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U (文春文庫)

感想・レビュー
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林芳
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皆川さんの凄さは言わずもがななので、この作品では置いておいて、2人の登場人物ヤーノシュとシュテファンについて考えてみる。永遠と言える命を与えられた者は何故か物哀しい。人は生きたいと常に思うものであろうに、生き続けることは目的も愛もなくなることだと突きつけてくる。そして結局死が永遠を与えてくれるのだと気付き、安らぎのような安堵のような最期を迎える。「ポーの一族」のような漫画にしても絶対良さそう。最後のおまけの往復書簡に皆川さんが「ロンドン」を紹介していたのが驚き嬉しい。自分の好きな作品と重なっていることに。
0255文字
nightowl
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トランシルヴァニア公国に生まれるもオスマン帝国へ徴兵された少年たちの彷徨。序盤、「我が祖国は風の彼方(中島みゆき)」を感じさせる描写がある。しかしそこでは終わらない。戦を火種にして新たな犠牲を生み出す愚かさをも綴る。往復書簡では「ロンドン」の書名が出て密かに喜ぶ。塩のくだりは中々の無茶をしているので、同様の場面を物語のクライマックスにした「薔薇密室」から先に読んでもよいのでは。
0255文字
ささぶね
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ネタバレ幻想小説ですが、人間の醜さがリアルに描かれていたのが良かったです。読解力が足りないのか、エピローグが少し理解できなかったけど、これは、ヤーノシュのみ生き残ったということなのかな?
0255文字
小夜風
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【所属】17世紀のオスマン帝国と第一次大戦のドイツのUボートがどう繋がるのか、読み始めは今回も難しそうな話だな…と怯む気持ちもあったけど、あっという間に惹き込まれて夢中で貪るように読んだ。もう本当に面白い!幻想小説なのに不自然なところが全くなくて、戦争の描写はとてもリアルで読みながら窒息するかと思うくらいハラハラした。何よりも登場人物たちが魅力的で、彼らの話をずっと読んでいたくなる。どれだけ時間が過ぎても時代が変わっても、世界はそんなに変わっていないような気がしたし、未来もずっとこんな風なのかなと思った。
0255文字
たぬ
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☆3.5 半分を越えたあたりからようやく波に乗ってきた。17世紀初頭のオスマン帝国ともう一方の舞台である第一次大戦中のドイツとのつながりが把握しきれてなくて。Uボートパートよりもオスマン帝国パートのほうが読んでいて楽しかったな。オスマン帝国ってば「即位したら自分の兄弟は殺す」や「オスマン2世、若くして奴隷に縊り殺される」がフィクションではないのが怖すぎ。けど怖いからこそもっと知りたくなってしまう。
0255文字
みにみに
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ネタバレ皆川さんの物語、本当に大好きです。ずっとその世界に浸っていたくなる。オスマン帝国とドイツuボート、あまり知らない世界だったから調べながらゆっくり読みました。ポーの一族な感じも良いです。ドイツだしね
0255文字
みほクマ
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すごかったの一言です。読んでて息ができなくなるような苦しさを感じ、でもページを捲る手は止まらない。壮大な、でもあくまでも個人的。そんな物語。「物語を読んだ」という気持ちでいっぱいです。
0255文字
こ
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ネタバレ壮大。ほぼ全編歴史もの。これだけ長編で、最初から最後まで面白い本に出会えたのが久しぶりで嬉しい。ヤノーシュはシュテファンには彼女への想いがあったのではと、施術された身体への苦しさと共に書いていたけれど、私は罪滅ぼしの意識としか思えなかった。強制される側だったのに、強制する側に立ったことへの意識というか。
0255文字
akio
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オスマントルコとUボートが行き交う、なんとも奇妙な物語。個人的にはオスマンパートが面白く、どうやってふたりが時代を超えるのかとワクワク読みました。物語として互いに綴りあい、一組の夫婦の血脈を軸に時を見据えるふたり。袂を分かちつつも半身のようなその存在。物語は戦時中の悲劇によりひとつの集結を迎えますが、その先に繫がるであろう片翼の物語の予感が救いなのか絶望なのか、悩ましい結末でした。
akio

