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千霊一霊物語 (光文社古典新訳文庫 Aテ 6-1)

感想・レビュー
78

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かんちゃん
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千夜一夜物語というより、百物語であった。
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ころこ
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数多くあるデュマの未訳出のひとつ。現在のマンガやアニメのようにデュマの小説は共同制作だったそうだが、ノンフィクションの雑誌連載が近いのではなかろうか。政治家への転身や放埓でスキャンダルが多いところなどは猪瀬直樹を想起させる。枠物語で、タイトルから想起させる通り『千夜一夜物語』を範にとっている。『千夜一夜物語』なのはデュマに黒人の血が4分の1入っているアイデンティティと無関係ではないだろう。話がスムーズに流れるのはさすがだが、現在に繋がるテーマが薄く、こじんまりした印象を受ける。
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アシモ
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怪談って面白かったんだと思い出させる短編集でした。 最後の話が特に好き。デュマ他も読みたい
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pika
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「千夜一夜物語」は未読なので、構成をもオマージュしていることは解説で知ったくらいなので、構成の上手さに唸りながら読んだ。夜会のメンバーがそれぞれ小話をしてそれが連作短編になっているのが面白い。流れも自然で、繋がりもあり、反応も描かれる。デュマの情景描写は簡潔ながらも的確なので、流れるように読んでいつの間にか不気味で奇怪なドラマにはまり込んでしまう。聞き手の反応や、集まっている部屋の明かりが日没とともに暗くなる情景など、合間に挟まれる描写が恐怖を増大させていて上手い。最後の話が特に面白かった。
0255文字
桜絵
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ある日、デュマは石切工が妻を殺したと市長に告白するところに立ち会ってしまう。しかも彼は首を切り落としたはずの妻が目を開いて口をきいたといった。不審に思った市長とデュマと、市長の友人と医師は彼らの家へ行く。その後なりゆきで市長の家に招かれた彼らは、不思議な話を語り合う……。 千夜一夜物語の捩りかと軽い気持ちで読み始めたらシャレにならんくらい怖くてびっくりした。典型的な枠物語だが、それぞれ語る話が怖いながらに引き込まれて、でもやっぱり怖かった。そのため少し時間がかかる。なるほど隠れた名作だった。
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●●
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ネタバレ訳がいい。もち、三銃士・巖窟王を書いた小説製造会社・父デュマだから、ハズレ無し。革命・共和政・ナポレオン帝政・復古王政・七月王政・第二共和制・皇帝・ガリバルディと時代も激動、凄い。カリオストロ、サン=ジェルマン伯爵もほぼ同時代人。オペラ「アルミード」、青髭、エロイーズ、トト、カゾット、シュヴァリエ、生気論、動物電気、ヨーゼフ2世、山岳派、コルデー、赤い上着、シトワイヤン、コルドリエの会、とか、周辺に楽しめる趣向が盛り沢山。正直、文字より、マンガかアニメ、映画で観たい。
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Steppenwolf
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G文豪デュマの怪談集である.語り部でもあるデュマは,殺された女性の生首が喋るという,犯人である夫の語る奇妙な事件に立ち会うことになる.居合わせた人々がこの奇妙な事件がありえるかどうかを市長とともに自らの奇妙な経験談を語るという形式である.各章が短いので古い作品の割に大変読みやすかった.また,概ね私好みの怪談集である.邦題は,千夜一夜物語と同様フランス語をそのまま訳したと訳者もあとがきで述べている.
