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技を伝え、人を育てる 棟梁 (文春文庫 お 55-1)

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かず
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ネタバレ宮大工、棟梁として寺社の建立、修繕、職人の育成に尽力した小川三夫さんの聞き語り。大量生産の工業とは異なる『ものづくり』のため、数値にとらわれずに感覚を大事にすること、言葉や文字を重視せず、寝食を共にするなど、仕事の基礎となる部分を時間をかけて身に付けることの重要性が語られている。 全てが今の教育や指導にそのまま当てはまる話ではない。しかし、教わる側の多様性の考慮、適正な負荷・責任を与えること、長期的目線に基づいた教育と仕事などは現代の生き急ぎとも思われる社会にとって、多くの示唆に富んでいると感じた。
0255文字
なおみ703♪
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宮大工の誇りを持って技を磨き、人を育てる、芯のしっかりした生き方を貫いた方だと思った。大工になると「二宮金次郎の銅像をやる」というのは微笑ましかった。「やれるかどうかなんて考えることは必要ねえんだ。どうやったらできるかを考え、やりながら次を見通すんだ。」「本当の優しさは、自分自身に厳しく生きて居ないと身につかんもんや。」「不器用の一心がいい。」「千年の時間でものを考えたらなにも急ぐことはない。じっくり確実に。」「手考足思」。「木はきちっと組まれて、かつ単純で、力が均等にかかるということを考えていく。」
なおみ703♪

西岡棟梁の口伝「神仏を崇めずして伽藍舎頭を口にすべからず」「伽藍造営には四神相応の地を選べ」「堂搭の建立の用材には木を買わず山を買え」「木は方位のままに使え」「堂搭の木組みは寸法で組まず木の癖で組め」「木の癖組みは工人の心組み」「工人達の心組みは匠長が工人への思いやり」「百工あれば百念あり、これをひとつに統ぶる。これ匠長の器量なり。百論一つに止まる、これ正なり。「百論一つに止める器量なきものは謹み畏れて匠長の座を譲れ」「諸々の技法は一日にしてならず、祖神たちの神徳の恵みなり、祖神忘れるべからず」

07/09 22:36
なおみ703♪

「人に任せ人に譲ることで、伝統の技を生きたものとして伝えていけ」

07/09 22:37
0255文字
slowpass
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深く裏打ちされた言葉。きれいな線は、手でも言葉で出すことができずただ研ぎの水準が十分に達した者がその道具を使ったときに出る。その線は刃物にしか出せないという。しかし・・、読みながら心苦しくなっていく。今の社会がこれまで守られてきた宮大工の世界をもまた侵食していくこと、また直接には語られないがそもそも宮大工というものが成り立った背景には支配しているものから集めた富をもつ者、支配構造をもった権力の後ろ盾があるだろうこと、また千年の木がもう国内に一本もない状況で、なおどこかから採ってこようとする人間の狂気・・。
0255文字
カッパ
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失敗こそが進歩の基礎や。失敗を踏み固めて進んだら確実な基礎ができる。
0255文字
lily
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教えてもらえることは当たり前ではない。 仕事は自ら学び取ることが大切だと改めて思った。
0255文字
hiropon181
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あちこちと深い。人を育てることと、人が育つことの違いやリーダーとしての心構えや度量。我々にとって毎日研ぐべき刃物とは何だろうか、というようなことを考えつつ読了。
0255文字
奈良 楓
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【とても良かった】2008年刊。法隆寺などの改修にかかわった宮大工の語る棟梁とは。 ● 筋が通りつつ柔軟なお考えの方と思う。 ● こころに残ったのは「育つ」と「育てる」の違い。 ● 寝ても覚めても仕事に一筋の考え方。働き方改革でスポイルされつつある私の心に響きました。 ● 使う道具含め疑うことの大事さ。
0255文字
きのやん
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「育てる」と「育つ」は違う、師匠にできることは育つ環境作りだけ、か。なるほどねぇ。十何年来の疑問が解けたわ。ただ、言葉では伝わらないと棟梁は言うが、この本の珠玉の言葉の数々に出会わなかったら、おれが気づかなかったことは多々ある。棟梁、言葉・文章も捨てたもんじゃないぜ。もっとも、それを感じてなかったら、本を出してないよな。
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貧家ピー
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宮大工・故西岡常一の内弟子を務め、「鵤工舎」を設立。還暦を迎え、代表を退くことで新しい棟梁を育成する決心をした心境、技・伝承・弟子の育成について著者が聞き書きした本。今の時代の育成にそのまま使うと伝わらない可能性が高いと思うものの、基礎の考え方は通じる。 「木に癖があるように人にも癖がある。その癖を見抜いて、活かしてやるのが務めや。木でも若い木は暴れる。年齢のいった木は暴れが少ない。全く人間と同じや。その癖をなかったことにしてみんな同じような人間にしようとしているのが現代や」
0255文字
jackbdc
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率直にカッコ良い。言い回しも素敵だ。宮大工職人の経験談の中にハッとするような金言が幾つも見つかった。異世界の人の話こそ貴重で気付きをもたらすということに気付かせてくれた。印象に残った点。1.仕事論:現代的アプローチの特殊性に気付く。(論理的&効率的&労働者権利⇔経験的&ハードワーク&徒弟)2.信頼関係:非言語コミュニケーション。3.個性を活かす:職人も木材も同じものはなく特長を見抜いて活かすのが職人の業。4.時間軸と精度:時間の尺が決定的に異なる。数百年先の職人と仕事をする感覚。精度への拘りもここから。
0255文字
aiken
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宮大工、鵤工舎の棟梁の話。民間の建築とは一線を画す、300年周期の宮大工の「仕事とは、職人とは、人材育成とは、リーダーとは、覚悟とは、師匠とは」というビジネスや自己啓発にも大いに参考になる1冊。いやあ、汗かく箇所多数。が、ここは自分はできているという箇所もあり、きっちり色分けができたのも職人の語る明解さからだろう。「棟梁なら違った個性を組み合わせ仕事を完遂しろ。それができなければその座を去れ。」という言葉は老害が蔓延する現代日本社会に沁みなければならない。まだまだ修行が足りない自分のことは棚上げせずに。
0255文字
違いの分からない男
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★★★★☆
0255文字
sumikko
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○人材育成論、というか経験談。人・組織の存続はタイミングとは確かにそうだと思った。密な阿吽のコミュニケーションは一般会社じゃ難しいから考えどころ。コロナだと猶更。
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ご〜ちゃん
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ひとつひとつの言葉が、シンプルで重い。読み返すたびに発見がありそうだ。人を使う側にとっても、人に使われる側にとっても、読んでおきたい本。言葉ではなかなか伝わらない部分を、うまくくみとって聞き書きしている、塩野米松さんの技が素晴らしい。
0255文字
motoryou
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何度目かの再読。宮大工として、自然の木を扱う職人の としての「感覚」。道具を大事にしつつも、道具を信じすぎない、そんな感じがした。最後には自分の感覚、言葉や道具はその自分の感覚を表現するための補助的なものでしかないのだろうな、そんな気がしました。自然の木を扱う自分の自然な感覚を磨く、そんな感じ。「いちばん邪魔なのは、こういう仕事では言葉ですよ。言葉を上手に使うと威張るようになるな。 」 というのは言葉が、今回は目に留まったところ。
0255文字
おい
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ザ職人。なかなかここまでできない。こんな世界もあるんだな〜。 ★★★
0255文字
chan
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精神面で学ぶこと多かった。 素直が一番。 立場が人を育てる。
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関東のカササギ
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「見て学べ」というのは深い考えがあってのことと分かりました。こうした哲学無しに、上っ面だけの、教える側が手を抜くためだけの「見て学べ」の組織は上手く機能する訳がないですね。組織人として大変勉強になりました。
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みみこ
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今まで樹齢を重ねた木に対して「大きい。すごい」としか思わなかった。その木が育つまでに周りの木が犠牲になることもあったこと、そこまで育つ木が少なく文化財を守れないかもしれないこと。それまでもずっと学ぶことの多い聞き書きだったけれど、最後にガンとやられた。
0255文字
清游@草ぶえの丘で森林浴♨︎
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上を目指せば目指すほど、いっちょ揉んでやろう精神が重要だと気づく
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birdie-birdie
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AI化された現代社会だからこそ、伝統を守るプロの職人さんたちが必要になってくる。過去を守り、未来へと技術を伝えていく意気込みを感じました。
0255文字
たそん
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一人一人異なる個性をつかみ、伸ばしてやるのがリーダー。 芯を持て。 言葉でごまかすな。
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モーモー
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徒弟制度
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竹内靖
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再度読み直し日本の技術力の高さそれを何百年とつなげてきた技術の伝承を改めて感じました。直弟子の小川三夫さんの西岡棟梁の門を叩き、一番弟子になり、同じように鳩工舎を立ち上げ、将来宮大工の技術の継承をつなげていく、このような取組が日本の文化財の保護、木造文化の永遠性を保持していくのだと感じました。
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T2y@
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棟梁である著者の口伝を纏めたもの。そもそもの『現場』数が少ない宮大工。『育てる』よりも『育つ』環境をまず揃える。 『叱られる』事で気付く。『あの時は』と思い出して褒める。『任せる』とは立場で人を育てる為に、責任を追う事。 ほか、特異な職種ではあるが、普遍的気付きが多い。著者の親方、西岡さんの本も読んでみよう。
0255文字
カヨモト
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宮大工って恰好良いんだな。「失敗を素直に認めて反省する人。責任を感じ、責任の重みがわかる人にならないかん」印象深い言葉が沢山。
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The Joy
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「できる最高のことをする、それが基本や。」「言葉は常に後や。自分の体が考え通りには動かないことをまず気づかなならん。だから修行するのや」「くせを活かしてやれば強く面白いもの出来る。芯を見つけ出して芯の通った仕事をすることは大事など、多くの心に響く言葉があります。 今では、建物を立て直そうにも木がないそうです。海外から輸入しないと日本にはもう治す木自体がない。これはある意味衝撃でした。技術は伝承出来てもそれを伝える為の建物が作れない。文化を守るのは環境を守るところからなのか。
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むずむず
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深い。人を育てるのではなく人が育つために手を貸すと。職人集団のイメージの強かった鵤校舎の捉え方が違っていたことを悟った。一緒に暮らすことで個々人の考え、技量を知り、自分で考えられるような環境を提供するのだと。これって企業のトップだけでなく、会社の新人、子育てなどにもあてはまることだ。できそうでできないことがさらりと書いてあった。実家を建ててくれた大工さんも、建築士が描くような図面はひけないが、どんな材がどの程度必要かは分かると言っていたのが懐かしい。今でもこんな大工さんいるのかな…。
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inami
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◉読書 ★4.0 法隆寺・法輪寺・薬師寺の棟梁だった、西岡常一氏に21歳の時に弟子入りした小川三夫氏は、1977年独自の徒弟制度による寺社建築会社「鵤工舎」を設立、数々の寺社建築の棟梁を努めた。2003年には「現代名工」に選出される。弟子入りして初めに「道具を見せてみろ」と言われて、ノミや鉋を見せたら、ぽんと捨てられた。こんなものは道具やないということ。それで後にも先にも一回だけ、「これと同じような鉋屑を削れるようにしろ」と自分で削った鉋屑を一枚くれた。向こうが透けて見えるような、均一な見事な鉋屑だった。
0255文字
竹内靖
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この本は、宮大工を育てる為に、一緒に生活させ、自分の後ろ姿を見せ、育てていくという教育本です。!
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Toshi
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1000年を越える視野で自分の仕事を考えている。その視点が人・技術・材料において他を圧倒するレベルを実現しているのかなと思えた。
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もりけい
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まさにイメージ通りの棟梁がここにある。刃物だけといでろ、体で覚えろ、わしの背中をみて技を盗んでいけというような。そんな中、徒弟制度という寝食も共にすることでより考え方や生き様を伝えられるシステムがすばらしい。
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てぶくろ
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★★★☆☆ 木材の加工機械ができたから、曲がった木がいやがられるようになった。これは人間も同じ、芯のあるやつがいなくなった、組み合わせれば強いのに・・・という話が響いた。
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motoryou
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何度読んでも、新しい発見があるなあ。
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C-biscuit
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久しぶりに建築系の本。といっても宮大工「棟梁」の本である。本は口述したような感じで(実際そのようである。)、棟梁に話を聞いているようで読みやすい。内容は、副題にあるように、「技を伝え、人を育てる」という切り口であり、育つ環境を整えてやるのが、そのやり方のようである。よって、事細かに教えることはない。古いやり方であるようだが、確実に伝承されているようである。そのような古い感覚かと思いきや、女性の弟子もいたようで、男女差のないことも言っている。共感すべき部分は「任せる時期が遅かったら人は腐るで」というところ。
0255文字
isao_key
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高校の時、修学旅行で訪れた法隆寺の建築に惹かれ、宮大工西岡常一棟梁の元に弟子入り後、自らの寺社建築会社を設立する。2007年に後進のため棟梁を引退。2003年には「現代の名工」に選出された語り手が、自ら考える宮大工とは、棟梁とは何かを語った聞き書き。書き手も小川氏の口調、語り口を損なわず、肉声のように書かれていて、とても読みやすい。現在ではほとんど見られない徒弟制度、弟子入り、独立、大工の順位など他では聞かれないような話が語られ興味深い。技一つで数々の寺社建築の現場を渡ってきた棟梁の言葉一つ一つが重い。
isao_key

棟梁の元では、泊まり込みの共同生活である。そこが大切。個人の時間がなくて、自由がないという人がいるが、そういうのは修行の時間に必要なのかと、逆に投げかける。修行中は大工ということに浸りきる。寝ても覚めても仕事のことしか考えなくていい。一つのことに打ち込むことで人間が磨かれる。また共同生活の中で、思いやりややさしさも身に付く。しかし本当のやさしさとは、ただ人の面倒をみることではなく、自分自身に厳しく生きていかないと身につかない。厳しさのないやさしさは、甘えにつながり、人も育たず、技も身につかない。

09/30 12:20
0255文字
モンニャン
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人は育てるのでなく、環境を整えれば 育つ。動きながら考える。整理整頓は作業終了時だけでなく 作業中も常に行う。癖や特性を活かすのは材料も人も同じ。という辺りが特に心に残った。
0255文字
hash
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0255文字
皿倉山
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面白かった。
0255文字
Willie the Wildcat
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継承。難題は、”勘所”。体感するしかない。徒弟制度の世界であれば、心構えといった精神面も求められる。突き詰めると、探究心のみ!『行住座臥』が頭に浮かぶ。1つ1つの所作に意味・・・。一方、「曲がった木」が物語る悲しい現実。加えて、民家の仕事もNGの宮大工・・・。匠の技と心の崇高さを感じると共に、崇高さ故の継承の難しいさも痛感。無形文化財!?故の悩み。自身の日々の言動を振り返ると、間違っても偉そうなことは言えないよなぁ。(汗)せめて”魂”の一端に触れるつもりで、法隆寺に著者の師匠の道具を見に行くか・・・。
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技を伝え、人を育てる 棟梁 (文春文庫 お 55-1)評価85感想・レビュー59