ネタバレ人は何かを成し遂げようとする時迷いから始まる。To be or not to be…人を殺めることは正義なのか。その動機が貧困と復讐の違いはあれ主人公ラスコーリニコフもハムレットと同じ苦悩を味わう。金貸し老女を殺害する日、猫のように足を忍ばせながら下宿の十三段の階段を降りてゆく。彼の悪事が公の下に晒され十三階段を上る日が来てしまうのか。良心の呵責の中で親友ラズミーヒンに頼ろうとするが彼の縁戚が敏腕判事ポルフィーリーだった！「これから(警察)へ行くべきか、それともやめるか」再び彼は迷いのスパイラルに陥る。

ネタバレアンナと愛人ヴロンスキー中心に話が進んでいくのではなく、その他大勢のエピソードや人物描写が詳細に描かれている。中でもリョーヴィンが良かった。愛するキチイに求婚するも彼女は青年貴族ヴロンスキーが気になる。そこでフラれる訳だが腐ることなく自分の信じる道を進んで行く。彼はトルストイ自身の象徴であるらしい。間違いなく影の主役。後半「君は幸福な人間だよ」と言う享楽主義者オブロンスキー(アンナの兄)に対して「それは僕が自分にあるものに満足して、ないものにくよくよしないからだろうよ」と言うセリフが深い。期待を抱き次巻へ

ネタバレずんと重いものを背負ってしまったような読後感。「僕はナポレオンになりたかった、だから殺した」"赤と黒"のジュリヤン・ソレルか！もっともジュリヤンのような強かさはなく、始終悩み幻聴を聞き熱を出し倒れるやさ男。ラストで「極貧と孤独の為に殺人を犯した」とやっと本心を語る。一方ドゥーニャにつきまとうスヴィドリガイノフが光っていた。愛するドゥーニャに拳銃で殺されかけ自分を拒否された彼はひっそりと死を選ぶ。「生きて下さい、あなたは人々のためになる方なんですから」彼にも罪があるなら罰を受けてこれからも生きて欲しかった。

ネタバレ人は何かを成し遂げようとする時迷いから始まる。To be or not to be…人を殺めることは正義なのか。その動機が貧困と復讐の違いはあれ主人公ラスコーリニコフもハムレットと同じ苦悩を味わう。金貸し老女を殺害する日、猫のように足を忍ばせながら下宿の十三段の階段を降りてゆく。彼の悪事が公の下に晒され十三階段を上る日が来てしまうのか。良心の呵責の中で親友ラズミーヒンに頼ろうとするが彼の縁戚が敏腕判事ポルフィーリーだった！「これから(警察)へ行くべきか、それともやめるか」再び彼は迷いのスパイラルに陥る。

ネタバレ最終巻ではバルストロードの昔の悪事が公になり彼の立場が壊れていく。リドゲイトとロザモンドの結婚生活も金銭問題が明るみに出て破綻に向かう。一方世間知らずで汚れのないドロシアは相変わらず。声高に正論を吐く人ほど厄介なものはないのだが。バルストロードの過去は誉められたものではないが、夫人の思いやりできっとやり直せる。「夫は無言で告白し、妻は無言で忠誠を誓った」すべてを知った妻が夫と心を通わせる描写が秀逸。因果応報－ドロシアはウィルと、フレッドはメアリと結ばれた。ミドルマーチの人々と長い旅を終えたような読後感。

ネタバレ「偏見の捉えどころのなさという点では、暗闇の中で香りを放つヒヤシンスの記憶のように淡い」生前のカソーボンやサー・ジェイムズがウィルに、ミドルマーチの住人達がリドゲイトに向ける偏見。その実体とは…。ロザモンドはリドゲイトと結婚したが所詮夫の飾り物。夫の医者という立場を見下し、上流階級への憧れだけで生きている中身のなさには嫌悪感すら感じる。一方、カソーボンに冷遇され愛するドロシアから距離を置かれても前向きに生きようとするウィルが魅力的。逆境に立ち向かった者だけが、自らに相応しい果実を得るのではないだろうか。