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迦陵頻之急
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切断された首に意識はあるか、というテーマで、集まった人々が百物語を繰り広げる。「ダランベールの夢」のような科学的仮説の物語かと思いきや、披露されるのは怪奇幻想やら幽霊やら、お馴染みの怪談話。最後のエピソードに至っては、「サラゴサ手稿」の1エピソードかと思うような(山賊も出てくるし)ど真ん中の吸血鬼譚である。大長編でお馴染みの大デュマ先生の、ちょっと小味な連作短編集。
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さぶろうの領土
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読んでいて何となく戯曲っぽいと感じる箇所がいくつかあって、調べてみたら大デュマって元々は劇作家だったんですね。知らなかった。(この作品は小説)。 導入の自然描写が映像的な文章に感じた。文章に対してこの表現が正しいのかわからないけど、カメラワークが面白いんですよ。 あと一章の最後のページのシーンなんかは、凄く絵になる場面だと思った。【ジョジョ四部】の雰囲気で荒木飛呂彦先生にこのシーンを書いてもらいたい。私の頭の中でこのシーンは完全に荒木先生の絵でイメージされていた。
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NAO
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女房を殺したと自供する男が語った不気味な出来事と、それをきっかけにして市長宅で語られた怪異譚。怪異譚は、一章で終わる話もあれば何章かからなる話もあり、どれもなかなか不気味な話。「シャルロット・コルデーの頬打ち」ではフランス革命時の処刑人の言動が語られているのだが、シャルロット本人の話以上にそのあとの処刑人の話が不気味だ。ソランジュとアルベールの話もフランス革命に関わる話だが、ちょっと眉唾な感じも。カトリックの国フランスらしい「ラルティファイユ」。最後は、吸血鬼一族の話。
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keizo
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「千霊一霊物語」は、1849年に刊行された、連作短編小説。 サロンに集まった人々が、それぞれが体験した、不思議な出来事を語るという「枠物語」です。 アレクサンドル・デュマは、歴史を基にして、フィクションを巧みに加えていく作風で知られており、ストーリーがとてもリアルです。 「千霊一霊物語」のベースにあるのは、フランス革命後の出来事。 当時を生きたデュマが描くので、風化していないリアルさが漂います。
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Takashi Takeuchi
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大デュマことアレキサンドル・デュマによる怪奇ロマン小説。若きデュマが訪れたパリ郊外の町で集まった五人の男女からそれぞれが経験した怪異譚を聞くという千夜一夜物語を模した構成。語られる話はただ恐ろしい物だけでなく、やるせなさ、哀しみをたたえた話まで、その背景にはフランス革命後、闇雲な貴族の処刑、王族の墓暴きと狂気に駆られ暴走した市民への警鐘や死刑制度の是非について問い掛けも含みながらページを手繰る手を止めさせない、これぞ文豪の逸品!流石!
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淳水堂
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https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4334754007  アレクサンドル・デュマによる怪奇ロマン中編。 == 27歳の作家アレクサンドル・デュマは、狩猟のためにフォントネを訪れていた。 狩りも一段落ついたところでデュマは血塗れの男を目撃する。 男は石切夫のジャックマンと名乗り、市長の家の玄関先で告白する。「俺は自分の女房を殺した。捕まえてくれ」 市長のルドリュは警察官たちと共に現場検証に向かうが、ジャックマンは現場に戻ることを激しく拒絶する。
淳水堂

