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2024年5月の読書メーターまとめ

リュウジ
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2024年5月に読んだ本
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2024年5月のお気に入られ登録
1

  • ちい

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

リュウジ
★4会ったこともない小説家の父が死んだ。「傷口からぽたぽた漏れる血みたいな(父へ)の思い/P47」を持つ義兄の依頼で、「二年間ずっと未整理のままの(父が捨てた母の死に対する)気持ちを放置/P105」してきた僕が始めた、ないかもしれない父の未発表原稿探し。話は進み情報もどんどん増えるのにちっとも真実に近づかない。そんな展開なのに最後の最後、謎解きを下手な推理アソビに終わることなく主人公の僕と寄り添うようにキチンと心に収まった。それだけでなく仕掛けもすごいね。よく書いたわ、お見事としか言いようがないミステリ。
リュウジ
2024/05/27 12:35

追記>P216「書かずにはいられなかった」。これ、わかるわ。アタマに浮かんだアイデアや言葉は、紙面に定着させないと気持ち悪い。定着させたものはそのままだとこの世に生まれなかったのと一緒だから、求められなくても(≒お金にならなくても)誰かに見せないと気が済まない。表現者が持つ性(さが)というか、習性というか、本能というか。

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2024年5月にナイスが最も多かったつぶやき

リュウジ

2024年4月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:3936ページ ナイス数:207ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/703986/summary/monthly/2024/4

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2024年5月の感想・レビュー一覧
9

リュウジ
ロシア侵攻を完全撃退し、いよいよ次のフェーズに。軍事敵対するロシアに加え、米国に対しても外交的に難しい立ち位置となった日本。米国代表団の「小国の権利主張と大国の責任は、同じ地平に立てるものではない/P158」という正論に正論で立ち向かう日本代表団。全世界と国民に平和を勝ち取るために日本の取るべき行動を訴える総理大臣。言葉は最強の武器だ。ただ現実の世界を思うとね…。日本には漫画に登場するような優れた言葉と信念を持つ政治家はいない。また今のロシア大統領は言葉ではなく先に(見えない)手を出す人。なんだかなー。
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リュウジ
★4会ったこともない小説家の父が死んだ。「傷口からぽたぽた漏れる血みたいな(父へ)の思い/P47」を持つ義兄の依頼で、「二年間ずっと未整理のままの(父が捨てた母の死に対する)気持ちを放置/P105」してきた僕が始めた、ないかもしれない父の未発表原稿探し。話は進み情報もどんどん増えるのにちっとも真実に近づかない。そんな展開なのに最後の最後、謎解きを下手な推理アソビに終わることなく主人公の僕と寄り添うようにキチンと心に収まった。それだけでなく仕掛けもすごいね。よく書いたわ、お見事としか言いようがないミステリ。
リュウジ
2024/05/27 12:35

追記>P216「書かずにはいられなかった」。これ、わかるわ。アタマに浮かんだアイデアや言葉は、紙面に定着させないと気持ち悪い。定着させたものはそのままだとこの世に生まれなかったのと一緒だから、求められなくても(≒お金にならなくても)誰かに見せないと気が済まない。表現者が持つ性(さが)というか、習性というか、本能というか。

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リュウジ
★2 登場人物たちのキャラがたってユーモアもあって…。NHK時代劇ドラマが好みそうなストーリー。「何者でもない。何者かになるために寺子屋を開いた/P42」という人生に迷った男と肝が太い妻女。そして男と絆で結ばれる人たち(今回はここに寺子屋の子供たちが入る)。帯に「今村翔吾の原点」とあったから初期作品と思ったら違うかった。子供たちを教えるダンスインストラクターをしていた彼らしい、またこれまで書いた小説のエッセンスが詰まっている…という意味からは確かに原点なんだろうけどね。ちょっとパターン化され過ぎてるかな。
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リュウジ
★3 彼は「人間の条件」の梶さんのように個人の良心で軍や社会の不条理に立ち向かったのではない。軍を脱走した理由は罪がバレる恐怖から逃れたい、自分一人が助かりたい一心(自分の行動のせいで自分以外の人/同僚兵や故郷の父母兄を苦しめている)。検索したらこの事件は事実のよう。確かに発端は悪人に付け込まれた。またあの時代の軍隊は非人間的。ただ元をただせば帰隊に遅れる自分のミスと考えが大甘な弱き心。なのに戦闘機爆破という誰もが恐れる大それたことを仕出かした。時代は関係ない。いつの時代も弱き心が大それたことを仕出かす。
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リュウジ
★5アルプスが舞台の山登り小説だと思っていたら全く違った。確かに主人公も父も母も親友もそれぞれの山の登り方をする。が、数多の登山家のように山に対峙するのではない。日本人なら山は魂が宿り畏れ授かり物をくださる存在になるのだろう。彼らは違った。山は日常であり自分の身内そのもの。特に主人公と友が山と同化していく人生の物語のなんと芳醇なことか。山は変わらない。変わるのは成長していく人間の方。毎日が染みる読書だった。山や川や動物たちを人が目にしたときのコトバの表現が秀逸。それを損なわずに日本語にした翻訳者にも拍手。
リュウジ
2024/05/17 09:50

