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ルポ「命の選別」 誰が弱者を切り捨てるのか?

感想・レビュー
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art_mr
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ネタバレ毎日新聞上で19年4月から続いている報道「優生社会を問う」を基にした書下ろし。最終章、相模原殺傷事件の舞台となった「津久井やまゆり園」は既に解体され、実際は身体拘束や虐待、怪我や事故も多発していたとか。ホームを出た人のインタビューの現在の生き生きとした姿が印象的。他は第2章、グループホームを建設するまでの闘いが衝撃的。
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ぱーぷる
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2度目でも問題は、それほど変わっていない。ただ、先日、漸く、旧優性保護法の違憲の判決が出て賠償請求が受け入れられた。 しかし、人間により良い子供を産み育てたいという思いが歪んで出てくるかぎり、形をかえて優性思想が続いている。 詳しい友人から「ダウン症が少なくなった」と、聞いた。着床前診断でわかれば、即、消してしまう、、、。この時点でも将来の人間を殺している。
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tecchan
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現代の我が国は、形を変えた「優生社会」化しているのではないかと問いかけ、命の選別と問題視された出生前診断や、障害者差別などの状況に迫ったノンフィクション。
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うたこ
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五体満足な子どもを望むのと、障害のある命を排除しようとするのは大きな距離があると、あとがきでありましたが、根っこは同じ気がしました。障害を持っていてもいなくても、生きやすさに差がない社会にはなっていない。あとは相模原殺傷事件の背景にあった、施設側の問題。当時の報道は犯人の思想ばかりがセンセーショナルに取り上げられていて施設側の問題の報道は殆どなかった気がします。この本読めて良かったてす。
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ハンバーグ
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ネタバレ「命」というものをテーマに世間であまり深掘りされていない世の中の闇に迫る本でした。出産前に胎児が病気を持つかどうか判断する事のできる検査で親がその子を産むのかを決める事ができる。障害を持つという事を世の中の人達がどれだけの認知で考えているのか?障害者施設で起きた連続殺人。そこには、世間で見えてない真実があるのではないか?命というものに自分以外の人が勝手な価値を決めてしまうのが良くないと感じた。命は、平等であるというけど。それは、本当ですか?そんな問いかけを感じてしまう本でした。
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tharaud
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出生前診断や遺伝子治療、そして隔離政策などについての丹念な取材に基づく重い問いかけ。善悪の彼岸と此岸の間に明確な境界線はない。とくに遺伝子技術のこととなると、知れば知るほどわからなくなる。
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お抹茶
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毎日新聞の連載を基にしたルポで,出生前診断,障害者施設,遺伝子改変など立場の異なる人達の思惑が衝突する現実を深く取材。他のルポも読んでいて思うのは,毎日新聞はこういう「触れたくない現実」に切り込むのが得意だなということ。障害を避けたいという本音が出生前診断や着床前診断を促進し,障害者施設に反対する。相模原殺傷事件における施設側の問題点にも切り込んでいく姿勢にジャーナリズムの矜持を感じる。
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子どもたちのママ
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ネタバレ“NIPT・中絶を広く認めることは、障害者差別に繋がる”という主張は理解できるけど、産んで育てる当事者に選ばせて欲しい。これは今ある命を差別することとは別問題。現に、遺伝性疾患の心配から着床前診断を望む女性が“着床前診断=自分や子どもの存在を否定するとは思わない”と言うケースもある。施設に預けないと生活できない現実がある以上、当事者に決定権が欲しい。福祉を支える経済・人的背景にはあまり触れられず、所々テイカーっぽい記述だなと思ったら毎日新聞…。優生思想やNIPT周辺ビジネスについては考えさせられたけど。
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駒場
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出生前診断で「生まれるべき命」を選別しているのでは?という話はよく議論されているが、そこから初めて地域の障害者施設建設反対運動についてや、育児放棄の話などを丹念に取材している。どちらかというとルポ「日本社会と障害者」かも知れない
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panda2021
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たしかにNIPTにおける説明が不十分な点や管理体制や料金面で問題あるのは同意できますが、「命に序列をつける」という真正面の部分については、特段間違ってないなと感じました
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ぱーぷる
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出生前診断から始まり、あらゆる、平均的でない人間への排除の意識、自分では、差別していないと思い込んでいても、やはり、5体満足、心身ともに健康であることを願う。そうでない場合、その人たちも同じように生き、生活する権利があると思うし、そういう社会にしなければならないと考える。深い問題。普通に生きられる社会とは?
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c1006
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相模原殺傷事件の犯人が優生思想を具現化するという事件がありました。その供述を耳にするにつれ、腹立たしさと同時に、それを唾棄できず飲み込まずにはいられない自分がいました。 現場でそのような場面に遭遇することは稀ではなかったからです。 意識・無意識にぎゅうぎゅうに押し込めている小さな種は、何かのきっかけで心を占領する程に蔓延ってしまう。 でも、その種は誰しも抱えているものではないかな、と思います。
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K
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出生前診断、遺伝子治療、障害者施設等について、法整備の進捗や社会の認識が現実と乖離している状況の取材記録。あとがきにある、「最終的に個人が『排除』へと選択を迫られかねない社会を放置しておく、弱者と共に生きる方法を考え続けることを放棄してしまう」のがいけないのだというのはその通り。ただ、自分たちの子どもが先天的な障害や疾患を持って生まれてくることをどうしても受け入れられない人たちがいるのも、理解はできるんだよね…考えても全然答えに辿りつかない。
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ゆう
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ネタバレ健常者の普段意識していない優生学的考えが顕になった事例を次々と紹介され、「弱者」の苦悩を知った。社会の福祉が整っていないために、今の障害者は苦労している。社会が、「生産性のない」人を認めて福祉を充実させることで、障害者は隔離施設ではなく社会の中で生きていけるのだ。「着床前診断をすることが、自分や子供の存在を否定することにはならないと私は思うんです。もし健康な自分と、この病を持った自分のどちらかを選べるなら、私は迷わず健康な自分を選ぶから。」その二択ではなく、「病気の自分と他人」の選択なのでは? と思った。
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赤猫
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これも図書館で借りた本です。 出生前診断や、染色体異常時の治療処置などいろんなケースが書かれています。 本音と建前はあるのでしょうが、障害などを持った家庭はとんでもない負荷がかかりますからね。そんな目には合いたくないと考える人もわかります。そのような子供を授かったとしても大きな負荷なく対応できるようになることがまずは第一なんでしょうけどね。 公助に行く前の自助の負荷が大きすぎます。
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ちょび
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「優生思想」=「生産性が必須」。タイトルの誰が弱者を切り捨てるのか?それは間違いなく国家である。国家を維持するためには生産力こそ優先すべきことで、力弱き障碍者や現役を終えた老人たちは邪魔者として取り扱われてきた。そして今も。その中で生まれ生きてきた者たちは、無意識に優生思想が刷り込まれてしまっているのだと思う。もしも、この日本社会が弱者に優しくて、何人もここにいて良いんだと言う環境で有ったなら、逆に恐ろしい「優生思想」などもってのほかと思ってしまうのかも。改めて、自分自身の心の中を見直すことが出来た一冊。
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ひなぎく ゆうこ
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自分で意識して集めないと得られない情報。今は色んな想いで頭が混乱していますが、少しずつ消化し自分なりの考えをまとめていきたい。
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ゆみ
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本気で読了した人と語りたい。私の興味が新型出生前診断や着床前診断、遺伝子治療や社会的入院等に偏っているからか障害者施設の建設とかやまゆり園の事件に関してはさらっと読んだけど、それぞれの章で語られる内容はどれも深い。「優生思想」がタブーであるのが前提としてあって弱者の視点から差別は良くないって論調なのがイマヒトツだったかな。関連本も読んでみよう。
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かためん
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自分の中に隠れている優生思想と否が応でも向き合わさせられ、苦しいが読み応えあり。一つの制度や技術に対して様々な立場の人が異なった見方をしていることがわかり、ことの複雑さを実感した。ありきたりにはなるが、心に余裕をもって、社会のさまざまな立場の人に想いを寄せることからはじめたい。
