読書メーター KADOKAWA Group

2023年4月の読書メーターまとめ

夢追人009
読んだ本
40
読んだページ
5272ページ
感想・レビュー
40
ナイス
33610ナイス

2023年4月に読んだ本
40

2023年4月のお気に入り登録
26

  • ファクトリー
  • たみ
  • fukui42
  • higassi
  • ともりぶ
  • コチ
  • tama
  • Yuichi  Fukumoto
  • マク
  • ミーナ
  • ぶんぶん
  • カノコ
  • 鈴川愛夏
  • chuji
  • K
  • ま
  • こなつ
  • 武藤吐夢
  • かず1号
  • ダイスケ
  • AI
  • hirokun
  • 信兵衛
  • akiᵕ̈*
  • チーママ
  • 鹿ノ子

2023年4月のお気に入られ登録
11

  • ファクトリー
  • たみ
  • higassi
  • マク
  • ダイスケ
  • K
  • AI
  • 慎也
  • dynamonda
  • 山田太郎
  • オスカー

2023年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

夢追人009
アフリカのカメルーンで生まれた雌ゴリラのローズは手話が出来て知性を持ち機械を使えば人と会話もできる稀有な存在で全世界の注目の的となりアメリカの動物園に移されますが、そこでボスゴリラの夫が不幸なアクシデントにより射殺されてしまいます。彼女は怒り動物園を相手に裁判を起こすのですが…。ローズは素直な優しい人柄で誰も好きにならずにおられず彼女に共感し同情して涙が溢れる場面も多々あります。途中では脱糞ネタやプロレスラーのエピソード等で笑える場面もありますが、基本は生真面目なヒューマニズム(人間愛)に満ちた小説です。
夢追人009
2023/04/02 22:23

人間とゴリラが一足飛びに対等な関係になるのは困難だろうとは思いますが、少しずつでも互いに友情を深められたらいいなと願いますね。本書では大っぴらに描かれていませんが人間の中には嫌な奴もいますから銃社会のアメリカよりは今はアフリカのジャングルで暮らす方が彼女にとって幸せでしょうね。そして例えば彼女が産んだ娘マリーが母から知性を得てアメリカで活躍する続編が書かれて読めたらいいなと期待しますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。

2023年4月にナイスが最も多かったつぶやき

夢追人009

読み友のみなさん先月3月度も沢山のナイスを下さいまして誠にありがとうございました。最近、季節の変わり目で寒暖の差が激しく体調不良になっていますよ。今日は嘘をついてもいい日ですが、これは本当です。4月はボチボチ健康を回復して頑張りますのでよろしくね!2023年3月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:2655ページ ナイス数:26222ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2023/3

かすみん
2023/04/01 18:30

今月もよろしくお願いします🎈

夢追人009
2023/04/01 18:36

かすみんさん、今月もよろしくお願いしますね!

が「ナイス!」と言っています。

2023年4月の感想・レビュー一覧
40

夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の25編目は理屈抜きで妖しく気味の悪い話です。土佐藩の侍の丹治が山に鳥を撃ちに行くと朝から猿とも赤ん坊とも知れぬ者に出くわし、大きな鶴を見つけて本当は撃ってはいけない鳥だがどうにも辛抱ができなくなり誰も見ていないからいいやとばかりに鉄砲で撃つと確かな手応えがあったのに鶴はびくともしない。気味が悪くなった丹治が山を下りようとすると辺り一面の地面が雛段になり赤い雛人形がびっしりと並んだ。夢中で狂人の様に混乱した後藁ぶきの家を見つけると雛段は消えた。老人に茶を貰って話をすると少し落ち着く。
夢追人009
2023/04/30 09:01

だが帰りの道で背が低く横幅の広いガマみたいな男に睨まれる。彼が怪異に遭った噂は世間に広まり、丹治は知人に背の低い男の眼は今も忘れられぬ程に一番怖かったと語ったという。侍にとっては災難な厄日で、まあ命を取られなかっただけでも御の字でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の24編目は思わせぶりな話で著者の笑い顔が想像できる最後に苦笑いの一編ですよ。割と長い話ですが短く端折って書きますね。小さな頃に隣家の老人から聞いた話である。旅人が向うの村へ行こうと夜道を急いでいると灯が見えたので喜んだ。主人らしい男に泊めて下さいと頼むと快諾されたが、妻が死んで村に知らせに行かねばならんので留守を預かってくれと言われ承諾する。旅人は独りきりになると布団に寝かされた死骸の事が気になって仕方なくなり眼を行き来していると死骸の顔の方から青白い瘦せこけた手がすーっと伸びた。
夢追人009
2023/04/29 10:12

枕元に置いてある団子を一つ掴むと引っ込んだ。旅人の頭に血が昇り、ふらふらと縁側に行って座ると今度は毛むくじゃらの手に足を掴まれて遂に気を失う。村から帰って来た主人に起こされた旅人が留守の間の出来事を話すと、主人が布団をまくった。そこには4つぐらいの子供が死んだ母親にしがみつき手に団子を持っていた。主人は縁側に行き敷いてある簀子を剥ぐと十匹ぐらいの子猿が音に驚いてガサガサと騒いでおりました。幽霊の正体見たり枯れ尾花で、人間は怖い怖いと思い過ぎると必要以上に警戒して怖くなるという少し悪戯っぽい教訓の話ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
能登が舞台の、あやかしファンタジー小説シリーズ第3巻という事で全くの初読みでしたがとても楽しめました。ヒロインの八重子は小さな町の鈴ノ森神社で狛犬姉妹や鴉天狗とも仲が良く神様の縁(ゆかり)とも親しく接してもらえるのですね。そして幼い頃に結婚の約束をした白狐の二紫名を巡る事件に巻き込まれて行きます。人間の友達、小町と昴にも励まされ苦境に立っても諦めずに雄々しく立ち向かう八重子の活躍が素晴らしく勇気づけられますよ。本書は若干ダークな色合いが濃いですが光と影のメリハリが効いておりヒロインに強く感情移入しました。
夢追人009
2023/04/28 23:38

