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2023年10月の読書メーターまとめ

リュウジ
読んだ本
10
読んだページ
3325ページ
感想・レビュー
10
ナイス
226ナイス

2023年10月に読んだ本
10

2023年10月のお気に入られ登録
1

  • はんぺん@ヒト×コト読書会

2023年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

リュウジ
★5武士が大勢登場するものと思っていたら違った。出てくるのは木戸芸者、立師、衣装兼女形、小道具職人、戯作者。彼ら一人ずつの話し言葉で物語が進む。語られるのは仇討ち話に加え彼ら自身の来し方。これが面白い。道に迷い踏み外し、誰かに救われながらも最後は自分で考え己の道を見つけ生き抜いてきた。それが主題の仇討ちとしっかり結び付いていく。途中までこの物語で永井氏は人間の何を書こうとしているのか、わからなかった。その意味ではそこもミステリ。最後の1行を読み終わった時、頭の中でちょんと拍子木のいい音が響いたわ。お見事。
リュウジ
2023/10/27 07:49

追記2>169ページ。「~役者が見得をきった瞬間に、ずらっと並んだ大入りの客が目を見開いて口をあんぐり開くだろう。それがまるで花が咲いたみてえなのさ。それを見たくて俺は芝居小屋なんて悪所に居座っているんだろうねぇ」。ここの表現、むちゃくちゃ好き。永井氏の取材力か、想像力か、観察眼か。

リュウジ
2023/10/27 08:21

追記3>83ぺージ。「忠っていう字は心の中って書くでしょう。心の真ん中に溢れるもんを、人に捧げるってことだと思うんで。それは何も阿国領主だけじゃねぇ。手前の目の前にいる数多の目に、芸を通してしっかり捧げる」。なら、「志」はなんだろうか。士(武士)が逃げることなく自分の心を真っすぐに貫いていくことなのかな。そんなことも考えた。

が「ナイス!」と言っています。

2023年10月にナイスが最も多かったつぶやき

リュウジ

2023年9月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3385ページ ナイス数:192ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/703986/summary/monthly/2023/9

が「ナイス!」と言っています。

2023年10月の感想・レビュー一覧
10

リュウジ
★4新宿を丸ごと焼き尽くそうとする火の熱さが行間からも伝ってくるが、その火より熱い消防士たちの思い。絶対に消す。絶対に救う。バディも護る、絶対に見捨てない。(大変な状況なのに少々饒舌気味だが)決死の消防士たちが熱い思いを吐露する。その言葉を聞いて泣きそうになる。それもそのはず。著者が後書きに記していたがシリーズ作品をきっかけに全国の消防士たちと「今もメールのやり取りをしている」という。これが作者が知った消防士たちの偽らざる等身大の心根なのだろう。我々はこんな勇気と使命をもつ人たちに守られている。泣くわー。
リュウジ
2023/10/31 21:10

追記P173「ここは自分たちの街です」P229「顔も名前も知らなくても同じ消防士の危機を黙って見ているはずがない」P337「お前たちだけが戦っているんじゃない。俺たちのために無事に戻れ」P359「小隊を守れ。消防士は全員がバディだ。バディを救えない奴に消防士の資格はない」P383「消防士は消火と人命救助のため現場に突入するが、そのために自らの命を犠牲にすることは許されない」P402「助け合うんです。自分が助かるために誰かを助けてください」P424「消防士は感謝を求めない。それが彼ら、彼女たちのプライドだ」

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リュウジ
★3 他人から過ちや誤り、考え方の浅さや未熟さを指摘されただけで、人は変われない。結局、自分自身が気づくかどうか。5つの短編。後悔や劣等感などが心の足枷となり人生閉塞気味だった学生さんや老人が、人と出会い、自分で“気づく”ことで新しい自分になっていく。その様を“目撃する”のは面白いし、何よりこっちが浄化され心地よくなる。政治や戦争も関係ない、学校や地域の日常のありがちな出来事。門司の街の描写もいいなぁ。長崎、福岡、門司への旅行を計画中なんだけどなかなか実行できない。この小説を思い浮かべながら歩いてみたい。
リュウジ
2023/10/28 08:26

追記>「マンボウと同じレベルだと思う。/P22」「水の加減間違えた薄いカルピスみたいな人間/P184」などなど、目を引くのは心理状態などのたとえ方。生活目線というか人目線というか、身近なモノ/コトを上手に使う。レトリックの引き出しの多い作家はホントすごいと思う。

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リュウジ
★5武士が大勢登場するものと思っていたら違った。出てくるのは木戸芸者、立師、衣装兼女形、小道具職人、戯作者。彼ら一人ずつの話し言葉で物語が進む。語られるのは仇討ち話に加え彼ら自身の来し方。これが面白い。道に迷い踏み外し、誰かに救われながらも最後は自分で考え己の道を見つけ生き抜いてきた。それが主題の仇討ちとしっかり結び付いていく。途中までこの物語で永井氏は人間の何を書こうとしているのか、わからなかった。その意味ではそこもミステリ。最後の1行を読み終わった時、頭の中でちょんと拍子木のいい音が響いたわ。お見事。
リュウジ
2023/10/27 07:49

