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2024年8月の読書メーターまとめ

リュウジ
読んだ本
8
読んだページ
3072ページ
感想・レビュー
8
ナイス
153ナイス

2024年8月に読んだ本
8

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

リュウジ
★3 有能な【部下】はいる。しかし村重には自分と同じ目線で考え補佐し時に先に動いてくれる【片腕】がいない。小説の村重の悲劇(失敗)の根っこはそこだよな…と戦国ミステリの触込みだったけど、途中から「組織を巧みに制御するにはどう統治するのか」ガバナンス観点で読んでました。実際、村重一人で背負い込んで人心を見誤り、結局勝ち時も負け時も見失ったもんね。以前、一代で大会社を築いた社長×2名と仕事したとき、二人とも「社員の誰も私の気持ち、やりたいことの本質を理解してくれない」と愚痴ってた。そんな事も思い出しつつ読了。
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2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

リュウジ

2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3460ページ ナイス数:172ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/703986/summary/monthly/2024/7

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2024年8月の感想・レビュー一覧
8

リュウジ
ネタバレ★1 十ページくらい読んであまりにも小説としての完成度が低いのに驚き、興味の矛先を「なぜこの小説が賞を受賞してベストセラーになり、映画化もされたのか」に変更してなんとか読了。主人公はピンクと黄の服を着ると不良扱いされた時代のフツーの女子高生。嫌われ同級生の悪口を言い合い、中絶カンパし、自殺を試み、今なら「中二病か」と言われるであろう自分の感情を教室内外で吐露。今の人たちには理解不能な高校生の等身大の姿/心を高校生自身が小説で表現したことが選者にも当時の人に受けた・・・んだろうな、たぶん。今は遠い昔の物語。
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リュウジ
★4激動の鎌倉を彩った脇役の中でもひと際地味な範頼なのにこんなに面白い小説になるとは!作者が描いたのはあの時代のうねりと頼朝(超策士)と義経(人を疑わない戦バカ)の狭間で「範頼は何を思い考え行動したのか?」。全編範頼の一人称(&肩ひじ張らない文章)で綴られる。そこにいたのは、あまりにフツーな自分を嘆きながらも成長しようと頑張る人間。そして何よりこの男は誰よりも人に優しいのだ。というより範頼を描く作者の目がやさしいのかな。範頼に乗り移ったごとく作者が彼の心を代弁する。特に十一の章。範頼の開き直りに胸がすく。
リュウジ
2024/08/28 21:31

追記>この小説で範頼の人物像が固まった(笑)。この小説で見せた彼が持ち得た人へのやさしさが、曾我兄弟の仇討ちのどさくさで頼朝の生死がわからなかったときに、アワアワと慌てふためき嘆きまくる政子を力づけようと、ついつい「後にはそれがしが控えておりまする」って言っちゃったんだろうな・・・と想像wもちろん、真実は分からんけどね(笑)

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リュウジ
★4縦のサイズを存分に活かした深い奥行き、大胆な構図、行きかう着物姿の人々、ドーンと突き抜けた広い景色、広重ブルーと同じくらい美しいみどりの色。毎日寝る前に3つずつ絵を舐めるように味わってようやく読了。本は「名所江戸百景」の浮世絵(120枚)を右ページに、左ページには絵の解説+作品に描かれた現在の東京の地図と写真いう構成。期待以上の良書でした。描かれているのは今の東京からは想像もできない風景。でも地名や神社などは今もそこに残っている。自分が東京人だったら絵をもっと身近に感じられたんだろうな。それが悔しい。
リュウジ
2024/08/26 14:06

追記>購入は2024年のあべのハルカス美術館「広重 ―摺の極―」展で。名所江戸百景の本は絶対買おうと思って行った。展覧会で感じたのは「浮世絵は西洋画のように額装したものを距離をとって見るものなのか」と言う疑問。個人的には浮世絵は手に取ってじっくり味わうものだと、この本を読んでさらに感じた。ただ、この本だと大きさがね…。悲しいかな、迫力はないんだよね。展覧会で行きつ戻りつ何度も見返した絵に感じた魅力は本では大きくは感じなかった。高いけど復刻版の原寸を嫁に隠れて買う?(春画かw)