終盤は中々にややこしく難解な筋立てで解釈に迷わされますが神様の優しい慈悲深さに救われて心が晴れやかになりますよ。また人間とあやかしの恋という禁忌のテーマを描きながらも暗くならないストーリーは心地よく今後も期待が持てて続巻が楽しみですね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
鎌倉にあるお洒落なガラス雑貨店、実は宝石魔法師が悩みを抱えた人たちに助言を与え癒やしてくれる場所なのですね。店長の隼人とイケメン高校生・蒼井、黒猫のティレニアは人間の言葉を喋り、蒼井と同級生のヒロイン・更紗はこの店でバイトをしながら人生勉強をしているのですね。誰にでもある現代人、主に女性の悩みには女性読者の共感すべき点が多々あって本書のエピソードは良きアドバイスとして人生の指針になり参考になるでしょうね。あなたは間違っていないのですよと教えてもらえる事で、人は自信を取り戻し新たな一歩を踏み出せるのですね。
夢追人009
2023/04/28 22:47

本書を読んで京都を舞台にした先輩作家さんの有名シリーズを連想させられましてミステリーに対しファンタジーとして笑いあり涙ありで楽しめますね。ひとつ言えるのはヒロインの更紗は恋愛に全く興味のない鈍感で自分に自信のない娘だという点で本書後半でイケメン男子の蒼井との恋のスタートラインに漸く立てて、今後どう進展していくのか若い二人の恋の行方もとても楽しみですね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
下宿仲間でクラスメイトの高校生男子めえめえ(瀬戸洋平)と女子サブレ(鳩代司)が夏休みの四日間を一緒に過ごす「ひと夏の恋物語」なのですが、サブレは人が死ぬドラマのビデオが大好物で、めえめえから「何回死ぬって言うんだよっ!」と突っ込まれる変な女子で、田舎の爺ちゃん家に遊びに行くのに、めえめえも一緒に行く事になるのです。彼は彼女に片想いで普段は部活一筋の体育会系男子なんだけど、変てこで面倒くさい彼女が好きで堪らない青春真っ只中なのです。著者は死生観を作品に反映させるのがお得意ですが決して暗いムードにはしません。
夢追人009
2023/04/28 21:56

サブレは目一杯変てこな自分を前面に出して悪さをさらけ出して相手の態度を試しているような部分もありますが、めえめえくんは暴走気味の彼女を正常で幸福な生き方に繋ぎ止めて男として積極的にリードしてあげて欲しいなと思いますね。明るく甘いだけでなくて生きる事についていろいろ考えさせてくれた青春小説を楽しく読みましたね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の23編目は「猫の恩返し」的内容でとても良かったですよ。西林院という寺の住職は非常に慈悲深い男で風波の激しい日に外に出ると船の破片らしい板に一匹の子猫がしがみついているのを見つけ漁師に頼んで助けてもらい寺で飼うとよく懐き可愛がった。十年後の春に寺男が転寝をしていると、みゃあみゃあと声がする。「いい陽気だし伊勢参りに行こうか」「行きたいがうちの和尚さんに近々何か変事がありそうだから」「そうかね、お前さんは和尚さんに助けられた恩義があるからね」寺男が目を開けると飼猫と近くの寺の猫がいた。
夢追人009
2023/04/28 10:09

夜になって寝ていると天井裏で喧嘩するような大きな音がした。寺男と住職が見回り、翌朝本堂に行くと天井から血が滴っているので檀家の若者を呼んで一緒に天井に上がると飼猫と近くの寺の猫が血に染まって死んでおり傍らに大鼠が死んでいて法衣を着ていた。「おう」住職は数日前にどこからともなく来て滞在していた旅僧の事を思い出して念の為に部屋へ見に行くと姿がなく住職は心中でうなずいた。今西林院にある義猫の塚は飼猫と近くの寺の猫を合わせ葬ったものであった。二匹の猫たちは住職の命を狙う大鼠と戦って殺す事で命を救ったのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の22編目は、これだけ沢山書かれると時には?若干意味不明な物も出て来るなあと思えた一編ですね。会社をしくじって母の妹の縁づいた家で世話になっている男が或る晩に二本の酒と一皿の酒の肴を女中からもらって上機嫌で飲んでいると二階に岐阜提灯の灯が見えたかと思うと、ふわふわと下にゆーっくり落下した。灯が消えると一匹の白い犬の姿が見えて歩き出したので彼は興味を覚え後を追った。丘の上に来て古墳の崩れのような大きな石の付近で犬は消え十六七に見える薄黄色な衣服を着て紅をつけた紅い唇の女が現れて消えた。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の21編目は全然怖くない心に残るいい話ですよ。憑るの読みは非常に難しいですが「のりうつる」と読むのですね。大正八年二月二十六日にシベリア出征の田中中佐の一隊は過激派軍に包囲されて全滅し大分県出身の小島勇次郎という軍曹が名誉の戦死を遂げた。それから半か月経って、彼の生家で年取った母親が夜中に突然寝床の上に飛び起きて叫んだ。「起きてくれ、お父さんも弟も妹も、皆起きてここへ来てくれ」鋭い男性的な声で「俺は勇次郎だ。母が毎日毎日、仏壇の前で泣くのを見ているのが辛い」と言って自分の最期を語る。
夢追人009
2023/04/26 10:36

もう嘆いてくれるな。きれいに諦めて父さん母さんも達者に暮らして弟や妹は俺の分まで親孝行してくれと言う。父が今ここへ来るならどうして死んだ時に知らせなかったんだと問うと、お父さんとお母さんに知らせると嘆くからと思って二人の弟には知らせたと言うので次男と三男に聞くと二人は「夢に兄さんが血だらけの顔で出てきて知らせてくれたよ。心配するだろうから黙っていたんだ」と認めた。母は昏睡状態になる次の日に昼に目覚めると何も覚えておらず、後に判明した戦況は皆が聞いた話と一致していたとの事である。現実にありそうな話ですよね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の20編目はお得意な蚊帳の女の話ですね。「女の道」だと演歌になるというのは冗談ですよ。明治三十年頃の事で東京の本郷三丁目に長く空いている家があったので美術学生が3人で借りて二階を画室にし下を寝室にしていた。夏の夜に近所に縁日があるので二人が散歩に行こうとしたが三人目の男はこづかいがないのでイヤだと断った。残った一人は雑誌を読んでいたが眠くなり蚊帳の中に入って寝た。やがて何かの気配を感じて目が覚め蚊帳の外を見ると枕元に一人の女が座っていた。彼はびっくりして目を見張ると女は瞬時に消えた。
夢追人009
2023/04/25 10:12

