の呪文、格言等から選んで翻訳したものです。旧約聖書のノアの物語に影響を与えた「洪水伝説」。殺された神々とその血から人間が誕生したのであり、人間の使命は神々の仕事(労働)を代わりに行い、神々に奉仕する事にあると述べる「人間の創造」等、興味深い文献が収録されています。また、人間の創造については、上記のものだけでなく、他の逸話もあるようです。解説によると、本書では未収録の「エンキとニンマフ」や、他の文献では、人間は土から造られたとしているという事です。
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Sora
本書は、 神学大全の問題の中から編者が選んで翻訳・転載しています。徳論として前半では習慣、後半では徳が取り上げられ、さらに後者では枢要徳(知慮、正義、節制、剛毅)と対神徳(信仰、希望、愛)について論じています。枢要徳に関しては、徳の基本的なものはそれぞれの人間の精神や身体に宿っているが、徳として完成させるためには意志と習慣が必要である事、対神徳に関しては「信、望、愛は人間的徳を超えるもの」であり、神からの「神的恩寵を分有する者たらしめられたかぎりにおいて、人間に属するところの徳なのである」と述べています。
Sora
2024/03/24 16:50

「人が善く行為することのためには、理性が知的徳という習慣によって善く秩序づけられるだけではなく、欲求的なちからもまた倫理徳という習慣によって善く秩序づけられることが必要とされるのである」(P260)。

Sora
2024/03/24 16:51

「信仰及び希望は、愛徳なしにも、たしかに或る意味では存在しうる。しかし、それらは愛徳なしには完全な徳たるの本質をそなえることはないのである……信仰の行為とは神を信じることであり、他方、信じるとは自らの意志でもって或る人に承認を与えることである……意志の正しい運動はすべて正しい愛から発出するものだからである」(P432〜P433)。

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Sora
様々なケースを通して、救命救急の現場から医療とは何か、命とは何かと私達に問いかけている内容。医療や救急は人の命を救う事を前提に組み立てられていますが、本当にそれだけでいいのか、と著者に問いかけられている感じがしました。
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Sora
ネタバレ高位聖職者でありながら嫌々司教になった過去のあるタレイランは、ミラボーを利用して聖職者の公務員化と既得権益層の切り崩しを目論む。また、金持ち(能動市民)にのみ参政権を認めた法が可決され、第三身分の一般市民(受動市民)は政治の世界から遠ざけられてしまう。議会で演説するも支持を得られず落ち込んでいたロベスピエールは、ある日、デムーランからダントンを紹介される。自分の熱意が民衆に伝わっていた事を知ったロベスピエールは、ミラボーから演説の仕方を学びつつ、政治改革と第三身分の権利拡大を目指す。
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Sora
古代エジプト壁画の専門家やエジプト学の専門家、写真家によって著された本書は、専門外の人間でも、古代エジプトの死生観や宗教観等について、楽しみながら知ることができる入門書になっています。古代エジプトの人々にとって、死後の世界は現世の延長線上にあったようです。死後の世界において再生・復活する為、遺体をミイラにして保存。人間には、ミイラ化した肉体とは別に「バー(魂)」があり、バーは鳥等、様々な生物に姿を変えて、現世の人々が供えたパンとビールを食べると考えられていたようです。
Sora
2024/03/20 16:34

また、一言で古代エジプトの神話といっても、ヘリオポリス、メンフィス、ヘルモポリス等、地域によって様々なバリエーションがある事、ヒエログリフ文字や複雑な宗教観等、興味深い内容でした。

