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2025年9月の読書メーターまとめ

のれん
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2025年9月に読んだ本
15

2025年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

のれん
ネタバレ犯罪に対する破滅的なスリリング意識はいつの世にもあるものだが、安定した社会であるほどその意識は高まっていく。 人権社会が高度化し人の命が重くなるほど、その生命(人生)を思い通りに狂わす没入感は増していく。 人が尊く貴重になるからこそ、自分であれ他者であれそれを弄ぶ快感に夢中になれる。 現代カメラ社会で直接の財布窃盗や、人生通して(少なくとも10年スパン)人生を誘導するなどがどれだけ現実味があるかはわからない。だが破滅衝動を、退屈な人生に投げかける問いにする点で、本作は『銃』と同じ若者限定の本なのだろう。
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2025年9月にナイスが最も多かったつぶやき

のれん

今月はなんといっても『戦争は女の顔をしていない』だろうか。そのほか『神と銃とアメリカ極右テロリズム』など過去から現代につながる戦争意識に移り変わり(再び回帰している)の真っ只中にいる実感が湧いた。 2025年8月の読書メーター 読んだ本の数:28冊 読んだページ数:8870ページ ナイス数:756ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/743521/summary/monthly/2025/8

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2025年9月の感想・レビュー一覧
15

のれん
ネタバレ【酷評】王を特別学生の中から決めるという一風変わった学園ファンタジー。基本的に作者は設定やキャラを物語の役割から逆説的に構成するために、前作同様設定がかなりややこしい。王を決める選考基準とか展開上で疑問に思う点はすべて終盤に一から明かすのも前作同様で、悪癖とも呼べるかも知れない。 が、なにより前回で一番良かった物語の役割から立てたキャラがしっくりこなかった。血統・伝統を徹底否定するヒロインに対し、伝統や失った過去にアイデンティティを乗せたキャラたちが彼女の主張を受け入れる構図が、少々独善的。(1/2)
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のれん
ネタバレ作者の新作比較のため再読。勢い重視な展開が印象的だったが、読んでいると作者的に各メインキャラ視点で物語構造を組み立てて作成していたのだと感じた。ただ視点が切り替わっているのに、地の文の主題が別のキャラ視点(それか神の視点)になっているので、読み間違えやすかった。 道理という観点で対立する主人公と友人の王(とその娘)。欲望という観点で対立する魔女と母親。2種の対立構造が対比されていて、道理を求めるからこそ罪を犯す主人公と愛情(欲望)を求めるからこそ義をなす魔女という主役の立場が個人的に好みだった。(1/2)
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のれん
ネタバレイラストやあらすじから『SPY FAMILY』のような雰囲気をイメージしていたので、かなり所帯じみた家族描写に驚いた。親たちは能動的な目的があるわけではなく、仕事と生活の両輪を二人でこなす日々。苦労の大半がテロ組織とか秘密バレとか関係なく、本当に子どもの癇癪だったり、仕事の忙しさだったりするので、リアルと言えばリアル(?)なのだが、こんな特撮の悪組織の残党の物語がこれでいいのか感はある。(1/2)
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のれん
ネタバレ批評家による小説というのは中々に度胸が必要なものだと思うが、純文学要素(中年前の男の葛藤)・SF要素(量子観測による並行世界)・エンタメ要素(家庭崩壊する日常と未来の娘からのメール展開)をバランスよく混ぜているところは流石の一言。 ディックと村上春樹をピックアップしていて、両者から抽出した「ありえた過去を夢想する」欲望から「あるべき人生(世界)などない」とつながるテーマは個人的にも響いた。が、アプローチ自体もかなり要素を混ぜ込んでいるので、オチがくねくねしている。(1/3)
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のれん
ネタバレタイトル回収の静かな語りが一番個人的に盛り上がった。 物語中盤までは戦争時代に還りたい軍人の話だったが、その美学を真っ向から拒否する幼馴染の夢がこの物語そのものを広げた。 未知なる世界を踏破しようと足を広げ、僅かに知れた断片的な地形からさらなるロマンを抱く。その夢に比べ、人の業はなんとちっぽけなものか。 惜しいのは主人公がそのことに気づくのがヒロインではなく宿敵との会話であること。これじゃ宿敵がなんかヒロインみたいやん。いや宿敵は勇者がライバルらしいけど。(1/2)
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のれん
ネタバレ物語全体のテーマにも関わる3つの事件というボリュームMAXな完結巻。 それぞれが関連しているとはいえ、これまでのキャラも準レギュラーとして活躍させる展開の旨さは驚いた。さらに今回のエンドは蛇谷の姉という1巻で語られたパーソナリティの掘り下げにも繋がっていて、本当に1クールのドラマの完結まで見れたような感覚だった。 一方、キャラの恋愛に関しても爆発していて、ツンデレキャラたるメインヒロインの反転イチャイチャが珍しいくらいに輝いている。こんなに加糖してくれるとはビックリよ。(1/2)
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のれん