気味が悪くて二階に上って震えていると二人が帰って来た。彼は二人を二階へ呼び「この家は化け物屋敷だぜ」というと二人は笑い「君が恐ろしいと思ったからだ。神経だよ」と言ったが彼は直ちに出て行った。それから五六日経った夜、二人の所にも女が現れたので堪らず引っ越して行ったので家は暫く空き家になっていた。まあ別に何もしないのでしょうけれど、とても住んではおられないでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の19編目は本当に今迄で最短の超短編で「何じゃ、それ?」と思える中国怪談でしたね。漢の時にある男が死んで葬っておくと一年ばかりして家に帰ってきた。家内の者に地獄の話をしたり、酒を飲んだり、肉を食ったりして平生と変わらなかった。ただ従来と違う所は女を惑わす事で、しかも彼はあっちこっちと出歩いた。ある時外から帰って酒を飲んで寝た時に家内の者が傍らに行って見ると、そこにいたのは人間ではなく村の酒屋の老犬であった。たったこれだけでおしまいです。昔は死者が生き返るのも当たり前だったのですかね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の18編目は題名から内容の予想はつきますが中々に衝撃的で面白いですが唯一結末だけは残念の一語に尽きますね。山形県に住む仁蔵という行商人がいて若く働き者で毎日のように方々へと行商に出かけた。彼には直(なお)という近隣で評判の美しい女房があった。昭和七年の二月の事、仁蔵が行商に行ったまま家に帰ってこなかった。四月になりやっと帰って来た夫を見て直は「まあ、おまえさん」と夫に取りすがって泣いた。「良い商売があったから先へ先へと行っていたんだ」と言い儲けた金を見せた。それからは毎夕には帰った。
夢追人009
2023/04/23 09:16

ある日の夕方、帰って来た夫と二人で楽しく夕飯を食べていると障子を蹴破って入って来た男が持っていた棍棒で夫を殴りつけた。「な、なにをする」と直は無法者に言ったが、それは夫と生き写しの男だった。「あ」直が倒れた夫を見ると、そこには夫ではなく一匹の狸が血まみれで転がっていた。直が四月以来同棲していたのは狸であった。夫は一月から夢遊病者のように彷徨い続け漸く帰ると古狸と女房の仲睦まじい姿を見て怒り棍棒で殴り殺したのだ。直はその夜から病気になって寝込み間もなく死んでしまった。ああ、なんて可哀想な運命なのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ウィリアム・ギブスンによって書かれながら却下されて陽の目を見なかった脚本を女流SF作家パット・カディガンさんが小説化した幻の第3作です。当時はゴルバチョフ書記長の登場により冷戦構造が変化して本作の設定が古くなった事も事情の一つらしいですが、私は素晴らしい娯楽SFホラーの傑作だと思いましたし本当に映像化されなかったのが惜しいなと思いますね。本書の製作段階でS・ウィーバーさんが出ない意向でしたので、リプリーは昏睡状態のまま宇宙船で避難させられ、生き残りの女の子ニュートも地球の祖父母の元へ送られて出番なしです。
夢追人009
2023/04/22 21:05

今回は海兵隊のヒックス、人造人間ビショップが資本主義側の宇宙ステーションの人々を感染により拡大するエイリアンから守り脱出するグループを率いて活躍し、一方で共産主義者側ではベトナム人女性ルックハイの生き残りを賭けた死闘が描かれます。今回の目玉はエイリアンが感染により人間の胸部を突き破って出て来るシーンが強烈ですね。やはり仲間達が消えて行くシーンは悲しいですが、映画ならではの奇跡の救出シーンもあって楽しめます。そしてエイリアンをクローン化して兵器にしようと考える人類の愚かさが露呈して致命的な事態を招くのです。

夢追人009
2023/04/22 21:06

まあ本作は、エイリアンが死をも恐れずとことん殺戮しまくる存在として人類に襲い掛かる小難しい事は一切ない娯楽エンタメ作品で理屈抜きで楽しめますよ。まあホラーが苦手な方はショックもあるかとは思いますが、ぜひ読んで楽しんで頂きたいと心から思いますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
難病に冒された母が、ある研究機関の力によって奇跡的に回復し元気になって帰って来たが何処かがおかしい。母思いの少女ミノリは事情を知る謎の少年・思問(しもん)と共に怪しい研究所に乗り込んでいく。マクスウェル・マシーンとは?思考実験とは?「テセウスの舟」「囚人のジレンマ」「ウラシマ効果」について詳しく解説されており悩み戸惑い迷いながらも非常に勉強になりました。児童作品ながら大人も楽しめます。常に考える事を強いられるストーリーは読むと頭脳の活性化にも繋がって良いと思います。次作は2023年夏に刊行予定との事です。
夢追人009
2023/04/22 18:14

中々に錯綜した複雑な内容ですがストーリーを記憶に留めて次作を読める日を楽しみに待ちたいと思いますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
本書は5人の人気作家さんによる数がテーマの「日常の謎」系の児童向けミステリ短編集ですが、決して侮れない内容で大人でも面白く読めて勉強にもなって満足できる一冊ですよ。私は小説4編、漫画1編の内でSFファンタジーの要素が入った第2話と第4話が特に大好きですね。他にも四人の容疑者の中から真犯人を探す殺人は起きないフーダニットミステリも2編あります。『盗まれたゼロ』向井湘吾:朝起きるとテレビの時刻表示が漢数字になってスーパーの店員がレジで全員そろばんで計算しているという奇想天外な謎に二人の少年が挑む男の友情の話。
夢追人009
2023/07/16 09:00