どうにか現場であるジャックマンの自宅についた一行は、血塗れの地下室で首を切られた女房の遺体を見る。 ただでさえ凄惨な事件だが、殺人犯ジャックマンはさらに恐るべきことを告げる。「斬り落とした女房の首が俺に向かって喋りかけてきたんだ!」

05/28 22:22
淳水堂

翌日。 デュマは証人としてルドリュ市長の自宅に呼ばれる。その場に集まったのは、警視のクザン、現実主義の医師のロベール、自称不死者の文人エッテイラ、神秘主義者司祭のムール、博物館創始者のルノワール子爵、青白い顔をした美女グレゴリスカ夫人。 彼らの話題はジャックマンの証言のことに。切り落とされた首にはまだ意識があるのか?死んだ人間の意思がこの世に留まることがあるのか? 彼らは一人ひとり、自分が見聞きした不可思議な経験を語ってゆく。

05/28 22:23
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greeneggs
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おもしろかった!ギョーム ミュッソの小説の中に出てきたので読んでみた。こんな話を読んでフランス人は育つのか。フレンチミステリーの面白さの理由がわかった気がする
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syaori
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父デュマの紡ぐ幻想奇譚が面白くないわけがありません。物語の始りは作者が出かけたパリ郊外で奇妙な事件に遭遇したこと。殺した妻の首が口をきいたという夫の証言の真偽を巡り、市長のサロンで人々が自身が見聞きした奇怪な物語を語り始めます。革命でギロチンの露となった首が恋人の名を呼び涙を流したという物語からルーマニアが舞台の吸血鬼譚まで、時にロマンチック、時に不気味な幻想譚の数々は、最初に作者が言うように近代へと変化してゆく中で「霧散し失われゆく」雅への郷愁に彩られていて、デュマが庶幾した優雅の香気も窺える本でした。
帽子を編みます

syaoriさん、デュマ友♥嬉しいです。

03/10 12:39
syaori

私もです! 自分の感想を上げた後、「帽子を編みますさんも読んでおられるな、流石です」みたいな気持ちでナイスを押させていただきました(笑)。

03/10 15:47
4件のコメントを全て見る
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ソングライン
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1831年のパリ近郊の街フォントネ・オ・ローズ、そこで起こる妻殺し、妻の首を切り落とした夫がその生首が喋ったと語ります。偶然その場に通りかかった作者デュマを含め数名の証言者が市長ルドリュ氏宅に集まり、自分の体験した怪奇現象を語っていきます。若き日の医師ルドリュ氏がフランス革命で斬首された貴族の首を使い実験を行っていた時に経験する悲劇、その恐ろしさと悲しさに嘔気さえ覚え、革命時に起こったサンドニでの王墓冒瀆の結末に身の毛がよだちます。デュマは怪奇譚もすごいです。
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spica
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ネタバレ小学生のときに読んだ「三銃士」ぶりのデュマ。最初の殺人事件の謎を解くのかと思いきや、それと似た奇怪なできごとを、変わった人物たちが語っていく。執達吏の話、司祭の話は、悪が勝ったのと善が勝ったのと、対照的でおもしろかった。最後のドラキュラ話もよかった。不気味で東欧的。通して読んでみると、土地も話の展開もヴァラエティ豊かなのに、きれいにつながってまとまっていて、さすがデュマだと思った。
0255文字
棕櫚木庵
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読み始めたのは随分前だが,枠物語の部分でモタモタしていた.ところが,ルドリユ氏宅における会食の夕べで,登場人物たちが物語を始めると(第5章以下)俄然面白くなった.首を切られた後も意識はある(あるいは“死後”の命がある)ことを証明するために語られる7つの物語.デュマは(多分)読んだことないけど,“さすが流行作家”と言いたくなる面白さだった.デュマといえば,『王妃マルゴ』が塩漬けになっている.モンテーニュの時代だ.さて・・・.→
棕櫚木庵

→▼ソランジュとアルベールの恋(第5--6章)が哀切きわまりない.▼ラルティファイユの改心の話(第10章)も良かったが,最後の,絞首台での怪異は余分な気がした.怪談としてはそこが要なのだろうけど.▼カルパテチア山脈が舞台の物語(第12--15章)は,いかにも吸血鬼物語という感じ.これだけ独立させて吸血鬼アンソロジーなどに収めても通用するだろう.▼これ以外に,レ・ファニュ「緑茶」を思わせる話(第8章)や,アンリ四世への敬意が感じられる王墓の幻影(第9章)など.