世界観は違いますがポーの一族を読みたくなります。

04/25 21:57
0255文字
Ayah Book
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皆川博子さまの歴史幻想小説。第一次大戦のUボートと、17世紀のオスマントルコがどうつながるのか。ダイナミックな展開を見せますが、皆川博子さまの小説にしては、刺激が薄いかなという気はします。主要人物三人の関係性などはいつものように良いものですが。ファンには嬉しいプレゼント、巻末の綾辻行人さん、須賀しのぶさん、恩田陸さんとの往復書簡が面白かったです。
0255文字
Malos
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17世紀。オスマン帝国に徴兵されたキリスト教徒の少年。ムスリムへの改宗を強制され、死地へ赴く。20世紀。ドイツ帝国Uボート、自沈作戦が決行され、その回収の為に死地へ赴く。時を超越した物語が、いま、一つになる。
0255文字
もっち
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これだけの時と所の隔たりが「U」の一字で結びつく…何という物語の妙
0255文字
サテンの服屋
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知的探求の為の本を連続で読んだ後なので、久し振りに純粋な「物語」は新鮮で貪る様に読んでしまった。オスマン帝国と第一次世界大戦のドイツを繋いだ作者の手法と、タイトルのUとUボートの意味的繋がり方に驚いた。相変わらず、凄い。カバーも、トルコ風モザイクタイルなのも良い
サテンの服屋

授業を通して知っていただけのオスマン帝国の知識に、初めて植民地の人々の反感や屈辱という色が付いた。Uボートの過酷さに、初めて音と揺れが付いた。 更に、巻末に私の大好きな須賀しのぶと恩田陸と著者の往復書簡が掲載されていて、有能な日本の女性作家3人が本書で揃い踏みなのも、凄く嬉しい。

11/28 21:32
サテンの服屋

因みに、大学の哲学の授業で「ヨーロッパは、トルコや異教徒が東からやって来る体験がトラウマ化し、創作でも悪の根城は地図の東側にある」を思い出した。『指輪物語』等の創作物だけでなく、ナポレオンやヒトラーがロシアや共産主義の台頭をあれ程恐れ征服に執着した事実も、同根かもしれないと思った

11/28 21:32
3件のコメントを全て見る
0255文字
YH
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もうかなりの高齢なのに、益々冴え渡る物語。皆川さんも実はヤノーシユ達と同じ、塩の道を体験されて、時の流れがゆったりされたのかと思うほど。濃密な物語で、ヤノーシユのシュテファンへのやや屈折した思いとシュテファンのミハルへの純粋な愛情の対比も良かった。何故、あの瞬間、シュテファンはミハルを見守るよりもヤノーシユと沈む事を選んだのか。再読時はシュテファンに寄り添ってみたい。
0255文字
miya
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ネタバレ17世紀初頭、そして20世紀。時空を越えた二つの物語が交差する。時代を越え、そこに在り続ける2人の時間は、長い時間を生きているようで、生きていない。重量級の超物語。タイトルの意味がわかった時も、話の切り替わりで見出しになってるBootとuntergrundの意味がわかった時も、交わることのない17世紀初頭と20世紀が交わった時も、言いようのない高揚感があった。そして、2人の(3人の)一生というものに対して感情が溢れ出て堪らなかった。 エピローグも往復書簡も必読!
0255文字
ななこ
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やはり皆川ワールドは圧巻でした!オスマン帝国の奴隷兵士となった3人の少年たちの物語。歴史物語として読んでいたら、中盤以降はなんと幻想小説に…!時を越えて魂で繋がり合うヤーノシュとシュテファンの関係は、歪ながらも限りなく愛情に近く、きっと家族ですら築けないだろうな。
0255文字
橘
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ネタバレ第一次大戦中、イギリスに軍に拿捕されたUボートを他のUボートが救出に向かったが失敗した…このエピソードとオスマン帝国を繋げる世界観に圧倒されました。同じ境遇になったヤーノシュとシュテファンだけれど、ふたりの生き方は決定的に分かたれたまま何百年も、というのも哀しかったです。ひとりは図書館に閉じこもり、もうひとりは外界に出て他人の戸籍を買いながら愛する人の子孫を護り続ける。描写が簡潔な分、かえって悲惨さが立ち昇ってくるようでした。過不足ない…とつくづく毎回思います。皆川博子さんの頭の中どうなっているんだろう。
橘

往復書簡、お三方とも好きな作家さんだったので楽しく読みました。皆さん、皆川さんファンだけど作家さんの視点もちゃんと持たれてて。『アンダーグラウンド』も、フリオ・リャマサーレス「黄色い雨」も面白かった…「u」より前にどちらも接していたのでなんとなく嬉しい。皆川さんは本も読まれるし映画も観られるしでパワフルだなぁ…90歳超えでミステリもバリバリお書きになる。無理しないでいただきたいけど作品は読みたいので健康でいてほしいです。。

07/18 11:59
0255文字
浦島の亀@南メキシコ
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17世紀初頭のオスマン帝国と、第一次世界大戦のドイツがどうつながるかは割と初めのほうでわかるが、その二つの時点を行き来しながら話が進む。300年の時を経て、戦争の形態も変化している。主人公二人が時を超える60年のあいだに、皆川さんの『聖餐城』で読んだ30年戦争が起こって終わってた。まったく、人間の歴史とは戦争に埋め尽くされていることよ……。巻末に、綾辻行人(未知)、須賀しのぶ、恩田陸との往復書簡あり、それも面白かったです。
浦島の亀@南メキシコ

不祥事とも言える事故の報告を受けた軍の偉いさんが即断で「姑息な隠蔽は憶測を呼び、デマの拡散を助長する。正式に発表せよ」と命令するとこ、非常にドイツらしいなと。こういう細部で、皆川さんのドイツへの理解に驚くこと再三。

05/19 02:14
0255文字
ゆう
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ネタバレオスマン帝国にデウシルメ(強制徴募)されたヤーノシュとシュテファンの境遇、生き方の対比。這って進んだ太古の海、岩塩鉱とUボートで潜る第一次大戦下の海。塩は生命の源だ。二人の過去を一つにせんと、交互にそれぞれの人生を書き綴っていく。物語の要素からして、これが傑作にならずして何になるのだと、思う。ヤーノシュは精神の強いシュテファンに自信を失っているのだが、彼の一人語りは読んでいて心地いい。含蓄のあることばも多い。やさしく放る終わりかたも良かった。二人は時の無い場所へ行けたのだろうか。
0255文字
さや
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デウシルメで人生を転換させられたヤーノシュとシュテファンとミハイ。2人は長いときを生かされて、1人は同じ名前、遺伝子が綿々と受け継がれていく。神はいないけれど、人智を超越した何かはある。天啓とも言えるような一瞬の自由。信仰も尊厳も奪われて、長いときを与えられたから辿り着いた、歓喜なようで哀しい境地でもあるのかなと。17世紀オスマン帝国とWW Iのドイツ帝国がどうやって繋がるのかと思いながら読み進めて、その場面の描写の暗闇の極限状態の緊迫感ときっと光が美しかったんだろうなと思わせられる描写に圧倒された。
0255文字
ココンブレ
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★★★★☆
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topo
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凄かった。17世紀初頭のオスマン帝国、第一次大戦時のドイツで数奇な運命と時代の荒波に翻弄される少年たちの行く末から目が離せない。時空を越えた幻想小説と戦争小説の融合にただただ息をのみ、物語が放つ不思議な力に圧倒される。 【untergrund】 【u-boot】 二つのU(ウー)の胎内で少年たちは何を想い何を目指していたのか。 暗闇と閉塞の中で自問自答する心理描写が心にささる。 読み手によって解釈が異なるだろうエピローグ、私はそっちの方向に受け止めた。その方が少しでも救いがある気がして。
0255文字
類
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ネタバレ動いていく歴史を、ふたつの視点から静かに見つめるような物語でした。そこに歴代のミハイという移りゆく視点があるからこそ、二人の長い生を実感する。歴史を学んだのが遥か遠い記憶で、名称に心当たりがあるかな程度、という物語を理解できるかと不安になりながらの読書でしたが、全く気にならないくらい面白く読めました。知識が深いとより楽しめそう。エピローグの余韻がたまらなく好きです。本編そのものが素晴らしい物語でしたが、顔の見えないエピローグは砂浜に素足を下ろした時のように、やわらかく着地させてくれる気がしています。
0255文字
ユカ
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オスマン帝国を舞台にした小説は初めて。ほぼ素通りしてしまった世界史の教科書を開いて、徐々に湧いてくる興味や、新しく得る知識への歓びとともに、充実の読書体験でした。ドイツのUボートは民間船も無差別に攻撃した悪者だと思っていたけれど、イギリスのQシップの存在もあったのか。皆川さんのお話に、私は妙に引き込まれます。
0255文字
のり
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17世紀のオスマン帝国隆盛期と20世紀の第一次大戦のドイツに共通するのは、戦争が絶えない事と、数奇な運命を背負った若者達。死線をくぐり抜ける地獄と時空さえ超え生き続ける地獄。歴史をたどりながら生み出された皆川ワールド。巻末にある皆川さんと綾辻行人さん・須賀しのぶさん・恩田陸さんとの往復書簡も見所だった。
0255文字
木賊
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17世紀初頭オスマン帝国の時代、強制徴募でキリスト教からイスラム教に改宗させられイェニチェリとなった少年達の運命が、長い時を経て、第一次世界大戦下のドイツにまで繋がっていく。オスマン帝国を舞台にした小説は初めてで、国家の有り様や制度、その盛衰が非常に興味深く楽しめた。権力に翻弄され続けたとは言え、能動的に足掻いた動の時代と、それ以降膨大な時間の中で戦争を傍観し続ける静の時代の対比も凄い。再び運命が収束するまで、ハンスが何をどのように感じ生きてきたのか、彼が書かなかった部分を想像するしかないのがもどかしい。
0255文字
chocoうさぎ
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16世紀に絶大な勢力を誇ったオスマン帝国に強制懲募されて知り合った東欧の3少年の来し方行く末と20世紀ドイツのUボートの作戦が時空を超えてリンクする。作者は年配の女性なのにUボートやオスマン帝国の戦いなどまるで見てきたかの様な書きっぷりはさすが。長い時代を経ても戦争が繰り返えされる不条理と悲劇、人間の業。オスマン帝国を舞台とした小説は珍しく、強制徴募されると名前、宗教、言語を変えられ皇帝を守る兵隊にされるとは驚いた。奴隷の軍隊に守られた帝国とは。地下と潜水艦の2つのUの話が互いを引き立て、興味を引く。
0255文字
白瀬 藤乃
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重厚感のある物語に、夢中で頁を捲りながら思わず息を止めて息苦しくなる、そんな馬鹿げたことをしまいました。 この物語は、祖父が息を引き取った時の枕元にあった雑誌に掲載されていた〜とTwitterで呟きましたが、その時に拝読しなくて良かった。神はいる、神はいない、命と時間、その頃の私にはきっと消化しきれなかったことでしょう。「塩鉱で祈りを捧げると、神はよく聞き届ける。そう、ゲルマン人は信じていた。」
0255文字
ななこ
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やっぱ好きだなー
0255文字
アルニカ
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強制徴募で出会う3人、すぐに別の道を歩みながらも交差していく長い人生の物語。ながら読みなんてできないくらい濃厚な世界にのめり込み しばらく余韻に浸ってしまった。皆川作品はまだ2作目。今まであまり読んでこなかったことを後悔してしまうほど、すごいものを書く作家さんだということがよくわかる一冊だった。もっといろんな作品を読んでみたい。
0255文字
桐ヶ谷忍
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17世紀、オスマン帝国の奴隷となった3人の少年の激動の人生と、1900年代のプロイセンの図書館司書ヤーノシュが半身と呼ぶ、敵軍に捕まり脱走したハンスをUボートでたすけにいく話が交互に描かれる大河ロマン。エピローグでどっちつかずの余韻を残しているのが良かった。
0255文字
S
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前から読みたいと思っていた皆川博子を初読み。背景や設定は素晴らしい。
0255文字
びっぐすとん
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【蔵書登録】図書館ハードカバー本で読了しているが保存用。いずれゆっくり読み返すことにし、巻末の綾辻行人、須賀しのぶ、恩田陸の三氏との往復書簡だけ読む。
0255文字
Jimmy
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ネタバレ相変わらずの皆川ワールドで、よくまあこんな設定を思いつくもんだと、巻末の恩田陸の手紙じゃあありませんが。生まれ変わりかと思いきや、歳をとらない生命力、ってのがまたビックリ。ラストもなかなか美しい幕切れでした。
0255文字
justdon'taskmewhatitwas
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ネタバレ一方は書き綴るのを辞め、もう一方は書かなかったモノに真実が在ると言う。そんな二人を、この本は書いている。執筆歴50年近い著者が、書かないことで語られることを書いている不思議。
0255文字
秋良
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単行本で初読、文庫で再読。中央アジアから中欧までを勢力下においていたオスマン帝国と、WW1のUボート内を違和感なく結びつける力業。作中に流れる膨大な時間に圧倒される。参考資料の何冊かは私も読んだことあるけど、こんな話思いつかなかったよ!(当たり前)文庫版は綾辻行人、須賀しのぶ、恩田陸との往復書簡のおまけつき。確かに須賀しのぶは幻想味を薄めた、皆川博子の後継者という感じがする。
tosca