追記1>( p184に見る山の人の心の内)「自然」なんて呼ぶのは、おまえら都会の人間だけだ、とも言っていた。都会人の頭のなかではあまりにも抽象的な存在だから、名称まで抽象的になってしまう。俺たち山の人間は、「森」「放牧地」「渓流」「岩」と、指で示せるものの名前しか口にしない。どれも実際に使えるものばかりだ。使えないものは役に立たないから、名前なんて不要なのさ。

リュウジ
2024/05/17 09:50

追記2>( p196に見る豊かな表現力のひとつ)夜が朝に場をゆずる時間帯、ほんのりと暖かな厩舎で作業をしているうちに、寝ぼけた頭にかかる靄が少しずつ晴れていく。牛の乳を手で絞る作業は、一回ずつ優しく撫でながら起こしていくようなもので、そうしているうちに、牛たちは草原から漂ってくる芳香を嗅ぎつけ、小鳥の囀りを聞き、そわそわと足踏みを始めるのだった。

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リュウジ
★5何を表しているのかわからない。奈良の大仏などと違って存在理由さえはっきりしない。その太陽の塔はどのようにして生まれたのか。この本で明かされるその経緯、そして太郎の情熱と哲学と考え方を知れば知るほど、スケールの大きさ、ち密さに驚かされる。オファーを何度も断りながらも、頭にあふれ出す創造をやめない芸術家としての性。その自分の創造をコトバ化する力。そのコトバをもって芸術家とは相反するプロデューサーとして国家的プロジェクトを推進していく見事さ。太郎があの時代にいたこと、太陽の塔が生まれ残されたのはまさに奇跡。
リュウジ
2024/05/11 22:03

追記>あの時代、柔軟で度量もあって懐も深かった。「人類の進歩と調和」というテーマに正面から反論する太郎を指名するなんて今じゃ無理だろうし、日本であんなもの(太陽の塔&建前でないコンセプチャルなテーマ館)は作れないだろう。太郎のような人が何かやろうとしても、声の大きい少数派が「必要あるのか」「こんなの無駄」「意味も目的も分からない」と文句を言い、否定から入るマスコミも便乗して案を炎上させ、「2位じゃダメなんですか」発想する政治家に潰されるのが目に見える。ホント、日本はつまらない国へと進んでいると思う。

リュウジ
2024/05/12 07:52

追記2>太陽の塔を訪れたとき同じ公園内の「国立民俗学博物館」も訪問。面白かった。しかしこの博物館のルーツが万博テーマ館にあったとは。テーマ館のコンセプトを表現するため万博の予算(+集めに言った人の自費)を使って世界中から民俗資料(仮面)収集。これには日本になかった民俗学の博物館をつくる呼び水にする隠れた意図もあったという。これも今ならばれたら正義のSNS民が騒いで面倒な話になっただろうな。また今も博物館で行われている露出展示も「ケースにいれての展示は無意味。息吹が感じられない」としたテーマ館がルーツ。