12/02 23:53
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hirayama46
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はじめてのデュマ。殺した妻の生首に話しかけられた男のエピソードを契機に、様々な人々の語る怪異を紹介するという形式の小説。現代日本で言えば実話怪談に近い感じ。最後の話が語られ終えてすぐに物語が畳まれてしまうので、長編小説としての味わいは薄いですが、個々のエピソードは19世紀フランスの時代性を強く感じられて面白かったです。基本は怪奇小説なのにバトル要素があるのがデュマらしいところなのかも。
0255文字
α0350α
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斬られた首が喋った系のヤツが良いですね。革命の頃の話もあって良かったです。読み終わった後の解説もなかなかボリュームがあって楽しめました。
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李孟鑑
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これは大当たり! 「死体が喋った」と主張する男の話を皮切りにして、男女が1話ずつ恐怖体験談を語っていきます。 ゴシックホラー系、グロ系、宗教逸話風(?)など、タイプの異なる怪談が6話、語られますが、どれもなかなかハイセンスです。デュマが、こんなホラー的センスを持っていたとは、驚きでした。ベストは、トリを飾るグレゴリスカ夫人の話。トリだけあってボリュームもあり、さらにドラマチックでロマンチックなクライマックスは、久々に胸を突かれました。(コメ欄へ続く→)
李孟鑑

(続き)次点は「ソランジュ」「アルベール」。グロ・残酷系の話だけれど、結末は痛ましいロマンチックさがあります。ホラーとしてだけでなく、歴史小説としても一級。思いがけず良質のホラーに当って、大満足です。しかし、あらためて、良いホラーはどこに転がっているかわからないものですね。

07/20 00:53
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冬樹
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タイトルに惹かれて。もしかしたら初めてのデュマかもしれない。/喋る生首に始まり、死者の思念、身体の再起動、亡骸に宿るものと徐々に扱うものが"向こう側"に接近していく。と、同時に、舞台も革命の名残のあるパリから山間の城に移動していく。この構造自体がどこか入れ子のようだなと思う。
0255文字
このこねこ@年間500冊の乱読家
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⭐⭐⭐ 『千夜一夜物語』をパロったアレクサンドル・デュマの小説。動き出す生首の話や、蘇った死体など、怖い話が語られる。 こう、デュマらしい、大衆向けでエンタメ感が強い作品でした。 ギロチンで処刑されたシャーロット・コルデーの首が動いた話、有名なのね。
0255文字
帽子を編みます
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ネタバレデュマの本でなければ手を出さない内容です。デュマ本人が語り手として作中に登場します。狩りに参加したデュマ、とある殺人事件に巻き込まれます。犯人は殺人を認めるのですが、「生首がしゃべった」とおびえるのです。それをきっかけに晩餐の参加者たちが生首がしゃべる話、幽霊の話、吸血鬼の話などを語り合います。デュマ47歳のときの作品、筆がのっている時期だったなら冒頭の殺人事件だけで面白い長編に仕上げただろうなと思いました。第8章「アルベール」第9章「サン・ドニの王墓」フランス革命時の様子がうかがえます。
カラスノエンドウ

デュマ沼にはまってしまいそうですね(^_^;) 私は『モンテ・クリスト伯』しか知らないけれど、棺に入れたいくらい好きな本なのです。 少しずつデュマを読んでいきますね。ありがとうございました♡

05/29 22:01
帽子を編みます

カラスノエンドウさん、デュマ友❤️じわじわ広がるデュマ仲間、読書メーターを始めて良かったです。

05/30 08:56
8件のコメントを全て見る
0255文字
のっち♬
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市長の食卓に招かれた人々が語り合う亡霊にまつわる奇怪な見聞。著者が幼少時愛読した『千夜一夜物語』に則した構造を持ち、悪魔や吸血鬼や死後の生などが扱われる幻想譚。処刑後の生命持続に対する執拗な論考には当時の彼の関心が現れている。長年に渡る放浪で触れた数々の伝承もふんだんに散りばめられており、史実を絡ませながら恋愛や陰謀や決闘を随所に盛り込む様は著者の面目躍如だろう。そこには貴族的な風雅さに対する彼の憧憬や政治的見解も窺える。「息絶えた社会」や「いなくなった人間たち」への追憶の念が漂う、雅びにして幻妖な一冊。
帽子を編みます

のっちさん、今借りてきています。一緒の時期に読めるのが嬉しいです。

05/20 18:04
のっち♬

帽子さん、ひょっとしたら初共読になるかもしれませんね📖楽しんでください🥰

05/20 18:29
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優希
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奇妙な話の寄せ集めという印象です。妻を殺した男が、生首が話をしたという話を持ち込んだのを機に、屋敷に集う人々が不思議な話をし始めます。それはまるで百物語のようでした。
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彩菜
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私は実際目にしたのです、生首が私に語り変かけるのを…。生首が喋るという猟奇事件に遭遇した若き日のデュマは、居合わせた人々がそれぞれに語る「活動する死体」の物語を聴く事になる。互いに響きあう物語は美しい迷宮のよう。死の気配と生の謎に充ち、更に進むと善と悪の葛藤が見える。深奥には呪いや信念、愛といった危険で激しい情動があり、それには怖しさを覚える暇も無い程にうっとり心奪われてしまう。どうして貴方はこうした情動が、生死を越えて人を動かしていると思わずにいられるのだろう。…私は目にしたのです、生首が語りかけるのを
彩菜

死ぬだけ楽しかったです(←ネタが死体なだけに)。デュマの書くクラシックな枠物語。死を避ける為に語るシェヘラザード、ペストから逃れて館に籠るデカメロンの男女、俗世間から離れ聖なる場所を目指すカンタベリーの巡礼達…古典的な枠物語は生と死や聖と俗といったものの狭間、何かしら非日常的な空間に枠を取る事が多いのですが、デュマもまた「生ける死体」という生と死の狭間に枠を取ります。物語とは現実でも虚構でもなく、現実でも虚構でもあるもの、こうした場所が物語を語るのに調度良いのでしょう。

04/29 09:39
彩菜

枠が決まれば後は作者の腕次第。稀代のストーリーテラー・デュマは確かな腕をお持ちなので、名人の細工物のような美しい枠物語に仕上がりました笑。素晴らしかったです

04/29 09:39
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猫はアンモナイト
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奇怪な話を連ねた連作短編。本書が本邦初訳ということらしい。『モンテクリスト伯』大好きなので手にしてみた。妻を殺した男が、彼女を斬首した際に生首がしゃべったという話を持ち込んできたのを皮切りに、屋敷に集い合わせた人々が、自分の不思議な体験を語り合うという百物語のような形式。それなりの味があるんだけれども、やはり大デュマ山脈の中では小山かなぁ。
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Fumitaka
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「何かを築き上げることのできない者たちは、何かを打ち壊すことで自尊心を満たすものだから(L’orgueil de ceux qui ne peuvent édifier est de détruire)」(第9章)。大デュマは共和主義者なのだろうが、描写を見る限り見境のない暴力や過去への毀損には抑制的なようだ。小道具がうまく時代を偲ばせる効果を作っているが、グレゴリスカ夫人の話は細かい箇所がオリエンタリズムっぽい。あと「ポーランド人にとってはフランス語は母語みたいなもの」は、今はどう思われるんだろう。
Fumitaka

最初の市長とソランジュの話と、あと王道っぽいですが神父の話が好きですかね。お祈りを忘れちゃったと聞いて「なんと情けない!」「覚えたこともないかも……」とすっとぼけた会話をするのがよい。あと猫や骸骨が化けて出てくる話は主人公も最終的に諦めちゃう感じのラストが好き。人生こんなもんだみたいな諦めがある。大デュマはひょっとすると初めて読んだかもしれないが、小道具の使い方と語りは現時点では同時代人のバルザックより自分に合っている気がして、そこは気に入った。

