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記号論への招待 (岩波新書 黄版 258)

感想・レビュー
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千賀藤兵衛
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記号、つまり何らかの意味を持つしるしについていろいろな面から考察した著。筋っぽい諸問題を最大限丁寧にかみくだいて説明しているという印象を受けた。
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t-poyo
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良かった。哲学史をかじった程度の前知識があると、目新しい概念や考え方が出てくるわけではないが、記号論ならではの視点の切り替え方と平易な言葉でいろいろ気づきをもたらしてくれる良書。同じ著者の詩学に関する本も読んでみる予定。
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バブルの頃は消費の高度化により「消費社会の神話と構造」とともによく持ち出されていたイメージのある記号論。記号論といえばエーコみたいなところがあるが、敷居高そうでこちらを。幾分か古い本だが内容は色褪せない。パース・ソシュールとも関連する内容だった。また、記号の代表が言語であるゆえに、言語哲学にも近い話。有契性と無契性、テキストへのコミットメント(p.187)などは、自分が常々思っていたことだったので、よく納得できた。記号にはこれほどにも特徴があるのかと驚いた。
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遊ろぐ
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具体例が多くわかりやすかった。が、正直な話おもしろくなかった。
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とりぞう
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「大人のことばに較べると、幼児のことばは統辞に関してのコードによる支えが少ないから、どうしてもコンテクストへの依存度が高い。言いかえれば、メッセージのコンテクストからの自立性が低いわけである。」なんて話など。実は出版直後に手に取ったが積読にしてしまった本。当時のぼくはかなりの阿呆だったんだなあ…。いろいろな面で刺激を受ける好著。
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うさみちゃん
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ネタバレ記号という言語についての言語学。
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愛楊
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著者の池上嘉彦はメタファーや詩学に関する記号論者であり、本著も芸術・文化記号論の入門書となっている。記号論を提唱したソシュールやパースの名は出現せず、記号理論の体系を知るためには適さない。理論を叩き込みたい方には石田英敬『記号論講義』(ちくま学芸文庫)を勧める。 記号の美的機能を扱う芸術記号論や文化記号論に関する第Ⅳ章が本著の到達点を成すが、それまでの章においても具体詩を含む詩や文学・映画・絵画・建築など〈芸術〉の記号論(=言語性)を論じている。
愛楊

第Ⅱ章での固定的な〈コード〉と創造的〈コンテクスト〉の対立や、基底部規則と変形規則の対立は、《創造性》に対する本著の興味を示しているだろう。また意味論について本書では、記号内容は「指示対象」と「意味」に二分されており、「意味」は普遍の束として、「指示対象」はその記号表示をクワインの固定指示子のごとくして与えられている。スキーマ理論(スロット・フィラー)、イーミック/エティックの対立など、文化的創造性に関する記号論的アプローチの呈示が本著の眼目である。

12/07 17:34
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ぴりか
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理解度60%、5年後に再読しよ
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ナベチ
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◆「言葉(記号)による営みを通じて、未知のものを自らの関連で捉え、文化に組み込み自らの世界を膨らませ続ける。7」◆「意味付けとは、それが人間との関連の中でどのような価値を有しているかという視点から捉え直される。10」◆「ダニは哺乳動物特有の酪酸の匂いを感じ取ると、血を吸う為に木から落下する。日が傾いても木々が揺れても、ダニの環境世界では酪酸の匂いがしてくるまでは何も起こっていない。本能に基づく反応は閉じた世界であり、意味付けの試みは何もない。174」
ナベチ

◆「中心=完全なコード支配による自動化(新しいことは起らず沈滞へ傾く)↔周縁=コードの逸脱による異化(新しいことが起り活況となる):中心は自らの秩序を拡げて周縁を排除しようとするし、周縁は秩序の隙をついて中心を脅かすという形での緊張が生じる。242」

