読書メーター KADOKAWA Group

2024年2月の読書メーターまとめ

かわかみ
読んだ本
14
読んだページ
5097ページ
感想・レビュー
14
ナイス
179ナイス

2024年2月に読んだ本
14

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

かわかみ
如何にも辻村深月らしい作品。優しくて弱い者たちの傷つきやすい心に寄り添っている。小学生の少女が愛するものを失って心を閉ざしたが、少年は自分の持つ力で犯人を制裁しようと決意する。罪と罰、そして復讐について秋先生との対話で思索が深められるが、ついに少年は犯人に対峙する。少年の力の使い方は秋先生にも思いもよらないものだった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年2月にナイスが最も多かったつぶやき

かわかみ

2024年1月の読書メーター 読んだ本の数:16冊 読んだページ数:3268ページ ナイス数:121ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1038892/summary/monthly/2024/1

が「ナイス!」と言っています。

2024年2月の感想・レビュー一覧
14

かわかみ
辻村深月氏の作品だけれど、理帆子の生きづらさが何なのかよくわからないし、ナルシストのバカボン若尾というクズに惹かれてしまう心理もわからなかった。初めは若尾がキラキラして見えたのだろうが、しだいに自分が安心して見下せる男になり、若尾の方から別れたいと言われたことにホッとしながらズルズルと会っている。理帆子を助ける別所の正体は辻村氏らしいファンタジーなオチで予め察しがついた。ただ、サスペンスと思って読んだ人は肩透かしを食ったかも。松永郁也とふみが登場して「ぼくのメジャースプーン」とリンクする。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
暗殺されたカエサルの政治的な遺志を継ぎ、オクタビアヌスことアウグストゥスがローマを改造していく。塩野氏の史観によれば、ローマ帝国が高度成長から安定成長に移行した時期であり、すでに世界国家になっていたがゆえに、共和政と言いながら実質的に元老院による寡頭制では立ち行かなくなっていた。そのために護民官特権と最高司令官の権限を手に入れて、元老院を騙しながら事実上の独裁者すなわち初代皇帝として世界国家に相応しい改革を効率的に進めたということになる。この厳正な実務家にアグリッパとマエケナスが終生仕えたのは奇観だ。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
2人の幼い姉妹が両親を喪うプロローグが遠景に退くと、カルト教団めいた民間療法の団体の周りで奇妙な事が起こる。団体の会員の2つの家族から、それぞれ病死者と自殺者が出たのだ。死因に事件性はないが、亡くなった2人には奇妙な痣があった。犬養刑事は事実を明らかにすべく追求していくが、団体が芸能人や政治家を巻き込んで世間の注目を集めていく中で突然、主宰者が殺害される。その真相は実に意外なものだった。かなり強引なプロットだがストーリーは面白かった。K弁護士の現実の政治に結びつけた解説は余計だった。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
変人?ブック・アドバイザーが主人公のシリーズ第2巻。1巻の方は、ヘッセの「車輪の下」が短編をつなぐ軸のような主題になっていたが、今回は書店のアルバイト時岡くんの学生生活が軸になっていると言えるのかな。けっこう取り留めもない話が多いけれど作者のビブリオ知識は相当なもので、本作に出てきた梶山季之の「せどり男爵数奇譚」を図書館に予約した。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
クラッスス戦死で崩壊した第一次三頭政治の後、ルビコンを渡ったカエサルによる、ポンペイウスとの決戦を経てのローマの改造への着手。そして、元老院派のブルータスらによる実りなきカエサル暗殺を経て、オクタビアヌスが、クレオパトラに抱き込まれたアントニウスを破るまで怒涛のように突き進む。クレオパトラに仮託して塩野氏が女性の視線によるカエサルとアントニウスの人物評を下している内容が興味深い。女は自分の思うようにならない優れた男を選ぶか、一段落ちるが思うようになる男を選ぶかの選択を迫られることがあるなど。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
特別ではない日常が、ちょっとした気づきや、些細な出来事によって、少しだけ色彩が変わる。さざ波のように心に波紋が広がる。だからといって、それが幸せだとも辛いとも言えるほどのことではない。明日も今日のように日常が続いていくはずだけれど、ちょっと一休みしたい。生きるって、こういうことなのかも知れない。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
ネタバレやれやれ…。意外なドンデン返しに呆気にとられてしまった。作品世界に入り込めた人は胸が熱くなったと思うが、自分はそこまでではなかったので、少々強引じゃないのか?と思ったくらいである。でも、主人公いつかの義兄たちがヒロインあすなの祖父と内緒の話をするなど伏線はあった(にしても、こういう結末になるとは思わなかったが)。それは置いといて、本作が「ぼくのメジャースプーン」とリンクしていることは「ぼくの…」の解説を読んで知っていたので、たぶん彼と彼女がそうなのだろう、とは思っていたが、彼までも登場していたとは💡
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
冒頭の男子高校生・依田いつかが近未来からタイムスリップか何かしたというファンタジーは、この著者が得意とする設定。いつかは、数カ月後に自殺を企てる同級生がいることを知っているのだが、それが誰なのかがわからない。そこで、同級生の女の子・坂崎あすなたちと一緒に、それが誰なのかを突き止めて自殺を防止しようと頑張りだす。いろいろな個性の高校生たちが登場し、いつかが水泳の指導をすることになって青春小説らしくなって来たところで上巻が終わる。イジメ、家庭環境、都鄙の差など、いくつかのモチーフが出てきたが先が読めない。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
カエサル・ポンペイウス・クラッススの密約による三頭政治が前60年に成った。カエサル(名門貴族で民衆派)はポンペイウス(元老院派スッラの支持者)とクラッスス(騎士階級)の支持を得て執政官になり、グラックス兄弟が企て失敗した農地法を成立させ大土地所有による格差拡大に一定の歯止めをかけることに成功した。その後、カエサルはガリアの征討に向かったが、その戦争を描く著者の筆力は見事である。ローマの外に駐留する、大功を成し遂げたカエサルを元老院はポンペイウスを担いで無力化するべく策を弄する。そして賽は投げられた。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
如何にも辻村深月らしい作品。優しくて弱い者たちの傷つきやすい心に寄り添っている。小学生の少女が愛するものを失って心を閉ざしたが、少年は自分の持つ力で犯人を制裁しようと決意する。罪と罰、そして復讐について秋先生との対話で思索が深められるが、ついに少年は犯人に対峙する。少年の力の使い方は秋先生にも思いもよらないものだった。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
かなりのイヤミスだけれど一回読んだだけではわからない💦
かわかみ
2024/02/08 09:12

猟奇的な描写もイヤなんだけれど、ストーリーが十分に明かされておらず、作者の仮想世界を外から、あれこれ推測するような構造になっているところが苦手。アナグラムはサインかも知れないが、それを手がかりにして想像しても矛盾が生じてモヤモヤする。作品について、いろいろな受け止め方や理解ができるのとは違う。もちろん、そこが面白いという読者もおられるから否定はしない。「謎のために人間がいる」と評した方がいらっしゃったが自分の感想も、それに近い。

が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
ロマンチック・サスペンスの秀作ではないだろうか。教師を辞めた木崎は友人の勧めでハワイのホテル・ピーベリーに30日間の逗留を始めた。日本人オーナーの妻・和美が仕切っているホテルには日本人の男3人と訳ありの美人・七生が宿泊している。しかし、客の一人・蒲生が<このホテルの客はみんな嘘をついている>と言い残してプールで溺死し、その2日後には木崎に<今に面白いものが見られる>と言った青柳がバイクで事故死した。もう一人の客・佐奇森は偽名を使っていた。ホテルで起こった事件の真相は意外なものだった。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
エラリー・クイーンもどきのタイトルだがブラックユーモアのミステリーである。ただし、無人となった村を都会からのIターン希望者を呼び込んで再生させようとする試みの虚しさへの哀感が通奏低音となっている。生真面目な主人公と対照的な上司(課長)と部下(新人の女性)の不思議さが読み進めていくと気になってくる。バカバカしくて面白かったのは、鯉の養殖業を始めた移住者が育てる稚魚がなぜか消えて無くなってしまった不思議に遭遇した「浅い池」。
中原れい
2024/02/03 16:42

ええ、ばかばかしく笑えるようで、それで終われる話はあの池についてだけでしたね。おそろしい…

が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
ポエニ戦役後のローマは市民の格差拡大による分裂の危機を孕む。グラックス兄弟の改革は既得権益層に阻まれ頓挫。しかし、マリウスによる軍政改革=徴兵から志願兵への転換が、プロレタリア化した市民に職を与え、軍の内部での平等を実現したことはローマが共和政から帝政に移行する重要な準備だっただろう。また、同盟市戦争の結果、市民権が賦与される範囲が拡大したことはローマが都市国家から脱皮する契機になった。この後、独裁者にして守旧派だったスッラによる反動を経て、後に三頭政治の一角を占めるポンペイウスが台頭する。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/08/18(1781日経過)
記録初日
2007/05/13(6261日経過)
読んだ本
813冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
203369ページ(1日平均32ページ)
感想・レビュー
813件(投稿率100.0%)
本棚
23棚
性別
現住所
東京都
URL/ブログ
https://note.com/mshr3033
自己紹介

会社勤めをリタイアして、東京の多摩地域で悠々自適の日々を送っています。 趣味として、クラシックギターを下手の横好きで習っています。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう