形式:文庫
出版社:講談社
とはいえ。この作品は未完なのだ。池波正太郎がこれからの梅安をどう描こうとしたかは推測でしかない。ただ、秋山小兵衛の名前まで出して老剣客を登場させたのは小杉という快男児の行き先を明るいものにしたかったのではないか。それが梅安の当初からの希望だったはずなので。目黒の新居で按摩として彦次郎が励み、梅安が鍼を打つ。そして二人で豆腐を、大根を「うまいねえ彦さん、うまいねえ梅安さん」とふうふう食べる。そんな日常が続いていくような終わり方を思い描いてしまう。白子屋絡みの戦いが終われば、そんな平穏が訪れたはずだと思いたい
おまさは誘拐されたままだし、こちらは梅安ら反撃ってところで… 改めて池波正太郎先生に合掌。
追記 他の方の感想読んで初めてわかったんだが、これで絶筆だったとわ。どうりで変なところで終わるし、妙に長いインタビューが差し込まれるわけだ。つづきが楽しみとか普通に思っていたが、読めないものなんだなぁ。
池波正太郎が求めた男の優しさが描かれていたような気がする
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