了解です、でもこういう面白くて良い本は滅多にありませんから、気長に待っていてくださいね。

ヨシ
2023/07/16 09:02

ワクワク🤗

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の17編目は思わず微苦笑を誘われるユーモラスな掌編ですね。鶴岡城下の話で夜更けに一人の武士が田圃道を歩いていると炎のない火玉がふうわりと目の前を通ったので鬼火(ひとだま)だと思った武士は斬ってやろうと追いかけると段々とスピードが上がり農家の家に入って行った。すると家の中で声がした。どうしたの、お婆さん、そんなにうなされて。やがてしゃがれた声がそれに答えた。ああ、怖かった。わしは病のせいで助からんと思い娘に暇乞いをして帰る道でお武家さんが斬りかかってきたんで逃げたのじゃ、ああ怖かった。
夢追人009
2023/04/22 10:52

きっとお婆さんが生身ではなく生霊になって空中を飛んでいたのでしょうね。生霊なら斬られても大丈夫な気もしますが、まあ理屈が通じない世界ですから私には何とも解説できませんね。怪奇の専門家のゲゲゲの鬼太郎なら詳しいかも知れませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の第16編目は思わず呆然自失となる白昼夢のような話ですね。寛文十年の切支丹で世間が騒いでいる時の話である。ある城下へ怪しい二人の男が来て不思議な術を使ったので捕えて死刑にすることにした。刑場の気味悪い磔の柱に縛られた二人の内の一人が「もう諦めておりますから、死ぬ前に少し縄を緩めてください」と嘆願した。臨場の役人は相談し、こんなに厳重に警固している上はいくら切支丹でも逃げられないだろうと判断し縄を少し緩めてやった。すると見る間に一人は鼠となって磔の柱に飛びつくが早いか上へ登って行った。
夢追人009
2023/04/21 09:42

警固の侍が驚いて一方の男を捕まえようとすると、男の身体は鳶に変身してばたばたと空中に舞い上がったが機を見て下へと降りてきて相棒の鼠を足で掴むと何処かへ飛び去った。警固の侍は呆気にとられてそれを見送った。まあこれは完全なフィクションでしょうけれど、無益な殺生が回避された事はとても良かったですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
永田町の蜃気楼と呼ばれた日本政治の闇のフィクサー、木澤行成が新聞社の政治記者として政治家に近づき裏側から操って政治を動かしてきた暗部の汚れた手口を描く架空の政治エンタメ小説ですね。本書には木澤は別として現実の与野党を、民自党・民友党と名を変え大物政治家の名前を別名に変えて一部現実の政治の出来事が書かれているらしいですが私は政治に疎くて殆ど理解できませんでしたね。自信を持って確信できたのは存在感抜群の田中角栄さんぐらいでしたね、まあ政治の歴史に詳しい方ならモデルが誰だとお判りになり非常に楽しめるでしょうね。
夢追人009
2023/04/20 18:14

本書の読み所は、雑誌社から新聞社に転職した新人の若い女性記者・国枝裕子が密かに木澤の本性を暴いて追いつめて行く逆転のドラマですね。この木澤という男は日本の政治をよくしようという志の高さはあるのですが、目的の為には手段を選ばずに人として絶対にやってはいけないダークな部分にまで踏み入る情け容赦のない人でなし野郎なのですね。とにかく長くて読むのに苦労しましたが政界について勉強になる事は間違いないでしょう。万人向けの本とは思いませんが興味のお有りの方にはぜひ一読される事をお奨めしますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
東京都内の某大学の民俗学教授・折口裕一郎が奈良・和歌山に助手・金城とゼミ生の女生徒・宝井と出かけると、この世のものでない妖怪たちと遭遇し異質な世界観に触れ未知の怪異現象を体験する歴史伝記SFファンタジー小説ですね。本書は真面目一辺倒の堅苦しい読み物ではなくズッコケのラノベ調も取り入れながらも読後は古代史についてしっかり学べたなと実感できる興味深い作品でした。何となく怪し気で全てを信じるのは危険な気もしますがスケールが大きく論理的な説得力があり何よりも読んで面白く愉快痛快でしたね。#NetGalleyJP
夢追人009
2023/04/22 07:56

この本は知名度が十分でない為か、読書メーターでは今のところ殆ど読まれていませんが、面白い本ですのでもっと読まれていいと思います。私のレビューも下手で申し訳ありませんが、一人でも多くの方に読んで頂きたいですね。読んで損はしないと保証しますよ。みなさん、どうか一読くださいますようにとお願いしますね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
大量殺人鬼の襲撃をかわして最後まで生き残った女性、ファイナル・ガールのリネットは同じ境遇の仲間達5人と10年間サポート・グループに参加してきたが一人の女性が欠席した事によって惨劇が幕を開ける。何者かが彼女達を皆殺しにしようと狙い始めたのだ。リネットは生き残りを賭けて姿なき敵に立ち向かうのだが…。500頁を超える大長編小説で全ての頁で緊張感が途切れなく続くということはなく中だるみもありますが、それでもヒロインに感情移入して何が何でも生き残ってやるという気魄が伝わって読みながら彼女を強く応援したくなりますね。
夢追人009
2023/04/20 16:27

意外な犯人という仕掛けも用意されていてクライマックス・シーンはホラー映画にふさわしいジェットコースターのようなスリル満点の手に汗握る展開で頁を繰る手が止まりませんでした。昔視たホラー映画の世界がよみがえる恐怖と戦慄の一冊で読後に心地よい勝利の余韻に浸れて大きな満足感が得られましたね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の15編目は人間に殺されたヘビの怨みの話。高知県の山村にある大滝で近くに住む篠原家の主人、農業の片手間に鉄砲で狩りをする男が大滝で見つけた雄の蛇を狙い撃ち見事に仕留めて大いに喜び猟師仲間を呼び蛇の皮を剥いで家へと持ち帰る。彼は家の庭前の立木と立木の間に長い竹を渡して蛇の皮をかけた。その夜彼は隣家の者を三四人呼んで酒を呑み皆が自分を褒めまくるのを上機嫌で聞いていたが、急に目の前に黒い閃きを見たかと思うと後ろにひっくり返って「あれあれあれ」と言い室の中をのたうち回りながらもがき苦しんだ。
夢追人009
2023/04/20 08:15

