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2024年3月の読書メーターまとめ

ロビン
読んだ本
18
読んだページ
4678ページ
感想・レビュー
18
ナイス
320ナイス

2024年3月に読んだ本
18

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ロビン
BBC製作のドラマ版を観たので、原作を確認したくなり再読。流石はミステリ界のオールタイム・ベスト、その会話の自然さ、文章と設定面での読みやすさ、物語に読者を引き込む抜群のストーリーテリング、「童謡見立て殺人」の恐怖、人間の心を見事に描写する文学性、初読ではまず解けないトリック、「法律で裁けない罪を裁く正義」という、クリスティ作品で度々提出される普遍的なテーマと、名作の要素が揃っている。この善人がひとりもいないクローズドサークルは、子どもの頃に読んでいたら怖すぎてトラウマになっただろうと思う。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

ロビン

2月もありがとうございました!生活がなかなかに忙しく積読が増え続ける割に冊数は伸びなかったですが、古典を中心にいい読書ができたと思います。3月も引き続き、詩と古典名著を読んでいきます。そしていつも心に『ローマ帝国衰亡史』を‥!笑 今月もよしなに! 2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:2970ページ ナイス数:301ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/906789/summary/monthly/2024/2

風に吹かれて
2024/03/02 22:47

年度替わりは何かと気ぜわしく読書は進みませんでした。3月も気がもめそうな予感がしてます。みんなで「小欲知足」を心がけたら過ごしやすい社会になるような気がします。と、あ~、上映期間が短い『枯れ葉』、見逃してしまいました! 『ローマ人の物語』のカエサル編を読んでいたら小林秀雄の言葉が引用されていました。小林全集にゴールデンウィークの頃には戻りたいと思っております。今月も、良き日々を!

ロビン
2024/03/03 09:26

『枯れ葉』、わたしは何とか滑り込みましたが、上映期間短いですよね💦全国的にはパンフレットが売り切れるほどの人気なのに・・。でもブルーレイになりますから!大丈夫!! 『ローマ人の物語』カエサル編には小林秀雄の言葉が色々引かれていて興味深いですよね(^^)そして塩野さんのカエサル好きが前面に出ていて面白いですね笑  風に吹かれてさんも、よい3月をお過ごしください✨

