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2024年5月の読書メーターまとめ

ひろ
読んだ本
11
読んだページ
3859ページ
感想・レビュー
11
ナイス
305ナイス

2024年5月に読んだ本
11

2024年5月のお気に入られ登録
2

  • 中玉ケビン砂糖
  • 無題

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ひろ
短い中にロジックを詰め込んだ珠玉の作品が並ぶ。平易なミステリが一次方程式としたら、二次方程式や連立方程式を解くかのような。手堅いトリックを巧みに操り、読者へ新鮮な驚きを与えてくる。論理のみに傾倒するのではなく、端々に光る文章が物語としての質を支える。暗さを有した話で切れ味がより増していく。ただ湿っぽくなりすぎず、ドライな質感なので読み疲れしない。「代役」はトリックもさることながら、一人の男の生き様が悲劇として逆転する様に恐れに近い衝撃を受けた。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月にナイスが最も多かったつぶやき

ひろ

月の前半は色々と出かけ、ランニング時の身体のキレも謎によかったのですが、後半になって失速。熱を出したり結膜炎になったりで、仕事は半ば療養状態でGWになだれこみました。3月からの疲れがたまっていたのかも。残りの休みは美味しいものを食べて、体力を100%に戻していきたいと思います。 ひろさんの2024年4月の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:2239ページ https://bookmeter.com/users/79972/summary/monthly/2024/4

月の前半は色々と出かけ、ランニング時の身体のキレも謎によかったのですが、後半になって失速。熱を出したり結膜炎になったりで、仕事は半ば療養状態でGWになだれこみました。3月からの疲れがたまっていたのかも。残りの休みは美味しいものを食べて、体力を100%に戻していきたいと思います。
ひろさんの2024年4月の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:2239ページ https://bookmeter.com/users/79972/summary/monthly/2024/4
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
11

ひろ
恩田陸さんの小説はよく読むものの、作風の幅広さもあって、人となりはなかなか見えてこない。偶然見つけたエッセイ、旅と酒がテーマとなれば読まない手はない。旅行記ながら飛行機が苦手なため、旅はなかなか始まらない。飛行機への恐怖を紛らわせるために進む酒。到着したイギリスでも様々なビールを嗜む。そこには品がある。タイトルにあるような酩酊の姿は感じさせず、強かに飲みながらも端正な文章で旅路は綴られていく。小説のアイデアをどのように着想するかが特に興味深かった。
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ひろ
本格ミステリ要素を感じたシリーズ前作から一転、本作では日々のニュースで取り上げられても不思議でない事件を扱う。満員電車の中で女性が続々と切りつけられる。満員電車の異常性への言及、他人は背景として在るだけの個人的な空間というのは面白い。事件の動機を含め、現実に潜む恐怖を感じた。引用が「ジキルとハイド」なのも印象的。一作目からは、椙田は表には出てこないのだと思ったけれど、今作では絡みが多くて嬉しい。他シリーズとの繋がりが強くなっていきそうで今後も楽しみ。
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ひろ
これまで単行本に収録されていなかった作品を集めた一冊。長編作品やシリーズ作品の系譜に連なる短編が並ぶ。どこを切り取っても綾辻作品。魅力であるミステリとホラーの両方を味わうことができ、存分に楽しみながら読み進めた。短編のミステリを書くのは得意ではないと作中で綴られているものの、怪奇風味だったり、自身を主人公としていたりと趣向に富んでいて面白い。好きな「フリークス」の番外編である表題作と、実話階段風味な「蒼白い女」が良かった。
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ひろ
群青を失うことを悲観した一作目から、世界に青を見つけだせるようになった完結作。彼らが抱える問題は大きく進展したものの、万事が解決するわけではない。小説という創作物だからといって、安易な回答は提示されない。この締めくくり方は、作中で言及された階段島と現実の差異と関わっているように感じた。全てがつくりもので、なんでも実現可能な物語の世界。それは現実にひどく似た虚構だろう。でも、現実を変えうる力がある。シリーズを通して読んでも、掴みきれない部分があったが、読みながら自分自身に向き合う時間となった。
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ひろ
シリーズ5作目にして、タイトルが冠する色がなくなった。前作の黒に連なる、悲しみを湛えた物語。階段島の存在やこれまでの問題の数々はパーソナルなものだった。大人とは、子どもとは。明確な答えのない問いを綴ってゆく。呪いにかかった大人と、呪いを知らない子ども。その狭間に在る七草たちが、世界を変えようと動き出す。やはりこれは青春小説だったのだと感じた。終わりに向けて、彼らはもがきながら選び続ける。
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ひろ
前巻で登場した安達によって、階段島の平穏が脅かされていく。明確な敵対者が現れたことで混迷していく物語。解決のために、なぜ階段島は生まれたのかという根源へと切り込んでいく。謎が明らかになるにつれ、シリーズ当初から伏線がしっかり貼られていたのだと気づかされる。明かされた真実により、一作目での「真辺さんは、危険」の意味が強まる。望むのは理想か、幸せか。黒が当てられているのに似つかわしい鈍い痛みを伴う展開だが、幕引きに向けて彼らは進むしかない。
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ひろ
強盗犯を黒のキング、逃げ込んだ先の家主を白のキングとして、その攻防戦を描く。囚われた妻を救うために考え出した夫が奇策とは。単純に対立する構造でなく、何やら思惑が見え隠れし、気になって読む手が逸る。スリリングな戦いの合間には妻の回想が描かれる。はじめはスピードが落ちる印象を受けたものの、終盤に向かうに連れてストーリーの本筋へと合流していく。仕掛けられていた伏線が回収され、提示された情報には素直に驚かされた。これが初の北村薫作品だったのだが、異色作とのことなので、他も読んでみたい。
が「ナイス!」と言っています。
ひろ
短い中にロジックを詰め込んだ珠玉の作品が並ぶ。平易なミステリが一次方程式としたら、二次方程式や連立方程式を解くかのような。手堅いトリックを巧みに操り、読者へ新鮮な驚きを与えてくる。論理のみに傾倒するのではなく、端々に光る文章が物語としての質を支える。暗さを有した話で切れ味がより増していく。ただ湿っぽくなりすぎず、ドライな質感なので読み疲れしない。「代役」はトリックもさることながら、一人の男の生き様が悲劇として逆転する様に恐れに近い衝撃を受けた。
が「ナイス!」と言っています。
ひろ
前作はシリーズを水平方向に広げた印象だが、今作は立体的に立ち上げる。階段島から離れ、これまで推測として描かれていた種々の背景が明かされる。自らを変えたいと思い、七草と真辺が告げた魔女への依頼。彼らの葛藤を見ていると、確かに魔女は優しすぎるのかもしれない。結局は魔法なしで問題に取り組まないといけないのだ。簡単には解決しない状況を、噛みしめるように追っていく。そして今作から登場した安達はトリックスターとして物語に不穏な影を落とす。次に何が起こるか。再読ながら忘れているところも多く、今後の展開が純粋に楽しみ。
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ひろ
一作目は七草と真辺の物語であったが、今作では階段島に暮らす人々に視点が移り、シリーズとしての広がりを見せる。不格好でつまづきながらも、皆が前に進み続ける。静かに充足した状態から、小さくも確かに変わっていく。登場人物たちの背景を思うと、変化への葛藤により重みを感じる。それらのきっかけとなっているのは、やはり真辺の存在。そして彼女自身も変わっていく。階段島の人やルール、魔女さえも巻き込んで、物語は進む。それぞれの想いが行き着く先は。
が「ナイス!」と言っています。
ひろ
再読。悲観主義で熱量の低い七草と、理想主義で心情が行動に直結する真辺。奇妙なルールに縛られた階段島で、二人は再会し、物語が動き出す。爽やかな青春ではなく、タイトル通りに群青の深さを感じる。純度を上げ、結晶化させた感情は、力を入れれば砕けてしまいそうに脆い。恥ずかしげもなく綴られる言葉が、鋭く胸を刺す。久しぶりに読んでも、この鮮烈さに惹かれる。一貫したテーマがあって、そのための舞台設定やミステリ要素が見事に効いていて面白い。シリーズとして続くけれども、この一冊だけで終わっても良いと思わせる魅力がある。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/11/03(4979日経過)
記録初日
2010/11/05(4977日経過)
読んだ本
1183冊(1日平均0.24冊)
読んだページ
372590ページ(1日平均74ページ)
感想・レビュー
1057件(投稿率89.3%)
本棚
13棚
性別
職業
技術系
現住所
埼玉県
外部サイト
自己紹介

読書傾向はミステリーとホラーに偏り気味。

作家読みをしがちなので、一つ好きな作品に出会うと読みたい本が著しく増えます。
本は買って読む派。積読本を消化する日々です。

読み終わった次の日までには感想を書くように心がけています。

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