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Sora
ネタバレデムーラン、マラ、ダントンらはバスティーユ牢獄を襲撃。抵抗に合うも、陥落させる事に成功する。一方、パリの蜂起とバスティーユ襲撃を耳にした国民議会は「人民の勝利」だと歓喜する。ミラボーはルイ16世を説得し、国王は人民と共にあるという事を、パリ市民に印象付ける。その後、国民議会は、人権宣言(フランス人権宣言)と憲法を採択。そんな国民議会の様子に、ミラボーは危機感を抱く。議会が暴走しないようにする為、立憲君主制への移行を画策し始める。
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Sora
本書は、南北戦争時代に大統領を務めた、エイブラハム・リンカーンの演説や書簡等を収録しています。最初はホイッグ党の、後に共和党の政治家として、奴隷解放に尽力しつつも、奴隷を開放するか否かで内乱になり、分裂寸前まで追い詰められた共和制の精神とアメリカ合衆国という国を守ろうとしたようです。「人民の、人民による、人民のための、政治を地上から絶滅させないため」、(「ゲティスバーグ演説」より)彼自身が凶弾に倒れるまで守ろうとした民主主義および国家が、同じ政党出身の政治家によって危機に瀕するのは何とも皮肉な話です。
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Sora
本書は、リジューの聖テレーズの霊性や神学をわかりやすく解説している、教皇フランシスコによる信徒への書簡です。テレーズの霊性の特徴は、「愛」、「信頼」、「弱さ」、「謙遜」にあります。自分が不完全で弱い存在であると謙遜に認め、小さく、弱い存在である私たちが、完全であり愛である神を信頼して、その愛を感じて感謝するという道に、テレーズは私たちを招いています。スコラ哲学的・形而上学的な神学よりも、テレーズの言葉の方が、「神は愛」だということを証明しているのではないかと思いました。
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Sora
ネタバレ2巻目は「テニスコートの誓い」から、パリの民衆蜂起まで。本書の前半では国民議会が、貴族と、態度を二転三転させたルイ16世によって、従わなければ命はないと脅迫され、議員の命と議会解散の危機に陥る事に。後半では、ミラボーとロベスピエールから挑発されたカミーユ・デムーランがパリの民衆を率いて蜂起する。貴族及び鎮圧に乗り出したドイツの傭兵部隊を追い払うのに成功。本書では、現実よりも観念や理想を優先させてしまうというロベスピエールの欠点や、爆発力はあるものの、熱しやすく冷めやすいという民衆の弱点が言及されている。
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Sora
ネタバレフランス革命前夜にあたる全国三部会(聖職者、貴族、平民からなる議会)直前から始まり、山岳派独裁を行なったロベスピエール一派の処刑までを描いているシリーズです。第1巻目では、全国三部会直前から始まり、三部会改め国民議会のスタートと、ミラボーやロベスピエール、バルナーヴといった、第三身分から選ばれた議員達が存在感と勢力を増した場面までを描いています。典型的な善人・悪人は登場せず、どの人物も、良くも悪くも人間らしく、生き生きとしていました。
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Sora
本書を読み進めるにつれて、著者の優しさや孤独、感情を読者と分かち合おうとする姿勢や、著者の価値観に惹かれていく感覚になりました。感性や文章が綺麗で、著者の他のエッセイも読んでみたいと感じました。
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Sora
本書は、カトリック文学と作家についての評論、文芸に関して、書評と、表題作の「ころび切支丹」等が収録されたエッセイです。カトリック作家が書いた文学では、雪や鶏等の自然描写はただの風景の描写ではなく、象徴として描いているのであり、ただの風景の描写として受け止めてほしくないと訴えています。また、著者は、カトリックとして人間の汚い部分を見たくない気持ちがある一方で、作家として人間の負の部分を見なければならないという矛盾も感じていたようです。
Sora
2024/03/16 14:58

著者は、罪と悪は異なるとも考えていたようです。「罪はひっくり返せば救い」になる面があるが、悪は「下降する快感」であり、悪は救いや再生とは結び付かないと考えており、「罪ではなく、悪こそが、今日の私たちの最も大きな問題だと思われるからです」とも述べています。

Sora
2024/03/16 14:59

「ころび切支丹」では、殉教者になれず、転んでしまった人間を一方的に切り捨てることは、教会はしてはいけなかったのではないかと述べています。また、このエッセイでは、著者の「沈黙」のロドリゴのモデル、ジュゼッペ・キアラが、自分はキリスト教徒であると「信心もどし」の嘆願書を何度も出したが、その度に奉行所に破り捨てられたという話を取り上げています。「信心もどし」を訴えていた元パードレがいた事を、私は初めて知りました。