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2024年3月の感想・レビュー一覧
18

ロビン
ウクライナを代表する国民詩人にして画家でもあったタラス・シェフチェンコの詩集『三年』の中から十篇を選んで翻訳されたもの。「貪欲な人間でも 水底の地を耕すことはない 生きた人間の魂を 生きた言葉を 鎖につなぐことはない」ーウクライナの土地や人々の人生を奪って恥じないロシアの皇帝たち、そしてそうした横暴を許している知識人をはじめとするウクライナ人に対して、まさに農奴という身分から鉄鎖を砕いて自由を勝ち得た詩人は雷鳴の如き批判を行う。奇しくもロシアのプーシキンに通じるような詩人としての使命の自覚が気高く輝く。
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ロビン
「汚れつちまった悲しみに・・」などで知られる詩人の中原中也について、彼の詩にながれる<沈黙の音楽>を丁寧に読み解きながら描かれた評伝。フランス語が堪能であった中也が、ヴェルレーヌやランボーなどのフランス詩人から多くを負っていることや、本人も子どものようなところがあるが無類の子ども好きで、息子を亡くして気がふれるほど悲しんだこと、有名な小林秀雄との奇妙な友情など様々な側面を知ることができた。13歳で「芸術を遊びごとだと思つてるその心こそあはれなりけれ」と詠んだ中也のひりつくような真剣さが心を揺さぶる。
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ロビン
政治や経済、文化、スポーツなどの領域で大きな業績を残した人物が自らの半生を語る日経新聞の連載コラム「私の履歴書」に池田先生が執筆されたもの。大田区の海苔製造業者の五男として生まれた生い立ちから、ご両親のこと、尊敬する長兄を奪った戦争への思い、青年時代に経験された敗戦、生涯の師・戸田城聖先生との出会い、奥様とのなれそめ、戸田先生の事業が行き詰った際の孤軍奮闘、師弟の厳しく熱い訓練と75万世帯という願業の達成、戸田先生の死、創価学会第三代会長就任ー飾らず気取らずに語られるその半生は、報恩の誠に貫かれている。
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ロビン
1048年にセルジューク朝期のペルシアに生まれ、数学者、天文学者、哲学者として有名であったイスラム教徒オマル・ハイヤームの「ルバーイイ」-四行からなり、王家や政治体制への風刺を含むという革新性をもった詩ーという詩形の詩を集めた『ルバイヤート』にまつわるあれこれの謎を提示した本。酒を禁じるイスラム教にあって酒を歌い、時に無神論までも匂わせる『ルバイヤート』は、もし王家の関係者やイスラム教関係者に知られれば失職し「背教者」の烙印を押されてしまう危険なものであった。それでも表現せずにいられなかったのである。
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ロビン
フビライ率いるモンゴル帝国(元)-この時の軍の総大将はバヤンだがーによって滅ぼされた南宋に生きた有名無名の人々を描いた群像劇。才長けてはいるが権勢のなかで私腹を肥やし、元の侵攻と共に批判され失脚、殺害された丞相の賈似道、人格高潔で最後まで南宋への忠義を貫いた文天祥、優柔不断で「いつも遅れてやってくる」普通人の大臣・陳宜中、節操のない者たちには軽蔑を、忠義の心厚い強敵には敬意を抱きつつ戦う元の猛将たち、敏感に人間の本質を嗅ぎ分ける民衆ー。文天祥自身より、彼を助けた様々な人びとを描きたかったというのも熱い。
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ロビン
BBC製作のドラマ版を観たので、原作を確認したくなり再読。流石はミステリ界のオールタイム・ベスト、その会話の自然さ、文章と設定面での読みやすさ、物語に読者を引き込む抜群のストーリーテリング、「童謡見立て殺人」の恐怖、人間の心を見事に描写する文学性、初読ではまず解けないトリック、「法律で裁けない罪を裁く正義」という、クリスティ作品で度々提出される普遍的なテーマと、名作の要素が揃っている。この善人がひとりもいないクローズドサークルは、子どもの頃に読んでいたら怖すぎてトラウマになっただろうと思う。
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ロビン
13世紀南宋がフビライ率いるモンゴル帝国に敗れ滅亡した際、フビライ自らに謁見し恭順を勧められながらも、その節を死の時まで曲げることなく生きた士大夫・文天祥の非常に読み応えのある評伝。文天祥は科挙の首席合格者(状元)で、いわばエリート中のエリートであるために叩き上げの武将などからは嫌われ、南宋の危機にも協調できなかったのが惜しまれる。殆どの人間が保身を図り命惜しさに恭順する中、元軍からの決死の脱出行や数年にわたる投獄にも耐え抜いて、自身の信念に殉じた文天祥。儒教道徳がどうとかはよい。一人の人間として立派だ。
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ロビン
明治に生きたキリスト者・内村鑑三は「不敬事件」により批判を受け、重病、失業、愛妻の死、生活の不如意、信仰共同体からの疎隔という数々の苦難に襲われたが、それを固き信仰によって乗り越えた。その体験を「愛する人を失った時」「事業に失敗した時」等6つの章に分けて綴った処女作で、本書で内村は初めて「無教会主義」を唱えた。私は仏教徒だが「なぜ私の祈りは届かなかったのか」等の疑問は信仰者には共通のものであり、時に苦難を与える神を恨む人間臭さをも正直に記しながら、苦難により信仰を深めていく内村の姿は、信仰者として立派だ。
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ロビン
元毎日新聞記者で、長年原発の調査報道をしてこられた日野行介さんが、元双葉町長長でいまも理不尽な国や県、東電のやり方に対して裁判などで闘争を続ける井戸川克隆さんを取材した一冊。井戸川さんと双葉町町民有志が避難先の埼玉県加須市で毎月開催している役員会(双中協)での活動が主として描かれているが、井戸川さんの使命感や闘志がなかなか双中協の面々に継承されない様子や、同じ反原発の人間同士でも主張の違いから団結できなかったりするさまが生々しく、人権を守る闘争の難しさを痛感した。日野さんと井戸川さんの友情を感じる本だ。
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ロビン