須賀しのぶ…幻想味を薄めた後継者って上手い表現ですね。とは言うものの「革命前夜」しか読んでないんですけど(笑)

02/07 16:14
秋良

ふふーありがとうございます!ぜひ「神の棘」も読んでみてください。ちょうどUと革命前夜の間の時代で、こちらも読みごたえあります。

02/07 20:00
0255文字
shimachip
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ネタバレ17世紀と20世紀初頭を舞台とした「地下」と「Uボート」を巡る幻想物語。不死、同性愛、去勢、戦争、殺戮といった暗黒のモチーフと生死のあいまいな薄明の世界のイメージに親しめれば一気に読めます。この著者の西欧観は死と性と骸を軸とした独特のもの。科学技術にさほど信頼をおけない今こそ読むと揺さぶられる。文学の錬金術師による大人向けの童話。岩塩鉱は「死の泉」でも出てきたっけ。叙述トリックに構えてドキドキするのもまた楽し。
shimachip

百閒先生のネコは甕から上がったら四十年経ってましたね。

02/26 12:24
shimachip

遅れてきたファンとしていろいろと皆川さんの本を拾い読みするうちに、多作なわりには知る人ぞ知る的存在なのは「『少女漫画』っぽさ」によるのではないかと思い当たりました。逆に言うと、少女漫画が好きなあらゆる性別世代の人には絶対ウけると思います。

04/12 17:17
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0255文字
ゆう
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読了ツイートで気になって読み始めました。重厚な、生きている歴史の中に漂うヤーノルシュの視点と、現在を生きる人の視点で交互に異なる時代が語られており、のめり込むように読んでいた。陳腐な言葉でしか表せないのが残念です。オスマン帝国による強制徴募〈デウシルメ〉で引き合わされた三人の、オスマンを憎みながらもお互いをかけがえのない友として歩んでいった様が生き生きと描かれていた。現在で再開した二人の最後の余韻がまだ響いている。「塩鉱で祈りを捧げると、神はよく聞き届ける。そう、ゲルマン人は信じていた。」(冒頭より)
0255文字
NAO
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第一次世界大戦時が舞台のU-bOOtの章と、17世紀が舞台のUntergrUndの章からなる物語。二つのUのつながりと、UntergrUndとは何のことなのかが分かったとき、数奇な運命にとらえられた者たちの秘密が明らかになる。彼らが生を受けてから、ヨーロッパの東部では戦が絶えなかった。ヤノーシュが図書館に籠ったのは、もう戦を見たくなかったからなのか。では、シュテファンは?彼らは、死ぬことができたが、ドイツの戦は、まだ終わったわけではなかった。最悪の戦を見ずに済んだ二人は、幸せだったのだろうか。
0255文字
白玉堂餡子
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ネタバレ17世紀オスマン帝国は、近国のキリスト教徒を強制徴募し、ムスリムに改宗させ奴隷としていた。ヤーノシュは、アフメト王の側近に。シュテファンとミハイは、強い絆で結ばれイェニチェリ(兵士)に。ヤーノシュが見た帝国内部の権力争い。ホティン戦の敗戦濃厚な中、岩塩鉱に落ちたヤーノシュとシュテファンが地上に戻ると60年経っていた。WW1で英国に捕まったUボートを沈没させ逃亡する兵士ハンス(シュテファン)を救出する為出発する図書館司書ヨハン(ヤーノシュ)と新人水兵ミヒャエル(ミハイ)。スゴイもの読んじゃった!
0255文字
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