読書メーター KADOKAWA Group

閉鎖病棟 (新潮文庫)

感想・レビュー
1764

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
coocoloba
新着
様々な生い立ちや過去を背負った精神疾患の患者たち。 精神科医の著者が語る病院内部の実情。差別や偏見に晒される彼らの生活や苦しさ、のみならずささやかな楽しみや人々の関わりを丁寧に描くことで人間とは、生きることとは何かということを問いかけてくる、ズシンと胸に刺さる長編。家族から疎まれる患者が病院で疑似家族のような信頼関係を築いていく。人間らしく生きることの尊厳を持つ彼らに心打たれ、終盤では自然と涙が溢れた。登場人物の回顧から時代背景が推測されるが、患者の人権侵害など法整備について気になった。
0255文字
夜兎
新着
ネタバレ入り込めず、流し読み。
0255文字
rinrinkimkim
新着
地元に都立松沢病院があって患者さんをお見掛けすることがあった子供時代。やはりちょっと違う動きをするので子供心に怖かった。でも彼らが家族から見捨てられていたとは知らなかったです。差別や貧困との戦いとはいうものそれが理解できていない患者さんもいてそれはそれで幸せだったのかも。理解できてたら悲劇ですよねえ。判らないことの幸福ってあるんですよね。支えあって助けられて暮らす日々が今以上に幸福で穏やかになるよう福祉の充実を祈らずにはいられなかったです。最初の堕胎が衝撃的すぎだ。
0255文字
カベミミ
新着
ネタバレ淡々とした文章で精神科病院の長期入院の患者の日常、そして退院、それからについて。
0255文字
テンムス
新着
閉鎖病棟というタイトルではあるけれども、描かれているのは解放病棟での物語である。しかし、患者たちは周囲の人、特に家族から拒絶されて、偏見の目で見られてしまっているよう。この社会から拒絶されてしまっている状況を比喩的に閉鎖病棟と言っているのかなと感じた。また、各々の患者には病気になった過去が描かれていて、平成初期の当初からこれを証言している著者に脱帽である。
0255文字
フーマン
新着
★★★☆☆
0255文字
猫茶
新着
作者の帚木先生は本物の精神科医の先生だったということで、実際は想像を絶する大変な職場だと思うのですが、社会から隔離された風変わりな人々を、優しく、穏やかで、クスっと笑えるような視点で書かれていて、素敵な作者さんだなぁと尊敬の念を感じます。
0255文字
風祭
新着
みんな一生懸命に生きているだけなのに、少し噛み合わないだけで生き方が違ってくるんだと考えさせられる。精神病院というだけで色眼鏡で見てしまうのは、マスゴミの影響も大きいけれど、自分で判断しなければならないと感じた。
0255文字
くりん
新着
★★★★☆(4.3) 精神病院という暗い、怖いというイメージがあったが、そんな先入観を変えてくれる本だった。そもそも精神科に入院している方々は本人がというよりも、人間関係や人的環境に問題があり危険な行動を起こしている場合が多い。物語の前半はなぜ入院しなければならなかったのかが描かれている。精神病院といえども、開放病棟、半開放病棟、閉鎖病棟という階級のようなものが存在している。そして何を主張しようとも権力の前では無力だ。しかし狭いコミュニティーの中にも家族以上の友情が芽生えることもある。良作。
くりん

maxaさん✨こちらはmaxaさんとの交流のきっかけにもなった大切な本となりました。おっしゃる通り、偏見を持っているのは私達なのかもしれません。精神のバランスを崩してしまうのはいつでも起こりうることなので、他人事ではありません。よい本をご紹介頂きありがとうございました✨

12/08 20:45
くりん

陽子さん✨あまりに辛い境遇に置かれたら逃げるか壊れるかしか道はないですからね。まさに守るべき人たちです。陽子さんのようなお気持ちを持った医師が一人でも多くいてくださる事を願います。