追記2>169ページ。「~役者が見得をきった瞬間に、ずらっと並んだ大入りの客が目を見開いて口をあんぐり開くだろう。それがまるで花が咲いたみてえなのさ。それを見たくて俺は芝居小屋なんて悪所に居座っているんだろうねぇ」。ここの表現、むちゃくちゃ好き。永井氏の取材力か、想像力か、観察眼か。

リュウジ
2023/10/27 08:21

追記3>83ぺージ。「忠っていう字は心の中って書くでしょう。心の真ん中に溢れるもんを、人に捧げるってことだと思うんで。それは何も阿国領主だけじゃねぇ。手前の目の前にいる数多の目に、芸を通してしっかり捧げる」。なら、「志」はなんだろうか。士(武士)が逃げることなく自分の心を真っすぐに貫いていくことなのかな。そんなことも考えた。

が「ナイス!」と言っています。
リュウジ
★5子もなく妻にも先立たれ、勤め先も突然人員整理された59歳。融通は利かない&人の話も聞かないから、煙たがられる偏屈じじぃ。ただ飛切りいい人間ではないけれど、このじーさま、よくよく知れば心の奥に強く温かな芯がある。その芯を感じることができた人たちが周りに集まってくる。幸せなひとりぼっち。そんな生き方を得られたのも、自分が生きていくための確固たる決まり事をずっと心に持ち、何をするのがその人の一番の幸せかを考え、神や運命に勝利させてたまるか/P348と全力で戦ったから。オーヴェは良く生きた。本当に良く生きた。
リュウジ
2023/10/24 11:03

追記2 >「政府は70歳になっても働かせる気か」とかいうのを時々聞くんだけどね。働くだけでなく、歳をとっても社会もしくは誰かに必要とされることが生きるための“しるべ”になる(≒それがないと残りの人生がツライ)ということをここ数年で意識し始めた。自分はどうするかな。というか、どうできるのかな。

リュウジ
2023/10/24 11:04

追記3>スウェーデンは社会福祉が充実した国というのが一般常識。しかし、この小説で描かれるのは「不要なお世話」を焼き、「個人の自由」ではなく「社会の理想」を目的とした国。その見立てが正しいかどうかは分からないけど、オーヴェはそんな役所に抗い、勝つまで戦った。

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リュウジ
★3 両作品とも大正7年(1918年)の作。100年以上も前だ。「小さき者へ」は妻/母亡き後、父としての思いや心情と信条を我が子たちに語るもの。いやー自分は語ってないわー。まぁ聞きたくないやろうけどw 「生まれ出づる悩み」は絵を描くことを一生の仕事としたいが、家族のことを思うとできない貧乏青年漁師の苦悩。悩みというよりもやりたいことができない不幸という感情。抗えない運命。希望のない人生の哀しみ。絶望の前の人の無力さ。諦める無常。それは今の時代も同じなんだけどね。今も昔も自分で何とかするしかないことかもね。
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リュウジ
★2 企画はムッチャおもろい。けど自分には万葉集の原文はサッパリやから、この試みの“真の面白さ”はちゃんと味わえてないんやろね。ただP180「あんたに別れ話をされたとき、「ほな別れたるわ!!」って即レスしたけど正直やってもうた! て思てる」とか、昔の人も今と似た感情を携えて生きてたんやなと笑えるんやけどね。あと大阪下町で生まれギトギトの大阪弁の自分は奈良に住んで30年以上やけど、奈良弁はわからん、というか意識したことないな。大阪の泉州弁、河内弁、さらには少し離れて和歌山弁、京都弁は違いがわかんねんけどな。
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リュウジ
★4 一緒に登頂していた時にクレバスに落ちた友を探しに行ったら氷漬けなのに何故か年老いていた。一体なぜ?を追いかけるミステリー、、なんだけど、最大のミステリー/謎はやっぱり人間ですわ。生活の全てを山に捧げ、わざわざ悪天候時に訓練のためと山へ向かい、目指す山々はデスゾーン。人は「誰のために登るのか」「何を得るために登るのか」。その二つをただ一人の視点ではなく、相対的な考えを持つ人物を複数人用意して読み解こうとする。しかしそれでも有名な「そこにそれがあるから」としか言えないのが山なんだろうな。いい作品でした。
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リュウジ
★2 好みの問題か?自分の年齢か?それとも自分の性別が男だからなのか?主人公は4人の高校生たち。一人を除きみんな絵にかいたようないい子。読み始めは青春小説?と思っていたら、そこに子育て(・・・というよりも「母と子」の関係)が絡んできて「愛すること」の難しさを描く・・・小説なんだろうけど、自分には刺さらんかった。確かに主題が判った時は衝撃的だったけどね。たぶん、お話が上手に進みすぎなんだろうな(あと、生活感の希薄さかな)。それか最初に書いた「好みの問題か?自分の年齢か?それとも自分の性別が男だからなのか?」
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リュウジ
★3 WW2時のルーマニア。農夫が「こいつ隠れユダヤ人」と偽証され強制労働収容所へ。否定しても無視され逃げたら次の場所では「お前ハンガリー人な」と言われ、さらに逃げたら「おお伝説のドイツ人や」と言われ、他人の大きな悪意と少しの善意で翻弄され収容所生活18年。自分は何の罪で囚われているのか。どこで問うても答えがなく、なら釈放してくれと頼んでも答えがない。戦時は個人の真実は関係なく国家の都合が優先される。戦争と国家の問題を暴くだけではなく、社会と技術の進化による人間性の破壊までを描く切り口の小説は初めてだな。
リュウジ
2023/10/09 19:05

追記2>人のアイデンティティっていったい何だろうと思いながら読んでた。同時に頭にあったのはブルハの「青空」。「生まれた所や皮膚は目の色で、いったいこの僕の何がわかるというのだろう」ということ。ユダヤ人である、ただそれだけで罪となった時代、「違う。おれはルーマニア人です」と言い続けても「いやお前はユダヤ人だ」と烙印を押されて、運命が決まる時代ってなんだろね。

リュウジ
2023/10/10 08:17

追記3>一晩寝かすと新たな感想が浮かんでくるな。文中「技術奴隷」という言葉が出てくる。現代に照らし自分なりに訳すとルール奴隷かな。社会が変化すると単純な取り決めで良かったのに済まなくなる。例えば黙っていても分かり合えていた田舎の共同体に、都会人が移住すると暗黙のルールを万人が分かり合えるようにするために明確にする必要に迫られる。それまであった余白や遊びの部分も埋めないといけない。何事もルールが優先され決定される。そこに個人の都合や気持ちは関係ない。それがルール奴隷。多様性を認め合う社会とはそんな社会かも。

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リュウジ
★3オカルト、スプラッタ、怪物がホラーの全てではない。それを再認識させてくれた短編撰集。思えば自分は映画になれ刺させられ過ぎた。活字と行間を読み自分自身の頭の中で情景を映像化していくのはなんと怖ろしいことか。読んでいて考えたのは日本人にとっての「ホラーとは何か」。西洋はドラキュラや狼男、アナベルなど怖いのシンボルがいることが多いような(その総大将が悪魔なんだろう)。確かに日本にもお岩さんやお菊さんがいる。でもベースは念(心)。念を残して亡くった人たちが現世の人たちと交錯する。それが日本のホラーの神髄かも。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/08/31(3040日経過)
記録初日
2007/03/12(6500日経過)
読んだ本
1057冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
360627ページ(1日平均55ページ)
感想・レビュー
1050件(投稿率99.3%)
本棚
2棚
性別
血液型
O型
職業
クリエイター系
現住所
奈良県
URL/ブログ
http://blog.livedoor.jp/ryucere/
自己紹介

2020.06.20.更新 2020.12.08.追記 2021.01.04.改訂
2022.11.05.更新 2023.08.23.更新 2024.01.15.更新

子育て&会社の経営責任から離れて5年目に入った。
嘱託社員で気楽な身分だったが、そろそろその先のことも考えねば・・・
という時期になってしまった(年金制度ってホント、ややこしいぞ)。

趣味はあいも変わらず、「読書」「山」「セレッソ大阪」。


【読書】
幼いころから本好きで。童話「泣いた赤鬼」はその頃の愛読書。
中学2年の時に友人より大量に譲り受けた星新一で読む楽しさを覚え、
大学に入って生協で本が10%割引で買えることから、さらにどっぷり。
以来、本とともに生きてきた。

読後は次の本に移る前に読書メーターに必ず感想を。
制限文字数255字できっちりと収めることをおのれに科す。
「東京會舘とわたし」部門で
第4回 レビュアー大賞 優秀レビュアー賞をいただきました。
次の機会には最優秀をと思うが、いまだ夢は叶わず。
・・・というか、この催しは終わったのかな。
今年も年間最低100冊をめざす。

【山】
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの術後後遺症(左足裏と臀部にシビレ)に
悩まされながらも、山歩きは続行。

2023年の夏に「息子の嫁と一緒に家族4人で北アを登る」夢を
息子がかなえてくれて、燕岳・大天井岳縦走。
また、秋には手術や台風などで4度予定をキャンセルした
折立から黒部五郎岳→双六岳→新穂高温泉を実現。

ただ足が辛かった。いつまで登れるか・・・と思いつつ、
今年も北アルプス、苗場山、八幡平を構想中。


【セレッソ大阪】
始まりは、2002年のW杯。
ダフ屋から10万円で買ったチケットを手にスタジアムで見た
チュニジア戦でのモリシのゴール。
そこからが自分のセレッソサポーター史スタート。
居場所はメインスタンド中央より北。
2023年は優勝できる戦力だったのに、失速。
3つ目の星は生きている間に拝めるか。

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