主人を寝床に入れて外に出ると蛇の皮をかけている処が明るく光り炎があがった。皮は空に浮かぶと篠原家の家の屋根に着いて大火となり一家の者は一人残らず焼死した。怪異はそれだけでなく篠原一門の者が滝に行くと急に辺りに霧がかかって方角が判らなくなり皆その中へ落ちて死んだ。皮剥ぎの手伝いの者も変死したと思われ、今でも篠原家の者は滝へ行かれないと語り伝えられる。誠に恐ろしい話ですよねえ!生き物の無益な殺生をするとこの話のように長く祟られ呪われる恐れがありますから絶対に無暗にしないように厳に注意しましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の14編目は誰にでもある物欲の話で怖さはないですが、いつの時代でもありそうな話ですね。ある相場師の娘が父親にねだって買ってもらった衣服を知り合いの裁縫師の処へ縫わしにやった。相場で巨万の富を積んだ家の事だから立派な品で期日も急がされた裁縫師は翌日の朝までと言うことで優先で仕事をして夜中の一時にやっと仕上げた。すると真夜中の家に相場師の娘が来て「明日の朝までだから、どうかと思って見に来たのよ」というと「ちょっと」と言い着物を着るなり外へ出て行った。驚いて呼び止めると娘の姿がなくなった。
夢追人009
2023/04/19 10:24

そして着物だけがふわふわと崩れるように地面に落下した。裁縫師は不思議に思い、朝になるのを待ちかね相場師の家へ向うと、相場師はおおがらをくらって(株が暴落して)その夜のうちに夜逃げをしていた。「それでは」裁縫師はそこで娘の衣服に対する強い執着を知った。うーん、娘は何が何でも一度は着てみたかったのでしょうね。娘の遣る瀬ない気持ちはよくわかりますし誠に不憫な話ですよね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の13編目はお馴染み化け狐の話ですよ。志玄(しげん)という厳しい僧が旅に出て夜に墓場で寝ていると木の下に一匹の狐がいるのが見えて頭に髑髏を乗っけて身体に草の葉をちぎって付けると見る見る内に若い美しい女になった。その時馬の泣き声と共に一人の男が馬に乗ってやってきた。それを見ると狐の女は道の傍へ立って泣きだした。男が子細を聞くと去年に夫に死なれ財産もなくして親の処へ帰る事にしたが歩が遅く日が暮れて困っていますと女が答えた。男が私の馬に乗りなさいと言うと女は喜んで進み出たが、志玄が止めた。
夢追人009
2023/04/18 09:12

「その女は狐が化けた奴ですよ」と軍人に教えたが怒ったので「では正体を現してあげましょう」と言って印を結んで真言を唱え錫杖を振り上げて「早く元の姿に戻らないか」と言うと狐の女は悶絶して倒れ元の狐となって血を吐いて死んだ。体には髑髏や草の葉がついていた。まあ人間を騙す悪い狐ではありますが、こんなにあっさりと死んでしまうと少し可哀そうな気もしますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の12編目は少しも怖さはなく何ともとぼけた味わいの掌編ですよ。明治二年七月八日発行の明治新聞に淀藤十郎が古着屋から蚊帳を買って来て吊って寝ると夜中に枕頭に女が現れたとの事で気のせいだろうと思ってそのままにしたが、翌晩もその翌晩も出て来たので友人に話してその蚊帳を家に持って行ってもらうと友人の家でも女が出た。買った店に返しに行くと店主が「どうも不思議で、どこへ売っても5日と経たずに返しに来るのですよ」と言った。まあ女が出たからと言って取り憑かれて殺される訳でもないですから無害でしょう。
夢追人009
2023/04/17 17:27

すみません、私の勘違いでした。かまどでしたね。正確に調べずに適当に書いてしまいましてごめんなさいね。正しい事を教えてくださいまして、ありがとうございました。

あたびー
2023/04/18 11:56

いえいえ、とんでもないです。古い言葉は難しいですよね😊

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺11編目は短くてあっさりしているけど十分怖い話ですね。題名は「とおりま」と読みますが現在よく使われる通り魔殺人事件とはまた意味が違って単に通りかかる魔物みたいなニュアンスでしょう。旧幕の頃、江戸の山の手に住む侍の一人がある日の夕暮れに便所に行き手を洗っていると手水鉢の下の葉蘭の間から気味の悪い紫色をした小さな顔がにゅっと出た。侍は胆力が据わっていたので別に驚きもせず平気な顔をしていると直ぐに消え失せ、やがて隣りの屋敷が騒がしくなり玄関口で怒鳴る声がして行くと隣家の仲間(召使)だった。
夢追人009
2023/04/16 09:57

「うちの旦那が気が違って、化け物だ化け物だと言って奥様も坊っちゃんも斬りました。どうか早く来てください」と慌てていう、隣家の主人は通魔を見て発狂したのであった。江戸時代はアメリカの拳銃の代わりに刀を帯刀していますので同様に危険ですね。まあ気を大きく確かに持ってでんと構えて何が起ころうとも血迷わないのが大事ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の10編目は、まず殆どの方がご存知だと思う名作ですね。まあ怖い話というよりもユーモラスな笑い話の落語の雰囲気も感じられますね。難しい漢字ですが「むじな」と読みますよ。幕末の話で、ある商人が夜更けに赤坂の紀の国坂を通りかかると、若い女が悄然と袂に顔を埋めて泣いていた。てっきり身投げ女だと思い慰めて事情を聞くと女が袂を上げた顔は目も鼻も何もない、のっぺら坊だった!「わ」一声叫ぶなり坂を四谷の方へ逃げあがった。そこに夜鷹蕎麦の灯を見つけて「大変だ大変だ」と駆け込んだ。「妖怪に会ったんだよ」
夢追人009
2023/04/15 10:25

「大変な顔をしてやがったのだ」親爺が聞いた。「へ、大変な顔ね、どんな顔でござんした」「恐ろしいの何のって一口じゃ言えない」「こんな顔じゃなかったかね」親爺はぴしゃりと額を打つなり湯気の間から出した顔は目も鼻も何もないのっぺら坊だった。商人は気を失った。その頃紀の国坂一帯には貉が沢山棲んでいて、よく悪戯をしたと言われている。まあダブルショックを食らった商人(あきんど)のびっくり仰天した気持ちはよくわかりますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の9編目は、明治から昭和にかけて活躍された女流小説家の方の実体験談ですよ。長谷川時雨(しぐれ)女史が佃島にいた頃、妹が腸チブスに罹って離屋の二階で寝ていたので、枕元につきっきりの看護をしていた。ある夜に病人がうなされており、ふと見ると床の間の隅に十五六の少年がしゃがんでおり髪の毛は焦げあがり顔は細長い茄子の腐ったような顔だった。女史はびっくりしたが疫病神に負けてたまるか!と思い下腹に力を入れて少年をぐっと睨みつけると姿が煙のように消え失せ、うなされていた春子さんの容態が回復したのだ。
夢追人009
2023/04/14 09:10

その内に春子さんの病気がすっかり癒ったので女史は箱根へ出かけた。電車が小田原の幸町の停留所に着いた時に何気なく窓の外を見ると大きな電柱に例の茄子の腐った顔色のような少年がいてぼんやり腕組みしていたので女史は再び下腹に力を入れて少年をぐっと睨みつけるとまた姿が消えたのだった。まあ怪異も勇気を出して気丈にふるまえば大丈夫だよとアドバイスしてもらえて元気になる一編でしたね。私が少し気がかりなのは作品の内容とは別に女史が62歳で亡くなられた事を知りまして私が今年の十月に同じ年を迎えますがまあ気にしない事にします。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の8編目は同じ場所での怪異の4連発という事で実話っぽさの信憑性が高いなと思われますね。荒川放水路に架けた堀切橋は紡績工場の女工の怪死により有名になった。それを伝える人の話によれば、その女工の怪死は四番目の怪異だという。一番目は夜の八時頃、紙工場に通うお時という女工が橋の中程で霧の中から真黒な目も鼻も無いのっぺらぼうの樽のような顔がぬっと出てお時の顔を下から上へ撫で上げた。悲鳴をあげてひっくり返ったお時は正気付き慌てて逃げ帰ると三日工場を休んだ。二番目は魚の行商に行っている娘の出来事。
夢追人009
2023/04/13 09:41

夜店で朝顔の蜂を買って籠に入れ端を渡ると下からどたんと何かが飛び上がった音がしたが恐ろしくて逃げる途中で膝頭を打った。知人の家に着くと前掛けに付いた血を教えら見ると膝頭が斬られていて籠の中に三寸ほどあるカマキリがいて斧も羽根も血だらけだったという。三番目は白昼に十四の小娘がニシンを持って橋を渡ると途中で突然ひっくり返り気付くとニシンは消えていたという、四番目がかの女工の怪死であったが千住署では不良の所為ではないかと捜査を続けたが結果がどうなったか筆者は聞かずにしまったという。まあ曖昧な話ですが怖いですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの7編目はとても短いですが、しっかり怖い不気味な伝承噺ですね。昔は北の庄という名だった越前の福井の話。柴田勝家の居城の址は市の東南にあって明治40年までは石垣などが残っていたが、市中を流れる足羽川(あすばがわ)の改修によって大半は川の底になった。明治の初年、月の明るい晩に某(それがし)という男が北の庄の大手(城の正面)があった所を歩いていたがどうしても他の場所へ行けなくなり朝迄そこに立ちすくんでいた。幕末の頃に某(ぼう)という医師が月の明るい晩に病家へ行っての帰り道に前述の大手を通っていた。
夢追人009
2023/04/12 08:22

すると馬の蹄のカツカツという音と鎧であろう金属の触れ合う音が聞こえた。騎馬武者の軍勢と知れて道端へ退いてよく見ると、その武者には全員に首が無くて、しかも足元には影も無かった。医師は驚いて家に帰るなり家の者を起こして話をしたが、その最中に血を吐いて死んでしまった。それは柴田勝家の亡霊で、同地方では見た者は死ぬと言い伝えられていた。うーん、この医師は特に何も悪い事をしていないのに不運としか言いようがないですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
久し振りに読みました法月綸太郎さんの第3作は「誰彼」と書いて「たそがれ」と読ませるニュアンスは難解でしたが内容的には素晴らしい作品でしたよ。新興宗教の世界を舞台にした二転三転の錯綜したフーダニットミステリーの傑作ですね。序盤はカリスマ教祖に届いた脅迫状の文面に隠された秘密のメッセージの謎解きと、地上八十メートルにある塔の密室からの消失トリックが冴え渡り、メインは首なし死体に隠された犯人の意図と意外な犯人の趣向ですね。これは完全にE・クイーンの名作「エジプト十字架の謎」への挑戦で複雑化された大成功作ですね。
夢追人009
2023/04/11 10:46

でも勿論オリジナルがあってこそ改良を加えた後世の良作が生まれるのであって元祖は永遠に医大である事は明白だと思いますね。それから本書の読み所はプロの警察官、法月警視と作家兼探偵の法月綸太郎の父子競演による推理対決の微笑ましい描写ですね。これもE・クイーンのリチャードとエラリーのクイーン父子がモデルになっていますが決して元祖に負けない堂々たる書きっぷりだと思いますね。そして中盤迄はまずまずですが終盤に至り本書のテーマである双子を含む三人兄弟の謎の複雑な推理が結実して驚愕の論理のアクロバットに酔い痴れましたね。

夢追人009
2023/04/12 07:37

×医大→偉大でした。もう穴があったら入りたい情けない変換ミスで本当にごめんなさいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの6編目は現代の実話怪談でもよく題材に取り上げられるお馴染みのネタですが、やはり元祖には本物の重みがありますね。震災の前に白画堂の三階で怪談会をやったことがある。出席者は泉鏡花、市川猿之助その他で数人の噺の後に背広服の肥った男、万朝報の記者が高座に上がった。「この話は私の家の秘密で公開を禁ぜられておりますが、もう時代も過ぎましたから話してもいいと思い話しますが、田中河内守を殺したのは私の祖父…と言いかけて言葉がもつれて高座の下へ転落した。皆が白けて帰ってしまい、彼は三日後に亡くなってしまう。
夢追人009
2023/04/11 09:40

