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2024年3月の読書メーターまとめ

行商人
読んだ本
22
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感想・レビュー
15
ナイス
35ナイス

2024年3月に読んだ本
22

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

行商人
前作が日本賞賛の風潮を戒めるような趣旨だったのに対し、本作は逆に日本礼賛を強調する書きぶりなのが気になった。嘘をついているわけではないだろうが、他国のこき下ろしぶりがひどい。著者が意図したものなのか、出版社の商業主義的な意向なのかは不明だが、まるでゴシップ紙のような下品で挑発的な表現を多用している。いずれにせよ、実態だけを羅列しても意味がない。なぜ他国はそうなのか?という分析や、我々はこうしたらよいのでは?という提言をしないと、単なるストレス発散本の域を出ず、何の向上心も得られない。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
15

行商人
「現実論での平和論」での高坂氏の主張は次の4点。①戦争≠核戦争。通常戦力も抑止力として機能し、極東の勢力均衡に貢献し得る。②「中立論」は追求すべき価値がある。憲法9条の絶対平和の精神を重視している。但し平和実現の手段であって目的ではないので注意。③絶対平和の実現には、権力政治の現実から出発し、そこに至る具体的手段を示すことが重要。④日本は安保体制を維持しつつ、極東の緊張緩和のため、中国との国交正常化、朝鮮半島の緊張緩和、日本の非核武装宣言、極東での地域的安全保障や兵力引き離し等の具体的方策を追求すること。
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行商人
今回は、第二次世界大戦前の日米関係の変化に注目して読んだ。変化の兆しは日露戦争後から。戦勝した日本海軍からの米国のフィリピン防衛検討。中国に対する認識の差(日本:獅子の分前→人種平等主義・アジア主義/米国:中国の主権尊重・門戸開放宣言→通商による経済的利益追求)。満州事変以降→スティムソンの対日不承認政策の影響→北部仏印進駐&三国軍事同盟締結による対日経済制裁発動。
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行商人
「ゾルフ駐日ドイツ大使は、外相時代の幣原を世界の三大外交官として評判であると語った。これには幣原の人間性が大きかった。幣原は国際的な舞台で活躍するために必要なことは、最低限度の外国語能力とならんで、あるいはそれ以上に『世間の尊敬と信用を受ける品性』と、『人格の修養』であると語った(P23)」
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行商人
自分は、自分のことを、致命的なものも含め、欠点・欠陥を山ほど抱えた「まずい人」だと思って生きてきた。ところが、不思議なことに、他人は自分を「いいひと」と言う。もちろんそんな自覚はない。おそらくは、主観・価値観の相違、不明瞭な基準で相対的に比較した結果に過ぎない事、基準などそもそもない考え方等々、ギャップの理由はいろいろあるはずだ。本書は、そうした素朴な疑問の解決に一役買ってくれる。共感できる点が結構あって、いろいろと考えさせられた。
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行商人
「戦争とは死と向き合うことであり、戦時中の指導者たちが発するすべての命令において、死は不可避のものである。原爆投下の決定は10万人以上の日本人を死に至らせる決定であった。この事実はどのような説明を加えても変えられないし、私は言い逃がれるつもりもない。(中略)原爆はまた、我々は二度と戦争を引き起こしてはならないことを過不足なく明確にした。これは、すべての国民と指導者たちが学ばなければならない教訓であり、彼らがそれを学んだ時に恒久平和への道を見出すと私は信じる。他に選択肢はない(P353)」
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行商人
「私の課題は日本人に次のことを知らせることであった。つまり、我々が日本人を注視しており、それと同時に、正しい側にいる幣原を助ける用意があり、国家主義的煽動者たちの思う壺には決してはまらないということである(P277)」 第一次世界大戦の反省から、門戸開放宣言→ワシントン会議→九カ国条約→ケロッグ=ブリアン条約という、侵略を自制する国際協調の流れができた。日本はその流れから徐々に外れていき、満州事変で決定的になった、との認識。
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行商人
「日本においても、生きるか殺されるかという問題になると、今の戦争のやり方で行けばたとえ兵隊を持っていても、殺されるかれる時は殺される。しかも多くの武力を持つことは、財政を破綻させ、従って我々は飯が食えなくなるのであるから、むしろ手に一兵をも持たない方が、かえって安心だということになるのである。日本の行く道はこの他にない。わずかばかりの兵隊を持つよりも、むしろ軍備を全廃すべきだという不動の信念に、私は達したのである(P232)」 経済面だけ強調するのは極端だが、この発想がないと、軍拡は止められないだろう。
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行商人
気になったポイント。幣原喜重郎、若槻禮次郎、濱口雄幸の三者。「主人と奴隷の弁証法」(ヘーゲル『精神現象学』)という考え方。「押しつけ憲法論」に対する著者の見解。現行憲法に対する具体的弊害の指摘・課題の発見・改善の検討ではなく、成立の経緯にのみ執着し、感情的態度をもって憲法をご破算にしようとする考え方に対する否定(P223)。
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行商人
再読。振り返りにもPDCAを組み込む考え方に共感。
行商人
「戦後日本が国際協調の中で平和的発展主義を追求したのは、大いなる成功であったが、その路線を選んだからといって、言葉と構想を持って積極的な世界への働きかけができないわけではない。軍事力がないからといって、魅力ある外交ができないというものでもない。要は、自らのスタイルに自信を持ち、それに表現を与える能力の問題である(P313)」個人的には、近年増えてきた日本の核武装論よりも、著者のような考え方に共感する。
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行商人
身の回りの整理について、類書は山ほどあるが、写真と文章の雰囲気が今の自分の心理心境に合っていたので最後まで読んだ。穏やかに落ち着いて一つずつ丁寧に進めていく。書斎周りは他書のおかげで大分片付いたので、今度は本書を参考に、洋服・バッグ・靴を整理しようか。あとは震災を意識して防災用品の見直しを。「災害に備えること。これは、『モノの少ない暮らし』になってから初めてできたこと(P120)」
行商人
前作が日本賞賛の風潮を戒めるような趣旨だったのに対し、本作は逆に日本礼賛を強調する書きぶりなのが気になった。嘘をついているわけではないだろうが、他国のこき下ろしぶりがひどい。著者が意図したものなのか、出版社の商業主義的な意向なのかは不明だが、まるでゴシップ紙のような下品で挑発的な表現を多用している。いずれにせよ、実態だけを羅列しても意味がない。なぜ他国はそうなのか?という分析や、我々はこうしたらよいのでは?という提言をしないと、単なるストレス発散本の域を出ず、何の向上心も得られない。
が「ナイス!」と言っています。
行商人
著者の珍しい名前は承知していたが、著作は読んだことがなかったので、東日本大震災13年の節目を機に読んだ。阪神淡路大震災での自らの被災経験、東日本・熊本大震災における復興への提言とりまとめなど、学者の領分を超えた行動力を持って現実的な政治に関与されてきたことを知った。もう少し著者とその著作について調べようと思う。
行商人
2024/03/12 08:45

「北淡町とは対照的な近代的都市である西宮市の幹部も、生存救出される地区とそうでない地区がはっきり分かれると、私に語った。どこで差が生まれるのかと問うと、「簡単です。その地区に祭りがあるかどうかです」。血の通ったコミュニティであるか否かが、生死を分つ要因なのである(P85)」 世界的に進行する個人優先主義やイデオロギーの分断化の状況を、こうした視点(「伝統」「利他」「おせっかい焼き」等)から今一度見直す必要があるだろう。

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行商人
「彼の内部には、腐敗と希望が、矛盾なく同居している(P330)」「輝かしいアラブ世界の未来について語り、また現在の人々の、また政府の腐敗について憤ることと、私から何かをせしめようとするさもしい気持ちとの間に、一体如何なる論理的、あるいは倫理的連関が成り立つと言うのか(P332)」異文化理解は難しい。しかし、こうした本質を追求することが、理解する上でのヒントになり得るのかな?と感じた。
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行商人
It is interesting that the world in the making is sudden and has no explanation. It was interesting to get a sense of wonder.

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/06/07(2155日経過)
記録初日
2016/06/15(2877日経過)
読んだ本
1960冊(1日平均0.68冊)
読んだページ
533615ページ(1日平均185ページ)
感想・レビュー
1136件(投稿率58.0%)
本棚
1棚
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