2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:20冊 読んだページ数:5760ページ ナイス数:632ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/623744/summary/monthly/2024/7
また、晩年の豊臣秀吉に関する批評、高山右近と小西行長の違いについて、細川ガラシャへの苦手意識、『侍』の主役の一人として描いた支倉常長についての批評もあり、面白く、かつ読みやすいエッセイだった。
思弁神学では、イスラーム教における神の定義と教義、スーフィズムについて記載している。神は理性を超えていること、また、神は全知全能で意志を持ち、生者の運命を決定し、また復活させる存在であることが述べられている。また、イスラーム教の中でも、連鎖している原因を遡れば神に行き着くという、トマス・アクィナスと同じ主張をしている点や、神は肉体を持つと主張した宗派が存在した点、神の全能性と人間の自由意志をめぐる論争があった点が興味深い。
訳者あとがきによると旧ソ連の政治体制や権力闘争がモデルだそうだが、ソ連崩壊後の現在でも十分に通じる内容。独裁を支えているのは、暴力や悪法だけでなく、被支配者層による自発的な服従であることがよくわかった。このような政治の腐敗は政治体制に関係なく生じるので、本書の警告には普遍性を感じられた。
聖フランシスコは、私たちは「自分の咎の故に、哀れなもの、腐敗したもの、悪臭を放つもの、虫けら」となっているが、隣人愛を実践し、祈り、「御父の業の意志を行うとき」、私たちはイエスの配偶者であり、兄弟であり、母になることができるのだと手紙で訴えている(『すべてのキリスト信者への手紙二』より)。また彼は隣人を愛し、隣人を愛せない場合は「せめて、その人は悪をもたらすことなく、善を行いましょう」とも述べている(同上)。
聖クララは師の思想を受け継ぎ、「貧しく、苦しむ、謙遜なイエス・キリストとの一致」を願い、神秘的生活を送っていた。また、彼女と親交のあった者にも、「貧しく自らを低くされたイエス・キリストのみ跡に倣って歩む」よう勧めている。「あなたの精神を永遠の鏡の前に置いてください。あなたの魂を栄光の輝きのうちに置いてください。あなたの心を神の本性の現れのうちに置いてください。そして、観想によって、あなたご自身のすべてを、あの方の神性の似姿へと変えていただきなさい」(『プラハのアグネスへの第三の手紙』より)。
本書によると、ジェンダー・身分によって沈黙させられた事はあったものの、「神の器」となる事を選んだ男女もいた事や、富裕層出身である事と豊かな教養を活かして、自分の思想を語り、教え合った人々もいた事等が記されており、勉強になった。
祟り岩での肝試し。降霊術としての百物語。大男の頭から飛び出す、10人の血まみれの赤子。宙を舞う香炉。むき出しの臓器がくっついている女性の生首が宙を飛ぶ。様々な怪異や謎めいた存在の山ン本太郎左衛門など、非現実的ながら怖さと面白さもある内容。眠れない夏の夜におすすめの、江戸時代から伝わる古典。
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訳者あとがきによると旧ソ連の政治体制や権力闘争がモデルだそうだが、ソ連崩壊後の現在でも十分に通じる内容。独裁を支えているのは、暴力や悪法だけでなく、被支配者層による自発的な服従であることがよくわかった。このような政治の腐敗は政治体制に関係なく生じるので、本書の警告には普遍性を感じられた。