死因は脳溢血のような病気で、市川猿之助の実話をそのまま書いたものであるという。まあ口は禍の元と言いますから滅多な事をいうもんじゃないから厳に慎むべき事だと教訓にしましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの5編目は災厄を呼ぶ不吉なお化けのお面の話です。お化の面は初代林家正蔵の秘蔵の品であったが百六歳で亡くなったのちに弟子の中川海老蔵に形見に与えられたが昭和五年の秋に女房に逃げられ病気になる。海老蔵は弟子の怪談浪曲師、浪華綱右衛門(なにわつなえもん)に形見として譲ると一週間後に亡くなる。綱右衛門は深川の桜館で面を冠って四谷怪談を演じた所、前夜まで三四百人いた客が次の夜には一四五人に減り翌晩は木戸で喧嘩が起こり血の雨が降った。綱右衛門は恐れをなして長く仕舞い込んだが、昭和七年に久々に出してきた。
夢追人009
2023/04/10 09:38

弟子の綱行に冠らせて記念写真を撮ったが、その後普段は温厚な弟子と言い争いになってビール瓶で綱行を殴りつけてしまう。おまけに女房が病気になり中々治らず家作は人手に渡ってしまう。遊びに来た伊藤静雨に不吉なお面の話をして別れると翌日に静雨の夫人が亡くなったと聞く。そこで綱右衛門は、すっかり怖気をふるって決心し、昭和十一年三月に菩提寺である浅草玉姫町の永伝寺に奉納して、永久に封じ込める事にした。まあこういう事は日本だけに留まらず広く世界各地であるようですね。もしお家で心当たりのある型は一刻も早く手放して下さいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの4編目。江戸時代の時代劇怪談ですが、ちっとも難しくなくシンプルであっさりしていながらも思わず、ゾッと震える良く出来たお話ですよ。鶴岡の城下に大場宇兵衛という武士がいて仲間の寄り合いに行って夜中の帰り道の淋しい屋敷町を歩いていると葬式の行列に出会う。深夜の葬式とは珍しいと思いながら先頭の男に「何方の葬式でござるか」と問うと「これは大場宇兵衛殿の葬式でござる」「なに、おおばうへえ?」「そうでござる」彼は気が転倒し家に帰ると焚き火の痕があり葬式の送火だった。彼は間もなく、ぶらぶら病になり死んだ。
あたびー
2023/04/09 12:35

ぶらぶら病は結核のことだと読んだことがあります。働いたりせずぶらぶら療養していなければいけないからだとか。でも重い病気ってみんなそうですよね😅

夢追人009
2023/04/09 13:03

あたびーさん、ありがとうございます。昔の人は今のように医学が発達していませんから若くして亡くなる方が多かったでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの3編目は今回も短い掌編で、非常にインパクトのあるタイトルに轢かれますね。北海道の大学の某という青白い陰気な学生と寄宿舎の寝室が同じのMが語り手の体験談。ある霧の深い夜に件の青年が寝床を抜け出して外出したのに気付いたMがそっと後をつけると墓場に辿り着く。地を掘り返した跡があり土の傍らにあやしいもの、学生がいて口の周囲に微赤いどろどろしたものが付いていたのでまるで口が耳の根まで裂けているかのように見えた。「わ」Mは必死で走って逃げて蒲団に横たわると暫く後学生の「貴様見たのだな」の声に気絶した。
夢追人009
2023/04/08 08:34

再び目覚めると学生の姿はなく、後になって学生は癩病(ハンセン病)の系統のあるもので、それには死体が薬になるという迷信からそんなことをしていたというような噂を耳にした。という事で本作は心霊やお化けの類の話ではなく何とも気色悪いですが青年が気の毒で憐憫の情が込み上げてきますね。

夢追人009
2023/04/08 09:04

気になって調べました所「喫う」には煙草を喫うという意味意外にも「食べる」という意味がありました。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の2編目。これは極短い掌編で「病院の怪談」のルーツでしょうね。ある夫人が産褥熱で病院に入院した時の話で、夜に死体を搬入する非常口から入り、ニ三日した夜中に何とはなしに天井を見ると小紋の衣服を着て髪を振り乱した老婆がいて折れ釘のような頸を差し伸べて夫人をぎろりと見た。夫人はびっくりしたが、こいつに負けては大変だと老婆の顔を睨み返した。すると老婆は忌々しそうに舌打ちをして「おまえさんは剛情な女だね」と言って隅の方へと後退り消えた。やがて看護婦が来て「何か変わった事はなかったか」と言った。
夢追人009
2023/04/07 07:30

夫人が「別になにも」と答えると看護婦が「今、奥さんの室から誰かが出て行った気配がしたので不思議に思っていると、この次の次の病室にいる患者さんが天井を指差して「何か来た何か来た」と言いながら呼吸をひきとりました」といい、それを聞くと気丈な夫人も思わずぞっとした。うーん、老婆は地獄から来た死神婆さんで病院で地獄に連れて行くいいカモを探しに来たのかもしれないですね。

夢追人009
2023/04/08 08:40

すみません、匿名と記しましたが本編は鏑木清方(かぶらぎきよかた)画伯の夫人が実際に体験した話でした。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
明治から昭和にかけて活躍された著者は面白そうな怪談噺を沢山遺されていますのでこれから青空文庫でどんどん読んで行こうと思いますね。「山寺の怪」は中々に不気味な作品でしたよ。箱根の湯本温泉の宿に宿泊した武士が夕飯前に山へ行ってみると主に相談すると「あすこはお山の方達の遊ぶ処で知って入ると何がしかのお咎めがあります」と強く反対しますが武士は少しも気に留めず一人で勝手にさっさと向かいます。山の上に寺があり中には老僧と小僧がおり飾られた仏像も全て左右どちらかの眼が潰れておりここは隻眼山一目寺だと武士に告げるのです。
夢追人009
2023/04/05 23:01