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Sora
ネタバレデズモンド・タイニーの息子つまり「運命の息子」とはダレンとスティーブの事だった。世界を蹂躙し、支配する為、タイニーが裏で糸を引いていた事が判明。ダレンはその野望を挫く為、スティーブと相打ちになる事で闇の帝王の出現を阻止する事に成功する。その後ダレンはリトル・ピープルとして、人生をやり直す機会を与えられる。過去に戻り、ある事をして過去の自分の行動を変えたダレンは、満足して楽園へと旅立つ。本当に起こった事だと繰り返していた理由もラストで明かされる。最後の章では、ダレンの心情が今まで以上に鮮明に描写されていた。
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Sora
渡辺和子さんの本で著者の詩を知りました。難しい神学用語を使わずに、神への信頼、隣人愛、動物や自然の美などをうたう詩集。人を許すことの難しさや病気の苦しみを訴えつつも、だからこそ神に依り頼むという、著者の神への信頼を感じられる内容。また、季節や、梅、桜、雀などの自然や動植物を優しいまなざしで見つめて、その良さを素直な気持ちで受け取っており、作者の人柄を感じられる詩集でした。
Sora
2024/03/10 23:52

「許しうるものを許す/それだけならどこに神の力が要るか/人間に許しがたきを許す/そこから先は神のためだと知らぬか」(P114)。「すべての/くるしみのこんげんは/むじょうけんに/むせいげんに/ひとをゆるすという/そのいちねんがきえうせたことだ」(P116)。

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Sora
若干大げさな表現で、おおらかな心で自由と多様性を力強くうたう、アメリカらしい詩集。リンカーン大統領暗殺事件にショックを受け、彼の死を悼んだ有名な詩「おお船長!わが船長!」。様々な人々をカタログ式に記述することで、多様な価値観の共存を表現する、表題作「おれにはアメリカの歌声が聴こえる」。同性愛を肯定する詩「おれはルイジアナで一本のライブオークが生えているのを見た」。他にも様々な詩を収録している本書は、自由と多様性が重要さを増している現代では必読の書。
Sora
2024/03/10 22:28

「おお船長!わが船長!」は、アメリカのホームコメディドラマ『フルハウス』のあるエピソードで知って以来、気になっていたので、本書で読めてよかった。

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Sora
ネタバレ「いいかい、ダレン、おまえがスティーブをたおすことになったら、おまえは怪物になるんだよ。ふつうの者には想像もつかないほどおぞましい、見さげはてた怪物にね」。「傷ある者の戦」の勝利者が「闇の帝王」として世界を蹂躙する。エバンナの恐ろしい予言にダレンは震え上がる。シルク・ド・フリークの団長ミスター・トールと親友の息子を殺され復讐に燃えるダレン。スティーブの息子ダリウスを殺そうとしたダレンにスティーブが告げる。ダリウスはダレンの甥なのだと。「傷ある者の戦」の勝敗の行方は。「闇の帝王」の座に着くのはどちらなのか。
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Sora
本書は、コンステレーションについて、物語と心理療法、物語に見る東洋と西洋、物語の中の男性と女性、アイデンティティの深化という5つの講演を文章に書き起こしたものを収録しています。カウンセリングとは、相談に来た他者を、教師のように導くというものではない。その人の話す言葉に、静かに耳を傾けるということ。大事なのは、合理的な理由や原因を探すことではなくて、ある出来事に対して、その人が何を感じ、どういう意味付けを行うのか、ということなのかと読んでいて思いました。
Sora
2024/03/07 21:41

「物語に見る東洋と西洋」では、かくれキリシタン版の創世記である『天地始之事』に言及しています。唯一の神という考え方に惹かれていたものの、西方教会が伝えた「原罪」や贖罪論という考え方を理解できなかったから、『天地始之事』から「原罪」の思想が削除されたのではないかと述べられており、興味深いと思いました。本書は、宗教的心理や、日本人の「罪」の捉え方にも言及しているので、「こころ」の問題に興味がある人だけでなく、「日本とキリスト教」という問題に興味がある人にもおすすめです。