10/09 17:33
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ぎんぽ
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十数年前に買うだけ買って放置していた本を読むときが来るとは…。最近、ソシュールの言語学とか構造主義だとかを少し知って、その関連で読んでみた。ことばを中心に記号論がどういうものかを解説する本。僕にとって内容はなかなか難しかったけれど、具体例も多めだし文章も読みやすいしわかりやすい入門書だと感じた。最後の章にあった文化記号論ってのも詳しく知るとおもしろそう。
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なほ
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人間はテキストを主体的に解釈する≪創造的な読み≫によって意味を創り出せるというお話がありました。表現する側としても、新たな意味をコードからの逸脱などにより表すことができます。これを知ってなぜか落ち着きました。いわく言い難いことを何とかして伝えたい、という欲望を記号は可能にしてくれると知ったからです。記号は言語にとどまりません。文化すべてが記号であり、日本書紀では草木まで森羅万象がものを言った、とされるように、あらゆるものから何かを読み取ることは我々の態度さえあれば可能なのでしょう。
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nekozuki
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再読。言語を代表例にとった人間の記号表現に関する考察だが、最後の章ではこの分析が人間の文化一般にも当てはまることが示唆されている。これは文化記号論への橋渡し的な位置づけである。人間が何らかの意味を持って行う行為にはこの記号論的アプローチが成り立つ。但し、あまりにも対象とする範囲が広すぎてその方法論が漠然としている印象もある。
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まろすけ
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ネタバレ名書。すごい濃さ。記号の、文節と差異作用。人間は『構造化を行う動物』。自らを取り巻く外界を自らとの関連でとらえ、秩序化し、自らの世界をふくらませ続ける。新しいコードの提案を含む詩の言葉と、その中間、伝達を損なわずかつ創造の可能性も排除しない日常語か。日常語は、『曖昧』であるがゆえに実用にも美的にも転がれる豊潤さがあるってことかな。「メッセージの生成、解釈は、コードとコンテクスト、それに主体の知識体系と推論のぶつかりあいという様相になる」記号を常に用いる人間の営みを一言で表すとそうなるか。明晰な内容でした。
まろすけ

⚫比喩は、原義と転義の二つが重なり併存する両義的な表現。このことは、両義的な存在のもちうる役割として、創造の側面を示唆する⚫祭りは、遊びとも結びつけられる。実用的な利益と関係がないもの、そういう『遊び』が人間には必要。そこには一種の美的な、つまりそれをすること自体が目的となる。言語で祭りに相当する機能が、詩。

09/03 18:55
まろすけ

⚫「同じでありながら違っている」共通性を踏まえた上での差異という『対立』の構造が意味作用を生みだす。・・詩の比喩において、まったく有契性のない比喩は、主体(読者)を惹き付ける力が無くて独りよがり。逆に、類型の記号(イコン)や、インデックスが、流布しすぎた陳腐化したものだと、均質なイメージしか読者に与えず、既成のコードとの『対立』が起こらないので、読者の中になにも起こらない、ということかな?示唆も学びもたっぷりな読書でした!

09/03 19:01
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inu
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言語学ベースのソシュール派の記号論入門
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たばかる
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ざっと用語の暗記。ソシュールをなんとなく知っていればパパッと読めます。例示も多く入門向きで良書。
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海月96
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ネタバレ「人間の精神が自らの作り出した秩序に捕らわれて自由を放棄したり、虚の世界を実の世界に取り違えて気づかないという状況に陥るならば、その時は記号論はその虚妄を暴き、再び創造の道に戻らせる…」。記号(言葉)に捕らわれ自由を奪われるのではなく、記号(言葉)を駆使し、嘘と真を見分ける。自分にそういうことができるようになるのは、まだ遠い先か。
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Weapon
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図書館より。ついやってしまうの本の参考文献から。予想以上にカッチリした本で、書き方も古臭く、まあ読みやすいとは言えない。しかし、内容はとても一般的で、というか記号というものそれ自体が極めて汎用的なので、専門的でありながら身近な内容として楽しめた。馴染みのない言葉も多く、まだ消化しきれていない。これまで区別していなかった概念に個別に名前があることを初めて知ったのだからそれも当然。イーミックとエティックとか。もう少し理解するには再読必須。
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レイコー
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何日かに分けて読んだ 面白い、もう一回読みたい
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あ
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言語の働きを代数的に記述することで得られる一定の図式を用いて、人間の文化的活動の仕組みを捉えようとするところに文化記号論は成立する。従って文化記号論の手法は、言語学や言語哲学の成果を拡大解釈して文化を解明する道具立てと見做すところから創出される。これはほとんど言語論的転回と言ってもいいように思われる。言語への眼差しをそのまま文化全体へ向け変えるという飛躍的発想がどの程度まで有効であるかが見極められねばならないが、本書を読む限りそうした飛躍はスムーズに、自然に、かつ十分な説得力をもって遂げられているようだ。
あ

語用論においては、意味と統辞の理論的構築物としての言語を、柔軟に利用しつつ創造的に改革していく使用者の主体的働きが考慮される。ここにおいてはじめて人間-社会-世界からなる三項関係を言語という地平で適切に扱えるようになる。そして文化の営みというものが畢竟この三項関係によって規定されるものであるとすれば、言語の営みを文化の営みと同一視する発想もまた語用論において見出されることになる。本書の叙述は、言語学や言語哲学の代表的な話題を系統だてて平易に解説しながら、読者をこうした発想へと自然に導いていく。

02/13 21:55
あ

ただし、言語が人間の文化全体のモデルとしてどの程度まで包括的に機能するかについてはまだまだ議論の余地があるはずで、例えばコンテクストなどは依然として曖昧さに包まれた怪しい概念として残っている。意味やコード、テクストやコミュニケーションの所在についても実は同様で、言語的な認識と前言語的な認識との関係についてはそもそも問いとして閑却されているようさえ見える。この辺りの話題に関して発展的な議論を追っていきたいと思う。総合的にみて、記号論の可能性をまざまざと感じさせてくれる良書である。

02/13 21:56
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yurari
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詩を作る理由、「日常のことばの記号性を打破するため」この言葉が一番痺れた。
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さんかくこんにゃく
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古い本だが、記号論の概略が基礎からよく分かった。出版から約40年経っており、今現在の記号論がどこまで発展しているかは知らないが、この本の内容は基礎的で、今でも十分に通用するものだと思う。
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やいちゃん
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最初の方の記号役割の説明(コードにより記号化し、コードにより読み取る)などからは、プログラミング的な、機械言語的な方法で人間も言語を使用していると受け取れる。一方で人間は「虚の世界」や新しいものを作り出すこともできる。それは人間の持つ特徴であるということで、現代でいうとゲームやネット、SNSなどもそれにあたるのだろうか。それは楽しいことで、まさに「祭」なんだろうけど、最後に「虚の世界」を現実と取り違えたらダメだよって、いわれてるよねえ。
やいちゃん

※この感想はいいことを言おうと思ってひねり出した感想です

06/20 16:50
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どらぽん
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カラスの「カー」という鳴き声だけでは1つの意味しか相手に伝えることができない。もし、鳴き声の音程や短長で意味が変わるならば、識別できる範囲で記号(音)が増える。さらに、鳴き声を複数組み合わせれば表現できる記号(語)は爆発的に増える(二重音節の仕組み)。これを実現しているのが人間の言語だ。さらに、語を統辞規則に従って組み合わせれば「文」になり、文をテクスト統辞規則に従って組み合わせれば「文章」になる。文章もそのジャンルや人の知識体系によって意味の取られ方が変わる(コンテキスト)。
どらぽん

これら、二重音節、統辞規則、テクスト統辞規則などをあわせて言語のコードになるわけだが、人間は能動的にこのコードから逸脱することができる。その結果の産物が創作や詩などであり、これは人間の言語のようなコードを持たない他の動物にはできない行為。逸脱するコードがないから。そう考えると、言語って本当によくできている。

05/28 08:50
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きいろいくま
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何回か言語学の授業を取り、関連する書を読んでいたので、わりとつまずくことはなく読了。人文系の学生は必読なのではないか。確かに抽象的な専門用語が数多く導入されているのは混乱するかもしれないが、言語を扱っている時点でそれは仕方がないことだと思う。視点の幅を広げたい方におすすめの良書。
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コスモス
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言語学の専門語がたくさんでてきたけれど、それぞれ分かりやすい例を使って説明してくれていたので、思っていたよりは理解しやすかった。 言語って、すごく複雑だな…ということがよく分かった。
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nekozuki
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超良書。自分がコミュニケーションを取ろうする際に感じていた違和感の正体を掴める気がする。 本書によると、記号論でいう“記号”には、記号表現(実際に表出される物事自体)と記号内容(伝達したい意味)が必要であり、それが有ればさまざまな記号になりうるとのこと。また、記号内容伝達にあたっては、発信者と受信者間でコード(記号表現と記号内容を合致させる特定のルール)が必要。コードは各々の文化で決まったものがある(例えば、ことばの辞書的意味など)が、コンテクスト次第では受信者の解釈が入りうる。また改めて読みたい。
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De PalmaX
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あんまりノルことが出来ず三章の途中を飛ばして四章を読んだ。千葉雅也「勉強の哲学」と伊藤計劃「虐殺器官」を思い出した。次は「新記号論」である。理解できるだろうか?
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Eric
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私たちが普段使う言葉について、「意味(=記号)」の側面から分解していく。明快なロジックで書かれており、示唆に富む内容。時々、表現が分かりづらいと感じる時があるが、書かれている内容は難しくなく、根気よく読めば理解できる。 実利的な知識ではなく、かつ後半は言っている内容がくどく感じて少し退屈したが、世界への見方が少し変わり、言語学に興味を持つきっかけとなるような一冊。
0255文字
Dave
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良著。記号論の世界に一歩踏み入ることが出来る。世界は記号で成り立っている。記号の持つ性質、役割、可能性。モノの見方が変わって来る。
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Akito Yoshiue
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前半が特にわかりやすく、内容も面白い。
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道
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記号論、その呼び名から数学の様なニュアンスを受けるが、そのニュアンスは皆無に等しい。記号論理学はこの本には出てこない。とまあ、内容を分かってある人には不要だろうが、一応付け足しておく。では、記号論は何を扱うのか?簡単に言うと言語である。日常僕らが使う言語である。ただ、それだけに止まらない。その域を遥かに超えて、文化を言語と捉えるレベルにまで達したのが、記号論である。読んだ後で、世界観が変わるかも知れない。心して読むのが良いだろうと思う。それだけ素晴らしい本である。
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くら
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前半は理解しつつ時間をかけて読み進めたが、後半になると時間をかけても理解できないor前の段落との関係性が掴めない という状態になって、最後はやけくそで読了した感が強い...。記号論という学問分野は、抽象度が高くて自分には向いていないかもしれない、なんて考えた...。
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よいおいこらしょ
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認識がどのようにして語彙や文法に結びつくのかを著した新書。文学部だから止まることなく読めたが、専門生が高く入門にはかなり難しい。ただ、普段私達がどのように「意味付け」をしているのかわかる
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つまみ食い
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再読。文学部生を中心に文化や言語学について考えたい人は必読といっていいと思う。 認知言語学、記号論の基本的な考え、諸概念が新書サイズによくまとまっている。
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イシコロ
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既存の記号体型を揺るがす表現が提示され、定着するという弁証法的に新たな意味を生む過程は、意識したことがないことだった 例えばあの全く解せない抽象画もコンテクストを知るか、あるいは既存の表現に対する挑戦だと受け止めれば、理解する手がかりになるかもしれないと思った。
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Akiro OUED
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啓蒙書。記号論で斬るべき対象。一つ目は、ワインのテイスティングノートの記述。「黒スグリの香り」って共示義しかないじゃんか。記述者が詩人じゃ困る。二つ目は、過度のポリコレ。アフリカに黒人を縫い付ける偽善に対して、記号論は切れ味鋭いナイフを提供するでしょう。第4章の先読みを勧める。
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