外に出ると山籠の籠かきが二人いて両人とも片目が潰れていたが宿まで頼むと伝えると眼を瞑らせた状態で籠に乗り空を飛ぶ勢いで移動し停止して外に出ると江戸の町まで運ばれた事を知るのです。武士は驚いたが長屋に泊まり夜寝ていると先程の片目の老僧が現れて「人間の命は草の露のようなものじゃ。いつどうなるかわからない」と呟く。武士は刀で斬りかかるが瞬時に消え失せ毎日同じ事が続くと病に倒れ遂には呆気なく死んでしまうのです。まあ山に一度入っただけで執念深く化物に取り憑かれ命を奪われるのですから真に過酷な運命だなと思いましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
まだ記憶に新しい現実の毒物混入殺人事件をモデルにして書かれたと思われるとても重いミステリーです。住人が全員でも108人という田舎町の集落で行われた毎年恒例の秋祭りで何者かが、おしるこに農薬を混入させた事で知らずに食べた6人の内4人が亡くなってしまう残虐極まりない事件が起きる。ヒロインの仁美は母を亡くし幼馴染みの修一郎と涼音も家族を失ってしまい、この事件をきっかけに真犯人を突き止めようと考える町民達が暴走し容疑者を勝手に決めて責める内にまた新たな犠牲者が出るのだった。本書は約370頁以上の長さを感じました。
rosetta
2023/04/12 01:53

頁数以上の長さを感じる読みにくさでした

夢追人009
2023/04/12 05:46

そうですね、忍耐力を養わせてもらいましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
歯科医助手のアルバイトをしているヒロイン・森の心の中には気弱で状況に合わせるサイン、強気で毒舌を吐き否定するコサイン、ぶつかる二つの意見をまあまあと調停するタンジェントの3つの人格がいてどんな状況にも対処します。本書の良さは、この3つの人格のやり取りが、まるで掛け合いのトリオ漫才みたいな抱腹絶倒の面白さがある点で、多重人格者からイメージされる暗さが全くない事ですね。中年の院長と「直線」「曲線」の性格が真逆で険悪な仲の女性の先輩二人と大学生男子「新人くん」達と過す毎日で家ではスマホの農場ゲームに没頭します。
夢追人009
2023/04/05 17:46

本書は単なる冗談小説ではなく真面目な部分もあるのですが、とにかく型破りで予定調和のハッピーエンドとは無縁のストーリー展開で常に予想を裏切られる読み心地ですよ。ヒロイン・森の最後に選んだ道は賛否両論の意見があるだろうとは思いますが、まあ全てが未だ人生の道の途中という事で私は彼女を応援してあげたいですね。未だかつてない異色の若い女性の人生の物語には笑いだけでなく今を生きる若い女性にとって参考になる大切な教訓が多々あるかと思いますので、ぜひ一読をお奨めしますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
イギリス王室のエリザベス女王と女性秘書官のロージーが殺人事件の謎に挑むミステリー・シリーズの2冊目です。今回はバッキンガム宮殿の王室家政婦の不審な死の謎と消えた絵画の謎に挑むのですね。時は2016年で史実の話題としてイギリスではメイ首相のEU離脱を巡る動きが推進され、アメリカではトランプとヒラリーによる大統領選挙戦の模様が描かれておりますね。エリザベス女王は90歳で日々の忙しい公務をこなされながら、殺人事件についても心を砕かれるというスーパーレディーのミス・マープルの如き英知を発揮されておられるのですね。
夢追人009
2023/04/04 11:34

ミステリーとしては中盤でおおよその犯人の目星はつきますが、ドキュメンタリータッチの特異な犯人像の面白さがありますね。それから何よりもエリザベス女王の側近や職員達に向けた温かい心配りと愛情深さを感じさせるエピソードに素直に心打たれ感動する思いが強かったですね。私は一冊目は未読ですので近々に読もうと思いますしエリザベス女王は2022年に96歳でお亡くなりになりましたが著者がシリーズを書き継がれるのであればぜひ続編も読みたいと思いますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
四国の愛媛県・松山市を舞台にしたアラ還暦男たち4人の再起を賭けた復活のドラマで金融サスペンスミステリーの痛快作です。本書は一昔前の昭和の社会派ミステリーの趣きですが「逆転のバラッド」との名が老いに負けない永遠の若さを感じさせます。もし本書が警察の側から書かれたならばもう少しスピーディーな話になっただろうと思いますが、展開がゆっくりな代わりに4人の人生の物語がじっくりと描かれ心打たれますね。中でもベテラン新聞記者・宮武弘之が仕事一筋で妻と離婚し全く無関心だった知的障害者の兄と心ふれあうドラマに感動しました。
夢追人009
2023/04/04 10:45

私としては近い内に夫婦が和解して復縁が叶えばいいなと強く願いますね。警察組織ではなく素人集団の物語としての良さは後半のダークな面に出て潔癖な方は素直に喜べない部分があるとは思いますが、まあ悪党の人にあるまじき残酷な所業を考えれば憐れな末路も当然の報いだろうと判断して私は許容しようと思いますね。ミステリーの謎解きよりも深い大人の人間ドラマが味わえる本書をぜひ多くの方にお奨めしますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
アフリカのカメルーンで生まれた雌ゴリラのローズは手話が出来て知性を持ち機械を使えば人と会話もできる稀有な存在で全世界の注目の的となりアメリカの動物園に移されますが、そこでボスゴリラの夫が不幸なアクシデントにより射殺されてしまいます。彼女は怒り動物園を相手に裁判を起こすのですが…。ローズは素直な優しい人柄で誰も好きにならずにおられず彼女に共感し同情して涙が溢れる場面も多々あります。途中では脱糞ネタやプロレスラーのエピソード等で笑える場面もありますが、基本は生真面目なヒューマニズム(人間愛)に満ちた小説です。
夢追人009
2023/04/02 22:23

人間とゴリラが一足飛びに対等な関係になるのは困難だろうとは思いますが、少しずつでも互いに友情を深められたらいいなと願いますね。本書では大っぴらに描かれていませんが人間の中には嫌な奴もいますから銃社会のアメリカよりは今はアフリカのジャングルで暮らす方が彼女にとって幸せでしょうね。そして例えば彼女が産んだ娘マリーが母から知性を得てアメリカで活躍する続編が書かれて読めたらいいなと期待しますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/05/06(2264日経過)
記録初日
2018/01/20(2370日経過)
読んだ本
3025冊(1日平均1.28冊)
読んだページ
488888ページ(1日平均206ページ)
感想・レビュー
3025件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
性別
血液型
A型
現住所
奈良県

参加コミュニティ1

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう