形式:文庫
出版社:文藝春秋
形式:単行本
形式:Kindle版
世界観は違いますがポーの一族を読みたくなります。
授業を通して知っていただけのオスマン帝国の知識に、初めて植民地の人々の反感や屈辱という色が付いた。Uボートの過酷さに、初めて音と揺れが付いた。 更に、巻末に私の大好きな須賀しのぶと恩田陸と著者の往復書簡が掲載されていて、有能な日本の女性作家3人が本書で揃い踏みなのも、凄く嬉しい。
因みに、大学の哲学の授業で「ヨーロッパは、トルコや異教徒が東からやって来る体験がトラウマ化し、創作でも悪の根城は地図の東側にある」を思い出した。『指輪物語』等の創作物だけでなく、ナポレオンやヒトラーがロシアや共産主義の台頭をあれ程恐れ征服に執着した事実も、同根かもしれないと思った
往復書簡、お三方とも好きな作家さんだったので楽しく読みました。皆さん、皆川さんファンだけど作家さんの視点もちゃんと持たれてて。『アンダーグラウンド』も、フリオ・リャマサーレス「黄色い雨」も面白かった…「u」より前にどちらも接していたのでなんとなく嬉しい。皆川さんは本も読まれるし映画も観られるしでパワフルだなぁ…90歳超えでミステリもバリバリお書きになる。無理しないでいただきたいけど作品は読みたいので健康でいてほしいです。。
不祥事とも言える事故の報告を受けた軍の偉いさんが即断で「姑息な隠蔽は憶測を呼び、デマの拡散を助長する。正式に発表せよ」と命令するとこ、非常にドイツらしいなと。こういう細部で、皆川さんのドイツへの理解に驚くこと再三。
須賀しのぶ…幻想味を薄めた後継者って上手い表現ですね。とは言うものの「革命前夜」しか読んでないんですけど(笑)
ふふーありがとうございます!ぜひ「神の棘」も読んでみてください。ちょうどUと革命前夜の間の時代で、こちらも読みごたえあります。
百閒先生のネコは甕から上がったら四十年経ってましたね。
遅れてきたファンとしていろいろと皆川さんの本を拾い読みするうちに、多作なわりには知る人ぞ知る的存在なのは「『少女漫画』っぽさ」によるのではないかと思い当たりました。逆に言うと、少女漫画が好きなあらゆる性別世代の人には絶対ウけると思います。
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