だんぼ
2024/03/08 19:06

みんなにコンステレーションが伝わったらいいですね。かわい先生の語りを思いだしました。

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Sora
ネタバレクレプスリーを失ってから、ようやく涙を流す事ができたダレン。師匠の死から立ち直りつつある中、今度はハーキャットが凄惨な悪夢に苦しむ事に。悪夢を見ないようにするにはハーキャット自身が自分の正体を突き止めるしかない。ミスター・タイニーに導かれて、ダレンはハーキャットと共に荒野へと旅立つ。巨大なヒキガエル。奇妙な存在「グロテスク」と、それを崇めるクラシュカ達。大空を自由に羽ばたく竜の群れ。精霊の湖にて、ハーキャットは自分の生前の人物と対面する。その人物とは、バンパイア一族を裏切った男、カーダ・スモルトだった。
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Sora
ネタバレダレンらはスティーブを人質に取り街に戻るが、警察に包囲される。バンチャはバージェズ警部を人質にして逃亡に成功するが、ダレンらは警察に逮捕されてしまう。しかし、ある事件が署内で起こり、その隙にダレンらは脱出に成功。地下水路にて、バンチャと人質になっていたバージェズ警部と合流し、報復の間に到着する。クレプスリーが大王撃破に成功するが、ダレンらの命を助けるという取引の為、自分だけ杭の埋まる穴に落ち、絶命する。その後、衝撃の事実がスティーブの口から明かされる。それはスティーブこそが大王だった、というものだった。
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Sora
ネタバレ再びクレプスリーの故郷を訪れたダレン達を待ち受けていたのは、デビー・ヘムロックやスティーブ・レナードといった懐かしい人達だけではなかった。再び起こった連続怪死事件と罠が、ダレン達を待ち受けていた。味方のふりをして、蛇のような執念深さを見せたスティーブや、すっかり変わってしまったR.V等、おぞましい展開がある8巻目だった。
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Sora
本書は『預言者』の前に書かれており、比較的わかりやすい『預言者』と比べて、どういう意図で書かれたものなのかわからない詩が多い。しかし、どの詩も、著者の抱えている孤独と、多数派に従う事と思考停止を潔しとしない姿勢が伝わってくる。「もっと広いはずの海」では、悲観主義、楽観主義、博愛主義、神秘主義、空想家、現実主義者、禁欲主義者に出会うが、それぞれの思想に留まる事なく、一人で歩む著者の姿勢が描かれている。「完璧なる世界」では、満たされない事への呻きと、自分の存在理由を探し求める詩人の叫びが表現されている。
Sora
2024/03/04 23:21

「神よ、何故私はここにいなければならぬのですか。満たされぬ情熱の青い実の私……何故私はここにいるのでしょうか、ああ、さまよえる魂たちの神、神々のうちの、さまよえる神よ」(「完璧なる世界」より)。

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Sora
カーダの裏切りから6年後、ダレンとクレプスリーは、バンパニーズ大王を倒すハンターという使命を帯びて、友人のハーキャットと共にバンパイア・マウンテンを後にする。途中、3人目のハンターとして選ばれたバンチャ・マーチと合流。謎めいた、魔女のような存在のレディー・エバンナの忠告もあり、一同はシルク・ド・フリークに向かう。7巻目では、5人目の元帥であるバンチャ・マーチと、物語の鍵を握るエバンナが初登場する。ハーキャットの悪夢、バンチャの弟のガネン、世界を滅亡させる「闇の帝王」の存在等、気になる話も語られていた。
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Sora
「人間はポリス的動物である」とはアリストテレスの言葉ですが、ポリス、つまり、社会で生活する以上は、毎日何らかの法律に従って生活している事になります。コンビニで物を買えば売買契約、ものを借りれば貸借契約、車を運転すれば道路交通法など、私たちは常に法にかかわっています。しかし、日本人は法に疎く、何らかの約束事(例えばお金の貸し借り)に関しても、なあなあにしがちです。著者はそんな私たち現代社会で生活する、法に疎い日本人のために、法と紛争に関して、様々な事例とともにわかりやすく説明してくれています。
singoito2
2024/03/03 17:24

