東日本大震災から4年、復興いちじるしい仙台で二人の遺体が見つかる。いずれも悪く言う人のいない「善人」「人格者」。二人の共通点をさがすうち浮かんできたのは、「生活保護」をめぐるさまざまな出来事。/映画化された際の文庫のカバー「連続"餓死”殺人事件の裏に隠されたあまりにも痛切な真実」「魂が、泣く」/　心にしみる物語だった。

東日本大震災から4年、復興いちじるしい仙台で二人の遺体が見つかる。いずれも悪く言う人のいない「善人」「人格者」。二人の共通点をさがすうち浮かんできたのは、「生活保護」をめぐるさまざまな出来事。/映画化された際の文庫のカバー「連続"餓死”殺人事件の裏に隠されたあまりにも痛切な真実」「魂が、泣く」/　心にしみる物語だった。

東日本大震災から７年、宮城県内で見つかった二人の遺体。共通するのは他人の名前で生活していたこと。家族あるいは本人の過去の犯罪によって、他人になりすますしかなかった二人は、津波で行方不明のままの人の戸籍をつかっていた。/　行方の分からない家族の死を認めたくない人。/一方、高校時代の同級生五代と鵠沼、ともに津波を経験し五代は思う「同じ喪失と死を目の当たりにしたにも拘わらず、自分は怯え、鵠沼は無頓着になった」「二人を分け隔てた境界線はどこにあったのか」/　やっぱり切ない物語だった。