読書メーター KADOKAWA Group

白檀の刑 (下) (中公文庫 モ 9-2)

感想・レビュー
78

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
りえぞう
新着
◎!面白かった。残酷な刑罰のオンパレードではあるが、それもまた清朝末期の乱世をよく表している。よくこんなの思いつくなあ、と感心。重厚な手応えだが、嫌いな人も多いかも。
0255文字
Gorikell
新着
ネタバレバラバラに展開されていた主要人物らのストーリーが、ち密に一つにまとめられ、あの悲劇的な大団円に至る。そこには、中国の長い歴史によって踏み固められ、儒教思想に裏打ちされた社会構造が、強力な外圧によって、抵抗むなしく、少しずつひびを入れながら、崩されていく姿が見えた。習わしに固執する彼らの姿にもどかしさを覚えるとともに、素朴な民草らが踏み潰される姿には寂しさも覚えた。しかしその散りざまは、誇り高く、そして美しいものだった。描写も明快で、イメージしやすく、エンタメ小説としても楽しめる(ちょっとグロいが)。最高。
0255文字
ぴんく
新着
時代の背景もあろうし、そもそも日本のお話でもないので、現実味のない物語ともとれよう。しかし、よく言えば史実、端的にかの国でかつて見られた民俗を垣間見る、とのスタンスで読めば、21世紀に生きる現代人にはかなり不快に映るのではないか。また、ほどよく現代にも通じるのが、役人による偉そうな統治も読者を苛つかせる大きな一員ではなかろうかね。で、誰が命を落として誰のもとにハッピーエンドが訪れたのか、わたし、上下巻しっかり読んでそのことをわからないまま読了してしまった笑笑
0255文字
アンコ椿
新着
今年のNo.1、キター!!!
0255文字
Olive
新着
歴史的にも最も残酷な白檀の刑。愛人が刑を取り仕切り、処刑人の義父と夫が実父を処刑しようとする読み始めから終わりまで、何とも言えない気味の悪さと恐怖であった。最期、実父がやっと死にたいと発した一言に救いを感じた。猫腔(マオチァン)、猫の鳴き声が入る高密県一帯の地方劇、そこから生まれた乞食祭りというのは、あとがきで本当でないと知り、作家莫言のシュールなリアリズムに騙された。やはり凄い作家だと確信した。
0255文字
そふぃあ
新着
清朝末期/中国東部の山東省高密県が舞台。県知事、暴動の首謀者、千に及ぶ人々を殺してきた処刑人など様々な人の語りからとある事件の様相が浮かび上がってくる。章が進むにつれ明らかになる語り手同士の関係や入り組んだ経緯を、途轍もない筆力でまとめ上げているのが窺える。 登場人物たちの声が聞こえてくるような生き生きとした語りは、あとがきにもあるように本作が民衆のための物語であることを感じられた。読みながら、実はずっと舞台《白檀の刑》を観ていたのだ。この《白檀の刑》によって、孫丙は歴史に残る英雄になったのだと思った。
0255文字
田中
新着
章ごとに主人公が入れ替わり彼らの視点で語られるので、心象と情況がいっそう克明になる。地方劇の猫腔(マオチャン)の歌と踊りを舞台に、リズミカルな文体で猟奇的処刑を描く。大きく歴史が転換しようとしている端境期に起きたこの出来事そのものが、ひとつの劇仕立てになっているようだ。悲喜こもごもとした口述芝居のように物語はすすむ。なぜ「孫丙」は命を賭してまで意地を張ったのか、この惨い処刑を通してもその真意はつかめない。でも、彼の最後の一言にとても心が揺さぶられた。清朝末期の壮大な群像劇であり苛烈な事件の連続だった。
0255文字
おりこ
新着
後書きまでがどこがほんとでどこが幻なのかわからない、昔話の魔法にかかったような気持である。特に下巻中盤からは滑稽味も残っているものの徐々に猫腔の哀切に満ちた音が聴こえてきてどんどん大きくなっていく。ドイツ人の土地を蹂躙するような鉄道と人民の猫腔との比が素晴らしい。何よりも読者の目も耳も虜にするような吸引力は圧倒である。恐ろしき白檀の刑の部分は二度目だからわかっているのに体が捩れ、目が離せない。そして最後の最後までどの登場人物も刑のインパクトを超える魅力があるのも、土地の力のなせる業か。
0255文字
yuka
新着
今年読んだ中で1番よかった
0255文字
Caracal
新着
語り物風の語呂の良さ、恐ろしい処刑の手際も美しく、愛情や嫉妬の哀切感、権力に愛する怒り、そしてコミカルさも加わって非常に読み応えある作品。清朝末期に実在した人物たちを登場させ、また当時の民百姓の生活がリアルに描写されているところに歴史を感じる。惨い処刑の場面がいくつかあるが、特に白檀の刑に至るまでの処刑人が手掛ける準備段階の儀式的な手順は恐ろしさを超越した美を感じる。
0255文字
taikikku
新着
いやー、この本すごいです!衝撃受けました。 猫腔という劇に折り重なる登場人物たちの大芝居。 ジャンルを超えた構成と表現に驚嘆。そして、最後の一文は最高に痺れた。
A.T

だいぶ前に読みましたが、再読したくなりました。ありがとうございます。

11/26 17:54
0255文字
Э0!P!
新着
めちゃくちゃよかった。まるで漫画かと思う展開。処刑を見世物と認識し、人生の見せ場と捉える両人と、滅びゆく清帝国を悟り、道理に殉じて運命を共にしようとする知事が、最期の最期にもつれ合う。売国によって国(または故郷)が、外国に売り渡されることの意味をも感得させる傑作。
Э0!P!

・拳銃は女 ・女の友情 ・馬桑鎮の滅亡 ・白檀、椅子 ・影武者 ・劇団登場、虐殺 ・奥殉死、銭丁の決心

09/07 20:44
0255文字
wagatsuma_songs
新着
圧倒的な声、声、声、声が止んだ瞬間に物語が終わり時代が変わる。 圧倒的。
0255文字
はりぽよ
新着
ネタバレ久しぶりに大変濃厚な読書体験をさせていただきました。莫言先生ありがとう、ニャオニャオ。鉄道襲撃事件の経緯が語られるにつれ、主要キャラ4人の情動がどんどん絡みあってきて組んず解れつです。それぞれの思いがまた人間味溢れてて泥臭くて切ない。脇キャラまでも絡まってきて白檀の刑執行と鉄道開通式までの最後に向かうわけです。はぁー、まさに大団円。最後の孫丙のセリフに、ハッとさせられ、夢から覚めた思いですよ、ニャオニャオ。 次は『百年の孤独』を読むぞー。
0255文字
Meg Mog
新着
へえ〜こういう話はマジック・リアリズムて言う手法なんか😳お父、おいらも一つ賢くなったぞニャオニャオ。上巻は今一つ世界観に入り込めなかったのが下巻だと一転、タイトルの白檀の刑に向けて今までの登場人物も新たな登場人物も一つに収束していく様に読むのが止まらなかった。とは言え残酷すぎる刑の様子が明らかになるにつれ読みたくない!でも読みたい!と煩悶。いざ執行されると想像以上に凄惨😱凌遅はなまじ写真がある分、分かりみがあったけどこっちは完全に脳内で想像😱人死にすぎだけど伏線回収からの円環が閉じる様はお見事👍
Meg Mog

小山子、やっぱそうなるわな…😅しかし凶悪犯でもさすがにこの刑は…被害者遺族ならスカッとJAPANになるのかな🤔猫腔、本当にあるんなら見てみたいなぁ。知事様が食べたモツ煮込み美味しそうだった😋も一度、読み返したい気持ちもあるけど勇気が出ない😣不純な動機で手を出したとは言え、この年でとんでもないトラウマ植えつけられた!!恐るべし莫言…

01/30 11:49
0255文字
tom
新着
体を串刺しされたまま生かされている孫丙。その周りで踊り狂う猫腔たち。そして彼らを銃殺するドイツ兵たち。歯切れのよい訳文が心地よく、臨場感を増す。獏言はすごい。この本は、やっぱりマジックリアリズムだった。南アメリカのマジックリアリズムと比べても、はるかに格上という読後感。驚いた。
tom

この本は、とても残虐です。この本を読んだきっかけは、「つまり、読書は冒険だ。 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義5」という本なのです。この本を書いた人たちは、「読みたくない本」と評してました。なにしろ、中国の残虐な死刑を縷々書いてます。私は、そこのところが気になって、図書館に注文しました(村上春樹の小説にも、残虐な皮剥ぎ拷問のことが書いてあってその関連です)。そんな関心で読み始めて、最後になって、おお、これはマジックリアリズムと思ったのです。最後のシーン、これはもうマジックリアリズムの世界。ビックリしました。

