読書メーター KADOKAWA Group

2023年8月の読書メーターまとめ

リュウジ
読んだ本
7
読んだページ
2665ページ
感想・レビュー
7
ナイス
240ナイス

2023年8月に読んだ本
7

2023年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

リュウジ
★5 気持ちを折って心を閉じたらずっとラクになるのに、心の中のホントの自分がそれを許さないーー。そんな弱くて強い人たちが門司港にある「テンダネス(気遣いのある優しさ)」という名の架空のコンビニをハブに、ちょっとだけ背中を押してもらって、新しい自分を作り出す。とても力をもらえるお話が6つ。「マチのほっとステーション」とステイトメントしたのはローソンだけど、まさにそのアイデンティティを店員にまで落とし込み小説化した感じ。町田氏の底力を見たわ。続けて美味しそうな2を読むか。美味しいものはもっと先に取っておくか。
リュウジ
2023/08/22 18:54

追記>短編のそれぞれの物語にすっと入っていける書き出しが好きだ。【第一話】中尾光莉は、充実した日々を送っている。【第二話】桐山良郎の八割は、タマゴサンドとコーヒーでできている。【第三話】庭先で、美智代の悲鳴にも似た甲高い声がした。【第四話】朝起きると、妻はいない。【第五話】中尾恒星は、愛を疑っている。【第六話】八時四十五分。 特に【第四話】ね。

が「ナイス!」と言っています。

2023年8月にナイスが最も多かったつぶやき

リュウジ

2023年7月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2607ページ ナイス数:133ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/703986/summary/monthly/2023/7

が「ナイス!」と言っています。

2023年8月の感想・レビュー一覧
7

リュウジ
★4ジブリ「耳をすませば」のような甘酸っぱさはない。しかしこれも愛だ。打算でも妥協でもない明らかに純な恋愛だ。50歳の中学同級生同士の偶然の再会から始まる約2年の出来事。ストーリーは月並み。でも二人の描写力の鮮やかさよ。「田村はまだか」同様、自分がその場にいて横で話を聞いているような臨場感。須藤がもう少し自分にウソをつけたら。青砥が「それ言っちゃいかんやつ」を言わなかったら。たった2年でも二人「幸せだったね」と思うのは違うだろうな(それはウミちゃん的発想)。一生後悔が残るほどの恋ができたことを喜べ、青砥。
が「ナイス!」と言っています。
リュウジ
★4 人にも幸せにも裏切られ、過去を償おうとした死に場所・命の捨て方にも裏切られ。それでも元博徒の男は侠を失わなかったからこそ最期の最期に得ることができたのは、生きた証。読後、この男の生き方に思いをはせた。「侠」とはつまり筋目を通す生き方。思えば主人公だけでなく、他の脇役たち(男も女も子供も)も「侠」だった。そして「野暮じゃねえのさ/P125」「みっともない(真似)をしてどうする/P197」など個人的な感情や独りよがりの価値観を優先しすぎて今の日本人が大切にしなくなったものが描かれていた。次回作、楽しみ。
リュウジ
2023/08/24 09:10

追記>物語の大半を割き描かれていたのは蕎麦屋をたつきにしているこの男の日常と心情。思い出したのが黒澤明らが「侍の1日」を描いたシナリオ。朝起きいつものように身を整え登城し使い番。お昼には友人とお弁当をつかいながら思い出や将来の話に花を咲かせ、仕事に戻った時にこの主人公のあずかり知らぬ不正が発覚。宅に帰り友人の介錯で腹を切る物語。映画化へと進もうとしたものの、当時のお昼ご飯の資料が見つからず最後の最後でボツに。で、どうするんだ、次回作、、という生みの苦しみのなかから「七人の侍」が誕生。結構好きなエピソード。

リュウジ
2023/08/24 09:22

追記2>くだらない話も思い出した。大学の時の友人の話。「うちのアパートに一人、見るからに【やくざ】が住んでんねんけど、その人の本名、堅木(かたぎ)さんっていうねん。」。P83の「そういうところが堅気じゃないんだな」という台詞で思い出した。

が「ナイス!」と言っています。
リュウジ
★5 気持ちを折って心を閉じたらずっとラクになるのに、心の中のホントの自分がそれを許さないーー。そんな弱くて強い人たちが門司港にある「テンダネス(気遣いのある優しさ)」という名の架空のコンビニをハブに、ちょっとだけ背中を押してもらって、新しい自分を作り出す。とても力をもらえるお話が6つ。「マチのほっとステーション」とステイトメントしたのはローソンだけど、まさにそのアイデンティティを店員にまで落とし込み小説化した感じ。町田氏の底力を見たわ。続けて美味しそうな2を読むか。美味しいものはもっと先に取っておくか。
リュウジ
2023/08/22 18:54

追記>短編のそれぞれの物語にすっと入っていける書き出しが好きだ。【第一話】中尾光莉は、充実した日々を送っている。【第二話】桐山良郎の八割は、タマゴサンドとコーヒーでできている。【第三話】庭先で、美智代の悲鳴にも似た甲高い声がした。【第四話】朝起きると、妻はいない。【第五話】中尾恒星は、愛を疑っている。【第六話】八時四十五分。 特に【第四話】ね。

が「ナイス!」と言っています。
リュウジ
★4 名を遺す人にはドラマあり。幕末期に世界を俯瞰し、日本の開国と国防の礎を築いた伊豆の官吏の伝記小説。「この日がくることを正確に予見し、その時自分は何を為すべきか/P324」を熟考し行動。自分的に司馬的竜馬より好き。あの時この人物がいなかったら「ぞっとする/P330」。あと5年間長命ならば日本は今と違う国になっていたかもしれない。変化を嫌う既得権者や展望のない正義感を振りかざす理想優先主義者が蠢く今の日本の現状とどうしても比較してしまう。やっぱり政治に関わる者(特に首長)の芯はリアリストであるべきだわ。
リュウジ
2023/08/18 09:43

追記>P26。落馬して泣く幼い英龍。自分は泣いてはダメなのかと問う英龍に母が言う。「主人であれば、泣いてはいけませぬ。主人であればこそ免れ得ている辛さや痛みのほうがずっと多いのです。お前は泣いてはいけませぬ。それは、主家の男児の務めです」。主人公の人格形成部分を簡潔に表現する佐々木譲氏の巧みさよ。でも今の時代は大否定される考え方なんだろうな。

リュウジ
2023/08/18 09:44

追記2>重要なわき役として登場するのが、神道無念流の斎藤弥九郎。幕末江戸三大道場の一つ「練兵館」の創立者が英龍の補佐としてずっと彼に寄り添っていたとは、驚きだった。剣術家である彼は西洋砲術を否定せず「海防の武器は砲。だが剣は、志を守る武器だ。たとえどんなに威力のある砲があろうと、侍は剣術を捨てるわけにはゆかぬ/P202」。この一文にも佐々木譲氏の小説家としての巧みさが見える。

が「ナイス!」と言っています。
リュウジ
★2 家族になれた!と思ったら家族になれなくて。家族を作りたりたかったのに家族を作れなくて。・・・といういつもの遠田ワールド。今回の舞台は、伝説から生まれた古いしきたりに雁字搦めになった海辺の町。その町を支配するのは古い神社と結びついた名家。跡継ぎが生まれなかったその家に孤児を迎えたことで静かに動き出す町と住人たちの運命。横溝正史ぽいともいえる展開なのだが、ただ足りない。主人公が咽び泣きたいのに泣けないとか、言いたいのに言えないとか、その臥薪嘗胆さ。遠田さんの他の作品の方が「もっと面白い」と思いつつ読了。
が「ナイス!」と言っています。
リュウジ
★4 小3で父母を火事で亡くし、尾瀬で歩荷をする祖父に育てられた瞬一。高校卒業後の進路を考えないといけない時に祖父から「東京に出ろ。東京に出て、よその世界を知れ。知って、人と交われ/P23」と言われ、東京に住んで約5年間の物語。自分は何をするのか、何になるのか。答えを急がず、人と交わりながらゆったりと人生の助走期間をとる(とれる)ことは、なんと幸せな生き方なんだろうか。まぁそれまでにこの青年が祖父から人の生き方、あり方を教えられていたからこそ・・なんだろうけども。自分的には現代版「雨ニモマケズ」な読後感。
が「ナイス!」と言っています。
リュウジ
★4逃げない負けない。聡明すぎる頭脳と行動力をもつピップだからこそ起こした顛末。ピップはやり過ぎたのではと思うも、著者の“物語のある部分は信じてもらえなかった個人の体験と時折正しくないと感じる英国司法制度への怒りがあった”という言葉にかの国の現状も知る。救いは“きみが行方不明になったら誰がきみを探してくれるのかな”といった犯人の問いかけに対し、無二の親友たちはピップの失いかけた人生のために無条件に動いてくれたこと。ただ同時に警察もピップの真実を探そうとした。ピップはこの後どう生きたのか。自分を救えたのか。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/08/31(3041日経過)
記録初日
2007/03/12(6501日経過)
読んだ本
1057冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
360627ページ(1日平均55ページ)
感想・レビュー
1050件(投稿率99.3%)
本棚
2棚
性別
血液型
O型
職業
クリエイター系
現住所
奈良県
URL/ブログ
http://blog.livedoor.jp/ryucere/
自己紹介

2020.06.20.更新 2020.12.08.追記 2021.01.04.改訂
2022.11.05.更新 2023.08.23.更新 2024.01.15.更新

子育て&会社の経営責任から離れて5年目に入った。
嘱託社員で気楽な身分だったが、そろそろその先のことも考えねば・・・
という時期になってしまった(年金制度ってホント、ややこしいぞ)。

趣味はあいも変わらず、「読書」「山」「セレッソ大阪」。


【読書】
幼いころから本好きで。童話「泣いた赤鬼」はその頃の愛読書。
中学2年の時に友人より大量に譲り受けた星新一で読む楽しさを覚え、
大学に入って生協で本が10%割引で買えることから、さらにどっぷり。
以来、本とともに生きてきた。

読後は次の本に移る前に読書メーターに必ず感想を。
制限文字数255字できっちりと収めることをおのれに科す。
「東京會舘とわたし」部門で
第4回 レビュアー大賞 優秀レビュアー賞をいただきました。
次の機会には最優秀をと思うが、いまだ夢は叶わず。
・・・というか、この催しは終わったのかな。
今年も年間最低100冊をめざす。

【山】
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの術後後遺症(左足裏と臀部にシビレ)に
悩まされながらも、山歩きは続行。

2023年の夏に「息子の嫁と一緒に家族4人で北アを登る」夢を
息子がかなえてくれて、燕岳・大天井岳縦走。
また、秋には手術や台風などで4度予定をキャンセルした
折立から黒部五郎岳→双六岳→新穂高温泉を実現。

ただ足が辛かった。いつまで登れるか・・・と思いつつ、
今年も北アルプス、苗場山、八幡平を構想中。


【セレッソ大阪】
始まりは、2002年のW杯。
ダフ屋から10万円で買ったチケットを手にスタジアムで見た
チュニジア戦でのモリシのゴール。
そこからが自分のセレッソサポーター史スタート。
居場所はメインスタンド中央より北。
2023年は優勝できる戦力だったのに、失速。
3つ目の星は生きている間に拝めるか。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう