読書メーター KADOKAWA Group

松本直哉
さんの感想・レビュー

松本直哉
新着
戦争と平和の中でピエールが、部外者なのに戦場の真只中に飛び込むのと同様に、ここでは主人公が、罪人でもないのに徒刑囚に同道してシベリアまで行く。そこで見聞した監獄の非人道性、劣悪な環境での囚人たちの衰弱、無罪なのに拘留される理不尽から、人が人を裁くことへの根源的な懐疑、さらには裁判制度と土地私有を維持する国家と教会への激烈な批判、体制に反抗する革命家への共感は、差し迫るロシア革命を予言しているとさえ言える。しかし結局は傍観者に過ぎず、久しぶりにありついた美食に人心地がつくあたりは、自らの限界を正直に明かす。
0255文字
全0件中 1-0 件を表示

松本直哉
さんの最近の感想・レビュー

第七の十字架 (1972年) (モダン・クラシックス)

第七の十字架 (1972年) (モダン・クラシックス)

収容所から7人の政治犯が脱走する。ある者は恐れから自首、ある者は途中で死に、あ…続きを読む
スペイン音楽のたのしみ: 気質、風土、歴史が織り成す多彩な世界への“誘い" (オルフェ・ライブラリー)

スペイン音楽のたのしみ: 気質、風土、歴史が織り成す多彩な世界への“誘い" (オルフェ・ライブラリー)

濱田 滋郎
ユーラシアの東端の日本がそうであるように西端のスペインもまた、伝播してくる諸文…続きを読む
風呂と愛国: 「清潔な国民」はいかに生まれたか (NHK出版新書 729)

風呂と愛国: 「清潔な国民」はいかに生まれたか (NHK出版新書 729)

川端 美季
明治30年代、欧米との比較の中で生れた「日本人は風呂好き」の説が、身体的清潔と…続きを読む
啼く鳥の (講談社文芸文庫 おB 1)

啼く鳥の (講談社文芸文庫 おB 1)

大庭 みな子
小説家の妻の稼ぎをあてにして仕事を辞めてしまう男や、海外で一仕事終えたあと修道…続きを読む
「愛」と「性」の文化史 (角川選書 431)

「愛」と「性」の文化史 (角川選書 431)

佐伯 順子
浮世絵における男女差の希薄さ、歌舞伎の女形など女性的な男性への好み、男色への寛…続きを読む
伽倻子のために (新潮文庫 り 1-1)

伽倻子のために (新潮文庫 り 1-1)

李 恢成
ありきたりの青春悲恋物語のように見えても、味わいを複雑にしているのは、第一に伽…続きを読む

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/02/17(4385日経過)
記録初日
2011/08/10(4942日経過)
読んだ本
1160冊(1日平均0.23冊)
読んだページ
379416ページ(1日平均76ページ)
感想・レビュー
1137件(投稿率98.0%)
本棚
24棚
職業
自営業
現住所
大阪府
URL/ブログ
https://www.instagram.com/francois708/
自己紹介

兼業主夫です

アイコンは エドワード・バーン=ジョーンズ Edward Burne-Jones です

見た映画の感想をこちらに書いています

https://filmarks.com/users/francois708

よろしくお願いします




読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう