読み友の皆さん、4月も沢山のナイスをくださってありがとうございました。40冊の大半25冊が掌編ですが4月は少し盛り返しましたね。最近は新しい本をよく読むので共読が増えて嬉しいです。季候がよいので5月はこの調子で読書してレビューの本数を増やしますよ!2023年4月の読書メーター 読んだ本の数:40冊 読んだページ数:5272ページ ナイス数:33610ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2023/4
神々の碁の勝負で思い出したのが、イングマール・ベルイマンの「第七の封印」で騎士と死神のチェスの勝負です。洋の東西で似たようなことを思いつくものですね。
だが悪太郎には塩ばかりバラバラと降って目に入って痛くて堪らなくなったので泣きながら家に帰りました。こういう話は子供が読むと怖くて夜は悪夢にうなされそうですね。因果応報の物語で悪太郎は反省して善太郎になって欲しいですね。
その内に一人が門跡様の触れた婆さんの髪の毛を引っ張って抜いた。すると皆が真似をして次々に髪を抜き始め、あっという間に婆さんの頭には髪の毛が一本も無くなって尼さんになると皆は興味を失って門跡様の進む行列に続いたのだった。お婆さんは本当に可哀想ですが、これも神様の思し召しでしょう。なむあみだぶ、なむあみだぶ。まあお婆さんは勝手な事をしたから自業自得ですけどね。でも宗教熱に取り憑かれた集団の狂気には恐ろしいものがありますね。
彼の小学校二三年の息子も二日後に流感にかかって、ぽっくりと死んでしまった。彼の女房も重なる不幸に逆上してしまい死んだ息子を追いかけたり「大きな亀だ」と言って付近を狂い歩いていたが、やがて亀ヶ淵に死体となって浮いているのが見つかり右手には亀の子をしっかり握っていたという。うーん、凄まじい亀の怨念・祟りの何て恐ろしさなのでしょうね。ちょっと立ち寄ったぐらいの事で即一家皆殺しなんてあまりにも可哀想すぎますね!
これは謎解きパズルは別にしても何よりも著者が犯人の怨念と執念をぜひとも書きたかった故の描写でしょうね。必然的に著者が犯人に肩入れしている姿勢が見え見えですが、これは誰もが共感するでしょうね。舞台がA国であるのは科学技術と国力が世界一のレベルにある点で選ばれたのでしょうね。本書の探偵役マリアと蓮は仲が良いとは言えませんが、お互いの緊張感が良い効果を生んでいるのでしょうし年の功の実力が示されて日本人贔屓にしていないのもいいですね。具体的な事は殆ど書いていませんが、完成度の高い現代本格ミステリーの傑作でしたね。
冒頭に読んでいて気分が悪くなったら一旦本を閉じて気持ちを落ち着けてからもう一度読んで下さいという注意書きが書かれています。私は本書を読んで複雑な気持ちになりまして、こういう行為は親との話し合いによる和解の道から逃げている如何にも現代社会らしいドライな方法だと思う気持ちもあるのですが、一方で親子殺人にまで至る最悪の事例も世の中には多くあるようで完璧ではなくても実際は仕方ないのかなとも思います。明るく楽しい読み物ではないですが苦しみ悩む人の心に寄り添いつつ人生勉強になる一冊でしたね。#NetGalleyJP
王は女と結婚し、あの世について聞いてみるとここから近いと言われて女に案内されてついていく。あの世は意外にもこの世と殆ど変わらない世界であった。そこで兄が役人二人に捕まっている姿を目撃した王は腹を立て刀で役人を二人とも斬り殺して兄を連れて行く。秋月は大変です、舟で家に帰って七日間扉を閉じて外出しないようにすれば災いから逃れられますと言う。王が現世の家に帰ると兄が死んで葬儀があった事を知る。連れ帰った兄は消えたが、二日後に墓から甦る。王はあの世へ行って秋月が牢屋に捕まっているのを役人を殺し助出し家に連れ帰る。
王は秋月から自分のよみがえる時が来ましたから墓を掘って下さいと頼まれて土中から女の死体を掘り出して家に運ぶと三日目に生き返り暫くすると普通の体で歩けるようになった。昔の中国では人間が復活していたのでしょうか。まあハッピーエンドで、めでたしめでたしですね。
中には僧がいてお茶を用意しようと席を立つ。武士が置いてある茶釜の下の竈を見ると顔が浮かんできてスーッと消える。武士は戦慄し早々に辞去しようと考え従者に声を掛け仏壇に布施を置いてくれと頼むと、震える声で仏壇に生首がありますと言われて見ると確かにあった。武士は僧が戻って茶を出すと飲んだ振りをして捨てて足早に小屋から立ち去る。宿に帰り亭主に話すと危険だから何も言わないで江戸へお帰りなさいと奨められ素直に従い従者と共に宿を出発した。金沢の宿に着くと家臣が待っていた。家臣は武士がお帰りだと知り迎えに来ましたと言う。
家臣が言うには四十くらいのお坊さんが家に来て門番に武士が明日お帰りになると知らせてくれたのだという。武士は「なに」と驚いたが無言で夜に江戸の邸に帰ると親類や友人たちが帰国の祝をする為に待っていた。武士が上へあがると皆が集まって来た。縁側に彼の可愛がる四つの息子が立っているのが見えて、大きな声を出したので驚いて見に行くと、男の子の首のない体が縁側に倒れていた。何という恐ろしい結末でしょうか!本人ではなく何の罪もない弱い息子を犠牲にするとは何て残酷で無慈悲な野郎でどうにも遣り切れない嫌な気持ちになりましたね!
中盤で裁判の詳細が明らかになり読者があれっ?と驚き戸惑っている間に裁判はどんどん進行していき、最終弁論の場で予期せぬ最後の証人が現れ、驚愕のまさかまさかの大どんでん返しが炸裂するのです。この騙しのテクニックはシンプルですが実に効果的な逆転の発想なのですよ。処で初登場の弁護士・佐方貞人は「全ては真実の為に」と考える公平無私の人で絶対に信頼のおける素晴らしい人物なのですね。組織の圧力にも負けない彼の気魄あふれる正義感に感動して魂が震えましたね。本書は2010年の古い作品ですが未読の方はぜひ読んで欲しいですね。
鼠は真面目に働いている者を冷やかして馬鹿にした自分の行為が恥ずかしくて逃げたのですね。懐中時計の中は鼠の鳴き声のチューと韻を踏んでいますけどね。これはほんの冗談ですよ。
彼が首の付け根を検めると血も刀の斬り跡もないので「ろくろ首じゃ、さてはたばかってわしをおびき寄せたな」と悟り書物で得た知識から体を別の場所へ離しておくとよいのだと考えて主人の体を抱えて谷底へと突き落す。彼は外へ出ると杉林から話声が聞こえ5つの首が人魂のように飛び回っていた。彼は松の木を引っこ抜いて振り回し首を退治するが主人の首だけは衣の袖に噛みついて離れない。僧はそのまま山を下り諏訪の村を托鉢して回ると首が気味が悪いので役人に捕えられ白洲で裁きを受ける。手間取るが結局ろくろ首の事を知る者がいて解放される。
怪量は木曾の山中で山賊に襲われ、首と衣を売ってくれと頼まれ勝手にしろと言って応じる。山賊は暫くは首でもって旅人を脅して稼いでいたが諏訪で首の由来を聞くと蒼くなり祟りを怖れて首の家へ行き土中に首を埋めて塚を築いて立ち去った。そこは「ろくろ塚」と呼ばれた。誠に波乱万丈の愉快な冒険妖怪譚でしたね。
勘助は人の道に外れた事をしてはいけないと言って教え諭して酒を飲む。三年後また人間になるという水の者の話を聞いた勘助は翌日今度は夫婦喧嘩をした女房の命を救ってやる。勘助は怒る水の者をなだめてまた三年が過ぎる。水の者は「私はお前さんのお蔭で悪い事しないでやってたから神として祭られる事になったのでお前さんは神主になるがよい」と話し最後に実現して勘作は神主になる。結局は無益な殺生も回避され、誠にめでたしめでたしのハッピーエンドでしたね。
著者は過去作からのマンネリ打破の想いも込めて、後年の有名な代表作を思い出させる大胆な騙しのテクニックで読者を翻弄してアッ!と驚かせるのですね。それと同時に意外な犯人のトリックも考え抜かれていて素晴らしかったですよ。ラストに哀愁が漂うストーリーも新鮮で私は今回も完全に騙されて著者の巧妙かつ周到な企みを見破れませんでしたね。私は最初から最後まで面白く読みましたし、本書は著者のイメージチェンジした新たなスタイルと魅力が開花した意欲作だと思いますし私は好きな一冊ですね。
「つまりお前は自分だけ約束を守らないで、他の人にだけ約束を守ってもらいたいのだろう」うーん、極端すぎる意見ですね。人間は約束に縛られずにその時のシチュエーションに応じて柔軟に行動する事が大事でしょうね。例え約束を破ったとしても罪悪感を抱いて心を病まないように気持ちを切り替えて強く生きて行かないといけませんね。
平三郎は十九になり初夏の夜に部屋で読書していると女中が来て奥様からですと言って酒を奨める。彼が酒は嫌いだが何とか我慢して嫌々飲み干すと二度、三度とさらに飲ませようとしつこく迫る。あまりに無礼な態度に立腹した彼は刀を抜いて女中に斬りつける。血が噴き出て逃げる女中を追って母の部屋へ行くと女中はずっと側におりましたと聞く。部屋に戻って確かめると不思議な事には血の痕跡は跡形もなく消えていた。その夜遅くから大雨が降り出し川が氾濫すると郡奉行の平兵衛は家を出て人夫を指揮し堤防の所々へ砂俵を積ませる処置対応をしていた。
息子の平三郎も手伝いに出て舟に乗って川を見ていると一人の女が浮いてきた。彼は別の船に乗る父に向って昨夜の女の死体が浮きましたと知らせる。平兵衛は知っている女の顔だったが素っ気なく「そうか、この水では人の一人や二人は死ぬだろうて」とだけ言う。すると不意に平三郎の乗る舟が下から何かに突き上げられ転覆してしまう。人夫達は助かったが平三郎の姿は見えず死骸はとうとう見つからなかった。平兵衛は後に知人に話す。あれは先妻の祟りじゃ、私に怨みを報いるつもりだったろうが私を恐れて息子の命を取ったのじゃ。凄まじい怨念ですね。
長い時間が経ってお爺さんが家を出て行って中々帰って来なくなると猫は外へ探しに行き、営業していない筈の喫茶店に漂うコーヒーの香りに導かれて中に入ると若い男女がいて、猫はそれがお爺さんとお婆さんの若い頃の姿なのだと気づきます。それから人間も猫の姿も見られなくなりました。答は最後の最後まで書かれませんが、彼らは今も天国の喫茶店で仲良く暮らしているのかも知れませんね。
その名も西郷藤吉郎という歴史的人物の姓名をくっつけた出鱈目の適当な代物なのですね。彼はスパルタ的な口の悪さで和久井刑事をボロカスに罵倒します。曰く、ボケ夫、ボケ太郎、留めはボケ左右衛門、大ボケの出世魚だよ、おまえは!と、もう言いたい放題のどSぶりなのですね。まあ他にもう一人、紅一点のギャル刑事・南野マリン(本名)がいます。でもまあこの偉そうなオカマ警部が大口を叩くだけあって名推理でもって事件を解決に導くのです。まあ残念ながら本作は単発作品でオカマ警部とは、これっきりお別れなのが少し惜しいなと思いましたね。
×留めは→〇とどめは、で平仮名の方が良かったですね。少し真面目に書きますと西郷警部は、先入観や固定観念にとらわれるな!と型破りな考え方で若い和久井刑事を戒めてビシバシと鍛えるのですね。
警察で調べると、泥棒が貰った千円のお金は偽物で、ピストルはやっぱり本物だった。二人共牢屋に入れられまして、ハッピーエンドでめでたしめでたしですね。どっちもどっちのあまり頭がよくない小悪党でしたね。
松崎は駒子の美しい手を見て掌にキスをして、買えますよ、これからは僕が一緒にお店へついて行ってあげましょうと言って、秋には彼女を嫁に貰うのです。心が洗われてスーッとし素直に感動する良い話ですので、みなさんもぜひお読みくださいね。
へし折られるのが面白いですね。本書は密室やダイイングメッセージのトリックよりも、A・クリスティー流の心理の盲点を突いたフーダニットミステリの面白さが秀逸で私は完全に騙されて犯人にしてやられましたね。この容疑者の人数の多さで真実を見抜くのは相当に困難だと思いますね。著者は本書が初のミステリ作品だと言う事で、きっと今までに書いていないジャンルだったからこそ新鮮で手慣れていない良作が生まれたのだと思いますね。終盤では異常心理のサイコミステリの香りも漂う秀作を非常に満足して読み終えました。
名音と住持の介抱により落ち着くと「これが私の持病で医者に行っても原因不明なのです」という。ある日、名音は住持と共に檀家へ行って夜十二時過ぎに帰り便所に行って手を洗っていると横を鼠色の法衣を着た法華僧が素早く通り過ぎていき声を掛けるとパッと消えた。翌朝、玉音が名音に昨夜に見た法華僧にまつわる死霊の祟りの話を打ち明けた。彼女は地主の娘で従兄弟の弁護士と結婚して夫婦円満だったが、囲碁に興味を持って強くなると寺の新しい住職が愛碁家だったので対局に朝から夜遅くまで通うようになる。やがて彼女は夫に殴られ家を飛び出す。
その日は寺へ泊まり翌日家に戻ると空き家になっていて夫は娘を連れて出て行っていた。彼女は寺に住み込んで寺に住み込む青年画家と戯れるようになり住職にそれを知られそうになると金目の物を盗んで画家と駆け落ちする。やがて檀家に知れて大問題となり住職は女に裏切られた苦しさと厳しい檀家の糾問に耐えかね自ら縊死する。それから彼女は住職の怨霊に悩まされ青年画家は金を奪って逃げる。彼女は自殺を図るが果たせず弟に引き取られ尼になったのだ。玉音は一月後に発狂してしまい弟の家に引き取られた。まあ自業自得とはいえ恐ろしい怨念ですね。
すると急に真っ暗になり黒い雲が渦巻のように下がって欠片を空に運び去り旅僧は姿を消した。その夜から長者の子供達が病気になり十日もしない内に八人全員が亡くなった。呆然とし死んだようになった長者は暫くして落ち着くと家に出入りする老僧に相談した。それこそ弘法大師様でございます。あなたは悪い事をなさいました。早くお詫びしないと貴殿も地獄に落ちますと言われた。長者は四国の霊場を二三年で二十二回も回り次に逆回りして漸く旅僧に巡り合って己の罪業を消滅させる為に私に引導を渡してくださいと頼み、来世では大名になりたいと願う。
弘法大師は長者の腰を打って長者を息絶えさせ死骸を葬り杉の杖を立てかけて去る。そこから立派な杉の木が育ち八十年すると火になって焚けてしまう。その頃、河内の豪族の家に子供が生まれて成長し後に大名になった。長くなりましたが、強欲は己の身を滅ぼしますので、常日頃から気を付けて生きましょうね。
かまわずにずんずん入っていきゃいいんだ。あいつは何もしやしないのだよ。彼女は翌日、その不思議な体験を知り合いに得意げに話して聞かせた。うーん、二人の関係は何だったのでしょうか。幽霊は黙して語りませんから永遠の謎ですね。まあ適当な当てずっぽうですが、この料理屋は今ではファミレスなんかになっているのかもしれませんね。
本書を読んで私自身は小中学で図書室に親しみましたが高校では疎遠になり全く利用しなかったことを思い出して反省しましたね。本書は日常の謎解きミステリーの面白さと読書の素晴らしさについて改めて実感させてくれる読み物ですので老若男女全ての方にお奨めしたいですね。また本書がシリーズ化されるのであれば、ぜひ続巻も読みたいなと思いますね。#NetGalleyJP
後半には涙腺が崩壊して号泣・落涙必至ですので、なるべく電車やバスの中では読まれませんようにと御忠告しますね。人生のベテランの大人の方も若き日のピュアな自分を振り返って懐かしい思いにかられる読書になるでしょう。#NetGalleyJP
みんな大声に驚いて逃げ出し、轡虫は大威張りで俺は夜鳴く虫の中で一番の大きな声なんだぞ!と自慢しながら尚もガチャガチャ鳴いていましたが、やがて通りかかった人間の兄弟に頭から網をかぶせられ虫籠の中へ入れられてしまいました。まあこういう乱暴者には終いにはお仕置きの罰が当たるものですね。
臨床心理士として真摯に患者に向き合う天使の顔を同時に併せ持つ人間なのですね。潔癖な方には我慢できないでしょうけれど普通に幸せに生きる彼女に接すると、どうしても肩入れしてあげたくなるのが人情なのですね。本書にはミステリとして大きなサプライズはありませんが、最後の方で意外な仕掛けが炸裂する展開上の面白いトリックが楽しめます。彼女は果たしてどうなるのか?行き詰る展開のサスペンスに満ちた極上のドラマを最後の最後まで心行くまでお楽しみ下さいね。#NetGalleyJP
本書は読者に人生の気付きと学びをもたらしてくれます。人生は挫折しても苦い経験から学んでもう一度やり直し過ちを修正して盛り返す事ができる。本書はまだ人生経験の豊富でない方々に進むべき道を示し勇気づけてくれる小説だと思います。#NetGalleyJP
私は宿直室を飛び出して隣室に向かう暗黒の廊下を突進すると、何かしら真っ黒い人間のようなものと衝突して二つの身体がドタ―ンと床に倒れてウームと気絶してしまった。巨大な深夜のビルディングが、アハアハアハ、と笑う声をはっきりと耳にしながら。ああ、さっぱり理由がわかりませんが気味が悪くて恐ろしいラストですね!
自分の死期を悟った庄造は枕元にいる狸に「いよいよ別れなくてはならなくなった。私がいなくなったら、もう人に姿を見せずに田畑を荒らさぬようにしろよ」と言い聞かせて帰らせた。その夜、庄造は村人達に看取られて息を引き取った。それから数日後、庄造の墓前に美しい着物を着て一束の草花を持った女が蹲り肩を震わせているのを村人が見て「もし」と声を掛けた途端に姿が忽然と消えてしまった。それはきっと例の狸だったろうと村人達は言い合い、その行為に感心した事で狸には決して危害を加えまいという不文律をこしらえさせた。泣ける話ですね!
尼僧は先程の男が仮に姿を現したのだなと知った。男の家に行って母親に何か心当たりがないかと聞くと男の寝衣が後から後からと汚れるので浴衣を着せると同様に汚れ、昨日から女の寝衣を着せると男は非常に嫌がっていたとの事であった。まあ何ともはや理由のわからない話ですが、男は死んでしまい法衣が不要になったので返しにきた事だけは確かですね。
夢様、大爆笑のレビューですね。六枚のとんかつ 改訂新版 (講談社ノベルス) 新書中古商品 -¥29,980 って、凄い。わが図書館に単行本は未所蔵でしたが2002年の文庫本がありました。六とん4までありましたね。
Ruiさん、コメントをありがとうございます。へー、そんなにレアーな本だったのですね。私が持っている本は数年前消費税8%の時にブックオフで108円で買いましたよ。まあ、それはともかく面白い内容ですので今後も多くの人に気楽に読んで欲しいですね。
人の厄介になって威張るものは今にきっと罰が当たるから見ておいで」猪の言葉は図星で、豚は人間に殺されて食われてしまいました。まあ猪も遅かれ早かれ人間に狩られて鍋で食べられますから誠に二匹とも可哀想ですが仕方ないですね。
そこは目をつむって読むと特殊設定ミステリとしては多重解決や意外性や波乱があって楽しめますが私は本書の謎解きに関しては、やや辻褄合わせの感が強く思われ、ごちゃごちゃとして全体的に整合性が合っているのか非常に判り難くて判断できませんでしたね。著者の流儀でアウトローの側から描く悪漢小説の立場なのでしょうけれど他の作品全てが悪の勝利で終わる非情な物語でもないでしょうから、気分を変えて再度以降の作品にトライしたいですね。そうですね残念ですが潔癖でノーマルで真面目な性格の方には本書を読む事を絶対にお勧めできませんね。
上に登り切ると大勢の猿がいて引き上げてくれたのだった。だが彼は礼心を忘れ先程見たサルのボスと思しき大猿を無情にも銃で撃ち殺してしまう。残忍な彼は大猿の死体を家に持ち帰り、庭の鉤に吊るして昼間の話を女房や女中に話す。すると行灯の傍らに白い大猿の姿が見えて彼は「猿が」と気味悪い声を出してひっくり返る。大塚はその夜から病気になり「猿が猿が」と叫びながらとうとう死んでしまった。この大塚家では代々猿ということを口にしなくなり、もし口にすると不思議な事があったという。残酷に恩を仇で返す所業を為した彼は自業自得ですね。
夜中の一時頃、吉平の目が覚めると阿芳が立っていた。彼は部屋にあった刀を手に取ると阿芳に斬りつけたが体をすり抜け襖に当たる。吉平は音を聞いて入って来た女中と主人を続けて刀で斬り殺すと主人の体に躓いて往来に飛び出し刀で串刺しになり絶命する。何年か後に吉平の姪が製糸工場の女工になり寄宿舎で叔父の幽霊を見てしまったので、すぐにお寺でお経をあげてもらうと以後出なくなった。江此間の海岸の自殺現場の土地は阿芳の怨霊を怖れ誰も手を付けなかった。阿芳の怨霊は明治の終り迄は有名で昭和二年に芝居が来た時5日連続で大雨が降った。
四五年前に心斎橋の料亭・幡半にきた若旦那ら四人の一行に対して店の者が五人前の布団・お茶・料理を用意する。これは誰かに憑いていると一人が言い出したので、一行は翌日も和歌山の浜寺の料理屋・一力に行くとやはり昨日と同じ五人前を用意された。帰りに送ってくれた店の女中に聞くと銀杏返しに結った方がいらっしゃると答える。停車場で、とんだ屋の客の別の一行と会って少し安心し心斎橋で降りて料理屋・丸万の店に入ると同様に五人前を用意された。とんだ屋に行って話をし汽車で同行した一行に自分達は何人だったか聞くと五人と答えたという。
なあんだ、お前は亡者でねえのかと小八は落胆するが、俺と江戸へ行って暮らさないかと女を誘う。女は同意して主人に断らずに二人で立山から逃げる。宿の主人は小八の手荷物から彼の身元を突き止めると二人を追って江戸に行く。小八は家主を間に入れて宿の主人と談判するが解決しないので町奉行所の裁きを受ける。奉行は亡者商売の噂は聞いておると言い宿の主人にいかさまをやめて普通の商売に戻し亡者達を里に返してやれと命じ、小八に一両を返金させる。二人は和解し家主老夫婦の仲人により小八と元亡者の女は祝言の盃を交わし宿の主人も同席した。
酒を饗応され上機嫌の新吉が二階へ上がって部屋に入ると隅に置いてあった机が真中に出ていて、その上に先の女が首ばかりになって白い長手な顔をこっちに向けてにっと笑っていた。新吉は怖れて目がくらみ後退ると階段を踏み外して落下した。起き上がると戸外へ出て走り出し真っ暗な世界を走る内に、ふとバーのような入り口に白いカーテンの垂れたにぎやかな家が見えた。彼が中へ入ろうとすると左から黒い戸が移動して邪魔をした。行き過ぎたので隙をみて入ろうとすると今度は右から戸が来て、これが悪夢のように何度も繰り返されて結局入れなかった。
著者は死をテーマに扱いながらも決して重々しくはなく悲しみや切なさを感じさせません。本作は生真面目一本鎗でユーモアもありませんが生きる事に希望と勇気をもらえる内容だと思います。書き下ろし短編の「らくだの掌」も死をテーマにした作品ですが、こちらは砕けたユーモアが感じられて結末は少し寂しいのですが私は好きで、やはり読後に人生頑張らなきゃという気持ちが湧いてきますので今後の著者の作品に期待が持てると思いますね。#NetGalleyJP
ロドパパさん、ありがとうございますね。本書はあまり人生で役に立つような有意義な本ではありませんが、ナンセンスな面白い本ですのでお気軽に楽しんでお読みくださいね。
うーん、中々に難しい質問ですね。教養がないから私にはわかりませんね。答になっていませんが、雪女の伝説は雪男イエティよりも歴史は古いのですね。それからウルトラマンの怪獣ウーのモデルは雪女で怪奇大作戦の最終回は雪女でしたね。
「それこそ妖怪(ばけもの)だ。逃がすな」と隣家の者たちは棒や鍬を持って亭主に従う。部屋は元の姿に戻って旅僧は寝ていた。十五六人の男達が旅僧の手足と頭を掴んで抑えたが、目を覚ますとふっと抜けて、ひらひらと舞って酒の徳利に入った。皆で蓋をして持ち上げようとしたが重くて叶わず、ごろりと転がったので鍬で打ち砕こうとすると中から黒い煙が出て徳利は二つに割れ、旅僧の姿は忽然と消えてしまった。本作は怖いと言うよりもファンタジーみたいな話で、妖怪変化はとても人間の歯が立つ相手ではありませんね。
「あ難船だ」と猟師は飛び起きて磯の方へ行くと目の前の岩に坊主が立っていた。猟師が「やい、何してるのだ」と聞くと坊主はぐしょ濡れの法衣中から手を出し漁師の家を指さした。猟師が振り返ると家から赤ん坊の泣き声と女房の悲鳴が聞こえた。「何しやがる」と坊主に掴みかかろうとしたが海へと姿を消した。猟師が家へ駆け込むと女房が冷たくなった赤ん坊を膝にして顔を変え目を引き攣らせていた。まあ若者たちから暴行を受けたのは事実ですが、この海坊主は最初から悪意を持って家にきたのだと思えてなりませんね。
気が付くと寺の門前に立っており中に駆け込むと六十前後の僧が彼を見て「その方は今山姑に会ったな」と直ちに見抜いて子細を聞く。僧は女の死骸を持って来させて額に鬼畜変体即成仏と七字を書いて首に血脈袋と数珠をかけて新しい棺桶に入れさした。「その方はこの棺を仏壇に供えて傍らで朝まで念仏するが好い。どんなに恐ろしい事があっても声を立ててはならん。もし声を立てると生命がなくなるぞ」夜中に雨が降り出すと死骸が棺から出て口が裂け額に牛のような角があった。死骸は彼に飛びかかろうとしたが、血脈袋と数珠に阻まれて果たせなかった。
まあ本当に手の込んだ詐欺を考えて儲けようとする悪党は昔からいたのですね。お婆さんは小食で毒餅を食べなくて命拾いしてよかったですよね。悪党は滅びて善人の勝利でバンザーイ!ですね。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
本書を読んで私自身は小中学で図書室に親しみましたが高校では疎遠になり全く利用しなかったことを思い出して反省しましたね。本書は日常の謎解きミステリーの面白さと読書の素晴らしさについて改めて実感させてくれる読み物ですので老若男女全ての方にお奨めしたいですね。また本書がシリーズ化されるのであれば、ぜひ続巻も読みたいなと思いますね。#NetGalleyJP