▼現金はお金よりもコストがかかる。もちろん紙幣の印刷や硬貨の鋳造が必要だが、それはコストのほんの一部にすぎない。現金は輸送され、分配されなければならない。ATMは中身を補充し、メンテナンスする必要がある。商店は現金を監視し、数え、集めて銀行に持っていかなければならない。そして銀行は再集計し、仕分けて、再分配する必要がある。こんな具合に、さまざまなコストがかかるのだ。 ▼現金にはもう一つ重要な性質がある。それは、あらゆる人に分け隔てなく決済へのアクセスを提供するということだ。
▼ネットワークは一度確立されると、とてつもなく強力で、追い払うのが難しいものになりうる。ネットワーク効果に関する科学的な研究は、「最良の規格がつねに勝つとは限らない」といった、自明でも直感的でもないような洞察をいくつかもたらしてきた。そして実際、ネットワーク効果は「勝者総取り」の状況を可能にしている。 ▼私たち消費者は何かにつけて、支払うために支払っているのだ。なんと、決済収入のうち1兆ドル相当(全体の50~70%程度)を消費者が負担している。 ▼コルレスバンキングは航空路線の乗り継ぎに似ている。
▼二者間でどのように支払うかを規制するものは何もない。 ▼お金の移動にはリスクがともない流動性が必要になる。テクノロジーがどれだけ錬金術のごとき力を発揮しても、この二つの要素を魔法で消すことはできない。流動性とリスクはこれからも決済の、とりわけ大口決済のあり方を左右するものであり続けるだろう。
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▼現金はお金よりもコストがかかる。もちろん紙幣の印刷や硬貨の鋳造が必要だが、それはコストのほんの一部にすぎない。現金は輸送され、分配されなければならない。ATMは中身を補充し、メンテナンスする必要がある。商店は現金を監視し、数え、集めて銀行に持っていかなければならない。そして銀行は再集計し、仕分けて、再分配する必要がある。こんな具合に、さまざまなコストがかかるのだ。 ▼現金にはもう一つ重要な性質がある。それは、あらゆる人に分け隔てなく決済へのアクセスを提供するということだ。
▼ネットワークは一度確立されると、とてつもなく強力で、追い払うのが難しいものになりうる。ネットワーク効果に関する科学的な研究は、「最良の規格がつねに勝つとは限らない」といった、自明でも直感的でもないような洞察をいくつかもたらしてきた。そして実際、ネットワーク効果は「勝者総取り」の状況を可能にしている。 ▼私たち消費者は何かにつけて、支払うために支払っているのだ。なんと、決済収入のうち1兆ドル相当(全体の50~70%程度)を消費者が負担している。 ▼コルレスバンキングは航空路線の乗り継ぎに似ている。
▼二者間でどのように支払うかを規制するものは何もない。 ▼お金の移動にはリスクがともない流動性が必要になる。テクノロジーがどれだけ錬金術のごとき力を発揮しても、この二つの要素を魔法で消すことはできない。流動性とリスクはこれからも決済の、とりわけ大口決済のあり方を左右するものであり続けるだろう。