本書で福島出身のフリーランスライター佐藤聡によるロングインタビューに答えている井戸川克隆は、2014年に「美味しんぼ」福島の真実編に登場し「鼻血が止まらない原因は事故の被ばくにある」と訴えた双葉町の元町長として記憶されている方もあるかと思う。事故当時、避難指示を出すのみの政府を頼らず、独断で町民を埼玉に避難させた唯一の首長である。一読、国や福島県、東電に対する井戸川さんの深く、至極まっとうな怒りを強く感じた。話も理路整然としており、危機対応力や決断力・行動力・稀有の責任感を持つ凄い方と感銘を受けた。良書。
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ロビン
菅原道真の生涯を、先祖や曾祖父の代から書き起こし、残された資料に厳密に基づいて概観した本。学者・漢詩人でありながら宇多天皇の格別の引き立てによって右大臣にまで昇進し、主として儒家・官僚として生きた道真について、大学寮の仕組みや紀伝道(大学寮の文学科)や政治に関する事件などを特に重点的に著述してあり、大宰府配流後のあたりはあっさりしているし、死後の怨霊伝説は埒外としてほぼ言及はない。遣唐使廃止の件や、藤原時平との関係についても定説には添わず、資料を基に慎重に書いてある。やや硬い文体ではあるが信頼性の高い本。
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ロビン
大宰府配流後の菅原道真が、唐物の目利き「菅三道」となって博多津の唐物商で活躍しながら、お目付け役の大宰少典・龍野保積や、大宰少弐・小野葛根を振り回して大宰府に起こる事件を解決する「大宰府の詩」の第二弾。のちの「三跡」のひとり小野道風となる少年で葛根のいとこにあたる阿紀も登場して、道真と意外な関係を結ぶなど、史実とフィクションをうまく縒り合わせていて面白い。往時の大宰府の地理や官庁の仕組み、博多津の雰囲気など、どれだけ調べたのだろうと思う。まるで見てきたかのように描写されていて、小説家は偉いものだと感嘆。
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ロビン
20世紀初頭のロシア未来派を代表する詩人マヤコフスキーの自伝だが、短い文章が断片的に続いていく感じで、全体像はつかめない。家族のことや、小さい頃から記憶力がよかったこと、『ドン・キホーテ』を好きになったこと、初めて書いた詩のこと、15歳の時に加入したロシア社会民主労働党(ボリシェヴィキ)のこと、3度にわたる逮捕と投獄、戦争のことなどに言及している。そして巻末の「社会の趣味を殴る」ではアカデミー、プーシキン、ドストエフスキー、トルストイを「現代という名の汽船から投げ捨てるがいい」と叫ぶ。パンチがきいている。
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ロビン
詩人の大岡信が「学問の神様」菅原道真の詩人としての面に光を当て「うつし」という概念のもとで描き出した評論。道真公が讃岐に赴任した際に作った漢詩「寒早十首」を中心に、華やかな京都の宮廷時代や大宰府配流の苦衷を歌った詩まで、詩人ならではの濃やかな読解力をもって、寄り添うように読み解いていく。大岡は他著でも日本の詩歌の形式は漢詩のように「述志」を盛り込むには適しておらず、ゆえに政治的・社会的な詩が生まれ辛かったと書いていたが、これは日本詩歌の致命的な弱点のように思う。日本で詩人が惰弱な存在である遠因ではないか。
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ロビン
上巻に引き続き、三類の強敵の出現、転重軽受の法門などの法華経の教えを説かれながら「流人なれども喜悦はかりなし」という、いかなる大難にも揺るがない絶対幸福境涯を実現された日蓮大聖人の模範の闘争に倣い、この娑婆世界での不惜身命の法華経弘教の実践をしていくことで、凡夫の身に確固とした強い生命を現わしていけることを教えられている。疑いや迷い、不信、諦念や惰性といった己心の無明を信心の利剣で断ち切り、自他ともにかけがえのない使命のあることを確信して、現実変革・宿命転換のための勇気ある一念を周囲に伝播させていきたい。
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ロビン
佐渡流罪中に執筆された「人本尊開顕の書」のご講義。主師親の三徳、五重の相対、三類の強敵、二乗成仏、悪人成仏、女人成仏、願兼於業ー法華経の重要な教義を説かれながら、日蓮大聖人が法華経の行者として受けられた大難は経文の通りであること、迫害を覚悟で弘教していく、民衆救済の深き誓願こそが重要であることが宣言される。五濁悪世の末法において法華経を説きあらゆる人に内在する仏性を信じ抜くことは「難信難解」であり、その実践は「六難九易」と言われるように難事中の難事である。凡夫であるからこそ果たせる使命を全うしたい。
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ロビン
ヘーゲルの『精神現象学』からマルクス『資本論』、司馬遷『史記』、プルーストの『失われた時を求めて』までなかなか読破できない古今東西の名著70冊の背景やあらすじなどをいわゆるダイジェスト的にまとめたブックガイド。著者は中央大学の文学部哲学科卒ということで、文学より哲学・社会科学系の作品の解説が充実しているという印象だった(作品によって内容の薄濃がある)。読者家でなければその作品と関連づけられないであろう本や逸話を紹介しているし、解説も主観を排した非常に理知的なものであったが、やや無味乾燥のきらいがあるかな。
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ロビン
『昆虫記』で有名な「虫の詩人」アンリ・ファーブルの生涯を「押しかけ弟子」の外科医ルグロが敬愛の念を込めて書いた伝記で、本当に素晴らしい本。科学的に厳密な研究を良しとする人たちからは、ファーブルの成した「文学と科学の融合」である『昆虫記』は批判されるのかもしれないが、観察した自然の奥に不思議な調和や法則を観る眼を持つ人間が書いたものというのは、詩の形態をとらずともまさに「詩」なのであり、著者のルグロは驚くほど正確にそのことを認識し評価している。心底から自然を愛し、小欲知足の賢者であったファーブルを尊敬する。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/08/29(2134日経過)
記録初日
2018/08/02(2161日経過)
読んだ本
974冊(1日平均0.45冊)
読んだページ
302480ページ(1日平均139ページ)
感想・レビュー
955件(投稿率98.0%)
本棚
1棚
性別
血液型
O型
現住所
富山県
自己紹介

