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haruka
さんの感想・レビュー

haruka
新着
ネタバレ息子のいる母には泣けるお話だった。いつのまにか、亡くなった母目線で、衰退の2040年代の底を歩く朔也を見ていた。内省的で天然すぎる朔也。お金も恋の経験もない、誠実に女性を守っても報われない彼が、近未来の弱者男性としてリアルだった。 朔也は、生前に自由死を望んだ母の本心を探るのだが、たった一つの正解を求めるように誰かやじぶんの"本心"を探しても、そんなものは存在しない、とわたしは思う。本心とは何色もの絵の具が混ざったようなものだから。母は本気で「もうじゅうぶん」と思ったのだろうし、同時に社会からの死の圧も、
haruka

→受けていただろう。社会に影響されない"自分"なんていないし、社会に完全に殺される心なんてない。 その複雑怪奇さ、あいまいさをそのまま受け入れることが人生には必要なのだろう。 そう思うと同時に、自分は死ぬ前にたくさんの言葉を息子に残してあげたいと思った。

03/06 13:04
  • mikioart
  • かおる
  • まいこ
  • ピンガペンギン
  • おわか
karutaroton

平野さんの分人の考え方と、本心とは何かって話と、繋がるところがあるのかも、と、harukaさんのレビューを読みながら思いました

03/09 20:09
  • haruka
haruka

karutarotonさん、私自身が自分の本心がよく分からない時があって、この話の母も、色々な気持ちの総合で決意したのかなぁと思いました。分人思想も感じられる物語でしたよね。

03/09 23:51
  • karutaroton
0255文字
全3件中 1-3 件を表示

haruka
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読書データ

プロフィール

登録日
2013/06/13(4296日経過)
記録初日
2003/02/13(8069日経過)
読んだ本
590冊(1日平均0.07冊)
読んだページ
176864ページ(1日平均21ページ)
感想・レビュー
487件(投稿率82.5%)
本棚
2棚
性別
現住所
京都府
自己紹介

仕事と子育ての合間に毎日本を読んでいます。

一般向けサイエンス本が好きで、
宇宙や生物、自然科学全般よみます。

そのほかは海外小説、SF、エッセイやビジネス書など

ナイスやコメントくださる方、ありがとうございます。
感想は、さいごまで読んでからナイス押してます。
文章が上手な方ばかりで勉強になります。

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