03/07 19:12
tom

ですから、マジックリアリズムの本を期待して読むと、疲れるかもしれないです(笑)。でも思うのですけど、中南米のマジックリアリズムよりも、よほど近いところにある物語ですから、気持ち的に入りやすい感じがあります。「百年の孤独」やら「族長の秋」なんてものと比べたら、よほどスルスルと読めます。

03/07 19:17
3件のコメントを全て見る
0255文字
イシザル
新着
孫丙は、リアム・ギャラガーに、脳内変換する。どちらも最後の大合唱は、最高の圧巻である。
0255文字
あかつや
新着
面白かったニャオニャオ。やっぱ独創的な処刑方法を考えさせたら中国人の右に出る者はいないな。4つ足は机以外、2つ足は家族以外何でも食べるというだけあって、生き物のことをよく知ってるんだろう。生かすも殺すも自在な感じがある。そりゃあ移植用のハラール臓器だって自在に湧いて出てくるはずだよ。上巻の感想でも触れたけど、莫言はそんな色々やってる恐ろしい中国共産党の顔色をうかがいながらも、こんなすごい小説を書いてるんだよなあ。この人が自由な環境で自由に思うままに物を書けたらどれほどのものが出てくるのかと想像してしまう。
0255文字
tenorsox
新着
清朝末期の中国。西太后にも一目置かれる熟練の死刑執行人、知的障害を持つ跡取り息子、美人でグラマラスでじゃじゃ馬なその嫁兼地方政府トップの愛人、劇団の頭目であり反政府的言動の廉で処刑が確定しているその実父という複雑な一家の行く末は…辛い時代のはずなのに、元気で感情豊かな市井の人々と旨そうな料理の数々に囲まれ最後の最後まで騒がしく、読んでて心地良い疲れを覚えるほど。 タイトルは手の掛かる&残酷な処刑法の名称で、熟練した腕前が求められるという点が物語のアクセントの一つ(主題とまではいかない)となっている。
0255文字
レフラー
新着
すごかった。すべて芝居だったのか。素晴らしい翻訳。しかし惜しむらくは僕には元の「音」がわからないこと。
0255文字
namoken
新着
大餅とか包子とか葱油とか黄酒とか、うまっそうだなーと思いつつ、それと残酷描写のグロさが渾然として、奇怪な読み心地に。この人の小説は癖になるわ。
0255文字
🦐🍴💓🥑
新着
「語る」の持つエネルギーは「しめす」が持つそれよりも断然すごい
0255文字
taku
新着
例えるなら、食傷気味になるほど濃くて高カロリーな本場料理だ。それを完食させる鉄人の調理は冴えてる。一人称、三人称を切り替え、時間を前後させるあざといくらいの語り手法は、入り乱れる心情を把握させ人物の印象を変えていく。強さ、弱さ、交わり。時代と国を越えて人は人であることを訴えかけてくる。中国的な奇想が混濁するマジックリアリズム。処刑が見世物でもあったように、猫腔が現実に重なるように、この小説自体が演劇として幕を引く。次に薄味の本は食えんな。
0255文字
加藤
新着
ネタバレめちゃくちゃ面白かったなあ…。虐げれてきた国の歴史を背景に、ここまでパワフルな「民衆の抵抗」の物語を読まされると、何だかもう敵わないなあって気持ちになりますね。複雑な因果の混線が物語にもたらす効果の出色さ、小説としての形式の魅力も筆舌尽くし難く、無敵。ラスト一幕大団円の凄絶さ、素晴らしすぎて感嘆。感情が揺れる揺れる。肝要な処刑シーンの残虐さ、生々しさ、それに伴う限りない生命の美。全ては表裏一体。誇張に隠れる真実。卑屈さ、誇り高さ。個人的に、再読時は文章のギアチェンジに焦点をあてていきたいです。最高の小説。
加藤

あとがきも必読。

05/24 19:08
0255文字
dai
新着
処刑が一つの柱として展開していく物語でした。ただ、それよりも語り手が自身の心情、状況をまるで歌っているかのように語りかけてくる形式の方に心惹かれました。 文体は当然ですが語り手によって考え方、言い方、理念というか哲学というか、生き方の指標のようなものまでしっかりと描いて見せる作者、これは凄い。さらに史実とフィクションを織り交ぜて面白い物語にしてみせるのですから、本当に凄い。作者の技巧が光るとてもよくできた、面白い小説でした。 面白い戯曲、舞台でした、といってもいいのかもしれません。
0255文字
山田K
新着
凄惨だけどユーモアもたっぷり。ラストまでの疾走感も半端ない。破滅に向かって収束してゆくノワールのカタルシスを存分に味わう。そして驚くほど潔い最後の一文に、未だ気持ちは放り出されたまま。最後、銭丁の揺らぎまくる精神に人間らしさを感じました。ところで偶然にも先日読んだピンチョンの『逆光』と時代背景がピッタリ重なっていました。しかも、こちらでも問題は鉄道。つい「白檀の刑」を見下ろしている『偶然の仲間たち』を想像しちゃったりして。『逆光』登場人物たちのアナーキーさと比べると高密県の人々の善良さが身に滲みます……。
0255文字
 norican
新着
終盤が特に良い。それまでは悲喜劇にグロさ入り混じりのエンターテイメントな流れであったが、ラストは悲しくもとても美しい。情景を思い浮かべ味わいながらゆっくり読んだ。上品で教養あふれる西洋貴族文化のお話も大好きだけど、パワー溢れる中国庶民文化のお話も同等に格調高いと思った。ただベースが音を基調とした地方劇との事だが、私の音に対する想像力の欠如ためニャオニャオの調子が自分の中に上手く入って来なかった。莫言さん曰く庶民的雰囲気を出すためのニャオニャオらしいけど私にはその響きがシュールに感じた。
0255文字
CCC
新着
侵略とか拷問とか陰惨なテーマが多いのに、印象に残るのは中国人のたくましさ。卑屈さにすら力強さを感じた。パワーが違う。
0255文字
イシザル
新着
物語は、圧巻の筆力で結末に迎えていきます。「重力の虹」もラストに向けてズゴゴォォって感じだったが、本書も、負けじとズゴゴォォしてる。筆者のあとがきに、「音」をテーマに執筆したらしく、鉄道建設の音 列強諸国の軍靴の音 祖国存亡を憂える声から、露店の口上 大衆食堂の肉を煮る音まで描ききっている。大衆が行き来するであろう広場を舞台に芝居口上で煽り、群衆は猫の鳴き声「ニャオニャオ」の合いの手をする掛け合いはアーティストとオーディエンスが一体になったライブのようだ 。
0255文字
sabosashi
新着
 のっけから残虐さてんこ盛りで読んでるほうが蒼くなる。  でもあとから考えてみればバタイユのノリなのかも。  しだいに語りの構造、というか、描かれている世界のダイナミックスが分かってくるにつれて、まあ、このまま読んでてもいいんじゃない?というノリにいたる。  以上は、きわめて印象批評系であまり意味なし(笑)。  一方に政治の支配構造があり、中国では昔からそのような仕組みを語る芸に秀でていたと思われる。
sabosashi

 そしてもう一方には民衆文化があり、それによって民衆は自分たちのアイデンティティを確認しつつ、支配にさまざまな形で抵抗していったようで、つまりそれこそが中国の歴史、というところだろうか。  もちろんそれは中国に限定されたことではなく、世界のいたるところにてありえたが、物語る芸としてもっとも意識であることにおいては、中国は群を抜いているということ。  作品が大部なこともあって、内容にも富んでいるが、波乱万丈の語りの伝統を感じさせる。

02/23 13:51
0255文字
syaori
新着
猫腔の劇を見ているようで、最後のほうはニャオニャオ合いの手を入れながら読んでいました。しばらく心のなかでニャオニャオ言っていそうです。銭知事によって悲劇の幕が下ろされたときには長い劇を見終わったように感じました。悲劇といえば悲劇なのですが、それだけに収まらないパワーがあってどんどん読み進めさせられてしまいます。銭知事がいろいろぐるぐる回っていて、頑張ってと思いながら読んでいました。あと犬の煮込みは美味しいんでしょうか、水滸伝でも食べていましたが。
0255文字
ムイシュキン
新着
ドイツに対して反乱を起こして処刑される孫丙には娘があり、その舅は当世一代の処刑人趙甲。その趙甲に孫丙は「白檀の刑」を執行される。刑を命じた県知事銭丁は娘の愛人。この4者の愛憎劇が土着の民謡劇「猫腔」のテンポに乗り語られる。最後は一番心を悩ませた銭丁によって悲劇の大団円となった。刑の生々しい描写も新鮮だったが、20世紀初頭の中国土着民の生活や犬食などの食習慣があることを知ることができた。
0255文字
まひこっ
新着
中国清朝末期の処刑人、その知恵おくれの息子、嫁、その嫁と寝ている県知事、横暴なドイツ兵に反乱を起こす男の人間模様。 中央からの絶対的な権力の前に従うしかない庶民と、それでも抑えきれない思いが、民謡の調べに乗せて語られていくのは、なんだか劇を見ているよう。 語られる数々の処刑はえぐい。
0255文字
ぷるいち
新着
時代劇とか任侠映画を見るような感覚で行くと楽しく読めます。
0255文字
nbhd
新着
内臓がいくつあっても足りないくらいに度胆を抜かれた。今後は「必死」と書いて「モオイエン」、あるいは「莫言」と書いて「ひっし」と読みたい。世にも残虐な公開処刑の大舞台、そこにはもはや敵も味方もなく、処刑する側も処刑される側も、居合わせる面々はみな血管ぶちきれんばかりに必死だ。あまりにも魅力的な5人の語り手が輝く五芒星となって物語宇宙が回転していた。読みながらプンプンと付きまとうのは動物のイメージ。ここには獰猛かつ凶暴なタイガー&ドラゴンだけじゃなく、ウサギも出てくる(⇒小甲)。必死なウサギって見たことある?
nbhd

▼ジョジョを意識せざるをえない…「正義も悪も前向きに参加」というのがジョジョのテーマ「人間賛歌」なのだけれど、「白檀の刑」もそうだ。処刑される側の肩を持つけど、処刑する側にも感情移入できちゃう。…というか、そこには正義も悪もなくって、中国の圧倒的な大地と圧倒的な人間に持ってかれるばかりだ。

01/06 19:43
nbhd

▼アジア人感覚…日本人だから中国の大地が持つ想像力を共有しきれるわけではないのだけど、ガルシア・マルケスはじめラテンの想像力よりかははるかに親近感がわく。アジア世界の一員になった妙な気分だ。

01/06 20:22
3件のコメントを全て見る
0255文字
かふ
新着
フーコーが公開処刑は王の身体ということを言ったが、ここでは西太后が語られるが、その権力の手足となって北京随一の処刑人である趙甲が嫁の眉娘に切られるところから始まる清朝の崩壊の話である。その一つにドイツ人が施設する鉄道が重要なモチーフとなるのはそれが清朝の処刑の物語だからか。もうひとりの主人公処刑される猫腔(京劇版「キャッツ」か?)の師匠である孫丙がその最期に演じるのが「白檀の刑」という演目でもあるわけだった。そこに処刑人の趙甲と猫腔の孫丙は「白檀の刑」の共演関係であり、その狂宴こそが清朝の幕引きに相応しい
かふ

マジック・リアリズム小説となっている。その先駆けとなるフォークナーも鉄道の敷設による分断される南部の物語を書いていた。眉娘の自由奔放さの現れは纏足されない女という近代自我ということになるのかもしれない。そこに枠に囚われない自由恋愛があるわけだから。

12/11 06:39
0255文字
felix_kiyu
新着
清朝末期。土着の猫腔に乗せて登場人物が物語る。日本人的には蒼穹の昴シリーズの方が面白い??
0255文字
touch.0324
新着
地方劇猫腔の旋律にのせて物語は怒涛の大円団へ向かう。精緻な描写、虚実入り交じり抑揚のあるストーリー、グロとコメディの絶妙なバランス、そして三国志の英雄のような登場人物たち…と、この作品の魅力は語り尽くせない。下巻も文句なしに面白い。熱烈推薦。
0255文字
ぱんなこった
新着
予備知識なく読書、節回しの独特さは更に加速、ともすれば狂気的な人間関係が個性的に映る。個人的には、上巻より狂言回しのような雰囲気が好みだったので下巻後半は読み応えがあった。
0255文字
むちれお
新着
こういうタイプの小説は初めて読んだな。半分史実に基づいた歴史小説のようだけど。それにしても処刑のシーンがあまりにも克明で気持ち悪かったなぁ。中国には本当にこんなに残酷な処刑方法があったのだろうかね。
0255文字
全78件中 1-40 件を表示
白檀の刑 (下) (中公文庫 モ 9-2)評価100感想・レビュー78