ナイスしてくださる方、その他つながりを持とうとしてくださる方、ありがとうございます。読書メーターの先達の皆さんには遠く及ばない浅学の身なのですが、洋の東西を問わず古典文学を中心に読んでいるので、よろしくお願いいたします。現代文学には基本的に疎いです。

好きな詩人・歌人:アルフレッド・テニスン、パブロ・ネルーダ、ヴィクトール・ユゴー、ダンテ・アリギエーリ、杜甫、屈原、藤原定家(全作品読破はできていません&昔読んだものはだいぶ忘れています・・(-_-;))

好きな作家:ロマン・ロラン、チャールズ・ディケンズ、ヴィクトール・ユゴー、中島敦、夏目漱石、藤沢周平(上に同じ)


好きな画家:ワシリー・カンディンスキー、カミーユ・コロー、ジョルジュ・ルオー、伊藤若冲、岡本太郎

好きな音楽家:シューベルト、ベートーヴェン、バッハ、沖縄音楽の方全般、山下達郎、B`z(歌は好きなのですが、楽器はほぼ弾けません)


好きな映画:チャップリン「独裁者」、アキ・カウリスマキ作品、三谷幸喜作品


好きな戦国武将:黒田官兵衛、上杉謙信、大谷吉継


好きな孔子の弟子:子路


ファンタジーは、指輪物語、ナルニア国物語、ハリー・ポッターシリーズ(頑張って原書で読みました)と上橋菜穂子作品、十二国記シリーズ、SF(?)は銀河英雄伝説本伝&外伝、ミステリーはアガサ・クリスティのポワロもの、コナン・ドイルのホームズものくらいです。
漫画も手塚治虫「鉄腕アトム」から中村光「聖☆おにいさん」までいろいろ好きです。

仏教徒(創価学会員)です。宗教間読書対話大歓迎です(あまり難しい話はできませんが・・)。



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