リュウジ
2024/08/26 14:08

追記2>調べたら、江戸の人はこの浮世絵を1枚だいたい20文(400円程度)で買っていたらしい(うらやましい)。この「名所江戸百景」は段階的に数枚ずつ売られたようだけど、コレクター対象なのか、最後は全シリーズセット売り。なんかこれって今のアニメ作品の儲け方(テレビで放映し再編集して映画館上映とか、アクリルスタンドだけでなく様々なグッズ展開とか)に近くないか?日本人はそういうオタク精神を昔から持っていたのか?…と想像してみる。広重の浮世絵も降る雨を線で表現するとか、今のマンガ表現に通じる描き方だしな(笑)

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リュウジ
★4 読み物としてすごく面白い!といっても学研ムー的なオカルト話ではない。ロシア語ができない米国人が現地関係者に直アプローチ&冬に事件現場取材。事件発生は1959年。ソ連にまだ強制労働収容所があった時代。3つの時間軸(取材する現在/雪山に向かった学生9人が死に至る約3週間/行方不明後の捜索期間)で事件を追い、死の真相&なぜこの事件が世界に注目され謎の事件となったのかを推論していく。学生たち9人+1人が亡くなるまで撮った何枚もの楽しげな記念写真と旅日誌が胸に迫ってくる。当時の雪山トレッキングの様子もわかる。
リュウジ
2024/08/25 08:23

追記>この本で科学的見地から推論した原因とは別に、ロシア政府も数年前にこの本が否定している説を真相として発表している(NHKニュースでもやったはず)。それでも「それは政府が真相をごまかす嘘」と陰謀論は延々続いていくんだろうね。日本においても「フルベッキ群像写真(維新志士たちの集合写真)」は偽りだと否定されているのにも関わらず今も本物説が跋扈しているし、日本人とユダヤ人が同祖説についても挙げられた証拠ともども論破されている(その反証もある)。ウソ真実関係なく、人は「信じたいものを信じるということ」かな。

リュウジ
2024/08/25 08:26

追記2>ディアトロフ峠事件が政府陰謀説や宇宙人説などから逃れられないのは、外国人のみならずその国に住むロシア人も当時のソビエトがウラで何やっているかわからない気味悪さを感じている説もあるかな。ナチドイツと同じ思われ方かな。事実、ナチのなかにマッドサイエンティストがいたという発想で「人間をメカ兵器に改造」といった映画も数多くある。ある意味、インディジョーンズ「失われた聖櫃」もナチドイツをトンデモ発想する奴らであることで成立している物語。彼らならしそうだという先入観があるからスムーズに話が進むもんね。

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リュウジ
★5つくづく人とは歴史に翻弄されたり後押しされたりするものだ。山下りんは元藩士の娘。維新で社会も身分も生計も変わることで逆に得たチャンス。絵を学びたい、巧くなりたいという純粋な思いは漫画「ブルーピリオド」の主人公と同じ。その思いの強さはあの時代に彼女をロシヤにまで渡らせる。その地で迷い立ちすくむも「うしろを忘れ、前に進む/P344」と盲進。最後は教会に捧げた人生の行きつく先でうしろでの経験に気づかされ、見つけたのは自分のなすべき芸術。そこにあったのはルネサンス芸術とは異なる見る人にとっての聖像画の在り方。
リュウジ
2024/08/20 12:03

追記>なぜか好きになったシーン。P528。晩年のりん。何年かぶりかに会った三人の友と敦賀に旅したときの砂浜での何気ない会話。→さし出された帳面をあいまいに拝見するうち、糸子が「りんさん」と顔を近づけてきた。ドキリとして膝が動いたが、「あなた、老眼?」と言う。「そうだよ。老眼ですよ」「偉そうにおっしゃること」皆で笑った。

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リュウジ
★4 「相手に絶対なめられるな」「やられたらやり返せ」「何があっても家族を守れ」。父からそう学び生きてきた男が小説のラスト1行の台詞に込めたのは、絶望か、達観か、虚無感か。そこに主人公も気づかない希望の種があればいいのだが、ろくでもない呪い/P248は続くんだろうな…と思いつつ読了。ああ、面白かった!深い愛と底知れぬ罪。男は強くなければならないという生きざま。そして妻へ向ける「やさしさ」とくれば、マーロウ/ボガードのハードボイルドやん。カーアクション、犯罪計画に加えキャラ立ちしる他の登場人物たちもナイス。
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リュウジ
★3 有能な【部下】はいる。しかし村重には自分と同じ目線で考え補佐し時に先に動いてくれる【片腕】がいない。小説の村重の悲劇(失敗)の根っこはそこだよな…と戦国ミステリの触込みだったけど、途中から「組織を巧みに制御するにはどう統治するのか」ガバナンス観点で読んでました。実際、村重一人で背負い込んで人心を見誤り、結局勝ち時も負け時も見失ったもんね。以前、一代で大会社を築いた社長×2名と仕事したとき、二人とも「社員の誰も私の気持ち、やりたいことの本質を理解してくれない」と愚痴ってた。そんな事も思い出しつつ読了。
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リュウジ
★3 8人の極上の小説家たちによるホラー小説アンソロジー(うち2編既読)。恐怖の中身は違ってもどの作品も芯に据えた主人公の行動パターンが同じこと。いやだ。避けたい。本当はかかわりたくない。なのにそれぞれの小説に描かれた異なる“恐いもの”へと自ら進んていく。それはあたかも「見たくない」と手で顔を覆うものの指の間から“対象(恐怖の源)”を見てしまう感覚。それこそが人の性なのかもしれない。そして誰もが迎える不幸の結末。恐怖の「ふ」とはまさに不幸の「ふ」。押し寄せるのは、小説家たちの筆力が醸し出す、湿った空気感。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/08/31(3037日経過)
記録初日
2007/03/12(6497日経過)
読んだ本
1056冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
360227ページ(1日平均55ページ)
感想・レビュー
1049件(投稿率99.3%)
本棚
2棚
性別
血液型
O型
職業
クリエイター系
現住所
奈良県
URL/ブログ
http://blog.livedoor.jp/ryucere/
自己紹介

2020.06.20.更新 2020.12.08.追記 2021.01.04.改訂
2022.11.05.更新 2023.08.23.更新 2024.01.15.更新

子育て&会社の経営責任から離れて5年目に入った。
嘱託社員で気楽な身分だったが、そろそろその先のことも考えねば・・・
という時期になってしまった(年金制度ってホント、ややこしいぞ)。

趣味はあいも変わらず、「読書」「山」「セレッソ大阪」。


【読書】
幼いころから本好きで。童話「泣いた赤鬼」はその頃の愛読書。
中学2年の時に友人より大量に譲り受けた星新一で読む楽しさを覚え、
大学に入って生協で本が10%割引で買えることから、さらにどっぷり。
以来、本とともに生きてきた。

読後は次の本に移る前に読書メーターに必ず感想を。
制限文字数255字できっちりと収めることをおのれに科す。
「東京會舘とわたし」部門で
第4回 レビュアー大賞 優秀レビュアー賞をいただきました。
次の機会には最優秀をと思うが、いまだ夢は叶わず。
・・・というか、この催しは終わったのかな。
今年も年間最低100冊をめざす。

【山】
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの術後後遺症(左足裏と臀部にシビレ)に
悩まされながらも、山歩きは続行。

2023年の夏に「息子の嫁と一緒に家族4人で北アを登る」夢を
息子がかなえてくれて、燕岳・大天井岳縦走。
また、秋には手術や台風などで4度予定をキャンセルした
折立から黒部五郎岳→双六岳→新穂高温泉を実現。

ただ足が辛かった。いつまで登れるか・・・と思いつつ、
今年も北アルプス、苗場山、八幡平を構想中。


【セレッソ大阪】
始まりは、2002年のW杯。
ダフ屋から10万円で買ったチケットを手にスタジアムで見た
チュニジア戦でのモリシのゴール。
そこからが自分のセレッソサポーター史スタート。
居場所はメインスタンド中央より北。
2023年は優勝できる戦力だったのに、失速。
3つ目の星は生きている間に拝めるか。

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