12/08 20:56
4件のコメントを全て見る
0255文字
紫陽花
新着
ネタバレ精神病院での話。表紙の説明では病院内での殺人事件について触れられており、山あり谷ありの流れを想像していたのですが、物語はすっと穏やかに流れていきます。チュウさん、秀丸さん、昭八ちゃん、島崎さん…。精神病院に関わる色んな登場人物が織りなす人間模様。人との繋がりの大切さを改めて感じさせられる作品でした。
0255文字
みーんむ
新着
病院で暮らす精神病や障害をもつ人の温かみや人間臭さがうまく表現されていて受け入れやすい。
0255文字
maxa
新着
いわゆる精神病院の話。幻聴やもつれた頭をほぐそうと呪文を唱えかしわ手を打つ描写などからは、精神を病んだ人の思考回路が見えるようで驚いたが、帚木さんは精神科医だと知って納得。奇妙な行動を繰り返す人たちの様子も実際に治療されてきた患者さんにいたのかもしれない。でも治療を受け、ある程度症状が落ち着いても、受け入れる人がいないなどの理由により30年も入院し続けてきた人の話も出てくる。「開放病棟であっても、その実、社会からは拒絶された閉鎖病棟なのだ」の言葉が痛い。そんな病院内で起こった殺人事件に最後は落涙。
石橋陽子

私も精神科病棟の実習に1ヶ月行って、リアルに体験してきました。30年以上いる人も沢山いました。家族歴を見ると、大半が何らかの問題を抱えており、幼少期からの精神不安も影響ある人も多いです。気になっていた作品ですが、なかなか勇気がいるなーと思ってます。

11/23 19:24
maxa

陽子さん、30年というのは誇張ではないのですね…。家に帰りたくても帰れないのは本人の理由だけではないというのはなんとなく頷けました。重い話ではあると思いますが、読後感は悪くはないですよ。