ネタバレ一言では言い表せない名著。 戦前(昭和10年代)の文部省が推進した「国体の定義」を明確に設定しようとした政策とそれに一連する組織、会議の実態を読み解く。 この国体とは文字通り、日本の国家基盤・思想であり、そこから「日本人」とはなんであり、その教育基盤とはいかなるものかを設定するものだというものだ。 今なお西洋に追いつけ追い越せである日本が、さてはて単なるナショナリズムを超え根本的な国家思想を考えようとしていたとは、国体の主体をも持っていなのに(皮肉ではない)、その勇猛さにまず感嘆した。(1/4)
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のれん
ネタバレ今回いかにもな悪代官役がいない。 貴族や暗殺依頼者が強いて言えばそうだが、立場だけで今回は出ない。乗らなくても仕事を貫徹しようとするハンターたちと、貴族に攫われた哀れな女性と、それに心底「同情する」老婆。 この老婆がコミカルで喧しくて、悲しい存在だった。いうなれば成人を超えた男からみた、少々うっとおしい母親そのものだったかもしれない。 Dが葬式をしたのも、自身の母親と重ねたのかも。そこに正々堂々勝負する兄弟ハンターも天晴。今作の希望の象徴に貴族の血が入ったことは、ターニングポイントなのかも。
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のれん
ネタバレ南総里見八犬伝からメタファーを読み解く考察本。ズバズバと新説(個人としては十数年温めていたそう)を語るのと並列して、自身と対立している著者を批判したりするのは基本で、終いには一つの言葉や形式について著者本人の好き嫌いを語る。 この好き嫌いがキッパリしとる上に、司馬遼太郎の余談並みに長くて、ここまで来ると笑ってしまう。 真面目な論文でもなんでもないので良いのだが、そのせいで趣旨は若干掴みづらいのが玉に瑕。(1/3)
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のれん
ネタバレ【酷評】 タイトルからハイテンションギャグ系かと思ったが、意外とヒロインが常識を持ち合わせている。常識と自身の性癖とのギャップに背徳感も楽しめるオワッている性格でもなく、単純にこんなエッチでいいんだろうか、みたいな普通の思春期の感性。 そら思春期からしたら一大事なんですが、逆に同じ思春期の主人公が冷静すぎる。もっとキモくなるのは言い過ぎでも、動揺くらいしなさいよ。読心がコントロール不可なのに都合よく聞こえているのが展開第一っぽくて、もう少しひねりを加えてほしかった。
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のれん
ネタバレこんな言い方は良くないのかもしれんが、作者はラノベ界でも珍しいリベラルな作家なのだな、と感じた。 ここでいうリベラルとは本義的な「自由」を貫く姿勢であり、自己を定義して既存の集団の立ち位置を考えるグローバリズムではない。 肉体的な変化は個人の性格も性質も変えることを認めながら、それの社会的是認を求めない。喋り方や髪型に留まらず、勃起や月経といった性別特有の変化によるキャラの変質がどんでん返しとして機能している。メッセージを主題にしながら、最後までリズム感があるテンポで読める。(1/2)
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のれん
ネタバレ作者の比較的新作にあたるが、描写た舞台設定が抽象的になっている。ノワール的羨望は掘り起こされないが、列並びというシチュエーション内で苛つかせるマナーや会話が印象的。一つの立場に固執し列を詰めるか、別の立場に逃げるか。その根底は破滅的衝動ではなく、リスク回避をもとにした安定性と他者への優越感で選択される。 いつか列を俯瞰し、その存在意義そのものを掘り出す日を夢見る。作者も歳を重ねただろうが、スリルさの熱意を描くことは減りつつも、自分を蝕む世間への退屈さは忘れない。これこそ作者の骨子なのだろう。
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のれん
ネタバレ犯罪に対する破滅的なスリリング意識はいつの世にもあるものだが、安定した社会であるほどその意識は高まっていく。 人権社会が高度化し人の命が重くなるほど、その生命(人生)を思い通りに狂わす没入感は増していく。 人が尊く貴重になるからこそ、自分であれ他者であれそれを弄ぶ快感に夢中になれる。 現代カメラ社会で直接の財布窃盗や、人生通して(少なくとも10年スパン)人生を誘導するなどがどれだけ現実味があるかはわからない。だが破滅衝動を、退屈な人生に投げかける問いにする点で、本作は『銃』と同じ若者限定の本なのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ人外との婚姻は永遠のファンタジー題材。動物系や怪物などモチーフ、人側が男か女か、といった区分けをして物語構造の傾向を比較する。 日本では例外はあれど、異類婚は失敗に終わるケースが多く、序盤と終盤の状況が同じなのだという。つまり現代物語のように変化を通して成長するのではなく、別離を通して回帰する結末を見て読者が「あわれ」を持つことで物語が完成する。 ここらへんを侘び寂びと見るか、農耕民族的惰弱さと見るかは表裏一体なのだろう。(1/2)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ非情に興味深い一冊。 長谷敏司「竜を殺す」は現代AI設計を前提にした小説作りについてかなり深い考察がされている。小説という消費するのに時間がかかるものに関しては、保証価値は作者のネームバリューか、消費するトレンドタイミングで決まる。つまりもともと有名な作者か、SNSトレンドに合わせて1月以内にファスト提供する作品が生き残る。生産能力が上がっただけで、社会の効率も苦悩もそう変わりはしないということか。(1/4)
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/02/06(3236日経過)
記録初日
2017/02/06(3236日経過)
読んだ本
3148冊(1日平均0.97冊)
読んだページ
899625ページ(1日平均278ページ)
感想・レビュー
3056件(投稿率97.1%)
本棚
1棚
性別
自己紹介

静かにゆっくりラノベやら娯楽小説を読むのをモットーとしております。

たまに変な方向に走ることもあるけれど、大抵趣味だから仕方ない

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