「ポリス的」を「政治的」とか「社会的」とか訳してしまいがちですが、Soraさんのように引用するのが一番適切だと思いますし、ご見識の高さが表れていると感じました。自分の経験で言うと、法律を味方にするためには、ネットで調べたり、色々な窓口に相談したりと自ら動くこと、学ぶことが大事だと思いますし、若い人の方がその点では素直で真面目、という印象ですね、ITリテラシーが高いせいもあるのでしょうが。

Sora
2024/03/03 17:37

コメントありがとうございます。個人的には、若い世代はITリテラシー等の知識があり、社会人は学問的な知識よりも社会経験を踏まえた知識があるような気がします。

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Sora
ネタバレ水路を抜けて奇跡的に生き延びたダレンは、マウンテンに行く途中で出会った狼達に助けられる。カーダの計画を挫く作戦を立てて、マウンテンに戻ったダレンはカーダを告発。山に隠れていたバンパニーズの集団を殲滅することに成功。その後、元帥の間にて元帥達がカーダを尋問するが、彼の告白を聞いて衝撃を受ける。それは、バンパニーズ大王が出現してしまった事、カーダの計画とは、バンパイア一族を滅亡から救う為にバンパニーズ一族に吸収する、というものだった。動揺する元帥達だったが、結局、カーダを裏切り者として処刑する。
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Sora
膨大なナグ・ハマディ文書の中から、典型的なグノーシス主義的文書を選んで収録しています。グノーシス主義は、元々キリスト教とは無関係に成立した宗教運動であり、既存の宗教や思想を前提にした反宇宙論的二元論(被造物を創造した存在は悪であり、別の至高神が存在する、という事)、至高神と自己の存在が同一であると認識する事で救済されるというものです。仮現論が明確に述べられている『ペトロの黙示録』や、グノーシス主義の立場か、ユダヤ人キリスト者の立場で読むかで解釈が変わる、『トマスによる福音書』等を収録しています。
Sora
2024/03/02 14:00

本書に収録されている文書を読む限りでは、いわゆる正統派のグループが危険視し、批判するのも当然と思いました。様々な比喩表現を通して、すべての物質は悪であり、至高神と自己は同一であるとしていますが、その思想は、既に成立していたキリスト教の思想や、ナザレのイエスが生きた意味、贖罪論を無にしてしまうのではと思いました。

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Sora
福音派のプロテスタントによるキリスト教入門。わかりやすく説明しようとしているものの、聖書の内容はすべて正しいという主張や、進化論を含む科学よりも創世記の内容を信じた方が楽しいと書くなど、著者及び福音派がキリスト教の保守主義であることがよくわかる内容だった。
Sora
2024/03/02 12:39

以前読んだ『景教』もそうだが、自分と福音派とは相性が悪いと自覚した読書となった。

が「ナイス!」と言っています。
Sora
ネタバレバネズ、エラ等の指導や協力のおかげでダレンは第3の試練まで突破するが、4番目の試練で失敗してしまう。処刑に決まりかける中、カーダから逃げ出せばいいとアドバイスされる。命を粗末にするなと忠告されたダレンは、カーダと共に脱走。途中ガブナーに見つかるが、カーダが説得し、共にマウンテンの出口を目指す事に。出口を目指す三人だが、途中でバンパニーズの集団と遭遇。戦闘になるが、その最中にカーダがガブナーを刺殺。カーダの裏切りが判明する。その後、カーダから逃げる為、ダレンが水路に飛び込み、渦に飲まれる描写で本書は終わる。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/11/01(3094日経過)
記録初日
2015/11/01(3094日経過)
読んだ本
547冊(1日平均0.18冊)
読んだページ
170371ページ(1日平均55ページ)
感想・レビュー
545件(投稿率99.6%)
本棚
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性別
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