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リュウジ
★5小野寺小説に登場するのは人の良い人ばかり…と思ってたのに、裏切られたよ/笑。自分であってもおかしくない、どこにでもいそうな主人公が5人。その主人公と縁のある他の人々が小説内で巧みに行き来する連作短編(どんな風に物語の設計図を書いたのかな)。話の中で主人公たちは「魔が差した/感情に任せて/本心を隠して」など犯罪とまではいかない微毒を滲ませ行動していく。彼らの根っこにあるのは、心が弱いから?善悪両面あるのが人だから?なんだろね?各々の話はもっと最悪な結末に持っていけるのに、そうじゃないのが小野寺ワールド。
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リュウジ
★3 思った通り前作が序章でこっちが本編ぽいw 職員から警察官へ。真っすぐな正義感と折れない執念をもつ森口泉。組織の中で揉まれながらも、彼女の魅力的な(≒ガンバレといいたくなる)成長物語と共に描かれるのは、刑事警察と公安警察のそれぞれの「正義」。刑事警察も末端の犯罪者を泳がしてボスを狙うやり方はあるけどね、重犯罪まで犯してまで…というのは異常ともいえるが、それで救われる人がいるのは否定できない事実。難しいね。「世の中、知らない方がいいことがある/P244」。前作にもあった台詞が今巻にもあったのが興味深い。
リュウジ
2024/05/07 09:15

追記>映画化された「朽ちないサクラ」は杉咲花が主人公。ただ自分の中での今の彼女のイメージは、今やってるドラマ「アンメット」での役柄(逆境に負けず健気に生きる前向き女性)が強すぎて。なんか違うわと、なぜか、先日のNHKドラマ「天使の耳」の小芝風花(新人交通警察官役)が浮かんでくる。上司にも思ったことをストレートにぶつけ、自分が思った正しいことを追求する姿勢が結構ダブるw 思えば、あのドラマも正義のお話だった。

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リュウジ
★2 警察小説ではあるが、主人公が広報課の女性職員というのは新しい!ただ序盤に目立つ匂わせもあり、筋もあまりにひねりがなく先が読めてしまったのは残念(はて?と思う穴も開いてたし)。それでも最後まで読ませ、続編も即買いした。というのもP352の「罪と向き合うこの仕事は常に不条理を抱える」が「それでもこの仕事を続けている」のは「刑事だからだ」が続編に繋がっていそうだから(「朽ちない~」は序章で本編は続編かもと勝手に想像)。あと、自分たちが信じるものを守るために手段を選ばないのはサクラもカルトも同じなんだよね。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/08/31(3037日経過)
記録初日
2007/03/12(6497日経過)
読んだ本
1056冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
360227ページ(1日平均55ページ)
感想・レビュー
1049件(投稿率99.3%)
本棚
2棚
性別
血液型
O型
職業
クリエイター系
現住所
奈良県
URL/ブログ
http://blog.livedoor.jp/ryucere/
自己紹介

2020.06.20.更新 2020.12.08.追記 2021.01.04.改訂
2022.11.05.更新 2023.08.23.更新 2024.01.15.更新

子育て&会社の経営責任から離れて5年目に入った。
嘱託社員で気楽な身分だったが、そろそろその先のことも考えねば・・・
という時期になってしまった(年金制度ってホント、ややこしいぞ)。

趣味はあいも変わらず、「読書」「山」「セレッソ大阪」。


【読書】
幼いころから本好きで。童話「泣いた赤鬼」はその頃の愛読書。
中学2年の時に友人より大量に譲り受けた星新一で読む楽しさを覚え、
大学に入って生協で本が10%割引で買えることから、さらにどっぷり。
以来、本とともに生きてきた。

読後は次の本に移る前に読書メーターに必ず感想を。
制限文字数255字できっちりと収めることをおのれに科す。
「東京會舘とわたし」部門で
第4回 レビュアー大賞 優秀レビュアー賞をいただきました。
次の機会には最優秀をと思うが、いまだ夢は叶わず。
・・・というか、この催しは終わったのかな。
今年も年間最低100冊をめざす。

【山】
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの術後後遺症(左足裏と臀部にシビレ)に
悩まされながらも、山歩きは続行。

2023年の夏に「息子の嫁と一緒に家族4人で北アを登る」夢を
息子がかなえてくれて、燕岳・大天井岳縦走。
また、秋には手術や台風などで4度予定をキャンセルした
折立から黒部五郎岳→双六岳→新穂高温泉を実現。

ただ足が辛かった。いつまで登れるか・・・と思いつつ、
今年も北アルプス、苗場山、八幡平を構想中。


【セレッソ大阪】
始まりは、2002年のW杯。
ダフ屋から10万円で買ったチケットを手にスタジアムで見た
チュニジア戦でのモリシのゴール。
そこからが自分のセレッソサポーター史スタート。
居場所はメインスタンド中央より北。
2023年は優勝できる戦力だったのに、失速。
3つ目の星は生きている間に拝めるか。

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