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ロア
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タイトルにある「切り捨て」られる対象の「弱者」は、置かれた時代や状況など様々な要因で簡単に変わる。昨日の弱者は今日の(事実上の)強者であり、その反対だってそう。見方が変われば誰だって弱者になれるし、その立場を利用する事も出来る。「私は弱者!」って、言ったもん勝ちの世の中では、弱者側ではない人たちの心に歪な影が育つと思う。全体的且つ長〜い目で見て、医療の過剰発展は良い事ないって常々思うよ( ´Д` )
ロア

「命の重さ」みたいな言い方にも、人間の自分勝手さを強く感じる。例えば、排水管の奥に挟まって死にかけてる子猫はレスキュー隊が総出で助けて夕方のニュースになって世界中に配信されるのに、そのコ以外は粛々と殺処分されていることは日常的過ぎてニュースにもならない。

03/04 12:15
ロア

遠い国の知らない子供たちのためには寄付をするのに、隣の家のお腹を空かせた子供には無関心とか、考え出すと腹立ちが止まらなくて眠れなくなる度量の狭い私( ´Д` )

03/04 12:19
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崩紫サロメ
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「命に優先順位をつけること」に関する様々なテーマを取り上げる。妊婦の不安を煽り、「不安ビジネス」と化している出生前診断」。異常があった場合には9割の人が中絶を選ぶというが、それは個人の決定だけではなく、強い母性愛規範が女性を追い詰めているし、福祉施設ができれば「地価が下がる」というような社会的圧力がある。やまゆり園の件に関して、園における障害者虐待こそが犯行に至らせた原因ではないか、とも指摘する。今も、「生ませない」圧力が強くある。そういう選択をするような圧力が。どこかでそれに自分も加担しているのだろう。
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まいこ
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第一章は、探偵みたいでおもしろい。疑問をひとつひとつ明らかにする姿勢がよい。優生思想の正体とはなにかという問いから始まる取材の記録。障害者をめぐる複雑な問題をひとつひとつ丁寧に取材されている。
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遊々亭おさる
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相模原殺傷事件の遠因だとも言える我々が生きる社会が抱える優生思想を出生前診断などによる医療ビジネスや障害者グループホームを巡る地域住民の反対運動などから炙り出した一冊。人間の価値とはなんぞや?批判が殺到した杉田議員の生産性が人間の価値だとする考えは、働かざる者食うべからずとする我々の価値観と根は同じではないかと感じる。植松死刑囚も杉田議員と同じ価値観を口にした。我々は植松死刑囚の価値観を否定することに後ろめたさを感じているか。コロナ渦で命の選別が議論された。それは我々も持つ優生思想と向き合う好機でもある。
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ロア
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危険を承知で語り合いたい本。全員がそれぞれの立場で少しずつ違う意見を持つだろうし、時代と場所が変われば答えも180度平気で変わると思う。私達の誰にも正しい答えなど出せない。
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読特
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「なかったことにしたい」「遠くで暮らして欲しい」「生まれないで欲しい」。それが本音だとしたらなんと悲しいこと。傍観者として眺めているだけならなんとでも言える。「現実は過酷だ」当事者にそういわれたら、返す言葉はない。「ほっと一息つく暇もない」それでも幸せは思わぬ瞬間に感じるもの。自分も家族も健常で、一見平穏な暮らしにみえても、生きていくのは楽ではない。ハンデがある人もそうでない人も、身近にいて、助け合いながら暮らして行く。そんな古くて新しい世の中であったらいい。いろんな問題を読み進めながらそう思った。
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trazom
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新型出生前診断・着床前診断・ゲノム編集という出生に関わる問題と、障害者施設建設反対運動・社会的入院・相模原殺傷事件など障害者受容の社会的問題を問う渾身のルポである。医学・科学が専門の千葉さんと、福祉や医療に詳しい上東さんという二人の毎日新聞記者による両面からのアプローチが鋭い。底流を流れるテーマは「優生思想」。我が子の出生の選別には利己的でありながら、社会的な問題には排他的になる自分たちの中に、優生思想が潜在していることに気付かされる。「健康」と「優生」とが紙一重の危うさにあることなどにもハッとする。
0255文字
とことこ
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障害者という言葉に違和感を感じるこの頃。人類が目指すのは不死なのか?障害、老化、もろもろ私たちはどこかで受け入れ難い部分を受け入れなくちゃいけないのに。遺伝子レベルまで医療が介入することで受容を遠ざけている気がする。とはいえ自分自身や身内がその状況になったとき、自分は何を選ぶのだろうか。あとがきに引用された乙武さんの言葉が刺さる。
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いゆは
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ネタバレ部屋はカスタマイズしてもいいが、遺伝子はデザイナー化してはいけない。親が重篤な難病保持者ならゲノム解析受精卵でもいいのでは。受精卵はモノ、胎児は人。どこまでが重篤とする線引きは日産婦でも誰もわからない。生まれる本人に意志決定権がないのが、なんとも。
0255文字
海戸 波斗
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そりゃ社会でしょ。知らないふりしてんの?池沼の親亡き後って問題だって言ってるのに違和感がずっとあって、当事者が他人に介護を任せたら主体的に自立した感があるってそうだろうよ。出生前検査って妊娠してて病院かかったら全部そうじゃん。昔はエコーとかで内蔵のなかとか見られなかったでしょ。それから、母子手帳に無料券ついてくるんだよ医療介入を推進してんじゃん。自然淘汰してたことに医療が介入してて、自己責任って荷が重すぎるだろ。子どもの医療費補助出るじゃん。税金払ってる社会のみんなで助けてるはず。足らないよね。
0255文字
ぴえーる
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もっと美人で賢く生まれたかった〜。誰でも1度はそんな風に思うはず。ならば我が子を愛すればこそ、「可愛くて賢い子がいい」と思うのも必然ではないか。私はそれを否定しない。出生前診断は、受ける自由も受けない自由も保障されるべきだと思う。「障害児なら育てない」という親を非道だと罵ることは簡単だが、障害児を育てる労力、財力、心労、差別を思えば綺麗事ではすまない。だが何より大切なのは、生まれてきたからには誰もが生を楽しみ、慈しまれ、誰かを愛する権利を保障されることではないか。上手く言えないが…
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あしぶえ
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大型入所施設では殺され、地域に住もうと思っても断られ、生まれてきても虐待され、果ては産まないように検査される障害者。これらのすべてにビジネスがからむ。コロナ治療でもトリアージで低い順番に回される。一方、不便が全体化したコロナ禍の今こそ、連帯の道が開けていると結ぶ。目先のにんじんを追う私たちのレース、せーのーでやめませんか。
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jackbdc
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今、日本では重度障害の子どもが増えている。小児医療の充実により不幸な死が避けられるようになったためである。一方で、欧米では出生前診断を受ける夫婦の割合が9割に及ぶことを知って驚いた。さて、出生前診断は是か非か。自分が受けるか否かはとても悩ましい。ただし他人に禁止する道理は見つからない。仮に堕胎するにしても責めることはできないと思う。とにかく産まれてきた子どもがみんな幸せに育って欲しい。障害児を育てるのは簡単な事ではない。健常児も同様であるが。公的支援はもとより、文化とか私的支援の充実が問われるのだと思う。
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ろくせい@やまもとかねよし
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ネタバレ毎日新聞上「優生社会を問う」キャンペーンに基づくレポート。「過ちを問う」に「問題は重層的で、複雑さを増している」とまとめる。社会問題と科学問題で命を考察。発散印象を拭えない。社会問題は、科学的無知だった過去の理不尽な障害者差別の現状。科学問題は、新型出生前診断を主に法整備の現状分析、そしてゲノム編集によるヒトへの応用展望。優生社会と批判するは、為政者?民主主義の脆弱指摘?科学技術応用への警鐘?病原の遺伝子は発見される。しかし1つの遺伝子だけで必ず病気は発しない。普遍を希求する科学原理主義こそ再考対象かも。
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