"ヒトの子育てがうまくいくためには、そのための物理的、社会的サポートと資源が十分でなければならず、母親はその状況を敏感に査定している。妊娠・出産があれば自動的に「母性本能」が働くなどというものではなく、状況が悪いと感じた場合の母親は、いわば冷静に、子を捨てる決心をするのである"

社会的なサポートが得られない場合、じゅうぶんな愛情のスイッチは入らない。金銭的あるいは社会的、そして夫の協力すらも得られないとき、虐待は簡単に起こる。それを察知している女性は、産むことを選ばないor中絶することもある。誰もが安心して子どもを産む社会であるためには、共同繁殖型のネットワークの構築が必須である。

とは言っても、子供の熱で休んだ女性が同僚から責められたり、自分が産んだくせにと言われることもある社会…。共同繁殖なのだからみんなで協力しようと言ったところで、なんで他人の子供のために自分が犠牲にならなきゃいけないの？と思う人は多いだろう。私は個人主義が好きだけれど、これが個人主義の結果（一面）なんだな、と思った。