04/07 15:38
0255文字
aoi
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1849.フランス
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ラウリスタ~
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実は父デュマをちゃんと読むのは初めて。ある怪奇事件がパリ南郊で起こり、その事情聴取に居合わせた人たちが「切られた後の首がなお生きているのか」というテーマについて、自らが経験した怪奇を披露しあいながら議論する。枠物語で、短編集としても読める。序盤(第1層)が個人的には一番面白い、ポー味すら感じる。共和主義者デュマは、一方で革命時の民衆の狂気に極めて批判的で、貴族の高貴さと民衆の粗暴さが常に対比。後半は(切られた首が話す)という主題から少しずつ離れてしまうので、やや冗長感ある(特にカルパチアの吸血鬼は)。
0255文字
DEE
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妻を殺したから牢に放り込んでくれと、怯えながら市長に縋り付いてきた男。警視と医師を伴い現場に向かった市長とデュマは首のない死体を目にする。 その夜、市長宅での検分では首を切り落とされても生きているのかとの議論が始まり、みなそれぞれに恐ろしくも奇妙な話を語っていく。百物語のような展開だけど、中世ヨーロッパの重く、そしてどこか不気味な雰囲気が相まったゾワゾワ感がいい。そして最後のの悲恋の話での完結も上手い終わり方だと思う。
0255文字
刳森伸一
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翻訳者さんの解説に膨大な作品数のあるデュマの隠れた名作とあるが、まさにその通りだと思った。首を切断して妻を殺したと自首してきた男が自首の理由として妻の首がしゃべったことを挙げ、そこから断首後にも人は意識があるのかという議論に発展し、さらには集まった人たちが経験した怪奇譚の披露へと雪崩れ込む。各怪奇譚がそれぞれ面白く、稀代のストーリーテーラーの手腕が冴える。
0255文字
ととろ
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「殺害して胴体から切断した妻の首が喋った」と主張する石切夫に立ち会った大デュマ(著者と同名の語り手)達が、めいめいに自らの見聞きした「活動する死骸」のエピソードを開陳する。導入部以降の各々が語るエピソードは短編になっており、『千夜一夜物語』に倣って枠物語の形式を取る。エピソードはフランス革命期のものが多いが、(語り手でなく)著者としての大デュマ自身は革命期終盤の生まれで、祖父が貴族であったために革命政府に対しては批判的な立場であるように見受けられた。
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イトノコ
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ネタバレ殺人事件に遭遇した作家の大デュマ。犯人の男の「生首が口をきいた」との証言を検証するため、関係者らは自らの見聞きした怪奇を語り合う。/関係者らが順々に怪談を話す構成は、日本人には千夜一夜物語よりも百物語と言うのが馴染み深いか。語り手たちの多くは怪奇に肯定的な立場であるのだが、それは科学万能主義≒フランス革命のもたらした無味乾燥さへのデュマの遠回しな批判という事だろうか。革命期の王墓の破壊などは(ともすると怪奇譚よりも)ゾッとする。文化や歴史は一度断絶するとそうそう戻らないものだと言うのに。
イトノコ

フランス革命期のエピソードはかなり歴史的背景も書き込まれており、歴史小説とも読める。佐藤賢一さんの「小説フランス革命」や「褐色の文豪」を読んでいると理解が深まるかも。しかし「象牙色の賢者」の文庫化はまだか…。

05/27 00:21
0255文字
Y
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ネタバレ作中で語られる不可思議な物語の数々。なかにはかのフランス革命付近に起こった出来事もあり、心霊的な現象が当時の状況との相乗効果でより不気味さが際立っていたように思います。にわかには信じられないような話ばかりですが、話し手達が強い確信を持って話しているだけに、まるで本当の事かのように感じられてくるのが凄いです・・・。
0255文字
まけどにあなっつ
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おちがあるようなないような。とりとめのなさ。
0255文字
またたび
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待って待って待って止めて止めて止めてほらぁ~もぉーなんでそーいうことするかなちょっとぉ~! デュマは三銃士シリーズ全巻読んで大ファンのつもりなのに他の著作は未読だったので読めて嬉しい。 1789後のゴタゴタもナポレオン後のゴタゴタも経験してるなんて凄いな~。
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千霊一霊物語 (光文社古典新訳文庫 Aテ 6-1)評価95感想・レビュー78