『岸辺のふたり』、『レッドタートル ある島の物語』に続いてマイケル•デュドク•ドゥ•ヴィットの作品と出会いました。ウィリアム•バトラー•イエーツの詩(The Song of Wandering Aengus、1899年)に着想を得て、谷川俊太郎による新たな詩に導かれ、愛を求めて彷徨う一人の男と、謎に満ちた幻の女との邂逅を描いた物語です。男が手に入れたものとはいったい何だったのだろうか。2019年10月31日第1刷発行。
主人公の男性をとおして『愛』とは何かを読み手に問いかけてくるこの作品は、アイルランドの詩人、イエーツの詩『The Song of Wandering Aengus』をヒントに、『レッドタートル ある島の物語』を制作したマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督が構成と絵を描き、谷川俊太郎さんが詩を書いた、大人のための絵本です。憧憬であった愛はやがて、時を経てひとりの誰かへと帰着します。『あのひと』が『このひと』になる時、きっと何ものにも代えがたい幸福感に満たされるのでしょう。★3.5