11/23 23:01
16件のコメントを全て見る
0255文字
たかゆじ@石原プロは永遠だ!!!
新着
色んな事情を抱えながらも明るく生きようとする精神科の患者たち。閉鎖病棟というタイトルながらも、閉鎖された社会に生きる自分たちのことではないだろうか。
0255文字
ok
新着
何度も読み返そうと思う名作とであえた。それぞれの生い立ちや事情をかかえ、ある種のこの閉ざされた空間で芽生える感情、そして絆。人の生死や病、思うところが色々あった。著者の他の作品もぜひ読んでみたいと思った。
0255文字
ゆり
新着
閉鎖病棟での生活を患者目線で描かれている物語。日本は精神科病棟の入院日数が世界で断トツに長い。患者たちは複雑な過去を抱えながら平穏に暮らしている。社会からの偏見もあり、退院したくても退院できない背景があった。また、警察は犯罪を犯した精神科患者をとりあえず病院送りにしてしまうのも良くないと思った。 看護師を目指す者として閉鎖病棟とはどんなところかがよく分かる作品だった。
0255文字
よしこ
新着
精神科に入院して治療を受ける患者の物語です。 様々な人生があり、同じ病名でも症状はまた多種多様で、 なぜこんな症状になるの?不思議な行動は止まない? などなど…作者が精神科医なのでリアルです。 犯罪と精神疾患の関係や薬物依存者が精神を病む事の真実に、もっと目を向け、社会全体で取り組んでいく様になるといいなぁ。
0255文字
ゴン太
新着
様々な理由で入院する患者達。 家族を殺した者、てんかん患者などまさしく一般には判らない世界を描きなから、登場人物の生立ちを描き、仲間の仇討ちをする処が面白い。 折しも冤罪事件の袴田事件や中山七里の死にゆく者の祈りを思い出した。
0255文字
ゆゆゆ
新着
時代が表現が古いことが難しく感じてしまって、きちんと読み進められなかった。
0255文字
すももたろう
新着
☆☆☆★
0255文字
みつば
新着
精神科の閉鎖病院にいる人たちにまつわるストーリー。 統合失調症だったり、知的障害だったり…病気を持っている人が周りにいなければ、ふだんどんなことを考えてどんなことに楽しみを見出して生きているか、知ることなく通り過ぎてしまう。そこにいる人にだって喜びや悲しみ、こうありたいという希望があると言うことを教えてくれる。家族であっても分かり合えないこともあれば、たまたま居合わせたことから心を通わせ、生きていくよすがになる人もある。
0255文字
ちびたろん
新着
こういう本に出会うから、本を読むのはやめられないと心から思う本でした。 安っぽい私の感想を書くのもためらわれるぐらい。 読書が好きな人には、一度は読んでほしいと心から思いました。
0255文字
空猫
新着
ナイスしてくださった方々には申し訳ありません。m(_ _;)m。誤って削除してしまったので記録のために再度登録しました。
0255文字
みぃ
新着
病院はついの棲み家ではありません。渡りに疲れた鳥たちが羽を休める杜でしかないのです。どんなに辛くとも、いずれ翔び発って自分の巣に帰って欲しいのです。「自分のどういうところが病気だと思いますか。」どう答えていいかわからず、黙った。「それでいいと。大丈夫、きっとうまくやっていける」と、新川医師は笑い、ぽんと肩を叩いたのだ。精神科の患者たちがしばしば私たち以上に、純粋でまともな心の持ち主であることを知り驚愕するに違いない。むしろ、異常なのは自分たちの方であって、もしかすると彼らのほうが実は正常なのではないか。
0255文字
K
新着
(1997)前読んでよくって、買っていた。記憶がおぼろになっていたところに、早回しでDVDの映像チェックした。それで再読、なるほど、いい話だ。。無意識の差別を突き付けられます。チュウさんが綾野剛か・・・ぜひ見てみたいです。前、好きな作家四天王の一人だった帚木先生です。ほかに「エンブリオ」「臓器農場」「インターセックス」など読みまくったな・・また読んでみようかな//
0255文字
ゆーさん
新着
始め閉鎖病棟って何かも分からず、また、冒頭から色々な登場人物が現われる中、読み方も散漫になりながら頁をめくり進めるうち、最後になるに従って登場人物が動き繋がってくる。そして、最後の裁判のシーンには感動すら覚える。そしてこの本の書き出しの人物、島崎由紀が繋がる。こんなことがあるのだろうかと思いつつ、精神科医の作家の本だけに重みがあった。
0255文字
真作
新着
重苦しいタイトルと表紙、あらすじにも殺人事件とあったので、医療系のミステリーだと思って手に。病院からのお出かけで患者同士が助け合うほのぼのとしたシーンがむしろ印象に残る。精神的な病も様々、重宗のような人は健常者でもいるのでは。
0255文字
ゆどうふ
新着
解説にあった文ですが、人が人であることを証明するという言葉が心に残りました。幼い頃、何気なくあった日常の優しさや愛情を病気が彼らから奪ってしまった。加えて人間である証拠?まで奪ってしまった。 大好きな親や周囲の人間から他人みたいな態度を取られるって耐えられたものではない。なんか色々考えてしまう作品でした。
0255文字
葉月
新着
前半の患者達のバックグラウンドを読んだ後に、病院編が始まるのが構成として面白かった。病気になった経緯や様々な苦悩が患者ごとにあり、それを知ってから病院での日常を読むとなんだか胸に来るものがあった。何も知らないからこそ差別や偏見が生まれるのだなと思いました。
0255文字
ぴらた
新着
昨年亡くなった叔母が数十年間精神科にかかり入院していた。私は一度も会ったことがなく、両親からは心の病気と聞かされ、詳細は何も教えてはくれなかった。本当に苦労している親族からするとやはり気持ちの折り合いがつかない部分も理解できる。ただある属性だけで全ては判断できないし、とても複雑な問題だけれどもこの物語では小さな救いがあってホッとした。叔母にもそんな瞬間が入院生活にあったなら良いな。
0255文字
かとう
新着
精神患者の病院での日常。 島崎由紀 チュウさん フーさん 昭八ちゃん 梶木秀丸 重宗 武田婦長 クロさん 小方看護士 キモ姉さん おフヂさん オジギ婆さん
0255文字
稽子
新着
★★★+ 良い作品でした。冒頭があまり面白く感じられませんでしたが、描写が精神病院内になってから俄然読みやすくなりました。精神病院が舞台ということで映画「カッコーの巣の上で」や「クイルズ」をイメージしておりましたが、それらと違いこの作品はなんとも爽やかな読後感。というか、帚木蓬生って精神科医だったんですね。知りませんでした。
0255文字
jya_ji_jyo
新着
ネタバレ閉鎖病棟を筆者は”社会から拒絶された”と描いている。昨今、チュウさん、昭八ちゃんの様に数十年に渡って長期入院されている、所謂社会的入院を余儀なくされておられる方もいる中、彼らが退院出来た事、それを秀丸さんに法廷で伝えるシーンや、島崎さんが救われ、更に救う側になろうとしている場面に胸が熱くなった。病棟では病人や患者は十把一絡げにされているが、筆者は清濁併せ飲むも其々の人の数だけ其々の人生が物語が有るのだと丁寧に描かれている事が伝わる。
0255文字
ちろる
新着
タイトルから、閉鎖病棟で起きている荒んだ日常、みたいな話なのかなと勝手に想像してたけど全然違って、温かい人がいっぱい出てくる比較的穏やかな話だった。(けど殺人を犯した人とががサラッと出てくるので、特異な場所には変わりないんだろうけども……。)
0255文字
chun
新着
精神科病棟で長く生活する人たち。様々な過去や少し変わった行動がありながらも穏やかに暮らしている。今日の新聞で、精神障害を理由に施設の利用などを制限する条例や規定が行政機関には今も残っているという記事を読んだ。精神疾患に対する差別意識は今も残る。秀丸さんの手紙や、裁判でのチュウさんの証言に見える人への信頼、理解、思いやりの気持ちを「健康」だと思って生きている私たちはどれだけ持てるだろう。
0255文字
あらたん
新着
精神病院に入院している患者たちの物語。作者が現役の精神科医だからか精神を患う患者の姿がフラットに描かれていたと思う。途中で事件は起こるが全体的に淡々と進んでいく。精神疾患の患者はちょっと個性が強いが基本的には良い人がほとんど、なので病棟の世界も俗世間と基本的には変わらないと感じた。ただ、最初にあった3人の患者の前日譚の意味合いが最後まで掴めなかった。メインとは思うが病棟に来るまでの行間が広すぎるというか。
0255文字
cranna
新着
ネタバレ精神病院は、俗に「迷惑施設」と呼ばれ、一般の人々からは避けられる存在である。加えて、その疾患が他者に危害を加えてしまうと、その被害者にとっては永く心に残るものである。だから、終盤、チュウさんの退院に関してその親族が反対するのもやむを得ない。 でも病院は疲れた羽を休める場所、終の棲家ではない。閉鎖された中での幸福ではなく、解放された自由のなかでの生活とそこでの幸福を得る。 精神病棟ならではの「退院」の特異性が感じられ、また患者同士の深い関係に、感動した物語だった。
0255文字
ひより
新着
ネタバレ精神疾患で入院している人達のお話。 昔ほどのひどい偏見はないだろうけど... いや、そうかな?今も変わらないのでは? でも彼らは「患者」というだけの人なわけじゃない。 それぞれに人生がある。 それぞれに考えがある。 他人のために憤ることもある。 他人のために命をかけることも...ある。 何度か心臓をぐっとつかまれてしまった。 秀丸さん、チュウさん、島崎さん、昭八ちゃん、その他みんなに幸あれ。 もう一度読み返したい。
ゆーさん

確かに、もう一度読み返せば登場人物がイキイキと繋がってくるかも知れない!

08/02 09:52
ひより

ゆーさんさん、コメントありがとうございます(^^) そうそう、読み返すと、一回目よりも登場人物のことがよく分かって、深く理解できますね。 "イキイキと繋がる"って表現、いいですね。 まさにそんな感じ♪

08/02 21:28
0255文字
さなこ
新着
久しぶりに再読。精神疾患への見方ってどうしても構えてしまうところがあるかと思いますが、「患者」である前に一人の人間であることをいつ読んでも認識させてくれる小説です。誇張もなく同情的でもないとてもフラットな視線が、それぞれの人物を、「患者」だけでなく医療者も一緒に、個の人としてありのままに書いているように感じます。ラストまで優しい話でした。
0255文字
Baro
新着
登場人物一人一人が、「患者」である前にそれぞれが尊重されるべき人。閉鎖病棟での生活は、それぞれの過去をなかったものにするわけではなく、過去を受け止めつつ生きていく力を与える。その力は自分だけで生み出されたものではなく、人との繋がりの中で生まれてくるものなのだ。
0255文字
ちえ
新着
読み終えた次の日に、思い返していて急に涙ぐんでしまった。余りにも重たい過去や苦しさを持ち閉鎖病棟を生活の場とする人たち。しかしそこには笑いや人の優しさもある。一生ここで暮らすのかと思っていた人が、起こったことを乗り越え、支えながら生きていこうとする「仲間」と呼べる人達。何十年も帰れなかった場所に帰ること、自分は自分と受け止めること。一人の一歩が他の誰かの一歩に繫がる。とても良かった。笑福亭鶴瓶が惚れ込んで映画になっているとのこと。最近観た「ディア・ドクター」も良かったなぁ。こちらも観てみたい。
ジム

その人を外側からみると、危ない、怖い、私もそう思っちゃうと思う。でも側にいてみていると、その人を信じようと思える。そういう時って私自身の心も開いているんだろうな。なんだか世界が優しくなって涙が出たよ。

02/24 18:28
ちえ

〈世界が優しくなって〉本当にそうだよね。後半、どうなるのかと思ったけれど最後、ウルウルだよ。そしてこの本の中の病気ではない正常な人の残酷さが苦しかったなぁ。

02/24 19:32
0255文字
全1764件中 1-40 件を表示
閉鎖病棟 (新潮文庫)評価74感想・レビュー1764